保健福祉の現場から

感じるままに

受診抑制、検査抑制からの転換を

2020年12月11日 | Weblog
「国内の発生状況など」(https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html#h2_1)に掲載される「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(2020年12月9日18時時点)」(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000704074.pdf)p2の死亡者数で、20代2名、30代6名、40代23名、50代67名などとあるが、時系列的にはどうなのであろうか。5月には、5.13日刊スポーツ「高田川部屋の勝武士さんがコロナ感染死 28歳」(https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/202005130000226.html)が報じられており、最近も、12.5中日新聞「診療所医師 重い役割 体制拡充も 検査受けられず」(https://www.chunichi.co.jp/article/165412?rct=k_news)で40代の死亡が出ている。いずれも診断の遅れの可能性がある。当初は、日本感染症学会(http://www.kansensho.or.jp/)と日本環境感染学会(http://www.kankyokansen.org/)の連名発出の4.2「新型コロナウイルス感染症に対する臨床対応の考え方―医療現場の混乱を回避し、重症例を救命するためにー」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_rinsho_200402.pdf)(http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/covid19_rinshotaio.pdf)p1「PCR検査の原則適応は、「入院治療の必要な肺炎患者で、ウイルス性肺炎を強く疑う症例」とする。軽症例には基本的にPCR 検査を推奨しない。時間の経過とともに重症化傾向がみられた場合にはPCR法の実施も考慮する。」とされ、7.21厚労省「地域で新型コロナウイルス感染症の患者が増加した場合の各対策(サーベイランス、感染拡大防止策、医療提供体制)の移行について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000651071.pdf)p5「重症化しやすい方以外の方であれば、新型コロナウイルスに感染しても症状が軽いことが多いため、通常の風邪と症状が変わらない場合は、必ずしも医療機関を受診する必要はない」の受診抑制方針であったが、受診抑制、検査抑制からの転換が必要であろう。早期診断は、感染者の重症化予防のためだけではなく、まん延防止のためでもある。12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p23「外来診療の場において,確定患者と明らかな接触があった場合や,特徴的な症状(インフルエンザにおける突然の高熱,COVID-19 における嗅覚味覚障害など)がない場合,臨床症状のみで両者を鑑別することは困難である.」について、11.20「季節性インフルエンザとCOVID-19 の検査体制について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000697220.pdf)では「季節性インフルエンザの発生状況については、直近(令和2年第46週(本年11月9日~11月15日))では、全国約5,000の定点医療機関からの合計報告数は23件となっており、昨シーズンの同時期(9,107件)と比較して100分の1以下となっています。こうした状況を踏まえ、各診療・検査医療機関において、臨床所見、地域の感染状況等により、医師が季節性インフルエンザ及びCOVID-19 の検査の必要性等を判断していただくこととなりますが、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大している地域においては、発熱患者等が医療機関を受診した際に、他の疾患の疑いが強い場合を除き、積極的にCOVID-19 の検査を実施するようお願いいたします。」とある。10.16「次のインフルエンザ流行に備えた発熱患者等が医療機関を受診した場合の流れについて」(https://www.mhlw.go.jp/content/000683916.pdf)では「検査結果以外の臨床所見に基づくインフルエンザの診断及び抗インフルエンザ薬の処方も可能」であり、かかりつけ医療機関ではそうした患者に「唾液検体採取(駐車場等)による新型コロナPCR検査をオーダーしておく方法」も考えられるであろう。なお、10.5日本医師会「新型コロナウイルス感染症の検査体制並びに医療提供体制の影響等について活発に討議 令和2年度第1回都道府県医師会長会議」(http://www.med.or.jp/nichiionline/article/009611.html)では「長野県医師会からはPCR検査について、(1)民間検査の拡充とともに、(2)保健所が行う「行政検査」、県と委託契約し保険診療で検査を行ういわゆる「みなし行政検査」と「保険診療」が混同され、現場が混乱しているとして、その改善が求められた。釜萢敏常任理事は(1)について、「拡充できるようしっかり国に訴えていく」と回答。(2)に関しては、「基本的には医療機関で行う検査は全て行政検査であると整理されている」と説明。」とあるように、基本的構造(https://www.mhlw.go.jp/content/000604471.pdf)は変わっていないが、10.14「新型コロナウイルス感染症に係る行政検査の取扱いについて(一部改正)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000683025.pdf)p5「行政検査(PCR 検査及び抗原検査)に係る委託契約の効果は遡及させることができることから、ウに記載の適切な感染対策の実施等の要件を満たしていることを漏れなく表明した医療機関においては、取りまとめ機関への委任を行った後、契約締結を待たずに、行政検査(PCR 検査及び抗原検査)を実施することが可能である。」とされており、契約していなければ検査できないということはない。とにかく、「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00093.html)の12.10資料4(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000704456.pdf)p1「20−50才台の社会活動が活発な世代で移動歴のある人による2次感染がその他の世代と比べ多くなっており、こうした世代では感染しても無症状あるいは軽症のことが多いため、本人が意識しないまま感染拡大につながっていることも想定され、それが、医療機関や高齢者施設等での感染に繋がっていると考えられる。」、p2「20−50才台の社会活動が活発な世代で移動歴のある人による2次感染がその他の世代と比べ多くなっており、特に若年層や働き盛りの世代などに対し様々なチャネルを活用することで、移動や飲食の場面も含むマスクの徹底など実際の行動変容につなげることが必要。」とされるが、早期診断につなげるべきである。
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気になるCt値

