M3「迫井課長「地域医療構想に寄り添う」は名言 - 中川俊男・日医副会長に聞く◆Vol.2「病床削減や医療費抑制のツール」にあらず」(https://www.m3.com/news/iryoishin/547522)。<以下引用>
<――先生が中医協で、繰り返し発言されていた基本的な考え方が幾つかあります。一つは、地域医療構想と診療報酬の関係です。 地域医療構想の議論は、非常にデリケート。同構想の発端の議論にさかのぼれば、財務省や官邸筋は、急性期病床削減や医療費削減のツールの一つにしようと思ったことは間違いありません。――最初は、急性期医療を担う病床を「急性期病床群」(仮称)として医療法上で位置付ける議論でした。 厚労省は当初、一般病床のうち、一定の要件を満たす病床について、都道府県知事による許可制あるいは認定制とし、その要件を満たしているかを確認するために更新制を導入するといった提案をしていました。しかし、急性期病床だけを一律に削減したら、地域医療の現場に混乱を招くだけです。医療の包容力がなくなってしまう。地域によって事情が異なる中で、2025年に向けてどのような医療提供体制を構築していくかは、各地域で話し合うべき問題。そこで議論を押し返し、まずは病床機能報告制度で現状を把握し、皆で各地域の医療の在り方を考え、地域医療構想を策定し、調整会議で話し合う枠組みに変えました。つまり、地域医療構想からは、「病床削減や医療費抑制のツール」という機能はなくなったはずです。しかし、いまだに病床機能報告の結果と「病床の必要量」を比較した図が提示されたりするので、地域医療構想をめぐる議論から全く目が離せません。――地域医療構想の「病床の必要量」は、医療計画の「基準病床」と同様の位置付け、規制であるという誤解がある。 「病床の必要量の上限」と誤解されたので、医療機関の現場が混乱しました。しかし、「病床の必要量」は、あくまで患者さんの数から推計した医療のニーズであり、病床数とは意味が違います。――「地域医療構想ワーキンググループ」の資料を見ると、急性期機能の病床からの退院先は、72.3%は「自宅」です。急性期の病期にある患者さんが、直接自宅に戻るとは考えにくく、急性期病床にも退院前の回復期にある患者さんが入院していることを示すデータではないでしょうか。 その通りです。さまざまな機会に繰り返し発言していますが、例えば「急性期機能」を選んだ場合でも、その病棟に入院している全患者が「急性期」の病期にあるわけではありません。だからこそ、地域医療構想の4つの医療機能と、診療報酬の入院料を関係付けることは難しいのです。今年1月の中医協総会でも、この点が議論になり、迫井課長(厚労省保険局医療課長の迫井正深氏)から、「(地域医療構想が描く)医療提供体制を推進することに対して、診療報酬がどう支援するのか、どう“寄り添う”のかについては、まさに今後議論してもらう課題」との発言を引き出しました。診療報酬と地域医療構想の関係を表した「名言」だと思います。私が「4つの医療機能のいずれを選択しても、経営が成り立つようにすることではないか」と釘を刺したところ、迫井課長は否定しませんでした。いまだに地域医療構想については、診療報酬との関係も含めて誤解が多い。迫井課長の言葉も引用しながら、説明していく必要があります。――薬価制度の抜本改革の議論の際には、「公的国民皆保険のプレーヤーとしての自覚を持ってもらいたい」という製薬企業への要請も、基本的な考え方として再三言われていました。 我々医療機関は非営利ですが、営利企業の製薬企業にとっては、できるだけ利益を上げて、株主に配当するのが使命なので、そもそも議論がかみ合うはずはありません。しかし、公的な国民皆保険制度下でプレーする以上、どこかで折り合いを付けなければいけない。エビデンスに基づく議論を進めるため、企業経営に関するデータを求めても、「企業秘密」と一言で終わらせてしまったら、議論がそれ以上、進まなくなってしまいます。例えば、費用対効果評価や薬価算定方式の見直しの際には、製薬企業が薬の製造原価などのデータをどう出すかが問題になります。費用対効果評価の検討に当たっては当初、「高すぎる薬価を低くする制度」との説明でした。「安すぎる薬価を高くするものではない」と確認していたはずなのに、そうではなくなってしまう懸念もあり、心配しています。製薬企業のペースになってしまわないよう、注意が必要です。費用対効果評価については、薬価制度改革との整合性をいかに図るかについても、いまだよく分かりません。というか、両者は別の次元の問題なので、整合性を図るのは無理だと思います。薬価制度全体の改革の議論をしているのに、なぜ費用対効果評価の導入を急ぐのかとの疑問もあります。さらに薬価をめぐる議論では、「メーカーの採算が取れるかどうか」という議論にもなります。しかし、個別の品目について、採算性を考えていく問題ではないでしょう。メーカーはさまざまな製品を出しており、まして日本国内だけではなく、グローバルで事業を展開している中で、メーカーの採算性をどう考えるかは今後の検討課題です。>
「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律(平成27年改正)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000087166.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000087813.pdf)で、「医療費適正化計画の見直し;・都道府県が地域医療構想と整合的な目標(医療費の水準、医療の効率的な提供の推進)を計画の中に設定」が規定された。第三期医療費適正化基本方針資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000138072.pdf)p1「高齢者の医療の確保に関する法律 第9条 2 都道府県医療費適正化計画においては、当該都道府県の医療計画に基づく事業の実施による病床の機能の分化及び連携の推進の成果並びに住民の健康の保持の推進及び医療の効率的な提供の推進により達成が見込まれる医療費適正化の効果を踏まえて、厚生労働省令で定めるところにより算定した計画の期間における医療に要する費用の見込み(第十一条第四項において「都道府県の医療に要する費用の目標」という。)に関する事項を定めるものとする。」は認識しなければならない。「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針2017)」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0609/shiryo_02.pdf)p31「地域医療構想の実現、医療計画・介護保険事業計画の整合的な策定等;地域医療構想の実現に向けて地域ごとの「地域医療構想調整会議」での具体的議論を促進する。