ちょい不良ゴーシュの豪酒録

何年やってもビギナーチェリストの日記

ひこね第9オーケストラ第18回サマーコンサート@ひこね市文化プラザグランドホール

2017年06月26日 21時59分59秒 | 演奏会
6月25日(日)に行われたひこね第9オーケストラの第18回サマーコンサートへ行ってきました.
会場のひこね市文化プラザは,中世ヨーロッパのお城のような独特なデザインのホール.
なんとなくホーエンザルツブルク城に似ているかも?



この日のプログラムは,

グリンカ 皇帝に捧げた命 序曲
チャイコフスキー バイオリン協奏曲
ドボルザーク 交響曲第7番


指揮は高谷光信,ソリストは西川茉利奈



グリンカの「皇帝に捧げた命」序曲は初めて聴く曲.
ミハイル・イヴァノヴィチ・グリンカ(1804~1857)は国外で広い名声を勝ち得た最初のロシア人(ウクライナ系)作曲家.
のちの「ロシア五人組」やチャイコフスキーの先駆的存在であり,「近代ロシア音楽の父」と呼ばれる.

物語は17世紀初頭のロシアが舞台.
ロマノフ王朝成立初期の動乱で混乱しているロシアに侵攻したポーランド軍からロマノフ王朝の祖となった皇帝ミハイル・ロマノフを守る愛国者の一人である農夫のイワン・スサーニンが,国家のために自らの命を犠牲にするという伝説的なエピソードを描いている.

悲劇的で重々しい雰囲気が曲全体を覆っている.
同じグリンカが作曲した「ルスランとリュドミラ」の明るい雰囲気とは対照的.
最初の部分のオーボエとチェロのやわらかで室内楽的な響きがなんともきれいで,物悲しい.
そして,ポーランド軍に打ち勝ったロシア軍の勝利の音楽が圧巻でした.



チャイコフスキーのバイオリン協奏曲は,とにかくソリスト・西川茉利奈さんの技巧と気迫,情熱が圧倒的でした.
チャイコンを弾くソリストには,曲にのめりこむ熱い心と,難解なパッセージを正確に奏でる冷静な頭が必要.
オケをあおる指揮者も・・・.

とにかく,並みの気合いじゃ絶対弾けないようなコンチェルト.
目の前のステージでチャイコンを実演されると,目や耳だけではなく,体の五感すべてが協奏曲にくぎ付け.
録音ではありえない聴き方で生チャイコンに聴き入りました.
いや~,ソリストだけではなく,オケも本当に素晴らしかったデス

ソリストの気合いと名人芸に,会場の拍手が鳴りやみませんでした.



ドボルザークの交響曲第7番は,久しぶりに聴きました.
ドボルザークが,ブラームスの交響曲第3番の初演を聴いて,新たな交響曲の作曲に意欲を抱いていたエピソードは知らなかった.
かなりチェコの色彩が強い曲ですが,とてもパワフルでメリハリのきいた音で,会場の聴衆を引き付ける熱演.
指揮者の高谷さんの気合いも,後ろ姿から十分に伝わりました.
1stVnの後ろのプルトから,オケ全体をあおるようにガンガン音を出していたのは格好良かった.



チャイコフスキーのコンチェルトを間近で体験できたインパクト.
これは,とても貴重.
ソリストさんとひこね第9オケさんに感謝です.




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