2020年12月11日 | Weblog
12.11夕刊フジ「【「コロナ不安」に殺されないために】PCR検査でメンタルをやられる人が増える 「陽性」で10日間隔離される弊害」(http://www.zakzak.co.jp/lif/news/201211/hea2012110001-n1.html)の「PCR検査にはCt値(threshold cycle)というものがある。PCR検査では、ウイルスの遺伝子の特定断片を取り出し、それを倍々に増幅させるサイクルで量を測定する。つまり、サイクル数を多くすればするほど、少量のウイルスでも陽性となる。このCt値は、海外ではだいたいが「33~34以下」で、これで陽性であれば感染させる可能性があるとされている。ところが日本では、Ct値が「40~42」に設定されていて、感染させる可能性がないものまで陽性として扱われている。どう見ても行き過ぎだ。」(http://www.zakzak.co.jp/lif/news/201211/hea2012110001-n2.html)に賛同する方が少なくないかもしれない。そもそも「国内の発生状況など」(https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html#h2_1)では、検査「陽性者」であって「感染者」とはされていない。タカラバイオ「リアルタイムPCRの基礎知識」(https://www.takara-bio.co.jp/prt/pdfs/prt1-1.pdf)p2「リアルタイムPCR による定量の原理」の「Ct値(Threshold Cycle)」について、各地の検査機関のカットオフ値がどうなっているかも気になるところかもしれない。まさかと思うが、仮に地域で異なるカットオフ「Ct値(Threshold Cycle)」が採用されていれば、陽性者数の地域間比較は少々色褪せるかもしれない。なお、12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p49「退院基準」に示すように、必ずしも「10日間隔離」とは限らないことは理解したい。
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評価指標と病床確保

