ちょい不良ゴーシュの豪酒録

何年やってもビギナーチェリストの日記

チェリビダッケのシェエラザード

2011年01月19日 19時10分45秒 | Weblog
2月27日(日)に小松シティーフィルハーモニックの定期演奏会が行なわれる.
プログラムのメインは,リムスキー・コルサコフの「シェエラザード」.

この曲のDVDを探してみたら,チェリビダッケとシュトゥットガルト放送響の演奏が収録されているものがあった.
さっそく取り寄せて見てみた.

DVDの最初に,R・シュトラウスの「ティル・オイゲンシュピールの愉快ないたずら」のリハーサルの様子が入っていた.
チェリさんのリハーサルは,細かくてしつこいことで有名.
そういう話を聞いたことはあるが,実際にビデオでその様子を見るのは初めて.

確かにチェリさんは,ティルのリハーサル中,ずーっとしゃべりっ放し.
ボーイングに関して,しつこいくらい修正.
同じフレーズでも,1回目と2回目はどのように違うのか,などなど.
チェリさんのねちっこい要求に対して,シュトゥットガルト放送響のメンバーも練習中にザワザワする.
プロ・オケの我慢の限界の一歩手前くらいまで締め上げているような雰囲気.

チェリさんの「シェエラザード」は,スローテンポでゆったり.
壮大な物語を,とうとうと語っているような感じ.
千夜一夜物語はこうやるべき,というチェリさんの思想が,演奏に反映されている.
この曲のリハはDVDには入っていない.
おそらく,相当みっちりオケと打ち合わせていると思う.

ちなみに,この曲の第1楽章は「海とシンドバットの船」.
チェロパートは,アルペジオで大海原の波を表現.
先週の土曜日に,こまフィルのシェラの練習に出て,やっとパート譜にボーイングを写した.
こまフィルのボーイングでは,アルペジオをダウンボウで弾き始めて上行し,アップボウで下行する.

それに対して,チェリビダッケさんのボーイングは逆.
アップボウでミ,シ,ソと弾き上がり,ダウンボウで和音を下る弾き方.
この弾き方では,アルペジオが上行すると弓の元を使えるので,上行でクレッシェンドをかけやすい.
アルペジオの下りでは弓の先になるので,dimしやすい.
ボーイングで波のうねりを表すには,チェリさんの弾き方の方が合理的.
音楽的な表現に対する考え方が,弾き方に反映されている.

録音嫌いのチェリさんの貴重な映像.
演奏の映像をDVDで見ると,何かと参考になりマス.







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