ちょい不良ゴーシュの豪酒録

何年やってもビギナーチェリストの日記

大野ストリングス愛好会第12回発表会@平成大野屋・平蔵

2014年11月16日 23時06分52秒 | 演奏会
今年も大野ストリングス愛好会の発表会にエキストラで参加.
大野市は越前の小京都として知られ,古風な街並みが魅力的な城下町.
その街のシンボルである大野城は,最近,天空の城として注目を集めている.
その城のふもとにある平蔵で,今年の発表会が行われました.



1曲目はMozartの弦楽四重奏曲第一番 K.80
長岡京のオーケストラでは,メンバーが四人つづに分かれてこの曲を弾き,アンサンブル力の向上に務めているらしい.
いわば,アンサンブルのエチュード.
その曲を長岡京でビオラを弾いている先生が持ってきたのです.

ちなみに,この曲はMozartが14歳の時に父親に連れられてイタリア旅行した際に,ローディーという町の宿屋で作曲し,完成はその3年後.
Mozartはこの作品の出来栄えに自信をもっていたこと,また,初めて作った弦楽四重奏曲ということで愛着を持ち,後年になっても大切にしていたそうです.
Mozartのお気に入りの曲を演奏でき,Mozartのファンとしてはとても光栄な機会でした.

2曲目もMozartの作品.
ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491より第一楽章
ベートーベンはこの曲におおいに感化され,この第24番協奏曲にそっくりのピアノ協奏曲第3番を書いている.
この曲はベートーベンのみならず,多くの人間の心を捕える力を持っている.

午前中にこの曲のリハーサルをやっていた.
その時に,平蔵を観光していた外国人観光客が偶然やってきて,しばらくこの曲を聴いていた.
とても熱心に,じーっと聴いていた.
リハーサルではあったけれど,Mozartの音楽に心を奪われていたと思う.
この曲はそういう曲だ.
聴いている人の魂を奪う力を持っている.
日本の地方の古風で小さな街でMozartを演奏していたなんて,彼らにとっては驚きだったに違いない.

ソリストは地元のピアノの先生で,かなり凝ったカデンッアを持ってきた.
ベートーベン並みに粘性の高いカデンッア.
飛び込むタイミングに苦労しました.
珍しいけれど,堂々としたゴシック建築のように風格と美しさを備えたカデンツアでした.

3曲目はバッハのピアノ協奏曲第三番 BWV1054より第一楽章
もともとはバイオリンの曲を編曲したもの.
誰もがどこかで耳にしたことがある有名な曲.
バッハがアマチュア楽団のために提供した曲と言われており,曲想も親しみやすい.
とても気持ちよく弾くことができました.

4曲目はヘンデルの合奏協奏曲第5番 Op.6-5
この日のプログラムで一番苦手な曲.
特に第3楽章は速いテンポと高い音域.
指はもつれるし,音をとりにくい.
練習不足を痛感しました.

休憩をはさんで,最後はハイドンの交響曲第87番 Hob.I-87
第一楽章はいきなりアップテンポ.
チェロは結構バタバタと動き回って忙しい.
でも,ノリがよい上に堂々とした風格が感じられる.
中間部のちょっと泣かせる転調を経て,クライマックスに向かう構成はさすがハイドン.

この曲で難しかったのは第2楽章.
リハーサルでは,2ndバイオリンの6連符と管楽器がなかなか合わない.
何度も繰り返して練習.
本番ではどうなることかとハラハラ.
奇跡的にバシッと合いました.

最終楽章の勢いもよかった.
テンポは遅めだったけれど,演奏者の気迫とエネルギーが全開.
やりきった感にあふれる演奏だったと思います.
(↑自画自賛.)

アンコールは「花は咲く」と「いつでも夢を」.
バッハやハイドンだけが音楽じゃない.
演奏に合わせて,客席のみなさまも歌を口ずさんでいただき,会場が一体になったアンコール.
ちょい不良ゴーシュはこういう場面に弱く,なぜかホロリと胸を打たれました.
感動的なアンコールでした.






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