2020年12月11日 | Weblog
12.10産経新聞「「基準より命」 大阪モデル「赤信号」前倒しの舞台裏」(https://www.sankei.com/west/news/201210/wst2012100037-n1.html)。<以下引用>
<新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、大阪府が自粛要請の基準「大阪モデル」で非常事態を示す赤信号を点灯させてから、10日で1週間。重症病床使用率70%の基準到達前に「医療非常事態宣言」を発令した背景には、医療提供体制の逼迫が府民に伝わっていないことに対する府幹部らの強い危機感があった。3日の赤信号点灯に至るまでには、いくつかの伏線があった。最初の転換点は11月2日。府の健康医療部から吉村洋文知事に「感染が拡大傾向に入った」との報告が入った。府内では10月以降、直近7日間の新規感染者数の合計が300人台で推移していたが、同22日に419人、27日に611人となった後、報告前日の11月1日には830人に急増。ただ同日の重症病床使用率は、まだ12・6%だった。府は飲食時の飛沫(ひまつ)感染を防止するため、11月11日の対策本部会議で「静かに飲食」「マスクの徹底」を呼びかけ、20日には「5人以上」または「2時間以上」の飲み会自粛を要請した。それでも感染拡大は止まらない。府の病床管理担当は11月後半から連日、重症者らを受け入れられるか病床の運用状況を確認。個別の医療機関の調整内容を含め「生の数字を知事に報告し、危機感を共有」(幹部)した。11月22日には1日当たり最多の490人の感染者を確認。24日は重症者が103人となり、初めて100人を突破。30日には新たな重症者が21人判明して重症病床使用率が6割を超え、切迫感はさらに高まった。11月中旬に30%台だった重症病床使用率は、約2週間後に5割を超えた。ある幹部は「赤信号をつけたほうがいい、との声は11月下旬に出ていた」と明かす。こうした状況を受け、今月2日、藤井睦子健康医療部長が「7割に達するのは数日の問題。赤信号をつけるべきだ」と吉村氏に進言した。吉村氏も「事実上、赤信号に近い状態だ」との認識を示した。一方で、「基準に達してから点灯すべきだ」「前倒しする必要性を説明できるのか」といった慎重な見方もあった。大阪モデルは感染状況の推移を踏まえ修正した経緯がある。「基準の形骸化」「恣意(しい)的な運用」と取られかねない-。幹部らは3日の対策本部会議の直前まで議論したが懸念は残った。「ぶっつけ本番」で臨んだ対策本部会議で、吉村氏は「医療非常事態宣言」を発令。医療体制の逼迫を強調し、生活維持に必要な外出以外の行動を制限する緊急事態とは一線を引いた。吉村氏は対策本部会議後、前日の感染者が427人と高水準にとどまったため「2日夜に(赤信号点灯を前倒しする)気持ちが固まった」と明らかにした。ある幹部は基準到達前の点灯について「医療現場の逼迫状況が府民に伝わっていなかった。府が危機感を訴え、府民に行動変容を促す必要があった」と説明。「基準は大事だが、とらわれすぎては手遅れになる。最優先すべきは府民の命を守ることだ」と強調した。>

12.11NHK「大阪市 コロナ病床確保に協力金」(https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20201211/2000038455.html)。<以下引用>
<新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制がひっ迫していることを受けて大阪市は患者の受け皿を広げようと今月中に新たに病床を確保するなどした医療機関に対し1000万円の協力金を交付することを決めました。これは11日、大阪市の松井市長が記者団に対し明らかにしました。それによりますと対象となるのは今月31日までに新型コロナに対応する病床を新たに確保したり、患者の受け入れ機関に新たになることを決めたりした大阪市内の医療機関で、来年3月まで病床を継続的に運用した場合、1床あたり1000万円を交付するとしています。新型コロナに対応した病床は府内であわせて1319床確保されていますが、重症だけでなく軽症や中等症の病床でもひっ迫度合いが高まっていて、市は、今回の支援を通じて100床を確保したいとしています。松井市長は「重症患者の受け入れは難しくても軽症・中等症の受け皿が広がるだけでも医療現場の負担は軽減される。協力に応じてくれる病院を募集したい」と述べました。また、大阪・北区と中央区の酒類を提供する飲食店に対して出されている営業時間の短縮要請については「今の状況であれば要請の延長も可能性としてある」と述べ、週末の感染状況を踏まえ大阪府と検討したいとする考えを示しました。>

