保健福祉の現場から

感じるままに

未把握の未届けホーム

2016年09月29日 | Weblog
キャリアブレイン「自治体未把握の未届けホーム、約100カ所- 総務省が調査、厚労省に改善勧告」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49710.html)。<以下引用>
<総務省は、老人福祉法で必要とされる届け出をしていない有料老人ホーム(未届け有料老人ホーム)に関する調査結果を発表した。それによると、未届け有料老人ホームで、その存在を都道府県などが把握していなかった施設が100カ所近くあることが分かった。こうした未届け有料老人ホームの中には、入居者1人当たりの床面積が指導指針の定めの半分以下の施設や夜間の介護などに対応するための職員を配置していない施設も見られた。こうした状況を踏まえ、総務省では厚生労働省に対し、実態の把握や指導・監督を徹底するよう勧告した。総務省では、昨年4月から今年9月にかけて、30カ所の都道府県や政令指定都市、中核市などで、未届け有料老人ホームに関する調査を実施。その結果、該当する自治体が2014年10月末段階で把握していた施設(569カ所)とは別に、97カ所の未届け有料老人ホームを確認した。さらに総務省では、既に自治体が把握していた569カ所から24カ所、今回の調査で新たに把握した97カ所から25カ所の未届け有料老人ホームを選び、昨年4月1日段階の管理運営の実態について詳細に調査した。■床面積が指導指針の半分以下の未届けホームも その結果、義務化されている消防用設備などの定期点検や点検結果の消防署への報告を行っていなかった施設が10カ所確認された上、やはり義務化されている年2回以上の避難訓練を実施していない施設は4カ所あった。さらに夜間に介護や緊急時対応のための職員を配置していない施設(7カ所)や、入居者の病状の急変などに備えるための医療機関との連携体制が確保されていない施設(10カ所)も確認されたという。特に地方自治体が把握していなかった未届け有料老人ホームの中には、入居者1人当たりの床面積が指導指針の基準(約6.5平方メートル)の半分以下の施設も複数確認されていたという。■計画的な立ち入り検査ができていない自治体も 総務省では、自治体の対応についても調査。その結果、サービスの提供形態の多様化・複雑化に伴い、各施設が有料老人ホームかどうかの判断に苦慮しているという自治体(18カ所)や、計画的な立ち入り検査が実施できていない自治体(14カ所)などが確認された。さらに、厚労省が公開を求めている有料老人ホームの重要事項説明書を公開していない自治体は17カ所あった。こうした状況を踏まえ、総務省は、▽未届け有料老人ホームの実態把握の徹底▽有料老人ホームの判断基準の整理・情報提供▽自治体の指導監督を補完する、第三者性に留意した評価の仕組み―などを実施・検討するよう厚労省に勧告した。厚労省の調査によると、未届け有料老人ホームは、昨年6月30日段階で1017カ所。また、前払い金を徴収していたにも関わらず、義務化されている保全措置を講じていなかった施設は77カ所あった。さらに今年1月に実施した厚労省の「緊急追加調査」では、未届け有料老人ホームと思われる施設が、新たに633カ所見つかった。>

16日に総務省「有料老人ホームの運営に関する行政評価・監視<結果に基づく勧告>」(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/107317.html)が出ていた。「高齢者施設の食事、殺菌や温度管理徹底を-厚労省が集団食中毒踏まえ通知」(http://www.kaigo-s.com/news/newsfeed/2585/)、「高齢者施設などの防犯対策で留意点- 相模原事件受け、厚労省が点検項目を作成」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49656.html)も出ているが、行政側による高齢者施設に対する監視はどうなっているか、気になるところかもしれない。今回は「30カ所の都道府県や政令指定都市、中核市など」の調査であり、実際には未把握の未届けホームはもっと多いであろう。
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子どもの難病、大人の難病と地域包括ケア

2016年09月29日 | Weblog
中日新聞「子どもの難病、14疾患を追加へ 厚労省委員会」(http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016092890151311.html)。<以下引用>
<厚生労働省の専門委員会は28日、子どもの難病として医療費の助成を受けられる「小児慢性特定疾病」に、色素失調症など14の病気を新たに追加することで合意した。正式決定後、来年度から助成を始める見通し。小児慢性特定疾病は、生命に関わる慢性の病気で、長期間高額な医療費がかかることなどが指定の要件。2014年にそれまでの514疾病からの拡大が決まり、現在はダウン症や先天性風疹症候群など704疾病、約15万人が対象となっている。今回は、指定の要件を満たすとして小児科学会が要望した疾病などが対象とされた。追加される小児慢性疾病は次の通り。2型コラーゲン異常症関連疾患▽TRPV4異常症▽カラムティ・エンゲルマン症候群▽偽性軟骨無形成症▽色素失調症▽先天性サイトメガロウイルス感染症▽先天性トキソプラズマ感染症▽先天性 胞性肺疾患▽多発性軟骨性外骨腫症▽点状軟骨異形成症(ペルオキシソーム病を除く)▽内軟骨腫症▽ハーラマン・ストライフ症候群▽ビールズ症候群▽ラーセン症候群>

