行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

大和魂

2012年07月31日 | 禅の心
和という字は

1.和やか(なごやか)
2.和える(あえる)・・・異質のものを一緒にする。
  「和え物」と言います。
3.和・・・足し算の答え。2つのものを合わせたもの。

などと読みます。そして、「和」とは日本の国の事でもあります。
聖徳太子は、物部氏(神道派)と蘇我氏(仏教派)の我が国の最初で最後の宗教戦争で蘇我氏を支持し、蘇我氏の勝利を導きました。
そして、聖徳太子は、このような宗教上の争いを二度としてはならぬと、「和の心」をお解きになったのです。
そして、聖徳太子の時代(飛鳥時代)、奈良時代、平安時代から明治維新まで、日本の神道と仏教は神仏習合というアイディアによって、仲良く共生してきたのです。
さて、このように異質のものを一緒にする「和える」という「和の心」は平和の「和」であり、「和気藹々(わきあいあい)」の「和」です。
つまり、争わずみんな仲良くしようというのが、「和の心」なのです。
もともと日本を表す「ヤマト」という言葉には「倭」をあてていたのですが、「大和」と書いて「ヤマト」と読むようになりました。つまり、
「平和を愛してみんなが仲良くする国=大和」が日本なのです。
聖徳太子の憲法17条にある「和を持って尊しとなす」という言葉をもう一度かみしめてみたいものだと思います。
大和魂とは。人に優しく、思いやりをもって行動する。喧嘩はしない。それには自分に対する厳しさが必要だという精神なのです。

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愛語

2012年07月27日 | 禅の心
言葉は生きていて、魂が込められています。言葉は人を癒やし、人を傷つけます。場合によっては凶器にさえなります。
最近、汚い言葉、破壊的な言葉が多くなってきたような気がします。
汚い言葉や、破壊的な言葉を使っていると、結局は自分に跳ね返ってきます。
極楽は、言葉を必要としない。
人間界は、言葉が必要である。
地獄は、言葉が通じない

 と言います。地獄は、言葉が通じないというよりも、汚い言葉や破壊的な言葉であふれかえっている世界であると言ってもいいのかもしれません。
人間には言葉が必要です。人を傷つける言葉を発するよりも、人を癒やす言葉を多く発した方が、よりよい人間生活を送っていくことができるのは、言うまでもありません。

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不飲酒戒

2012年07月24日 | 禅の心
酒は修行の妨げになるので、お寺では飲み過ぎないように戒めています。
ところで、酔うのはお酒ばかりではありません。音楽に酔いしれ、美術品に酔いしれ、スポーツ選手に酔い、権力者に酔い、地位や名誉に酔い、宗教家に酔い、お金に酔う。また時には自分自身に酔う。このような酔いもお酒の酔いと同じく、夢、幻を見て、正しい思考を狂わせてしまうものです。
達磨大師の達磨一心戒に
自性霊妙、本来清浄の法に於いて、無明を生ぜざるを名づけて不飲酒(ふおんじゅ)戒となす。
がありますが、自分の頭で考えずに、権威あるものに、盲目的に従ってしまうことを不飲酒戒を犯すのだと言うのです。政治家や、宗教団体の教祖のカリスマ性に酔ってしまうのも、泥酔状態なのです。
自分の頭で正しく考える習慣は大切だと思います。

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”いじめ”をなくすために

2012年07月20日 | 親鸞・歎異抄・浄土真宗
結論から言えば、世間の人々が、いじめや差別が他人事だと思っているうちは、決していじめや差別がなくなることはありません。
 仏教というのは、「自分の中の悪を見つめなさい。自分の中の悪に気がつきなさい。」という教えなのだと思います。親鸞聖人や法然上人の「悪人正機」も、善人ぶって、自分の悪に気がつかない人よりも、自分の中の悪を自覚している人のほうが救われるという説なのです。
 およそ人間というものは、
 他人からしてもらった良いことは忘れ、他人から受けた悪いことはいつまでも覚えている。
 他人にした嫌なことはすぐに忘れ、他人から受けた嫌なことはいつまでも覚えているもの。
被害者の意識は強いが、加害者となっていることにはなかなか気がつかないもの。


なのです。「自分は、いじめや差別をしていない」と信じ切っている人が一番危ないのです。
いじめの加害者を攻撃すること自体が、自分の中の悪なのです。攻撃は第二のいじめであり、人権侵害になることもあります。攻撃することからは何も生まれません。自分の事として、いじめや差別をとらえることが重要なのです。



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日日是好日

2012年07月17日 | 道元・正法眼蔵・曹洞宗
人生、良いときもあれば悪いときもあります。良いときは良いときの生き方、悪いときは悪いときの生き方をしようというのが、日日是好日です。
人間の苦しみは、調子の悪い時に、調子の良いときのことを考えることに始まります。晴れの日には晴れの日の生き方、雨の日には雨の日の生き方があるのです。
良寛さんの言葉に

災難に逢う時節には、災難に逢うがよく候。
死ぬ時節には、死ぬがよく候。
是ハこれ災難をのがるる妙法にて候

があります。災難に遭うときには、災難に遭ったときの生き方をするのが良いというのです。とは言っても、われわれ凡夫には、そのような心境になかなかなれません。とりあえず、どんな時にも、今日この日を精一杯生きることが大切です



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