「都道府県の医療提供体制等の状況(医療提供体制・監視体制・感染の状況)について(6指標)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00035.html)では都道府県の、①病床のひっ迫具合(全入院者と重症患者それぞれの確保病床利用率と確保想定病床使用率)、②療養者数、③陽性者数/PCR検査件数(直近1週間)、④直近1週間の陽性者数、⑤直近1週間とその前1週間の比、⑥感染経路不明な者の割合が1週間ごとに評価されているが、日本集中治療医学会(https://www.jsicm.org/covid-19.html)の「COVID-19 重症患者状況」(https://covid.jsicm.org/)の都道府県別「人工呼吸器装着数」では、早い段階から大阪府の数値が際立っていた。
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罰則条例案

2020年12月11日 | Weblog
12.11朝日新聞「福岡コロナ罰則条例案、パブコメに異論 人権侵害懸念も」(https://www.asahi.com/articles/ASNDB75YLNDBTIPE00Y.html?iref=com_apitop)。<以下一部引用>
<新型コロナウイルスなどの感染症患者に感染経路などの行動調査を罰則付きで求める条例案を検討中の福岡県議会で、主要4会派が10日、会議を開いた。この日までのパブリックコメントには罰則規定に異論を唱える声が多数寄せられ、18日までの12月定例会に提出するかどうかを含め協議を続けることになった。条例案は、新型コロナなどの感染症に対する自治体独自の対策を強めるのが狙い。感染対策の徹底を県民や事業者に求めるほか、感染者の過去の行動履歴などを聞き取る保健所への協力を正当な理由なく拒んだり、うその報告をしたりすれば、5万円以下の過料を科すとしている。10日の会議には自民、公明、旧民主系などの主要4会派の代表が出席。これまでに約70件のパブコメが寄せられ、罰則への意見が大半を占めたという。座長の香原勝司県議(自民)は会議後、「すべての人に罰則が科せられるのではないかといった誤解も多い」と記者団に語り、丁寧な議論が必要との認識を示した。今後、各会派がパブコメなどの意見を踏まえて見解をまとめ、内容の修正や条例案を提出するかどうかを含めて検討を続ける。>

11.24NHK「新型コロナ対策で罰則付き条例案」(https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20201124/5010010065.html)については、市中感染が拡大している中で、11.20「積極的疫学調査における優先度について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000697364.pdf)を踏まえた対応が必要であろう。感染症法(https://www.ron.gr.jp/law/law/kansensy.htm)第十五条による、聞き取りでの「積極的疫学調査」(https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/2019nCoV-02-200529.pdf)には、限界があることは理解したい。「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Application」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/cocoa_00138.html)について、「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00093.html)の12.10「接触確認アプリ(COCOA)の活用促進について」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000704457.pdf)が出ているように、陽性登録者を増やす必要がある。なお、感染経路の解明には、分子疫学強化が必要であろう。11.11「新型コロナウイルス感染症における積極的疫学調査について(要請)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000694560.pdf)で「行政検査を委託している民間検査機関に保管されている遺伝子検査でSARS-CoV-2 陽性(Ct値が30より大きい及びCt値のない場合は除外)と判定された精製RNAの残余液(20μl 程度)を6の照会・送付先へ提出ください。」「対象者から改めて検体を採取する必要はなく、検査後の残りRNA 一部を提出ください。」とあるが、日本政府は、抗原陽性者に対するPCR検査をさせないつもりなのであろうか。
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新型コロナワクチンの行方

2020年12月11日 | Weblog
12.18NHK「新型コロナワクチン 2月下旬の接種開始準備を指示 厚労省」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201218/k10012772201000.html)。<以下引用>
<新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省が、来年2月下旬をめどに医療従事者への接種を始められるよう、自治体に体制の整備を指示したことが分かりました。高齢者は3月下旬をめどに、そのほかの人たちは4月以降に接種体制を確保する方針です。厚生労働省は、欧米の製薬会社3社との間で、新型コロナウイルスのワクチンの開発に成功した場合に供給を受ける契約などを結んでいて、来年前半に接種を始める方針を示しています。こうした中、厚生労働省は、18日、全国の都道府県や市町村に対して接種体制の整備計画の案を示しました。それによりますと、▽来年2月下旬をめどに先行して1万人程度の医療従事者に、▽3月中旬をめどに残るおよそ300万人の医療従事者に接種を開始できる体制を整備します。続いて▽3月下旬をめどに高齢者に接種できる体制を確保し、▽そのほかの人については基礎疾患のある人などを優先しながら4月以降に接種を始める方針です。厚生労働省は、この計画の案に沿って、接種会場の選定や接種に必要なクーポンなどの準備を進めるよう市町村に指示するとともに、来年1月には自治体向けの説明会を開くことにしています。>

