行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

ひろさちや氏の穢れ論

2011年08月30日 | 禅の心
日本人の葬儀の基本には、死者を弔うというより、怨霊を沈めるという神道の思想が流れています。だから、葬式から戻ってくると、シオを撒いて清めたりする。あれは死者を穢れとしてみているからなんです。本当をいえば、そんな葬式に行く必要はない。死者が穢れを移すなんてことを、私は信じません。迷信だと思います。そんな葬式はやらないでいい。日本の仏教は神道の影響を受けることによって、まったく変わってしまったのです。」「(民俗宗教は死を穢れとみなし、世界宗教はそうではないという話の後)日本の仏教は、江戸時代に葬式仏教になってしまった。世界宗教の民族宗教化ですね。せっかく、お釈迦さんによって世界宗教に昇格したのに、いっぺんに堕落させてしまった。こんなの本当の仏教ではないですよ。

【感想】
お盆やお彼岸に、何のためにお墓参りに行くのか?先祖供養をするためだけではありません。今、自分がここに生きていることを感謝するためなのです。

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藤井日達師の名言

2011年08月26日 | 禅の心
○文明とは、電灯のつくことでもない。飛行機のあることでもない。原子爆弾を製造することでもない。文明とは、人を殺さぬことであり、物を壊さぬことであり、戦争をしないことであり、相互に敬うことである。

【言葉を味わう】
  「相互に敬うこと」の一言に尽きると思います。このことがなかなかできないのが悲しいところです。他を攻撃するというのが動物である人間の本性なのかもしれません。しかし、人間には理性もあり、仏の心もあります。
人を殺してはいけないというのは単なる道徳ですが、殺すことができないというのは、仏の心です。

【藤井日達師について】
1885年(明治18年) 熊本県阿蘇市に生まれる
1903年(明治36年) 出家
1918年(大正 7年) 満州に日本山妙法寺を建立
1912年(大正元年) 日本最初の日本山妙法寺を建立
1933年(昭和 8年) ガンジーに会う
1954年(昭和29年) ネル-首相より送られた仏舎利を熊本の花岡山の仏舎利塔に奉納
不殺生、非武装、核廃絶を訴えて、平和運動を展開する。
1985年(昭和60年) 示寂



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烏鷺滝が久しぶりに吠える

2011年08月23日 | 禅の心
○仏教は、釈尊の教えを忠実に信じるものなのだ。

○最近、勝手な解釈をする若い者がおって困る。

○みんなが日本の文化だと思っているものの多くは、実は中国の文化なのである。

○禅だって中国で熟成された。

○日本人の心だと思われている、仁義礼智信の五常の徳は孔子の教えである。

○では、日本人の心とは何か。それは「和」の心である。

○「和」の心とは何かというと、ただ仲良くするということではなく、お互いに違いを認め合って仲良くすることである。

○だから、仏教という異文化も素直に受け入れてきたのが日本人なのである。

○「和」の心は、聖徳太子が特に唱えられた。

○だから、日本は平和でなへればならぬ。

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良寛禅師の言葉

2011年08月19日 | 禅の心
「災難にあふ時節には災難にあふが良く候ふ。地震にあふ時節には地震にあふが良く候ふ。死ぬる時節には死ぬるが良く候ふ。これはこれ災難を逃がるる妙法にて候ふ。」

【言葉を味わう】

これを言葉通りそのまま読んではいけないでしょう。
人間を生かすのも、寿命を終わらせるのも、仏様の計らいです。
災難を与えるのも仏様の計らいです。
仏様の思いは、生死、苦楽、幸不幸を超えたところにあります。
大いなるものに全てをお任せし、その中で生きていくことが安心して生きることであり、宗教的生き方であり、信仰心というものです。
人間の力や英知ではどうしようもないことは、仏様にお任せする。そういうことを良寛さんは言いたかったのです。

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宮澤賢治の言葉

2011年08月16日 | 禅の心
みんながめいめい自分の神様がほんたうの神さまだといふだろう。
けれどもお互いほかの神さまを信ずる人たちのしたことでも
涙がこぼれるだろう。
それから僕たちの心がいいとかわるいとか議論するだろう。
そして勝負がつかないだろう。

けれどもしおまへがほんたうの考とうその考とを分けてしまえば
その実験の方法さえきまれば
もう信仰も科学と同じやうになる   『銀河鉄道の夜』

政治でも宗教でも、自分の思想が正しいとみんな思っているのですが、相手の声に耳を傾けていくことも大切なのです。



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