Do you remember rock'n' roll radio?

Macとか音楽とかサッカーとか気にくわないニュースとか、独りよがりの邪推と妄想

憲法学者に集団的自衛権行使を違憲と断じられた自民党の悪あがき

2015-06-08 22:52:46 | 国際・政治
ドイツでG7サミット・先進国首脳会議が行われていますが。

そのサミットの席で我らがアベちゃんが中国が主導するAIIB(アジアインフラ投資銀行)
への警鐘を表明したそうで。

G7にはイギリスなどAIIB参加国もあるっちゃあるんですが、
AIIBに興味の無い日本は関係ないんだから言う必要もないだろうと思うのですが、
日本としてはどうにも中国や韓国らには毒づかずにはいられないらしいです。

アジアの盟主(笑)として、そうした対立軸を作った発言でもしとかないと、
日本のプレゼンスが全くなくなっちゃうからですかね。

いやもう、サミットでアジア代表としては中国でいいんじゃないの?
なんてことになりかねませんからね。

まあ、イデオロギーとしては中国よりは米欧寄りの日本の方が、
サミットの出席国としては適当なんでしょうけども。


ところで先日の国会では、安保法制に関連し参考人として出席した3人の憲法学者、
それも自民党とその他大勢からの推薦で出席した学者も含めて3人がそそって
集団的自衛権の行使容認違憲だと発言して話題になってますね。
自民党その他が推薦した学者までが、ってのがミソです。

このことで自民党は蜂の巣をつついたような騒ぎになってるんじゃないですかね。
官房長官の菅センセーは、

 「合憲という憲法学者もたくさんいる」

と強がり。
それを言ったら違憲という学者のほうが遙かに多そうですけどね。


自民党副総裁の高村センセーは、

 「国民の安全は憲法学者が作るのではない」

と強がり。
確かに学者の意見が絶対ではないですけどね。
違憲だってのを覆せる根拠がなにかあるんですかっての。


自民党幹事長の谷垣センセーは新宿での街頭演説中、聴衆に「帰れ」と罵倒され、

 「『帰れ』と叫ぶだけで平和は来ない」

と強がり。
叫ぶだけで平和は来ないかもしれないけど、それがまず一歩だと考えてるのです。


で、当初、自民が国会に呼ぶ予定だったセンセーもこの通りのご意見で。


 憲法改正:「いつまでぐだぐだ言い続けるのか」 佐藤幸治・京大名誉教授が強く批判

 日本国憲法に関するシンポジウム「立憲主義の危機」が6日、
 東京都文京区の東京大学で開かれ、佐藤幸治・京大名誉教授の基調講演や
 憲法学者らによるパネルディスカッションが行われた。
 出席した3人の憲法学者全員が審議中の安全保障関連法案を「憲法違反」
 と断じた4日の衆院憲法審査会への出席を、自民党などは当初、
 佐藤氏に要請したが、断られており、その発言が注目されていた。

 基調講演で佐藤氏は、憲法の個別的な修正は否定しないとしつつ、
 「(憲法の)本体、根幹を安易に揺るがすことはしないという賢慮が大切。
 土台がどうなるかわからないところでは、政治も司法も立派な建物を
 建てられるはずはない」と強調。
 さらにイギリスやドイツ、米国でも憲法の根幹が変わったことはないとした上で
 「いつまで日本はそんなことをぐだぐだ言い続けるんですか」と強い調子で、
 日本国憲法の根幹にある立憲主義を脅かすような改憲の動きを批判した。

 戦後作られた日本国憲法はGHQ(連合国軍総司令部)の押し付けとも言われる。
 しかし、佐藤氏は「日本の政府・国民がなぜ、軍国主義にかくも簡単に
 からめとられたかを考えれば、自分たちの手で、日本国憲法に近いものを
 作っていたはずだ」と述べた。