12.10NHK「新型コロナワクチン接種 原則住民票登録の市町村で 厚生労働省」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201210/k10012756911000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_047)。<以下引用>
<来年前半に接種が始まる見通しとなっている新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は、原則住民票を登録している市町村の医療機関などで接種を受けてもらう方針を決めました。厚生労働省は、欧米の製薬会社3社との間で、新型コロナウイルスのワクチンの開発に成功した場合に供給を受ける契約などを結んでいて、来年前半の接種開始を目指しています。厚生労働省は、10日、専門家を集めた検討会で今後どう接種を進めるか方針を示しました。それによりますと、接種を受けてもらう場所は、単身赴任や入院中の人などを除いて原則、住民票を登録している市町村とし、接種を受けるのに必要なクーポンが順次、自宅に届けられます。その後、電話などで予約して、医療機関か市町村が用意する公民館や体育館などにクーポンを持参すると、無料で接種を受けられるということです。クーポンは高齢者から優先して配られ、基礎疾患がある人も高齢者に続いて接種を受けられます。同じく優先接種の対象となっている医療従事者には勤務先の医療機関などで接種を受けてもらうということです。ワクチンの中には、冷凍での保管が必要なものもあり、厚生労働省は確保した1万台余りの冷凍庫を市町村に割り当てるなどして接種に向けた準備を進めることにしています。ワクチン接種体制の詳細 接種の流れは? 新型コロナウイルスのワクチンの接種は、国の指示のもとで市町村が行い、都道府県は市町村を広域的に支援するとされています。接種を希望する人は、原則として、住民票を登録している市町村で受けることになりますが、単身赴任している人や入院している人などは、例外的にほかの市町村での接種が認められます。接種を受けるのに必要なクーポンは、市町村から順次自宅に郵送されます。その後、電話などで予約して接種会場となる医療機関や、市町村が用意する公民館や体育館などにクーポンを持参すると無料で接種を受けることができます。複数のワクチンが国内に供給される場合、手違いや混乱を避けるため、それぞれの接種会場で取り扱うワクチンは原則、1種類に限定されます。流通体制は? 国は、来年前半までにすべての国民に提供できる数のワクチンを確保することを目指し、欧米の製薬会社3社との間で開発に成功した場合に供給を受ける契約などを結んでいます。このうち、アメリカのファイザーとモデルナのワクチンは冷凍して保管しなくてはならず、国は保管できる温度がマイナス75度の冷凍庫を3000台、マイナス20度の冷凍庫を7500台確保しています。今後、市町村の人口などに応じて公平に割り当てるということです。また、保冷用のボックスがあればドライアイスで保管できるため、国がドライアイスを調達して医療機関などに供給することも検討しています。このほか、接種に必要な注射器の針なども市町村に提供するということです。新システムも導入へ 国は、ワクチンの在庫や接種した人の数を把握するため、「V-SYS」と呼ばれる新しいシステムの開発を進めています。国や都道府県、市町村が情報を共有できるだけでなく、一般向けの公開サイトでは接種を受けられる医療機関や、予約状況なども確認できるということです。>

