行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

南無地獄大菩薩

2012年01月31日 | 禅の心
○白隠さんの「南無地獄大菩薩」は有名じゃね。

○人間にはいろいろな苦しみがある。

○その苦しみは地獄じゃね。

○しかしその地獄の苦しみを菩薩様と仰ぐようになれたら、その地獄を乗り越えることができるものじゃということじゃ。

○社会で生きていくにあたり、さまざまなピンチが待ち受けている。

○そのピンチをチャンスじゃあ思えると、ピンチを乗り越えることができるんじゃ。

○ベートーベンは、作曲家としては致命的である、難聴に陥ってしもうた。

○しかし、ベートーベンは逃げんかった。

○豪雪地帯の冬はつらい。

○しかし、外に出ることのできん分、家の中で本を読んだり絵を描いたりして、知識や技を磨くんじゃ。

○病気で入院しとるんはつらい。

○ゆっくり休養しよう。ベッドの中で読書をしよう。

○地獄から逃げようとするから余計苦しくなるんじゃ。

酒井雄哉師が『絆』を語る

2012年01月27日 | 禅の心
「絆」っていう言葉があるでしょ。親子の絆とか、夫婦の絆っていうよね。この絆が今は、あまり大事にされなくなってきちゃってる。
 「絆」っていうのは、もともとは牛や馬をつないでおく綱のことだったんだ。馬の鼻に輪がついていて、そこに紐が結びつけてあるでしょ。あの紐のことを「絆」って言っていたらしい。その紐を人間が引っ張ってリードしていた。
 大事なのはその紐を持ってリードする人間なんだ。今は、絆を持ってリードする人が少なくなっちゃった。いい道へ導いてあげる人がいて、その人に導いてもらう。それがもともとは「絆」なんだよ。
 だけども今は「絆」っていうと単なる「つながり」のことだと思っている人が多いよね。
本来の人間の「絆」というのは、自分をいい方向に導いてくれる人がいて、導いてもらう。それで、その人に感謝するから「絆」が生まれていく。
 親にいい方向に導いてもらって、子どもはそれに感謝して、「親子の絆」が生まれる。お兄さんやお姉さんにいい方向に導いてもらって、「兄弟姉妹の絆」が生まれる。お師匠さんに導いてもらって「師匠と弟子の絆」が生まれる。夫婦の場合は、夫婦で導き合って「夫婦の絆」が生まれるんだからね。
昔は、隣のおじさん、おばさんも、悪いことをすると叱ってくれたんだ。僕なんか、豆腐屋のばあさんに、竹箒を持って追いかけられたよ。(笑)こら、悪戯するんじゃないよって、導いてくれたのかなあ。(笑)
今は、竹箒を持って子どもを追いかけたりしたら、「暴力だ!」って言われて訴えられちゃうからね。みんなお上品になっちゃった。(笑)
そんなふうで、子どもたちがご近所の人たちから導いてもらってないから、「ご近所の絆」もなくなってギスギスするんじゃないのかな
(『賢バカになっちゃいけないよ』(PHP研究所)より)

酒井雄哉師

1926年(大正15年)大阪市に生まれる
1966年(昭和42年)比叡山に入る
1973年(昭和48年)から1987年(昭和52年)まで、史上3人目となる2度の千日回峰行満行を達成する。

烏鷺滝が「情報」を語る

2012年01月24日 | 禅の心
烏鷺滝が情報を語る

○最近、「日本人が劣化した」とか、「愚民化」しとるとか言うけど、本当はそんなことはないんじゃ。

○わしは、自分は立派じゃと思うておらんので、そんなに人を見下したようなことは言えんの。

○自分の頭でものを考えなくなったというのはあるかな。

○テレビや週刊誌、新聞などの一方的な情報ばかり入れとると、頭が錆びついてくるわな。

○情報を鵜呑みにするんじゃのうて、疑ってみることは大事なんじゃよ。

○変な宗教に欺されるのも、大声張り上げとる政治家に欺されるのも、ちょっと自分の頭で考えてみるちゅうことが足りんからなんじゃ。

○自分の頭で考える事は大事じゃよ。

烏鷺滝が『空』を語る

2012年01月20日 | 禅の心
○釈尊も法然上人も、貧しい人々だけでなく、金持ちや権力者にも説法をし、尊敬を受けていた。

○わしは、権力者や金持ちが悪いと言っているのではない。金持ちも貧しい人も、人間としては同じじゃと言うとるんじゃ。

○金持ちがえろうて、貧しい人が卑屈になる必要はないんじゃ。

○心さえ豊かなら、お金なんぞいらんちゅう人もおるが、生活に不安があれば、豊かな心で生活できんぞ。

○物にとらわれても、心にとらわれてもだめなんじゃ。物質的なもの、精神的なもののバランスがとれていて、安定した生活ができるんじゃ。

○かたよらない心、こだわらない心、とらわれない心、これが般若心経の「空」の心なんじゃ。

○これからの世の中、どうなるんか誰にもわからん。未来のことはわからんのんじゃ。

○断定的な物言いは信用できん。

○ただ、断定的に言えることが1つある。「生まれたら必ずいつかは死ぬ」ちゅうこっちゃ。