病床の役割分担を進めるためデータを国から提供し、個別の病院名や転換する病床数等の具体的対応方針の速やかな策定に向けて、2年間程度で集中的な検討を促進する。これに向けて、介護施設や在宅医療等の提供体制の整備と整合的な慢性期機能の再編のための地域における議論の進め方を速やかに検討する。このような自主的な取組による病床の機能分化・連携が進まない場合には、都道府県知事がその役割を適切に発揮できるよう、権限の在り方について、速やかに関係審議会等において検討を進める。また、地域医療介護総合確保基金について、具体的な事業計画を策定した都道府県に対し、重点的に配分する。地域医療構想における2025年(平成37年)の介護施設、在宅医療等の追加的必要量(30万人程度)を踏まえ、都道府県、市町村が協議し整合的な整備目標・見込み量を立てる上での推計の考え方等を本年夏までに示す。」とあり、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)の推進には、「データに基づく都道府県、市町村の協議」「都道府県知事権限の行使」「地域医療介護総合確保基金」が重視されている。中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)や介護給付費分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126698)での診療報酬改定、介護報酬改定は、地域医療構想の推進が意識されないわけがないように感じる。「中央社会保険医療協議会(医療と介護の連携に関する意見交換)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=422054)も注目である。地域医療構想に関するワーキンググループ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422)の「公的医療機関等改革プラン(仮称)(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000171567.pdf)p3の開設者「・地方公共団体の組合 ・国民健康保険団体連合会 ・日本赤十字社 ・社会福祉法人恩賜財団済生会 ・厚生農業協同組合連合会 ・社会福祉法人北海道社会事業協会」、p4「独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)」、p5「独立行政法人国立病院機構」、p6「独立行政法人労働者健康安全機構」の公的病院改革プランは、「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)と同様に、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)を踏まえたものになる。総務省「公営企業の経営戦略及び新公立病院改革プランの策定状況」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000439913.pdf)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000149.html)で、都道府県別の策定状況(http://www.soumu.go.jp/main_content/000439915.pdf)も出ていたが、「新公立病院改革プラン」http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000135068.pdf)が具体的に進まないのに、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)は進まない。公立病院以外の公的病院も同様であろう。「地域医療構想に関するワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422)の「調整会議における議論の進め方について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000168626.pdf)p8「病床過剰地域において、病床を稼働していない場合」の対応を優先したい。医療法に基づく病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)では、一般病床・療養病床を有する医療機関それぞれの「許可病床数・稼動病床数」が報告され、また、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)では、医療機関の病床種別の許可病床及び前年度1日平均患者数が出ており、各医療機関の病床利用率がわかり、病床稼働率が高くても病床利用率が低い医療機関が少なくない状況にある(特に一般病床)。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000151974.pdf)p16「都道府県知事の権限」が行使される前に、ダウンサイジングする必要があるように感じる。「各都道府県の地域医療構想について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000164337.pdf)p31~「各構想区域における4機能ごとの病床の必要量」において、急性期病床過剰と判断される地域は、市区町村別の将来人口推計(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/5-sai/shosai.html)による人口減少だけでなく、「病床利用率が低い一般病床」の存在が大きいであろう。「地域医療構想に関するワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422)の「病床機能報告の項目の追加・見直しについて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000166638.pdf)p3「報告項目の追加・見直しについて(案)」では「稼働していない病床がある場合は、その理由を併せて報告することとしてはどうか。」「「入院前・退院先の場所別の患者数」、「退院後に在宅医療を必要とする患者数」について、報告対象期間を、現在の1か月間から、1年間に見直してはどうか。」とあり、今後、病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)のデータベース化による病棟単位の詳細な分析が普遍化されるように感じる。