社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126716)で「小児慢性特定疾病として平成29年度に追加を検討する疾病」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000138126.pdf)が出ているが、難病対策は医療費助成だけではない。「難病の医療提供体制」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000138132.pdf)のほか、「小児慢性特定疾病その他の疾病にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本的な方針」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000138129.pdf)に示す保健医療福祉施策が欠かせない。「小児慢性特定疾病その他の疾病にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本的な方針」に対する取組状況(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000138124.pdf)について、都道府県ごとの取組状況はどうなのであろうか。6月3日「医療的ケア児の支援に関する保健、医療、福祉、教育等の連携の一層の推進について」(http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/law/kodomo3houan/pdf/h280603/renkei_suishin.pdf)が発出されていたが、医療的ケア児には小児慢性特定疾病児も少なくないであろう。社会保障審議会障害者部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126730)の「「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」について(経過)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000128863.pdf)に出ているように、障害児計画は平成30年度からである。そして、難病は、子どもの難病(http://www.shouman.jp/)だけではなく、大人の難病(http://www.nanbyou.or.jp/)もある。厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=206844)での医療費助成対象疾病の追加(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000134989.html)が注目されるであろうが、「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000099473.pdf)p5「難病の患者が住み慣れた地域において安心して暮らすことができるよう、難病の患者を多方面から支えるネットワークの構築を図る。」とあり、「難病地域包括ケア」を推進したいものである。「難病の医療提供体制の在り方について(基本的な考え方と方向性)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000131426.pdf)は来年度策定の第7次医療計画でも議論される必要がある。来年度は、第5期障害福祉計画、第7期介護保険事業計画も策定され、組織横断と重層的・相補的連携が求められるのはいうまでもない。「何でも市町村」では進まないであろう。
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産科セミオープンシステム

2016年09月29日 | Weblog
朝日新聞「妊産婦を切れ目なく支援 山梨・甲斐に産婦人科開業」(http://www.asahi.com/articles/ASJ9Y2TJ0J9YUBQU00G.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<山梨県甲斐市が進める「妊娠から出産、育児まで切れ目のない支援」の拠点となる産婦人科の診療所が10月に開設される。子育てしやすい環境を整えようと、市が山梨大医学部を通じて誘致した。開設後は女性医師が出産前後の診療や相談にあたり、分娩(ぶんべん)は山梨大医学部付属病院が受け持つ。フィンランドで「切れ目ない支援」を提供するネウボラ(助言の場)に倣った「甲斐市版ネウボラ事業」の一環。「このはな産婦人科」(甲斐市西八幡)は10月3日に開設され、出産前後の母親の体調面や精神面でのケアに重点を置く。医師25年目で山梨大産婦人科助教の中村朋子さん(48)が院長を務め、非常勤の女性医師、看護師、助産師らで構成する。市健康増進課によると、2014年度の調査では出生届を出した母親の2割が産後うつの可能性があり、その3割は約2カ月後も改善が見られなかった。また今年1~3月に出産した母親に聞いたところ、57%が産後に「睡眠不足」「イライラ」「疲れ」「涙が出る」などの不調があり、つらかった時期は多くが出産直後と答えた。市は法律で義務づけられた1歳6カ月児と3歳児の健診に加え、4カ月児、2歳児の健診を独自に行うが、こうした出産直後の母親のケアは空白になりがちだった。このため、「このはな産婦人科」に週1回、産後1カ月半の母親と乳児の集団指導や交流の場を設け、必要な場合は医師の個別指導につなげていく。中村さんは「核家族化が進み一人で悩む母親が多い。出産直後に面談を重ねて産後うつの早期発見や授乳に関する悩みの解決に向けて努力したい」と話す。診療所は鉄骨2階建てで集団指導をする「産後ケア室」や授乳トラブルに対応する「乳房チェック室」、手術室などを備える。胎児の様子が分かる超音波診断装置など高額な医療機器は市が国の補助を使って購入したものを借り受ける。分娩自体は近くにある中央市の山梨大医学部付属病院が受け持つ分業方式「セミオープンシステム」を採用。診療所の医療情報は病院と共有されるという。>

