The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1993 セルタン・ド・メイ ポムロール

2012-10-11 16:37:47 | ワイン
さて、もうだいぶ前のことになってしまって、その味わいと香りの記憶も、
既に消えかかっている、と言いたいところですが、
実はこの1993年物の『セルタン・ド・メイ』は記憶にとどめるほど、
迫力あるポテンシャルと際立った香気を放っておりました。

ポムロールのスタートが、あの熟成の高原部をひた走る、81年物の『シャトー・ベレール』で、
そのすぐ後の登場でしたので、余計そのタンニンの堅固さと、
凝縮した雄々しい味わいが、目立ったわけですが、
では堅牢過ぎて、手に負えない代物か?と聞かれれば、そうではありません。

漏れ聞く話では、かのRPは評価に値せずの意味なのか、
『?』の記号一文字で、このワインの項を説明しているようですが、
ワタクシとしては、いかにもココの造り手らしい味わいだよな、と思ったしだい・・・

ヴィユー・シャトー・セルタンとペトリュスの間に挟まる、いわゆる『セルタンの丘』の好位置に、
メルロ70%、カベルネ・フラン25%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%のセパージュで、
1ヶ月に渡る長いマセラシオンを行い、40%はオークの新樽で熟成を施すとのこと・・・



濃密なヴァイオレットにガーネットの輝きを見せ、
グラスに注がれた後のトップには、たっぷりのミネラルと黒胡椒のアクセントを感じます。
加えてナッツを空焼きした香りに、ブラックオリーヴのニュアンスなどを見つけて程なく、
濃密なブラックチェリーのカラントのノーズが立ち上がり、
本格的なポムロールの味わいも佳境に入っていくことになるんですね・・・

果実はその通り凝縮しており、僅かにざらつきも感じますが、
エキスが豊富で肉厚感も楽しめるので、飲み続けるのも良し・・・

肉なぞ焙って、ガツツクのも良し、てな調子!

もし、イイ環境であと5年の熟成期間を待つことが出来るのなら、
おそらくや、さらに美味しく飲めることでしょう・・・

90年代半ば以降は、このシャトーをヴィンテージワインとして抑えておくのも、イイと思います。

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