<――先生が中医協で、繰り返し発言されていた基本的な考え方が幾つかあります。一つは、地域医療構想と診療報酬の関係です。 地域医療構想の議論は、非常にデリケート。同構想の発端の議論にさかのぼれば、財務省や官邸筋は、急性期病床削減や医療費削減のツールの一つにしようと思ったことは間違いありません。――最初は、急性期医療を担う病床を「急性期病床群」(仮称)として医療法上で位置付ける議論でした。 厚労省は当初、一般病床のうち、一定の要件を満たす病床について、都道府県知事による許可制あるいは認定制とし、その要件を満たしているかを確認するために更新制を導入するといった提案をしていました。しかし、急性期病床だけを一律に削減したら、地域医療の現場に混乱を招くだけです。医療の包容力がなくなってしまう。地域によって事情が異なる中で、2025年に向けてどのような医療提供体制を構築していくかは、各地域で話し合うべき問題。そこで議論を押し返し、まずは病床機能報告制度で現状を把握し、皆で各地域の医療の在り方を考え、地域医療構想を策定し、調整会議で話し合う枠組みに変えました。つまり、地域医療構想からは、「病床削減や医療費抑制のツール」という機能はなくなったはずです。しかし、いまだに病床機能報告の結果と「病床の必要量」を比較した図が提示されたりするので、地域医療構想をめぐる議論から全く目が離せません。――地域医療構想の「病床の必要量」は、医療計画の「基準病床」と同様の位置付け、規制であるという誤解がある。 「病床の必要量の上限」と誤解されたので、医療機関の現場が混乱しました。しかし、「病床の必要量」は、あくまで患者さんの数から推計した医療のニーズであり、病床数とは意味が違います。――「地域医療構想ワーキンググループ」の資料を見ると、急性期機能の病床からの退院先は、72.3%は「自宅」です。急性期の病期にある患者さんが、直接自宅に戻るとは考えにくく、急性期病床にも退院前の回復期にある患者さんが入院していることを示すデータではないでしょうか。 その通りです。さまざまな機会に繰り返し発言していますが、例えば「急性期機能」を選んだ場合でも、その病棟に入院している全患者が「急性期」の病期にあるわけではありません。だからこそ、地域医療構想の4つの医療機能と、診療報酬の入院料を関係付けることは難しいのです。今年1月の中医協総会でも、この点が議論になり、迫井課長(厚労省保険局医療課長の迫井正深氏)から、「(地域医療構想が描く)医療提供体制を推進することに対して、診療報酬がどう支援するのか、どう“寄り添う”のかについては、まさに今後議論してもらう課題」との発言を引き出しました。診療報酬と地域医療構想の関係を表した「名言」だと思います。私が「4つの医療機能のいずれを選択しても、経営が成り立つようにすることではないか」と釘を刺したところ、迫井課長は否定しませんでした。いまだに地域医療構想については、診療報酬との関係も含めて誤解が多い。迫井課長の言葉も引用しながら、説明していく必要があります。――薬価制度の抜本改革の議論の際には、「公的国民皆保険のプレーヤーとしての自覚を持ってもらいたい」という製薬企業への要請も、基本的な考え方として再三言われていました。 我々医療機関は非営利ですが、営利企業の製薬企業にとっては、できるだけ利益を上げて、株主に配当するのが使命なので、そもそも議論がかみ合うはずはありません。しかし、公的な国民皆保険制度下でプレーする以上、どこかで折り合いを付けなければいけない。エビデンスに基づく議論を進めるため、企業経営に関するデータを求めても、「企業秘密」と一言で終わらせてしまったら、議論がそれ以上、進まなくなってしまいます。例えば、費用対効果評価や薬価算定方式の見直しの際には、製薬企業が薬の製造原価などのデータをどう出すかが問題になります。費用対効果評価の検討に当たっては当初、「高すぎる薬価を低くする制度」との説明でした。「安すぎる薬価を高くするものではない」と確認していたはずなのに、そうではなくなってしまう懸念もあり、心配しています。製薬企業のペースになってしまわないよう、注意が必要です。費用対効果評価については、薬価制度改革との整合性をいかに図るかについても、いまだよく分かりません。というか、両者は別の次元の問題なので、整合性を図るのは無理だと思います。薬価制度全体の改革の議論をしているのに、なぜ費用対効果評価の導入を急ぐのかとの疑問もあります。さらに薬価をめぐる議論では、「メーカーの採算が取れるかどうか」という議論にもなります。しかし、個別の品目について、採算性を考えていく問題ではないでしょう。メーカーはさまざまな製品を出しており、まして日本国内だけではなく、グローバルで事業を展開している中で、メーカーの採算性をどう考えるかは今後の検討課題です。>
「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律(平成27年改正)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000087166.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000087813.pdf)で、「医療費適正化計画の見直し;・都道府県が地域医療構想と整合的な目標(医療費の水準、医療の効率的な提供の推進)を計画の中に設定」が規定された。第三期医療費適正化基本方針資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000138072.pdf)p1「高齢者の医療の確保に関する法律 第9条 2 都道府県医療費適正化計画においては、当該都道府県の医療計画に基づく事業の実施による病床の機能の分化及び連携の推進の成果並びに住民の健康の保持の推進及び医療の効率的な提供の推進により達成が見込まれる医療費適正化の効果を踏まえて、厚生労働省令で定めるところにより算定した計画の期間における医療に要する費用の見込み(第十一条第四項において「都道府県の医療に要する費用の目標」という。)に関する事項を定めるものとする。」は認識しなければならない。「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針2017)」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0609/shiryo_02.pdf)p31「地域医療構想の実現、医療計画・介護保険事業計画の整合的な策定等;地域医療構想の実現に向けて地域ごとの「地域医療構想調整会議」での具体的議論を促進する。