「新型コロナウイルス感染症のワクチン」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html)について、すでに10.23「新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業実施要綱」(https://www.mhlw.go.jp/content/000687007.pdf)、10.23「新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業実施要領」(https://www.mhlw.go.jp/content/000687009.pdf)が発出されているものの、「予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会」(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_127714.html)の12.10「新型コロナウイルスワクチンの接種体制・流通体制の構築について」(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000703859.pdf)p39「・ディープフリーザーやドライアイス入り保冷ボックスをどこに配置するのか。 ・ディープフリーザーやドライアイス入り保冷ボックスの配置に当たり、どのような接種会場を確保するのか。 ・接種実施会場において、どのような運営(運営主体、会場の設営、人員の確保等)を行うのか。 ・効率的な接種業務のために、住民への広報や予約受付業務等をどのように行うのか。」が具体化される必要がある。
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不要不急の外出自粛

2020年12月11日 | Weblog
12.11NHK「分科会「Go Toキャンペーン」除外継続など提言案」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201211/k10012758531000.html)。<以下引用>
<新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために、短期間に対策を集中的に行う「勝負の3週間」の期限が来週に迫る中、政府の分科会の会合が開かれ、感染が急速に拡大している地域で感染状況が高止まりしている場合や、拡大が続いている場合には、引き続き「Go Toキャンペーン」の対象地域から除外するなどの対策を求める提言を示しました。分科会の提言では、「勝負の3週間」の期限となる時期をめどに、現在の対策の効果を分析する必要があるとしていて、感染が急速に拡大している「ステージ3」にあたる地域での感染状況を▽「拡大が継続」▽「高止まりの状態」▽「減少」の3つの場合に分けて、今後、政府や自治体が行うべき対策をまとめています。この中では、「拡大が継続」か「高止まり」の場合には、▽「Go Toキャンペーン」の対象地域から除外する措置を続けることや、▽医療体制がひっ迫している地域への医療スタッフの派遣や、医療機関への財政支援の強化などの対策が必要だとしています。特に、「拡大が継続」の場合は、緊急事態宣言を出すような状況を回避するため、対策の抜本的な強化が求められるとしていて、▽飲食店への営業時間の短縮要請を強化するほか、▽県を越える移動の自粛や▽不要不急の外出自粛の要請が必要だとしています。また「高止まり」の場合は、▽飲食店への営業時間の短縮要請を継続し、必要に応じて時間の前倒しや対象地域の拡大をするほか、▽感染予防を徹底できない場合には、社会経済圏を越えた移動の自粛要請が必要だとしています。さらに「減少」の場合でも、感染状況が急増している段階ではない「ステージ2」にあたるレベルにまで引き下げることが重要だとして、一定の対策を継続することが必要で、経済的な影響が大きい飲食店への営業時間の短縮要請を続けるかどうかは適切に判断するとしています。一方で、いずれの場合でも飲酒を伴う懇親会など、感染リスクの高まる「5つの場面」を避けるよう情報を発信することや、高齢者施設や医療機関で早期にクラスターを封じ込めるために検査を徹底するなどの対策は必要だとしています。このほか、分科会は忘年会や新年会、帰省など、人が集まる機会が多い年末年始の対策についての提言も出しました。この中では、感染が急速に拡大している「ステージ3」にあたる地域では、忘年会や新年会は、オンラインでの開催や、大人数の場合は実施を見送ること、帰省は延期も含めて慎重に検討するなどの対応を求めています。またそれ以外の地域でも、忘年会や新年会はなるべくふだんから一緒にいる人と少人数で開き、短時間で済ませたり、斜め向かいに座ったりするなど感染リスクを下げる行動をとること、帰省する場合には帰省先での大人数での会食を控え、休暇を取る時期をずらして混雑を避けるなどの工夫が必要だと指摘しています。西村経済再生相「札幌や大阪 緊密に連携して対応」 西村経済再生担当大臣は、記者会見で「なんとか感染者数の急激な増加は回避されているが、なかなか減少させることができていない状況にあり、分科会では、特に医療がひっ迫していることに改めて強い危機感を共有した」と述べました。そのうえで「仮に継続して感染が拡大した場合は経済にも大きな影響が及ぶ。より幅広い地域や業種に制約をお願いすることになるので、緊急事態宣言を回避するため、協力をお願いしたい」と述べ、改めて感染対策への協力を呼びかけました。また、西村大臣は「Go Toトラベル」をめぐり、札幌市と大阪市を目的地とする旅行を対象から外している措置を延長するかどうかについて「北海道の鈴木知事と大阪府の吉村知事は延長する方向で考えているのではないか。感染状況や医療のひっ迫状況なども共有しながら、緊密に連携して対応を協議していきたい」と述べました。>