地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)と並行する「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)でも周産期医療体制が議題になっている地域が少なくないかもしれない。厚労省「これまでの議論の整理」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000129281.pdf)では必要と考えられる対応として、「院内助産所の活用の推進」「ハイリスク分娩を扱う医療機関の重点化・集約化」「周産期医療の医療圏の設定」等が掲げられている。そういえば、周産期医療体制のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=292852)で「周産期医療体制整備計画と医療計画の一体化について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000134644.pdf)が出ていた。医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)に係る医療法(http://www.ron.gr.jp/law/law/iryouhou.htm)第30条の3第1項に基づく「医療提供体制の確保に関する基本方針」、第30条の8に基づく「医療計画作成指針」、「疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制構築に係る指針」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_taisei1.pdf)の改定は今年度末である。医療計画の見直し等に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)では、医師偏在対策(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000137007.html)が協議されているが、「周産期医療に携わる医師の不足や偏在」についての具体的対応が不可欠であろう。周産期医療は医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)の柱の一つで、周産期医療の体制構築に係る指針(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_taisei1.pdf)では、①正常分娩等に対し安全な医療を提供するための周産期医療関連施設間の連携、②周産期の救急対応が24 時間可能な体制、③新生児医療の提供が可能な体制、④NICU に入室している新生児の療養・療育支援が可能な体制の方向が示されている。「公立病院改革」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)において、少子化対策として、各公立病院での分娩対応希望が少なくないかもしれないが、晩婚化・出産高齢化の中で、それぞれの地域において、自治体の枠を超えてでも「ある程度リスクの高い出産に対応できる医療体制」を確保することこそが最低限必要と感じる。地域によっては産科セミオープンシステムも考えられるかもしれない。
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薬の貧困ビジネスと生活保護医療扶助の適正化

2016年09月29日 | Weblog
生活保護関係全国係長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000114635.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000114630.pdf)p6「都道府県・指定都市・中核市別保護率」では大阪市5.64%~富山県0.27%と生活保護率に20倍以上の格差がある。社会保障ワーキング・グループ(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/index.html)のKPI・「見える化」項目の明確化(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/280711/shiryou5.pdf)p22「都道府県等別年齢調整後被保護者一人当たり医療扶助費(月額)を毎年度作成することにより、都道府県等別の医療扶助費の地域差の把握を行う。」が待たれる。以前、「生活保護の医療扶助における緊急サンプル調査の一次調査結果」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000gmbj.html)、朝日新聞「向精神薬余分に処方、5177人 生活保護受給者を調査 厚労省」(http://apital.asahi.com/article/news/2015031000004.html)が出ていたが、医療扶助実態調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/67-16.html)で、薬関係の貧困ビジネス(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A7%E5%9B%B0%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9)をチェックできるようなしくみが必要と感じる。そういえば、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000077381.pdf)p54「一部の福祉事務所では電子レセプトシステムを活用できていないとの回答も見られたほか、都道府県等本庁においては、電子レセプトシステムにより得ることができるデータを指導対象医療機関の選定の一要素として使用し、実際に指導検査を行った事例がある都道府県等は31.2%、請求に特徴が見られる医療機関の把握に活用している都道府県等は19.3%であるなど、活用状況は低調であった。現在、レセプト点検による過誤調整率については、全国の地方自治体ごとでバラツキが見られるが、上記の機能強化とあわせて、点検の精度の平準化のため、電子レセプトシステム上に点検ルールを盛り込み、簡易に内容点検が行えるようにしているので、了知の上、活用されたい。」とあった。
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医薬品とTPP

