ちょい不良ゴーシュの豪酒録

何年やってもビギナーチェリストの日記

伏木高校模擬実験

2009年03月11日 14時40分56秒 | Weblog
3月6日(金)に実験科学棟で伏木高校の理系クラスの1年生24名が模擬実験を行いました.
今回のテーマは中和滴定指示薬のひとつであるメチルオレンジの合成です.酸性側は赤色,アルカリ側では橙色を呈することから,滴定しようとする溶液に数滴加えて中和滴定に利用するほか,染料や印刷の色素としても活用されています.


       


まず,電子天秤をつかって原料のスルファニル酸を秤量し,これを炭酸ナトリウム水溶液に溶かします.
このナトリウム塩は水に溶け難いので,ブンゼンバーナーで加熱します.


      

スルファニル酸ナトリウムの水溶液に塩酸酸性下で亜硝酸ナトリウムを加えると,原料のアミノ基がジアゾ化されてジアゾニウム塩の沈殿が生成します.
このジアゾニウム塩の沈殿は安定で数時間分解しません.


      

この沈殿の懸濁液にN,N-ジメチルアニリンと酢酸を加えます.
数分で酸安定型の赤色色素が析出します.

      

赤色溶液に水酸化ナトリウムを加えてアルカリ性にすると橙色のナトリウム塩に変化します.
これをバーナーで加熱すると大部分の色素は溶解し,放冷すると結晶が析出します.
色素の結晶を吸引ろ取し,これを乾燥して模擬実験はおしまいです.


      

薬学部2年生レベルの化学実験でしたが,高校生はとても楽しそうに手を動かしていました.
この企画は高校生にとっては,普段できない実験を体験するメリットがあり,大学側には近い将来受験生になる高校生に直接大学をアピールできるというメリットがあります.
いずれにせよ,模擬実験を体験した高校生が化学に興味を持ち,将来化学やそれに関連する分野で活躍することを願っています.



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