行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

烏鷺滝が釈尊を語る

2011年12月30日 | 禅の心
○釈尊は、何不自由のない生活をしながら、むなしさを感じて出家された。

○いくら金持ちでも、死んでしまえば全ては終わると。

○名誉があっても、地位が高くても病気になれば、ただ死の恐怖におびえるだけだと。

○いくら美貌があっても、老いればみにくくなり、病気になりやすくなる。

○死んでしまえば、手に入れた全てのものを失うのじゃ。

○人間は死ぬるために生きておるのかのと、むなしゅうなられたんじゃ。

○釈尊は、6年間の苦行にいそしまれた。

○しかし、苦行では答えはみつからんかった。

○苦行から離れて、悟られた。

○その一つが「中道」感だったのじゃ。

○さらに、考えてみると「人間は死ぬ存在だからこそ価値があるのじゃ」と。

○生死にとらわれるところに苦しみがある。

○生死を離れたところに悟りがあったのじゃ。

○金持ちでも貧しくても、死んでしまえば同じ。だからこそ、毎日を充実して生きよう。

山田無文老師が学歴社会を語る

2011年12月27日 | 禅の心
○今日の世の中、道徳というようなものはどこにもありません。「この道を行け」という人間の道はどこにも示されておりません。

○が、今の世の中にもたった一つ「道」があると思うのです。みんながわけもわからず追い立てられておる道がたった一つある。

○それはどういう道かというと、はなはだ皮肉な言い方のようですが、進学コースという道です。

○今の世の中にはこの道しか道はありません。

○何のためかわからないが大学くらい出なければという道が一つあるだけです。

○だいぶ前ですが、浩宮様が学習院の幼稚園へご入院になったとき、「宮様無事合格」と新聞に書かれておりました。まさか宮様が不合格になるはずはなく、また不合格にするようなこともあるまいとおもいますが、試験があるからにはやっぱり「無事合格」と書かなければなりますまい。幼稚園に入るのに試験があって、三倍強の競争率ということでした。もっとも、宮様がお入りになるというので志願者がふえたかもしれませんが、三人半に一人しかとらなかった。

○大学、大学と言って、教育ママは真剣になって子どもを追いやるけど、どんな立派な人間になるかといったら、最後は親を自殺に追いやるような人間になってしまうのです。

○今日の世の中、秀才から鈍才にいたるまで、人生の価値を見失った野獣の道をばく進しているように見受けられます。

○学歴のいかんにかかわらず、人間として恥ずかしくない立派な生活をしたい。そういう信念を若いみなさんに持ってほしいと思うのです。

「夢と希望」を語る

2011年12月20日 | 禅の心
○悲劇は、自分がわからないところから始まる。
○人間、希望を持つことは大事だが、希望は叶うこともあれば叶わないこともあるという、小学生でもわかることをよくわきまえておかねばならんのじゃ。
○希望が叶うと思って叶わなかった時に、待っているのは絶望ばかりじゃ。
○希望は、「のぞみ、のぞみ」ではのうて、「うすいのぞみ」と読んだ方がええかもしれんな。
○やればできるというのは、うそじゃ。
○やってできることもあるが、でけんこともある言うのが般若心経の「空」の教えじゃ。
○仏さんのおしえは、世の中思うようにならんということなのじゃ。
○仏さんは、この世は思うようにならんもんじゃということで、四苦八苦を説かれた。
○「夢をもて」と言うとるだけでは、一生夢を追いかけるだけで終わってしまうぞ。

○自分の身の丈にあった生き方をするのが大事なんじゃ。

大西良慶師が平和を語る

2011年12月16日 | 禅の心
大西良慶師が平和を語る

○いま憲法第何条にこう書いてあるいうたかて、それでも悪いヤツはききよらへん。たとえば日本国憲法の第9条に「戦はせん」と書いてある。再び外国と戦せん、空軍も陸軍も、海軍もこしらえない、と憲法に書いてある。

○終戦の時に警察隊がでけた。いつの間にやら自衛隊がでけた。そのあと海軍やら空軍ができた。飛行機もたくさん買い入れとるというわけ。

○憲法に戦争放棄と書いてあってもこしらえる。憲法に違反するやないか、違反したかて、よその国とは戦しない、うちらの方の守りやといいよる。それで通っていく。憲法に書いてあっても、憲法を押さえつける。それから考えたらね、下々の生活に強いヤツが勝つということは、よんどこない。

○制度、法律があったかて、世の中が安心でけない。そこで宗教がいる。

○宗教には、神さん、仏さんいろいろある。日本には八百万の神々いうて神が八百万ある。その神さんだれがこしらえたかというと、人間がこしらえた。それは、なぜであるかというと、物にはね、徳がある。その徳を神さんという。

山田無文老師が平和を語る

2011年12月13日 | 禅の心
○安保条約の破棄を叫び、原水爆禁止を訴え、反戦運動に専ら挺身する現代青年諸君の行動は、理想として正しくまた尊い。しかし、そのために、日本民族の独立と祖国日本の建設を軽視して良いことにはならないであろう。
○祖国日本を愛し、伝統的文化を守るべく、民族防衛に専念する、愛国的志士の言動は、現実論としてまことに正しい。しかしそれだから軍備が必要であり、戦争もまた不可避なりとして、祖国を再び軍国主義化することもまた妥当ではないであろう。
○永遠なる人類理想の炬火を掲げつつ、明確に現実の世界情勢を洞察し、現実の祖国の堅実なる進路をしっかり把握しつつ、理想の実現に邁進しなければならぬであろう。
○言葉を換えれば、われわれは挙国一致、祖国日本を愛しつつ、しかも世界恒久平和の道を前進しなければならぬと思う。そこにこそ、われらの中道がある。
○第二次世界大戦の忌まわしい侵略の罪過を懺悔し、あくまで憲法第9条を守って、世界から指一本さされぬ道義国家日本を建設し、世界の列強に向かって堂々と軍備放棄を勧告することが、今日、日本民族の上に課せられた使命ではなかろうか。