2016年09月29日 | Weblog
M3「シリーズ: 中央社会保険医療協議会 ソバルディとハーボニー、2015年度の医療費増の主要因 両剤含む抗ウイルス薬で「0.7~0.8%」の医療費増」(https://www.m3.com/news/iryoishin/462890)。<以下引用>
<厚生労働省は9月28日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)に、2015年度の「医療費の動向」を公表、同年の医療費は41.5兆円で初めて40兆円を突破、2014年度と比べ、3.8%増となったと説明した。過去数年に比べて高い医療費の伸びになったのは、調剤医療費の増加が要因だ。中でもC型肝炎治療薬である、ソバルディ(一般名ソホスブビル)とハーボニー配合錠(レジパスビル/ソホスブビルの配合錠)の薬剤料の伸びの影響が大きい。同省によると「約40兆円の概算医療費に対して、おおむね0.7~0.8%が、昨年秋以降に使用が増えた、C型肝炎治療薬を含む抗ウイルス薬の薬剤料の増加が要因」(保険局調査課長の山内孝一郎氏)。ただし、「0.7~0.8%」は院外処方分であり、「院内処方される場合も含めると、もう少し大きいのではないか」と山内課長は説明した。2016年度薬価改定で、両剤とも「特例拡大再算定」の対象になり、31.7%の大幅な薬価引き下げとなったため、「2016年度以降、どのように推移していくかを見て行くことが必要」(山内課長)。これらの医療費の分析に対し、さまざまな視点から問題提起したのが、日本医師会副会長の中川俊男氏。まず3.8%の医療費増について、診療報酬改定がなかった2011年度(対前年度比3.1%増)や2013年度(同2.2%増)と比較しても高いと指摘。その上で、山内課長が言及したように、薬剤料の分析は院外処方に限った場合であり、日医が分析中のデータでは、院内処方を含めると、抗ウイルス薬の増加は1%程度になると述べ、薬剤料の伸びを問題視した。その上で中川氏は、ソバルディとハーボニー配合錠の売上を質問。厚労省は、IMSのデータを説明。薬価ベースで四半期ごとに、ソバルディ(2015年5月薬価収載)は、433億円(2015年7-9月)、643億円(同10-12月)、391億円(2016年1-3月)、246億円(同4-6月)、ハーボニー配合錠(2015年9月薬価収載)は、1101億円(2015年10-12月)、1517億円(2016年1-3月)、698億円(同4-6月)とそれぞれ推移している。「(売上の)ピークは過ぎたと考えていいのか」との中川氏の質問に対し、厚労省保険局医療課薬剤管理官の中山 智紀氏は、ソバルディとハーボニー配合錠の薬剤料は、2016年度薬価改定の31.7%の引き下げを上回るペースで減少、つまり薬価だけでなく数量も減少しているとし、引き続き2016年7月以降のデータを見て行くとした。中川氏は、「高額薬剤が、公的医療保険制度を翻弄していると以前言っていたが、こうしたデータをリアルタイムに把握、公表して、拙速な議論に走らないようにやっていくことが必要ではないか」と厚労省に求めた。さらに現在、中医協で議論が進む抗PD-1抗体製剤のオプジーボ(一般名ニボルブマブ)についても、年間医療費が「1兆7500億円」に達するとの推計もある中、「この金額がいまだに独り歩きをしている。この数字は過大であるという明確なメッセージを発するべきではないか。これにより議論がおかしな方向に行っている」と中川氏はコメントした。 中山薬剤管理官は、「重大な問題だと思っている」とし、オプジーボの販売元である小野薬品工業の公表データなども踏まえ、分析していくと答えた。さらに中川氏は、「医療費の伸びの大半は、薬剤費であることが明らかになったのではないか。今の中医協の最大の懸案は、薬価の在り方であり、原価計算方式と類似薬効比較方式などの見直しを早急にやる根拠が明らかになった」とも指摘し、政府の方針として社会保障費の自然増が年5000億円に抑制される中、薬剤料の問題が中医協の重点課題であると提起した。2015年度の「医療費の動向」では、後発医薬品割合なども明らかになっている。2015年4月の58.8%から、2016年3月には63.1%に増加した(数量ベース)。2015年の「骨太の方針」で掲げられた後発医薬品の使用割合は、「2017年央までに70%以上」であり、今後も使用促進が必要な状況にある。後発医薬品使用促進の医療費への効果は、2014年度の場合でマイナス0.5%。中川氏は、2015年度の後発医薬品の薬剤料が8500億円であるのに対し、それを促進するための調剤報酬の伸びも大きい現状について問題提起。日本薬剤師会常務理事の安部好弘氏はどの部分の技術料が増えているかなど、丁寧な分析と議論を求めた。抗ウイルス剤、1185億円から4139億円に大幅増 2015年度の医療費は、2014年度と比較で3.8%増。医療費は診療報酬改定の影響を受けるため、改定がなかった年度と比較すると、2011年度3.1%増、2013年度2.2%増などと比較しても高い伸びとなった。診療種別にみると、入院1.9%増、入院外3.3%増、歯科1.4%増、調剤9.4%増であり、「過去の傾向に比べても調剤の伸びが高く、入院外もやや高く、結果としてやや高い医療費の増加となった」(山内課長)。調剤の伸び(院外処方分)を分析すると、処方せん1枚当たりの調剤医療費は7.3%増。内訳は技術料1.4%増で過去数年とそれほど変わらないが、薬剤料9.2%と高い伸びとなっている。薬剤料の8割以上を占める内服薬について薬効分類別にみると、ソバルディなどを含む抗ウイルス剤が対前年度比で248.1%増と非常に高い伸びで、薬剤費は2014年度の1185億円から、2015年度は約3000億円増加し、4139億円になった。約40兆円の医療費に対して、この約3000億円は、0.7~0.8%に該当する計算になる。厚労省が9月15日の経済財政諮問会議の経済・財政一体改革推進委員会 「社会保障ワーキング・グループ」に提出した資料「医療費の伸びの要因分析」では、2015年度の医療費の伸び3.8%について、「人口増の影響」がマイナス0.1%、「高齢化の影響」が1.2%増、「その他」が2.7%と説明。2.7%のうち、薬剤料が1.4%、「抗ウイルス薬を含む化学療法剤」が0.77%となっている。>