病床の役割分担を進めるためデータを国から提供し、個別の病院名や転換する病床数等の具体的対応方針の速やかな策定に向けて、2年間程度で集中的な検討を促進する。これに向けて、介護施設や在宅医療等の提供体制の整備と整合的な慢性期機能の再編のための地域における議論の進め方を速やかに検討する。このような自主的な取組による病床の機能分化・連携が進まない場合には、都道府県知事がその役割を適切に発揮できるよう、権限の在り方について、速やかに関係審議会等において検討を進める。また、地域医療介護総合確保基金について、具体的な事業計画を策定した都道府県に対し、重点的に配分する。地域医療構想における2025年(平成37年)の介護施設、在宅医療等の追加的必要量(30万人程度)を踏まえ、都道府県、市町村が協議し整合的な整備目標・見込み量を立てる上での推計の考え方等を本年夏までに示す。」とあり、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)の推進には、「データに基づく都道府県、市町村の協議」「都道府県知事権限の行使」「地域医療介護総合確保基金」が重視されている。中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)や介護給付費分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126698)での診療報酬改定、介護報酬改定は、地域医療構想の推進が意識されないわけがないように感じる。「中央社会保険医療協議会(医療と介護の連携に関する意見交換)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=422054)も注目である。地域医療構想に関するワーキンググループ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422)の「公的医療機関等改革プラン(仮称)(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000171567.pdf)p3の開設者「・地方公共団体の組合 ・国民健康保険団体連合会 ・日本赤十字社 ・社会福祉法人恩賜財団済生会 ・厚生農業協同組合連合会 ・社会福祉法人北海道社会事業協会」、p4「独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)」、p5「独立行政法人国立病院機構」、p6「独立行政法人労働者健康安全機構」の公的病院改革プランは、「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)と同様に、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)を踏まえたものになる。総務省「公営企業の経営戦略及び新公立病院改革プランの策定状況」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000439913.pdf)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000149.html)で、都道府県別の策定状況(http://www.soumu.go.jp/main_content/000439915.pdf)も出ていたが、「新公立病院改革プラン」http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000135068.pdf)が具体的に進まないのに、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)は進まない。公立病院以外の公的病院も同様であろう。「地域医療構想に関するワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422)の「調整会議における議論の進め方について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000168626.pdf)p8「病床過剰地域において、病床を稼働していない場合」の対応を優先したい。医療法に基づく病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)では、一般病床・療養病床を有する医療機関それぞれの「許可病床数・稼動病床数」が報告され、また、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)では、医療機関の病床種別の許可病床及び前年度1日平均患者数が出ており、各医療機関の病床利用率がわかり、病床稼働率が高くても病床利用率が低い医療機関が少なくない状況にある(特に一般病床)。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000151974.pdf)p16「都道府県知事の権限」が行使される前に、ダウンサイジングする必要があるように感じる。「各都道府県の地域医療構想について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000164337.pdf)p31~「各構想区域における4機能ごとの病床の必要量」において、急性期病床過剰と判断される地域は、市区町村別の将来人口推計(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/5-sai/shosai.html)による人口減少だけでなく、「病床利用率が低い一般病床」の存在が大きいであろう。「地域医療構想に関するワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422)の「病床機能報告の項目の追加・見直しについて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000166638.pdf)p3「報告項目の追加・見直しについて(案)」では「稼働していない病床がある場合は、その理由を併せて報告することとしてはどうか。」「「入院前・退院先の場所別の患者数」、「退院後に在宅医療を必要とする患者数」について、報告対象期間を、現在の1か月間から、1年間に見直してはどうか。」とあり、今後、病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)のデータベース化による病棟単位の詳細な分析が普遍化されるように感じる。