若い頃にLUXMANのCL-35MKⅡ+MB88の組合せでJBL L-100を鳴らしていた時が有った。その前はサンスイAU-9500(プリメイン)だった。交換直後の「音の厚み」にビックリした事が有る。しかし、CL-35MKⅡの常時ノイズには苦しめられた。すぐ様ケンソニックのC-200にして、「SN比が良い」とはこう云う音かと感心したのを覚えている。MB88は文句なしに良かった。立ち上がりの鈍さはAU-9500と比べれば感じたが、それを上回る音の厚みとピラミッドバランス、押し出しが強く、L-100を軽々と「絶叫」させていた。
その後、一時オーディオを中断していたが、クラシックにはタンノイだろうと思ってアーデンを購入した。その時のアンプはLAXMANのSQ38FDⅡ。やはりのSN比の悪さに悩まされた。当時はマランツ#7+#8b・#9やマッキントッシュC-22+MC275はマニアの懸垂の名器だった頃である。
その後、JBL#4343を入手した事も有り、マッキンのトランジスター型のC-29+MC-2500で満足していた時期が有る。今考えれば雑誌に振り回されていた感が有る。
管球アンプと聞くと「WE300B」を使ったパワーアンプが有名だ。私もいつかはWEの球のアンプを・・・と考えていたので、300Bを使ったアンプを3セットも試して見たが、「球」に良いモノがなくなっていた。国産や中国産の球では「バルブノイズ」(球自体が発生するノイズ・・・作りが悪い証拠)が気になりとても使えない。かと言ってWEの300Bは手に入らないし、有っても法外なお値段だし・・・。
管球アンプの「ゴッドハンド」の吉村さんから「WE101Dの球の音は良いよ」と聞いて、早速WE101Dを使ったプリアンプを入手して聴いて見た。素晴らしい音色のするプリだった。しかし、そのプリは作りが悪く、安心して使える代物ではなかったので手放してしまった。今思えば「しまった!!!!」事をしたモノだと思う。当時は使いこなす技術力も発想もなかった。今なら、それをデッドコピーしてキチンと作り直して使える様にするモノを・・・。
管球パワーアンプを20セットも購入して(一度にではなく随時買い足して)、アンプ内に手を入れ始めて少しづつ「音質」や「SN比」、「伝送」、「作り」についてスキルを身に付け始めた。そして最初の完成品(Trail仕様)がEL34ppモノラルアンプだった。SN比はレビンソンのNo29を軽く超えていた。音の厚みや透明感、艶やかさが有り、唯一低域の下の方が伸びていなかったが、D130を使ったシステムには絶品だった。これに味をしめて「いつかはWEの球を使ったアンプを持ちたい」と思う様になった。
その後WE101Dppパワーアンプを手に入れ、現在2セットSuperTrail仕様にして所有している。自宅システム用と割り切っている。出力1.4W/ch程しかないが、SPの能率が100dbを越えているので音量には不満が無い。音質的にもとても満足している。
しかし、もうこれ以上管球アンプを作る事もないだろうと思う。欲しいモノを手に入れたのでこれ以上は要らないのだ。