中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)で医療費の動向(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000137951.pdf)p21~27「都道府県別の概算医療費(平成27年度)」、調剤医療費の動向(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000137952.pdf)p13~16都道府県別の状況が出ているのでみておきたい。都道府県格差が大きいが、中でも調剤医療費の動向(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000137952.pdf)p16「都道府県別 後発医薬品割合;沖縄県75.2%~徳島県53.3%;数量ベース新指標」が注目される。「医療費の伸びの要因分解」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000137953.pdf)p12「後発医薬品の促進による医療費の伸びの影響」で医療費の抑制効果が出ている。「保険者インセンティブの検討状況」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000121285.pdf)にあるように、「後発医薬品の使用促進に関する取組の実施状況;後発医薬品の促進の取組、後発医薬品の使用割合」は保険者インセンティブの共通指標である。国保・後期高齢は今年度から保険者努力支援制度が前倒しされるが、福岡県ジェネリック医薬品使用促進協議会(http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/gege.html)のように、都道府県によるバックアップが不可欠と感じる。日本健康会議(http://kenkokaigi.jp/)の「健康なまち・職場づくり宣言2020」(http://kenkokaigi.jp/pdf/leaflet.pdf)には「宣言8:品質確保・安定供給を国に求めつつ、すべての保険者が後発医薬品の利用勧奨など、使用割合を高める取り組みを行う。」がある。「保険者データヘルス全数調査」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/dhcs28/)の結果が、日本健康会議データポータル(http://kenkokaigi-data.jp/)に出ている。データマッピング(http://kenkokaigi-data.jp/datamap/)の都道府県地図をクリックし、「詳細」をみれば、それぞれの都道府県内の取り組み状況(市町村、保険者)が詳細にわかることは常識としたい。そういえば、厚労省「後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kouhatu-iyaku/index.html)の「後発医薬品(ジェネリック医薬品)の品質などについて~医療関係者の皆様へ~」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kouhatu-iyaku/02.html)で「安定供給体制等を指標とした情報提供項目に関する情報提供ページ」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kouhatu-iyaku/kigyou/list.html)が出ていた。後発医薬品の普及には、後発医薬品の品質確保(http://www.nihs.go.jp/kanren/iyaku/20140214-drug.pdf)と情報公開が不可欠と感じる。ところで、全国保険医新聞(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/shinbun/160905.pdf)や「TPP 24のギモン」(http://www.parc-jp.org/teigen/2016/tpp-q&a.pdf)では「後発品の製造困難、医薬品高騰のおそれ」とあるが、国民皆保険に影響しないのであろうか。また、全国保険医新聞(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/shinbun/160905.pdf)では「「オプジーボ」の薬価は英国に比べて日本は約5倍に上る」とある。国の「保健医療2035」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/hokeniryou2035/)では基本理念の一つに「公平・公正(フェアネス)」が掲げられているが、どうなのであろうか。キャリアブレイン「高額薬の保険適用、「対象とすべき」が7割- 医療政策機構が調査」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49702.html)が出ているが、「「オプジーボ」の薬価は英国に比べて日本は約5倍に上る」(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/shinbun/160905.pdf)の事実関係はどうなのであろうか。
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診察せず高価な薬処方

2016年09月29日 | Weblog
M3「診察せず高価な薬処方疑い 大阪、医師の女逮捕」(https://www.m3.com/news/general/462790)。<以下引用>
<診察せずに高価な薬の処方箋を渡したとして、大阪府警生活環境課は27日、医師法違反の疑いで、大阪市住吉区、医師更谷優子(さらたに・ゆうこ)容疑者(55)を逮捕した。逮捕容疑は昨年9月~今年1月、勤務先の堺市の診療所で、40代と80代の女性を診察していないのに、処方箋4通を知人の薬剤師の男(66)=詐欺罪で公判中=に渡した疑い。更谷容疑者は「診察したと思う」と容疑を否認している。同課によると、2人にそれぞれ漢方薬「サフラン」など数種類を大量に処方したよう装っていた。薬剤師の男は、この処方箋を使って計約1058万円の調剤報酬を得ていた。不正に受け取った報酬の総額は6千万円に上り、同課は更谷容疑者が一部を受け取っていたとみて調べている。>

