オーディオとの格闘をされている方のほとんどは「SPシステム」とされていると思います。特にマルチウェイの3ウェイや4ウェイのSPが多いと思います。
「疲れた!」と言って「シンプルなフルレンジ系」にすると、1年も経たないうちに「触るところがない」と言ってまたマルチウェイのSPに戻っていかれます。
人間の欲望とは「相反する行動」に出る事が多いようです。
ステレオシステムではSPが決まらないと本来のシステムが組めないと私は思っていますが、「アンプ作り」から入られた方は「アンプ中心」になるようです。人それぞれにオーディオの楽しみ方が有るのは理解できます。
SPシステムも昨今の新製品を眺めていても「心ときめく」商品が少ないのでどうしてもビンテージ品に目が行きます。JBL「オリンパス」の面白さをお知らせしましょう。
「オリンパス」はS6,S'7、S8、S7R、S8Rとユニットにより仕様が異なります。
S6は130A+175DLHの組み合わせ、
S7はLE15A+LE85の組み合わせ
S8はLE15A+#375+#075の組み合わせ
S7RはLE15A+パッシブコーン+LE85の組み合わせ(Wウーハーでは有りません)
S8はLE15A+パッシブコーン+#375+#075の組み合わせ(Wウーハーでは有りません)
と言うラインナップになっています。
私のオリンパスは元々「S6システム」の箱です。中古で購入した時にすでに前オーナーさんにより、LE15A+ガウスHF-4000の2ウェイになっていました。
そのSPをLE15A+#375+#2405のシンプルな3ウェイのマルチアンプシステムにして鳴らし始めました。この当初は、「5分と聴いていられない」サウンドでした。耳を突き刺すサウンドが375+HL88の組み合わせから出ていました。まさに「咆哮」と呼べる物で音楽を聴く道具とは思えないサウンドでした。
それからが私の苦難の道が始まりました。(楽しみの道だったと思います)ユニットの数をすこしづつ増やして行き、ユニット単体にかかる「圧力」を抜いていくと「音数が増えてうるささが減少」していくのです。特に高域の指向性の強いユニットからまろやかさが出るようになるのです。
次に、SPケーブルの「伝送ロス」を減らす(音数を増やす)方向にケーブルを選定していくと「静けさ」と「音数」が両立していくのです。こうなってくると本来の目的である「音楽」が聴けるようになってくるのです。
オーナーが愛情を持ってシステムを組み上げ、完成度を上げていく様はまさに「オーディオ的アプローチ」です。この楽しみもかえがたいと思います。そして「音楽」もより深く楽しめるようになるのです。
オリンパスの様に「SP上面」が大きいSPでは、中高域用のSPユニットを沢山並べられます。ユニットを色々試せて、オーディオ的にも試せて、おまけに「音楽」も楽しめるよいSPだと思います。