12.11JBpress「都知事から回答、都はGoTo感染者を調査・把握せず 科学的な政策決定における課題が浮き彫りに」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63210)が出ている。「感染リスクが高まる「5つの場面」」(https://corona.go.jp/proposal/pdf/5scenes_20201117.pdf)、「いつでもマスク」(https://www.mhlw.go.jp/content/000697130.pdf)、「静かなマスク会食」(https://www.kantei.go.jp/jp/content/000073549.pdf)、「寒冷な場面における新型コロナ感染防止等のポイント」(https://www.mhlw.go.jp/content/000695178.pdf)が啓発され、「業種別ガイドライン」(https://corona.go.jp/prevention/)のグレードアップも図られているが、12.11「36都道府県が「外出自粛」要請中 危機感薄い政権に見切り」(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/282541)のように、「外出自粛」が前面に出ている感じがしないでもないが、10.9「医療機関の必要な受診」(https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2020/201014_5.pdf)までストップする必要はない。ところで、11.30Web医事新報「【識者の眼】「Go Toに感染拡大のエビデンスはないのか」渡辺晋一」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15988)では「本来経済を回すためには、定期的なPCR検査をし、陰性の人で経済を回すべきであるが、今でも日本の人口当たりの検査数は世界でも非常に少ない。一方で、スポーツイベントでは、定期的なPCR検査をし、イベントを回している。」をみると、感染予防徹底だけではないように感じる。例えば、8.7NHK「福島 平田村と古殿町 お盆で帰省の大学生などに無料でPCR検査」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200807/k10012555321000.html)、8.11NHK「島での感染拡大防止へ「おがさわら丸」乗船客にPCR検査」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200811/k10012561841000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_125)、9.14NHK「PCR検査付きの旅行プラン販売 栃木 宇都宮」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200914/k10012617101000.html)、10.19愛媛新聞「JAと八幡浜市、ミカンアルバイター確保支援 県外者全員 PCR実施へ」(https://ehime-np.co.jp/article/news202010190087)などが報じられていた。12.3NHK「米CDC 濃厚接触者の隔離期間 検査や症状により短縮可 指針変更」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201203/k10012743351000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_058)では「CDCは、旅行する場合は、出発の1日から3日前にウイルス検査を受けたうえで、旅行を終えた3日から5日後にも検査を受けることを推奨するガイドラインも新たに公表しました。」とあるが、我が国ではどうなのであろうか。11.24「新型コロナウイルス感染症に関する自費検査を実施する検査機関が情報提供すべき事項の周知および協力依頼について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000698209.pdf)の「年内を目途に、検査機関の協力を経て、「新型コロナウイルス感染症に関する自費検査を提供する機関が利用者に情報提供すべき事項」を厚生労働省のホームページにおいてもオープンデータとして掲載予定である。」はどうなっているであろうか。12.11日刊ゲンダイ「東京駅にも価格破壊「1980円」PCR検査 初日は希望者殺到!」(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/282539)、12.4時事通信「2900円でPCR検査 新橋駅前に民間施設開業―新型コロナ」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020120400760&g=eco&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit)、9.3NHK「大学内にPCR検査センター設置へ 京都産業大 学生ら対象に検査」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200903/k10012597561000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_016)で「検査費用は1回当たり1000円以内」、9.24NHK「唾液によるPCR検査受け付け 1回2000円 ソフトバンクグループ」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200924/k10012633061000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_039)とあるように、検査料金の低価格化の余地は小さくないであろう。但し、12.10FNN「日本でのワクチン接種はこうなる&格安1980円「駅前PCR検査センター」登場…ただ民間検査には死角も」(https://www.fnn.jp/articles/-/117902)の「(民間検査で)陽性と判断された方は、ぜひとも医療機関で制度にのっとったPCR検査を再度受けてほしい」はルール化されるべきで、行政検査としても良いように感じる。
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リスク評価とリスク管理