医師法(http://www.ron.gr.jp/law/law/ishihou.htm)第24条により、カルテは5年間保存義務がある。報道の「容疑者は「診察したと思う」と容疑を否認している。」はあり得ない。
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がん精検受診率

2016年09月28日 | Weblog
キャリアブレイン「がん精検受診率目標、来年施行の基本計画に- 厚労省検討会で大筋合意」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49698.html)。<以下引用>
<厚生労働省はこのほど開かれた「がん検診のあり方に関する検討会」(座長=大内憲明・東北大大学院教授)に、議論の整理案を示した。これまで設定されていなかったがん精密検査(精検)の受診率の目標値を、来年6月に施行予定の第3期のがん対策推進基本計画(基本計画)に盛り込むことを提案し、大筋で合意を得た。目標値は、90%以上となる見通しだ。がんの精検については、同検討会の委員らから、がんによる死亡率の減少につながる可能性が高いとして、第3期基本計画で受診率の目標値を定めるべきとの指摘があった。厚労省が今年3月に公表した「地域保健・健康増進事業報告」によると、2013年度のがんの種類別の精検受診率は、胃がんが79.4%、肺がんが78.7%、大腸がんが65.9%、子宮頸がんが70.4%、乳がんが84.6%だった。こうした状況を踏まえ、整理案では精検受診率について「第3期の基本計画において目標を設定すべき」とした。具体的な目標値は示されなかったが、厚労省の「がん検診事業の評価に関する委員会」が08年に公表した報告書で、がんの種類ごとの精検受診率の目標を90%以上にするとしていたことから、これに準じた目標値が第3期基本計画に盛り込まれる見通しだ。■がん検診受診率、50%より高い目標を」 全国の市町村が実施するがん検診の受診率については、現行の基本計画で50%を目標としている。しかし、厚労省の13年度の国民生活基礎調査の結果で、実際はがんの種類ごとで30―40%台だったことから、整理案では第3期基本計画で50%よりも高い目標を設けるべきだとした。職域での検診については、実施主体の保険者や事業主ごとに検査項目や方法などが異なるのが実情だ。そのため整理案では、効果的な対策を行うために、職域のがん検診について「最低限必要な検査項目や方法を明確化」する必要性を指摘した。■職域受診率、医療機関のデータ活用求める声 意見交換では、第3期基本計画で精検受診率の目標値を設けることに異論はなかった。ただ、職域でのがん検診受診率について、白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)が、「検診をする医療機関からデータを取れば、かなり正確な数が把握できるのではないか」と提案した。これに対して、厚労省の担当者は、「どういうデータの補足の仕方が適切なのか検討する」と答えた。委員の意見を踏まえ、厚労省は来月に予定されている次回会合で修正案を示し、議論の取りまとめを目指す。>

国立がん研究センター「がん登録・統計」(http://ganjoho.jp/reg_stat/)では「がん検診受診率データ(市区町村による地域保健・健康増進事業報告データ)」だけではなく、「都道府県別がん検診プロセス指標データ」(http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.html#a27)が公表されている。都道府県別の厚労省「がん検診事業の評価に関する委員会報告書」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/dl/s0301-4c.pdf)における、各がん検診の許容値「要精検率、精検受診率、がん発見率、陽性反応適中度」の格差は小さくない。政府統計の総合窓口「e-stat」(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001030884)では地域保健・健康増進事業報告の市町村別データが出ていることも知っておきたい。厚労省資料「プロセス指標、特に精検受診率基準値の見直しについて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000127231.pdf)p2「精検受診率(未受診・未把握率)は市町村/検診機関単位でも重視すべき」の行方が注目である。がん検診の精度管理は市町村の検診だけではない。昨年12月のがん対策加速化プラン(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000112903.pdf)p5「職域においても、検診受診率のみならず、精密検査受診率等に関する目標値を設定する。」とあった。以前の全国がん対策関係主管課長会議(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/vAdmPBigcategory40/55B8BBAD23EFE2AA492577BA00268F95?OpenDocument)では、都道府県が行うべき精度管理として、①県の水準を著しく下げる自治体への具体的指導。②項目毎に、実施できていない自治体を特定し、その原因をヒアリングする。③生活習慣病検診等管理指導協議会などで、チェックリスト実施率改善のための検討を継続的に行う。④検討結果を定期的に自治体ヘフィードバックする。⑤その他:例えば都道府県のホームページヘ掲載など、が示されていた(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/0/55b8bbad23efe2aa492577ba00268f95/$FILE/20101012_1shiryou4.pdf)が、どうなっているであろうか。がん検診受診率等に関するワーキンググループ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=360026)では都道府県の取り組みは把握されているであろうか。
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DPCと退院支援加算1

