現在はメーカー既製品の「スピーカーシステム」ばかりになっています。昔(40年程以前)も高級品SPシステムはメーカー既成品に有りましたが、ユニット単体での販売も並行されていましたので、エンクロージャー、ユニットを自分で集めて、自分で組み上げて(アセンブル)作っていました。
大きなサイズのエンクロージャーや38cmクラスのウーハー・2インチスロートクラスのドライバー辺りになると、一人では持つのも大変で、人手を確保できる方でないと作れない部分も有りました。多分この辺の作業が「一人では出来ない」事や「奇麗に仕上げる」事がメーカー既成品への流れを作ったと思います。
もうひとつ、「ダウンサイジング」。音楽を聴く事が大衆化して、より幅の広い層の方達が楽しむ様になった事。半導体アンプの普及も後押ししてくれたと思います。「軽薄短小化」して扱い易くなった事も普及に繋がっていると思います。
さて本題の「SP選び」のポイントですが、私は「単体ユニット」の時代を知っていますので、使って有るユニットの作りやサウンドと価格を比べてから、妥当性の有る価格やデザインのSPを購入します。現在システム価格として500万円を越える様なSPでも、私から云わせれば「安モノツィーター」を使っているメーカーが多くなっています。ツィーター単体の価格を値踏みすると、多分数千円から数万円クラスのユニットではないかと思えるモノが多い様に思います。
エンクロージャーやウーハー・ミッドレンジ・ツィーターの合計価格はどれくらいだろうか?と考えてしまいます。最近はこの値踏みの価格と販売価格の差がでかすぎて、最近のSPに触手が動かないのです。
アンプでも同じ事が言えます。電子部品メーカーに25年もいましたので、Tr1個の単価辺りも頭の中に入っています。数百万クラスのアンプでも、大事な部分に販売価格「20~30円」のモノが多数使って有ります。電気屋さん(回路設計者)は疑問に思わないのだろうか?
「伝送ロス」や「音変換ロス」の極小化を実践して来ましたが、上述の様な疑問と現実を奇妙に思っています。