行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

奇跡が起きるとき

2014年05月06日 | 親鸞・歎異抄・浄土真宗
かつて、広島に藤秀翠(ふじしゅうすい)という浄土真宗のお坊さんがいました。藤秀翠師は念仏によって利益を得るということは親鸞聖人の最も嫌うところだと、念仏はただひたすら唱えるものだと考えていました。そんな純粋な念仏者の藤秀翠に奇跡が起きたのでした。藤秀翠師は昭和20年8月6日に門徒の家に朝から出かけることになりました。普段は門徒衆の家に出向くのは午後からで、その日はたまたま朝から出かけることになったのです。そして門徒の家に着くと急にお腹が痛くなって母屋の外にあるトイレを借りることにしました。そしてトイレに入っているときに閃光と大きな音がしました。トイレの外に出てみると門徒の家の母屋は崩れ、トイレだけが残っていて藤秀翠師は無事だったというのです。門徒の家族はみな家の下敷きになって亡くなっており、寺に帰ってみると原子爆弾によって寺は跡形もありませんでした。



 松原泰道先生が北海道から青函連絡船で帰るとき先輩から、乗船予定の船より早く帰れと勧められて早く帰ったところ、乗船予定の洞爺丸の大惨事が起こりました。



 信仰によって奇跡が起きるということは仏教では嫌いますが、純粋な信仰心が大きなるものを呼び込んで動かすということはあるのかもしれません。

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