2020年12月11日 | Weblog
12.11NHK「政府分科会 “感染高止まりや拡大なら「Go To」除外継続を”」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201211/k10012758121000.html)。<以下引用>
<感染拡大を抑えるために、政府が位置づけた「勝負の3週間」の期限が来週に迫っています。新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会は11日に開かれる会合で、東京や大阪など感染が急速に拡大している地域で感染状況が高止まりしている場合や、拡大が続いている場合には、引き続き「Go Toキャンペーン」の対象地域から除外するなどの対策を求めることにしています。政府は、先月末からの3週間を短期間で集中的に対策を行う「勝負の3週間」と位置づけていて、北海道や東京、大阪など、感染が急速に拡大している「ステージ3」にあたると考えられる地域では、先月末から「Go Toキャンペーン」の対象地域からの一時除外や、不要不急の外出自粛の呼びかけなどが行われています。この期間の期限が来週に迫る中、分科会は11日に開かれる会合で、「ステージ3」に相当する地域での感染状況を「減少」「高止まりの状態」「さらに拡大」の3つの場合に分けて、今後政府や自治体が行うべき対策を提言として示すことにしています。この中では、今月中旬をめどに現在の対策の効果を分析する必要があるとしていて、感染状況が「高止まり」か「拡大」の場合には、飲食店に対する営業時間の短縮要請の強化や、「Go Toキャンペーン」の対象地域から除外する措置を続けることなどが必要だとしています。11日の会合では、この提言を踏まえて今後の対応について議論されます。“年末年始 慎重な対応求める提言”提示へ 新型コロナウイルス対策の政府の分科会は、年末年始に求められる対策について、感染が急速に拡大している「ステージ3」にあたる地域では、忘年会や新年会はオンラインで開催し、帰省は延期を検討するなど、慎重な対応を求める提言を11日に開かれる会合で示すことにしています。また、それ以外の地域でも、忘年会や新年会はなるべくふだんから一緒にいる人と少人数で開き、短時間で済ませたり、斜め向かいに座ったりするなど感染リスクを下げる行動をとり、帰省も休暇を取る時期をずらして、混雑を避けるなどの工夫が必要だと指摘しています。>

「新型コロナウイルス感染症」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html)(https://corona.go.jp/)(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html)(https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019)について、わが国では、「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00093.html)のリスク評価と、新型インフルエンザ等対策有識者会議(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/yusikisyakaigi.html)の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」のリスク管理が行われ、観光庁「Go To トラベル事業」(https://www.mlit.go.jp/kankocho/page01_000637.html)、農林水産省「Go To Eatキャンペーン事業」(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/hoseigoto.html)、経済産業省「Go To イベント事業」(https://gotoevent.go.jp/)、経済産業省「Go To 商店街事業」(https://www.meti.go.jp/covid-19/goto-shoutengai/index.html)が推進されているが、都道府県でもリスク評価とリスク管理が問われている。日本集中治療医学会(https://www.jsicm.org/covid-19.html)の「COVID-19 重症患者状況」(https://covid.jsicm.org/)の都道府県別「人工呼吸器装着数、ECMO装着数」や「療養状況等及び入院患者受入病床数等に関する調査」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00023.html)による医療の評価だけでなく、週ごとの「V-RESAS(新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響の可視化)」(https://v-resas.go.jp/)の推移のほか、人口動態(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html)の「人口動態統計月報(概数)」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html)、被保護者調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/74-16.html)の月次調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/74-16b.html#link01)、自殺統計(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsutoukei-jisatsusyasu.html)などの評価も必要であろう。
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