2016年09月28日 | Weblog
メディウォッチ「医療費の伸びの相当部分が「薬剤料の伸び」、薬価制度の抜本改革を早急に議論せよ―中医協総会で日医の中川委員」(http://www.medwatch.jp/?p=10545)。<以下引用>
<2015年度(平成27年度)の医療費は、前年度に比べて3.8%伸びているが、そのうち2%程度は薬剤料の伸びと推計できる。今後、薬価制度の抜本的な見直しを早急に検討する必要がある―。28日に開かれた中央社会保険医療協議会・総会で、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)はこのようにコメントしました。抗ウイルス剤の薬剤料が急増、ハーボニーやソバルディの影響 メディ・ウォッチでもお伝えしているとおり、厚生労働省が15日に公表した2015年度の概算医療費(国民医療費の98%に相当)は41兆5000億円となり、前年度に比べて3.8%という高い伸びを示しました。28日の中医協総会では、厚労省保険局調査課の山内孝一郎が、2015年度概算医療費について詳しく説明。それによると、対前年度3.8%のうち0.7-08%は、画期的なC型肝炎治療薬であるハーボニーやソバルディなどの抗ウイルス剤(院外処方分)によるものと推計されます。また山内調査課長は「院内処方も含めると、さらに割合は大きくなる」としたものの、「2016年度の薬価見直しによって、ハーボニーなどは巨額再算定(特例の市場拡大再算定)によって3割超の薬価引き下げが行われており、その影響がどうなるかは今後も注視していく必要がある」と説明しています。なお、IMSジャパン社のデータによると、ソバルディの売上高(薬価ベース)は▽2015年7-9月に435億円▽同年10-12月に643億円▽16年1-3月に391億円▽同年4-6月に246億円、ハーボニーの売上高(同)は▽2015年10-12月に1101億円▽16年1-3月に1517億円▽同年4-6月に698億円―となり、山内調査課長は「両医薬品とも2016年度の巨額再算定による薬価引き下げを超えた減少となっており、ピークは過ぎたのではないか」ともコメントしました。この点について診療側の中川委員は、「日本医師会総合政策研究機構(日医総研)の分析によれば、3.8%の概算医療費の伸びのうち、院外処方の薬剤料だけで1.5%程度、院内処方を含めれば2%程度になっており、医療費の伸びの相当部分は『薬剤料の伸び』であることが明らかになっている。今後、薬価基準制度の抜本的な見直しを早急に検討すべきである」と強く求めました。中医協では、薬価専門部会を中心に「オプジーボなどの超高額薬剤の薬価制度見直し」を当面の最重要検討テーマに掲げています。その後、2016年度改定に向けて、薬価制度全般に関する議論が行われそうです。DPCの病院情報、10月1日公表が原則だが、柔軟な対応も 28日の中医協総会では、次のようなテーマについて議論し、了承しています。(1)2017年度のDPC機能評価係数II「地域医療指数(体制評価指数)」などを設定するため、2016年度の定例報告では、新たに▼A246【地域連携診療計画加算】(退院支援加算の加算)とB009【地域連携診療計画加算】(診療情報提供料Iの加算)の算定状況(2016年度改定で従前のB005-2【地域連携診療計画管理料】などが廃止されたため)▼10月1日時点での病院情報の公表状況―について報告を求めるとともに、「地域がん登録」「新型インフルエンザ等対策にかかる地方公共機関の指定」については報告を求めない(2)麻薬及び向精神薬取締法の向精神薬に指定されたエチゾラム(販売名:デパスなど、精神安定剤)とゾピクロン(販売名:アモバンなど、睡眠障害改善剤)について、診療情報上の処方日数上限を30日に設定する(現在は上限なし、10月13日の告示などにおいて適用日を明確にするが、厚労省は11月1日からを念頭に置いている) (3)新機能の医療機器として、腹部切開創下、腹膜損傷部位(腹壁、腹部臓器、子宮、子宮付属器の損傷部位など)について、術後癒着を防止する『アドスプレー』を保険収載する(1ml当たり7300円、12月1日収載予定) (4)皮膚筋炎の診断補助を行う新たな臨床検査として、『MESACUP anti-MDA5テスト』(血清中の抗MDA5抗体の測定)、『MESACUP anti-T1F1 -γテスト』(血清中の抗T1F1-γ抗体の測定)、『MESACUP anti-Mi-2テスト』(血清中の抗Mi-2抗体の測定)を保険収載する(ELISA法で実施した場合に270点、10月1日収載予定) (5)新たな先進医療として、微小肺病変に対する『切除支援気管支鏡下肺マーキング法』(CTで病変部位を確認してマーキングを行い、そのマーキングに沿って肺葉の縮小手術を行う)の保険外併用を認める(報告事項) (1)は、2017年度の地域医療指数を設定するために、必要な報告を求めるものです。このうち「病院情報の公表」については10月1日現在での病院ホームページによる公表が要件となりますが、厚労省保険局医療課の担当者は「ホームページの準備は10月1日までに完了しているが、院内の決済待ちで10月1日に公表できないような病院については、柔軟に対応する。ただし、地方厚生局でホームページの準備状況などを提示することが必要である」旨を説明しています。なお28日の中医協総会では、2016年度改定の効果・影響調査(結果検証特別調査)の調査票も了承しています。これについては、別途、お伝えいたします。>

