自分の能力を知ることじゃ

○見とって悲惨なのは自分を知らないことじゃ。

○プライドが高く能力を超えたことをやろうとする。

○能力を超えているから失敗して挫折する。

○それを繰り返すうちに心が折れてしまうんじゃ。

○自分を知ることは大事なんじゃ。

○人間は他人のことはようわかるが、自分のことはわからんもんじゃ。

本当の平等ちゅうもんはのう

○人間社会はそれぞれの人が役割を演じておるドラマのようなもんじゃ。

○社長と社員、先生と生徒、親と子というように役割があるんじゃ。

○みんな人間としては平等じゃよ。

○しかし、立場が違うことをよう考えておかんとのう。

○社長は威張ってはいけないが、社員を監督せにゃあいけん。

○先生は生徒を指導せんならん。

○親は子どもの世話をせにゃあいけん。

○そこをみんな同じなんじゃあ思うからおかしなことになる。

○それぞれの立場を考えた上での平等でないとのう。

○それぞれの立場でありのままに生きることが大事なんじゃよ。

今を生きる

中部の阿含経にある一夜賢者の教えじゃ

過去は追うな。

未来を願うな。

過去はすでに捨てられ、

未来はまだ来ない。

だから、ただ現在のことを

ありのままに観察し、

動揺することなく、

よく理解して、実践せよ。

ただ今日すべきことを熱心になせ。

明日、死のあることを誰が知ろうか。

かの死神の大軍と

会わないわけはない。

このように考えて、熱心に

昼夜おこたることなく励む人、

このような人を一夜賢者といい、

寂静者、寂黙者と人はいう。

過去ではない、未来でもない、今を生きるのが禅の心なんじゃ。

悪いことをしちゃあいけん いいことをしんさい

諸悪莫作（しょあくまくさ）
衆善奉行（しゅうぜんぶぎょう）
自浄其意（じじょうごい）
是諸仏教（ぜしょぶつきょう）

○これはお釈迦様を含む七人の仏さんが共通して言われた言葉なんじゃ。

○悪いことをしちゃあいけん、いいことをしんさい

心を清らかに、これが七人の仏さんの教えなんじゃ。

○「こがなこと、小学生でもわかっとるがな」というかもしれんがの、

あんた、できるかの。ワシは自信がないぞ。

○なんぼええ事を知っとっても、ええ事を言うても

行いが悪かったらどがにもならんのんじゃ。

○いつの間にか悪いことをしちょるのが人間なんじゃ。

自分の中の悪を自覚できるかどうかなんじゃよ。

烏鷺滝が他力を説く

○鈴木大拙居士も山田無文老師も禅者でありながら晩年には念仏に傾倒していきなさった。

○禅と念仏は異質なもののようでそうではないんじゃ。

○よう他力本願なんていやじゃあ言う人がおる。

○禅によって自分で道を切り開くんじゃあ言う人がおる。

○それは誤解じゃね。

○お任せする心は禅（自力）も念仏（他力）も変わりゃあせんのんじゃ。

○仏様に自分から飛び込んでいく（自力）か仏様が何もせんでも連れて行って下さる（他力）のかの違いじゃ。

○子猿は親猿にしがみつくわな。これが自力じゃ。

○子猫は親猫が口にくわえて連れていくわな。これが他力じゃ。

○年をとると、念仏のありがたさがようわかるようになるもんじゃ。