裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

整頓中・2

2019年07月24日 16時51分17秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
ヒマワリの種の分布は、フィボナッチ数列の一例だ。
画像がないんで説明が難しいけど、試みてみる。
ヒマワリの種は、右回りと左回りに配置されてる。
あるヒマワリの個体の、例の敷き詰められたタネの並びをがまん強く数えてみると、右回りが55本、左回りが34本だ。
フィボナッチ数列は、
1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、377、610・・・
なんで、ちゃんとどんぴしゃにおさまってる。
左回り、右回り、同数になりそうなものなのに、これも不思議な話だ。
さらに、隣り合う種同士の角度を見ると、きちんと137.5度の角度(右回りと左回りの二線の交差)で並んでる。
これが137度でも、138度でも、うまくおさまらない。
この137.5度って角度は、円周360度を黄金分割(1:1.618・・・)した角度で、黄金角という。
要するにヒマワリは、黄金比を知ってて、あの顔面上(花びらをへりにつけた、例の広い円盤面だ)のある一点に一個目を配置したのち、二個目を137.5度の位置に配置する。
さらに三個目は、二個目から137.5度回転した位置。
こうしてぐるぐると137.5度ずつ回した位置に種を配していくと、おなじみの不思議な模様に敷き詰められるってわけなんだった。
黄金角とフィボナッチ数列・・・不思議だね。

さて、フィボナッチ数列が黄金比に収束していく、ってのは、前コラムで説明した。
1、2、3、5、8、13、21・・・の数列上で隣り合う数の比は、数が大きくなるにしたがって、黄金比・1:1.618・・・に近づいていく、ってやつだよ。
これがまた面白くて、
2/1=2(黄金比・1.618・・・よりも大きい)
3/2=1.5(小さくなった)
5/3=1.666(また大きくなった)
8/5=1.6(またまた小さくなった)
13/8=1.625(大きい)
21/13=1.615(小さい)
・・・
こうして数を大きくしていくと、中央に引かれた黄金比の線を「大」「小」「大」「小」・・・と交互にまたぎながら、徐々に誤差を詰めて、黄金比の1.6180339・・・に限りなく近づいてくわけ。
さらに進めてみると、
34/21=1.6190476・・・(0.0010137だけ大)
55/34=1.6176470・・・(0.0003869だけ小)
89/55=1.6181818・・・(0.0001479だけ大)
144/89=1.6179775・・・(0.0000564だけ小)
233/144=1.6180555・・・(0.0000216だけ大)
377/233=1.6180257・・・(0.0000082だけ小)
610/377=1.6180371・・・(0.0000032だけ大)
・・・
ね、どんどん近似値になっていく。
面白いね。

つづく

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園

整頓中・1

2019年07月24日 16時48分47秒 | サイエンス・ガクジュツ的な
フィボナッチ数列の話をするけど、今日はかいつまんだ概要だけね。
いずれはくわしく語らせてもらいたい。
なんたって、面白いんだから!
この数列は、次の算数の計算問題から生まれた。
問「ひとつがい(夫婦)のウサギがいます。つがいはひと月で成熟し、ふた月めにもうひとつがいのウサギを生みます。さて、ウサギのつがいは、ひと月ごとにどのような数で増えていくでしょう?」
答「1・1・2・3・5・8・13・21・34・55・・・」
で、これがフィボナッチ数列というわけ。
さて、この世の中には、「黄金比」と呼ばれる比率が存在する。
長方形の紙があって、短い辺を45度の角度で折りたたんだとき、はみ出た長方形が、折りたたむ前と同じ形(相似)になるタイプのものがあるよね。(名刺なんかはこの比率)
これが黄金比といって、1:1.618・・・の比率になってる。
人間にいちばん心地いい比率、とされてるよ。
上のものは、人工的に黄金比をつくった例だけど、この比率は、自然界にこそ存在する。
正五角形の五つの頂点を対角でつなぐと、お星さまが描けるよね。
五芒星とか、ペンタグラムとか呼ばれるやつだ。
あれは、いろんな部分の比率が正確な黄金比になってるんだ。
例えば、頂点を結んだ五角形の一辺と、対角に引いた星の一辺は、正確に黄金比だよ。
人間は、この美しい比率を利用して、人工的かつナチュラルな美を構築しようといろいろに試みた。
パルテノン宮殿やピラミッドなんかにはタテヨコの比率にこの数値が使われてるし、ミロのビーナスやダ・ヴィンチの絵画にもこの比率が応用されてるようだ(ただしこれらは、この比率を用いたから美しいのか、美しくつくったらこの比率になったのかは、定かじゃない)。
さて、フィボナッチ数列に戻る。
この数列には、黄金比との不思議な関連が隠されてる。
フィボナッチ数列の進み方は、かしこいひとならもう気づいてると思うけど、隣り合う数字を足すと、すぐ右の数字になる。
もう一度数列を書き出すと、1・1・2・3・5・8・13・21・34・55・・・だ。
1+1=2だし、1+2=3だし、2+3=5だし、3+5=8だし、5+8=13だし・・・そうした増え方をしていくわけ。
この隣り合う数字の比率が、なんと黄金比に収束していく、というんだよ、びっくりじゃない。
つまり、1:2よりも2:3のほうが黄金比に近くて、それよりも3:5のほうが、さらに5:8のほうが、さらにさらに8:13のほうが、さらには13:21のほうが・・・より1:1.618・・・に近いんだ。
こうして数字を大きくしていくと、限りなく黄金比に近づくというわけ。
不思議だよね。
愉快なのはこれだけじゃなく、自然界の森羅万象が、実はフィボナッチ数列でできてる、という説もあるよ。
花びらの枚数は、ほとんどが数列中の数字のいずれかだ。
木の枝は、フィボナッチ数列に従って枝分かれしていく。
巻貝の渦は、ピタリ数列の比でらせんを描く。
紙をくるくる巻いて、パラリとほどくと、そのほどけ方の比はフィボナッチ数列だ。
ヒマワリの種の配列も、数列に従ってる。
カリフラワー、サボテン、パイナップル、松ぼっくり・・・どの植物の構造も、みんなフィボナッチ数列。
水面の波紋も台風も銀河系の形も、みんなみんなそう。
たのしいね。
あなたも身近で探してみない?フィボナッチ数列。

つづく

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