eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

アップルは少数派ビジネスモデル

2010-12-08 14:26:26 | 読書/新聞/映画など

アップルのビジネスは、いつも少数派モデルです。

アップルのPCは、OSとハードが独自のものであるところに特徴がありました。これは、OSはマイクロソフト、チップはインテル、ハードは各社、アプリケーションも各社という横横断型のパソコンのビジネスモデルとは異なっています。アップルのOSは、ある時期までマイクロソフトのものよりも格段にすぐれていました。しかし、ハードといっしょでないと購入できない。これでは、大きなシェアはけっしてとることができません。このOSが優位にあった時に、アップルがOSだけを切り離して販売すれば、マイクロソフト以上のポジションをとれた可能性が高い。しかし、アップルはそれをしなかった。その結果、MACとそのOSは、小さなシェアにとどまっています。

もともと、大型汎用機は、ひととおり各社でそろえる縦型のビジネスモデルでした。IBMは、チップも、OSも、ハードも、アプリにいたるまで自前のものを供給していました。一方、パソコンは、横断型ビジネスとして登場し、多数の企業が参入しながら爆発的に伸びていきました。パソコン時代にさきがけて、一瞬早く飛び出したアップルは、独自のOSと独自のハードという過渡期の中途半端なビジネスモデルでスタートし、それにこだわった。PCハードメーカーからいえば、アップルのように独自OSを開発しなくてもマイクロソフトからOSを買えばよいので、参入がしやすくなります。アプリケーション開発のソフト会社からいえば、MSのOSがうごくパソコンのほうがシェアが圧倒的に高く、効率的な商品開発ができます。つまり、アップルは、一直線にマイナーな路線を走り続けてきました。

では、iPoneやiPadは、どうでしょうか。

アップルは、ビジネスモデルをかえていません。いまも、マイナー路線一直線です。iPnoeもiPadも、Macと同じです。先行優位を享受していますが、いずれ、かなりの少数派になるのはまちがいないでしょう。

つぎつぎに新しい市場に参入し、独自のビジネスモデルで先行優位を享受するアップルの戦略とビジネスモデルは、スティーブ・ジョブスという天才の存在を抜きにはありえないものでしょう。時代に逆らうビジネスモデルを見事に活用しています。