 佐藤氏は、神権的観念と立憲主義の両要素を含んでいた明治憲法下の日本が、
 憲法学者、美濃部達吉の「天皇機関説」の否定を契機に「奈落への疾走を加速させ」、
 太平洋戦争に突入していった歴史を説明。
 終戦の日の1945年8月15日は、明治憲法下の日本が、大正デモクラシーのような
 一定の成果を上げながら、どうしてひたすら戦争に突き進んでいったかについて、
 根本的な反省を加え、日本のかたちの抜本的な再構築に取り組むスタートとなるべき
 日だったと指摘した。また、アジアの人々に筆舌に尽くしがたい苦しみを与えたことも
 踏まえ「悔恨と鎮魂」を伴う作業が必要だったと話した。

 第二次世界大戦後、各国では、大戦の悲劇を踏まえ、軍国主義を防げなかった
 憲法の意義をとらえ直す動きが起こったという。佐藤氏はその結果、
 (1)憲法制定権力として国民が、統治権力による権力の乱用を防ぐ仕組みを作る
 (2)基本的人権の保障を徹底する
 (3)「戦争は立憲主義の最大の敵」という考えから、
 平和国家への志向を憲法に明記する--などの原則が強調されることになり、
 日本国憲法にはその特質がよく表れているとした。

 パネルディスカッションでは、違憲とは言えないかもしれないが、
 憲法の精神には反していることを示す「非立憲」という言葉が話題になった。
 これまで、特に政治家の行動を戒めるために使われてきた言葉という。
 樋口陽一・東大名誉教授は、憲法改正の要件を定める憲法96条を改正し、
 国会発議のハードルを下げる「96条改正論」や、政府・与党による
 安保法制の提案の仕方そのものが「非立憲の典型」と批判した。


ってなことでね。

佐藤教授の国会招致がかなわなかったのは、スケジュールなどの調整でなく、
教授の主張と自民党の意向が合わなかったことが原因なのではないでしょうか。
ところが代打の長谷部教授が「違憲」と言っちゃったものですから。


慌てて自民党の各センセーがそれを否定する発言を繰り返しているってのはつまり、
政権が好きな「有識者」会合なんて実は、政権が決める政策で方向性は決まっていて、
議論したというアリバイ作りのためだけにやってるってのが、これでバレバレですね。

政権は議論を重ねて結論を出すなんて、まどろっこしいことはしないのです。

谷垣センセーは「帰れ」と罵倒された街頭演説で、
もっと議論しましょうなんて言ったようですが、なんのことはない、
最も議論する気のないのは政府与党なんですよ。


そして何より、そんな与党の横暴な態度をもっと追求し批判すべきなんですけど、
メディアも国民も迫力ないですよねえ。

菅センセーや高村センセーや谷垣センセーの悪あがきといい、
アベちゃんの「早く質問しろよ」「大袈裟なんだよ」という国会での暴言といい、
本来なら放っておけない筈ですよ。

民主党政権時の原発事故時の福島を訪れた際の「死の町のようだ」発言や、
復興大臣の上から発言には激しくバッシングして大臣を辞任に追い込んだってのに、
アレはアレで自分的には厳しすぎだと思うのですけど、それと比較するまでもなく、
大マスコミもメディアも今の政権に甘すぎるんじゃ、あーりませんか。


とにかく国会に招致された憲法学者3人ともが、安保法制・集団的自衛権行使容認を
違憲と発言したってのは相当に重要なニュースの筈ですが、どうなんでしょう、
おそらく大多数の日本国民はこのニュースについてでも、
「へえぇ」くらいの感想しか持っていないんじゃないでしょうか。

そういう無関心がアベちゃん政権を尊大に傲慢に増長させているってのに、
それがまさに戦争する国家への道を歩む、ってことは戦争の悲劇をまたしても
味わうことになるかもしれないのに、国民が呑気なのにはまったく困ったものです。


ここで、アベちゃん政権が倣っているかもしれないナチスの宣伝相、
ゲッベルスの言葉でも思い出しておきましょうかね。


 「大衆とは弱く、怠惰で臆病な人間達の集団である」
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする