行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

サトリの話

2017年06月30日 | 禅の心
○昔、あるところにサトリという化け物がおっての。

○サトリは人の思っておることがすぐにわかるんじゃと。

○きこりの男が、是非ともサトリを捕まえてやろうと思うたんじゃ。

○きこりがサトリに近づいて、捕まえようとすると、サトリは

「おまえ、ワシを捕まえようと思うておるな。」

と、ひょいと身をかますんじゃと。

○こんな調子じゃけぇ、きこりはサトリを捕まえることはできりゃあせん。

○きこりは何度サトリを捕まえよう思うても、できんもんじゃけぇ、とりあえず仕事をすることにした。

○無心で木を伐っておると、手から斧がすべって、サトリに当たってしもうたんじゃ。

○行ってみるとサトリは斧がささって、息絶えておったんじゃと。

○どうしても捕まえることができんかったサトリを捕まえることができたんじゃ。

○無心とは恐ろしいものよの。

○ほしいものが手に入らないのは、手に入れようとするからなんじゃ。

○ほしいという気持ちを忘れると手に入るものなんじゃ。

○じゃが、手に入れたときには、サトリは死んでおった。

○皮肉なものよの。

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花が咲くには暗闇が必要

2017年06月27日 | 仏の心
○植物が育つには、光が必要なんじゃが、花が咲くには暗い時間が必要なんじゃ。

○菊の花なんぞは、一定時間の暗い時間がのうては花が咲かんのんじゃ。

○美しい花を咲かせるには暗闇が必要なんじゃよ。

○人生もそうじゃ。

○人生に一花咲かせよう思うたら、苦労と悩み多き時期が必要なんじゃ。

○最近は、親の七光りで花を咲かせる苦労知らずの経営者や政治家もおる。

○自分が悩やんどらんと、立場の弱い人の気持ちがわからんよ。

○強い者の目線しか持てんよ。

○本物の花を咲かせるには、暗闇の時期が必要なんじゃ。


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死を美化するな

2017年06月23日 | 仏の心
死ぬことはすべての終わりなのじゃ。

何だかんだ言うても死ぬことは恐いとわしは思うよ。

死を美化してはならぬ。

美しい死なんぞないよ。

昔から死んだ人を英雄にまつりあげることはあるが、

亡くなった人の魂を慰めるのが先じゃろう。

多くの人はもっと生きたいと思うものじゃから。

まして自分で自分の命を断つなどもってのほかじゃ。

犠牲になって自分の命を断つのもだめじゃ。

命は何よりも大事なんじゃよ。


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「苦」を超えて

2017年06月20日 | 仏の心
○仏法でいう「苦」は自分の思い通りにならない苦しみなのじゃ。

○病気になりたくなくても病気になる。

○年をとりたくなくても年をとる。

○死にたくなくても死んでいく。

○自分の思い通りに生きてきたつもりの金持ちや権力者さえ

病気や老いや死におびえて生きていかにゃあならんのんじゃ。

○誰も病気、老い、死には逆らうことはできん。

○誰にでも与えられとるのは今という時なんじゃ。

○今という時を大切に過ごすのが「苦」への処し方なんじゃ。

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人の不幸は蜜の味ではない

2017年06月16日 | 仏の心
○人間なんてものは、人の不幸な話を聞いて自分は元気になるものかもしれんの。

○不幸でないやつは、いじめて不幸にする。

○政治家や権力者が相手を罵倒するのを見ておってスカッとする。

○人の幸せを妬んで、壊そうとする。

○人間は汚らしく、いやなものじゃあ思うんよね。

○しかし、人間の汚れた心の真ん中にはキラリと光るものがあるんじゃ。

○それを信じるしかないの。

○人の不幸は蜜の味じゃあ思うとるやつは、いつかは鉄がさびで鉄自身を滅ぼすように自滅する。

○その中からキラリと光る仏の心が出てくるんじゃ。

○渋柿の渋そのままの甘さかな じゃ。

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