股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

「手術後が楽しみ!」

2006-11-14 00:03:46 | 人工関節のこと
昨日、来年2月に人工関節の手術が決まっている40歳の方がみえた。
来る前のメールのやり取りで彼女の考え方は理解していたつもりだった。
『手術後が楽しみ!』という印象だった。

問診を行うと、いくつかの病院を受診して自分で病院を決めていた。
私は彼女の現在の悩みを聞きだし、カルテに書いた。
手術に臨むにあたって、病院の選択、筋力の現状に悩みを持っていた。
病院の選択は正しいと思った。
ただ、入院期間が非常に短いことで有名な病院だったので、『入院中は頑張らないこと』と助言した。
6週間は無理をしないでほしいと助言した。

触診をすると、術前にしては筋肉の状態が良かった。
筋肉を押した痛みが少なかった。
彼女が心配していた筋力も、左右差はあったものの患側でも十分あった。
非常に質のいい筋肉だった。
歩行時の横揺れもなく、歩行スビードも速かった。
関節可動域も比較的良好だった。

唯一の大きな問題点は脚長差。
4~5cm短かった。
手術をすると、術側が3~5cmくらい延ばされそうだった。
骨が延びるということは、筋肉も神経も血管も伸びる。
そう考えると、手術までに筋肉、神経、血管の柔軟性を出させる必要がある。
手術後の重度のむくみ、引っ張られることによる筋肉痛、神経麻痺を防ぐためである。

施術をしながら彼女の考え方を聞いた。
手術に対する恐怖心や不安感、人工関節に対する不安感は全くといって良いほど無く、手術後の歩容の改善をすごく楽しみにしていた。
むしろ、手術や人工関節に対して不安や恐怖心を抱くことが理解できない、40代の自由な活動を得ることが、彼女には最優先だった。

私は手術前後の注意点ばかり話をした。
彼女の生き方とゆるぎない決意を尊重した。

手術に臨むまでに、あと5時間をかけて内転筋、深層外旋六筋、小殿筋、中殿筋の柔軟性を出させ、坐骨神経の伸張をしっかり行い、手術後の経過が順調に運ぶような準備をする、ということを彼女に話して終了とした。

このような考え方の方もいます。
他にも同じ考えの方はいます。

とにかく人工関節にして生活を楽にする。
人工関節がだめになったら入れ替えればいい。
ということで2回目の人工関節の手術をして9年目という方もいる。
主治医からは『10年しかもたない。』と言われている。
私が施術を始めて5年、来年末で手術後10年になる。
このような方の人工関節も長持ちをさせたいと思うのだ。

昨日の彼女の術前術後のケアーを責任を持って行いたい。
術後、彼女が杖なしできれいに歩けるように・・・絶対にする!
術後、彼女が笑顔で歩いている姿を早く見たいと思った。
(ブログに書かせていただくことは、本人の許可をいただきました。)


変形性股関節症を怖がらないでね




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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
楽しみでした (わんちゃん)
2006-11-14 10:41:40
わんちゃんも手術楽しみにしてました。不安や怖さはあったけど、術後の事を考えると早く正常に歩きたいと思う気持ちのほうが強かったです。今は人工
にして良かったと思ってます。再置換の時まで楽しい生活を送りたいと思ってます。そのためにもメンテナンスはしっかり行いたいです。今日先生の所におじゃまします。よろしくお願いします。
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希望と不安 (applecider)
2006-11-14 10:46:53
私もどうちかというと、手術の不安よりも術後の楽しい生活を夢見て手術に臨みました。
痛みを抱えて60歳になるまで耐えて、外出するのも大変な生活するよりも、普通の30代の生活がしたかったんです。
人工股関節の再置換を考えると不安になることもありますが、mark先生もいるし、どうにかなるさ、と楽天的に考えてます。
ね、先生、40年もたせるんですよね、私の人工股関節!
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あ!ワタシだ。 (ぅ。)
2006-11-14 23:34:11
こんばんは!昨日はありがとうございました。
「手術楽しみ!」だったのが、だんだん「あー筋力ないんだよな、だいじょうぶかなあ」というずっと前からココロの奥底にあった不安(なのに何もしてなかった…)が押し寄せていたときに、先生のブログに出会いました。

で、一週間後には銀座出陣!!即行動です。

あ、思ってたほど悪くないんだ!そっか、そういうことなのか。先生の説明を受けて納得。

一気に不安はなくなりました。
手術、やっぱり楽しみです。

強い味方ができて本当にうれしい。
ありがとうございます。頑張り過ぎないように頑張ります。
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皆さんへ (mark)
2006-11-16 19:49:40
皆さんの身体の状態は一人ひとり違いますが、考え方も一人ひとり違います。
“変形性股関節症の患者さんは・・・”なんてひとくくりでは話ができませんね。
個人差ですね。

個々人の身体の状態や考え方、心の状態に合わせた施術、助言、指導が必要なんだとつくづく感じます。

正解はひとつではないんですね。

私は非常に怖がりです。
病院も手術も怖いです・・・小心者でございます!

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人工股関節 (弱虫ウラン)
2006-11-22 20:07:00
mark先生始めまして。
人工股関節って一口に言っても
色々なケースで人工股関節になりますから
術前術後のケアが個々違うと思います。

術後痛みも少なく快復する人もいれば
思ったほど痛みが軽減されずに
歩む人もいます。

私はリウマチから人工股関節になったのですが
骨折から人工になった人や、子供の頃からの
脱臼が原因で人工になった人とは
術後の痛みが違うように思います。

先生の治療は素晴らしいと聞いております。
これからも変形性関節症で悩んでいる患者の
立場にたっての治療を広めて下さいませ。
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