行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

殺してはならぬ殺されてはならぬ

2024年01月12日 | 仏の心
すべての者は暴力におびえ、すべての者は死をおそれ
る。己が身をひきくらべて、殺してはならぬ、殺さしめては
ならぬ。(129偈)
すべての者は暴力におびえる。すべての(生きもの)に
とって生命は愛(いと)しい。己が身にひきくらべて、殺し
てはならぬ。殺さしめてはならぬ。(130偈)
己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはな
らぬ。
自分が殺される側の身になって、殺してもいけないし、
殺させてもいけない。殺人はもちろんですが、戦争は権
力と正義の名によって行われる殺人です。自分が殺さ
れるときのことを想像すれば、考え方が変わってくるで
しょう。
「老人は集団自決せよとか」「人生定年制」とかという心ない言葉がインターネット上では飛び交っています。誰もがいずれは老人になっていくのです。そのときに自分が「集団自決せよ」「定年制だから死ね」と言われてどう思うかという想像力のない人が少なからずいるということです。



三鬼大権現の教え

2024年01月09日 | 空海 真言宗 金剛峯寺
【誰でも残虐になれる】
宮島をはじめ、広島湾周辺には三鬼大権現がまつられているお寺があります。
鬼とは自分の心の一面、怒り、欲望、憎しみの象徴なのです。
戦争は決して戦争好きな人だけが起こすわけではありません。
ふだん平和を唱えていても条件がそろえば(縁があれば)戦争に加担してしまうのです。
誰にでも残虐性があるし、縁さえあれば残虐になれるし、人殺しさえしてしまうのです。
自分は聖人君子だと思っている人、自分は善良で悪いことをしないと思っている人が危ないのです。
自分の中の残虐性、ドロドロした欲望、燃え盛る怒り、憎しみに気づくことが三鬼さんの教えなのです。
【三鬼大権現】宮島の三鬼大権現とは何か。仏教には仏凡同居(ぶつぼんどうご)という考え方があります。白隠禅師の「衆生本来仏なり」ということです。煩悩を持った人間がそのまま仏になれるのです。人間の煩悩こそ鬼としてたとえられるもので、大日如来、虚空蔵菩薩、不動明王が三つの鬼として仮りの姿になって現れたのが三鬼大権現なのです。煩悩があるからこそ人間は仏になる可能性があるのです。
ちなみに、三鬼大権現は、宮島、大聖院の他、広島市東区の松笠山、安佐北区の福王寺山、西区の三瀧寺などにもまつられていますが、広島だけの信仰のようです。



縁起あっての仏法

2024年01月05日 | 仏の心
【縁起あっての仏法】
先祖供養は必要ないのではなく、先祖の誰か一人でもいなければ、自分はいないということを知ることが大切です。それが本当の意味での先祖供養ということです。先祖とは血の繋がりではなく、自分の縁なのです。
仏法の大樹 縁起の幹より 諸法無我 諸法実相 諸行無常の枝がいずるなり



ご先祖とは何なのか

2024年01月02日 | 仏の心
【ご先祖とは何なのか】
○結論からいえば10代以上前の先祖からは遺伝子を受け継いでいない可能性が高いです。
○染色体は遺伝子を含んでいて、体の細胞に46本あります。
○自分は両親(1代前)から23本ずつの染色体を受け継いでいます。
○祖父母(2代前)からは11本か12本ずつくらいの染色体を受け継いでいることになります。
○曾祖父母(3代前)からは6本程度染色体を受け継いでいることになります。
○6代前になると、一本も染色体を受け継ぐことのできない先祖が出てきます。
○しかし精子や卵ができるときに、乗り換え→組み換えという現象が起きます。
○組み換えにより、1代ごとに71人ずつ染色体を受け継ぐことのできるご先祖の数が増えます。
○10代前のご先祖は1028人いることになりますが、染色体を受け継ぐことのできるご先祖は
46+71×10=756人になります。
○9代前まではほぼ全てのご先祖から染色体を受け継ぐことができますが、10代以降、染色体を受け継いでいないご先祖が出てきます。
○これが20代くらいになるとほとんど染色体を受け継いでいないことになります。
○ご先祖の数は1代ごとに2倍ずつ増えていきますが、日本の人口を大きく越えていくことになります。実際にはそんなはずがなく、染色体が混じりあってきたことを意味します。
○あるところから家系とか先祖というものに意味がなくなり、今いる日本人の祖先はみな同じということになります。