中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の資料「平成28年度定例報告について(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000137948.pdf)で。DPC地域医療指数にかかる定例報告で、B005-2 地域連携診療計画管理料、B005-3 地域連携診療計画退院時指導料(Ⅰ)がなくなり、A246 地域連携診療計画加算(退院支援加算)の報告が求められることは認識したい。「平成28年度診療報酬改定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html)説明会(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000112857.html)医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)p44の「地域連携診療計画加算」について、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335811&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114867.pdf)A246 退院支援加算「地域連携診療計画は、疾患ごとに作成され、一連の治療を担う複数の保険医療機関又は介護保険法に定める居宅サービス事業者、地域密着型サービス事業者、居宅介護支援事業者若しくは施設サービス事業者等(以下「A246」において「連携保険医療機関等」という。)との間であらかじめ共有して活用されるものであり、病名、入院時の症状、予定されている診療内容、標準的な転院までの期間、転院後の診療内容、連携する保険医療機関を退院するまでの標準的な期間、退院に当たり予想される患者の状態に関する退院基準、その他必要な事項が記載されたものであること。」、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335825&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114881.pdf)p54「連携保険医療機関等の職員と当該保険医療機関の職員が、地域連携診療計画に係る情報交換のために、年3回以上の頻度で面会し、情報の共有、地域連携診療計画の評価と見直しが適切に行われていること。」とされたが、以前の地域連携診療計画管理料と異なるのは、疾患限定(脳卒中、大腿骨頚部骨折)ではないこと、「急性期・回復期 ⇒ 慢性期・介護事業所」が評価されていることが挙げられる。但し、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335825&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114881.pdf)p54「地域連携診療計画加算に関する施設基準」には「退院支援加算1又は退院支援加算3に係る施設基準の届出を行っている保険医療機関であること。」の要件がある。そして、「平成28年度診療報酬改定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html)説明会(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000112857.html)医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)p42~43「退院支援加算1」では、「3日以内に退院困難な患者を抽出」「7日以内に患者・家族と面談、カンファレンスを実施」、「介護支援連携指導料の算定回数」、「20ヵ所以上の医療機関・介護サービス事業所(特別の関係があるものを除く)との年3回以上の定期的な面会要件」等の要件がある。「退院支援加算1」について、通知「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335825&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114881.pdf)第26の5「退院支援加算1に関する施設基準」では「連携する保険医療機関又は介護保険法に定める居宅サービス事業者、地域密着型サービス事業者、居宅介護支援事業者若しくは施設サービス事業者等(以下「連携保険医療機関等」という。)(特別の関係にあるものを除く。)の数が20以上であること」とされている。事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その2)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=352020&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000122794.pdf)問8「退院支援加算1の施設基準において、当該医療機関の退院支援・地域連携担当者と、20以上の連携保険医療機関等の職員が年3回以上面会することとされているが、他の20以上の連携保険医療機関等の職員と、会合や研修等で一同に会すれば、当該要件を満たすこととなるか。」は「(答)それぞれの連携保険医療機関等の職員と、直接に対面して業務上の意思疎通を行うことが必要であり、会合や研修で一同に会することでは、当該要件を満たすことにならない。なお、退院支援において数か所連携保険医療機関等と退院調整の打ち合わせを行う等の場合には、全ての連携保険医療機関等の職員と相互に十分な意思疎通を図ることができれば、それぞれの連携保険医療機関等の職員と面会したものと扱うことができる。」とされた。急性期病院を中心に、退院支援加算1を算定する病院は少なくないであろうが、介護施設は複数の病院とつながっていることが多い。退院支援加算1の要件を満たすべく、介護サービス事業所も含めた「数か所連携保険医療機関等と退院調整の打ち合わせを行う」対応を、退院支援加算1を算定するそれぞれの病院ごとに行われれば、現場は混乱するであろう。拠点的な病院(救命救急センター、がん診療連携拠点病院、周産期母子医療センター等)がある市町村には周辺市町村からの入院は普遍的である。ここは、二次医療圏単位で、退院支援加算1を算定する病院協働での取り組みが不可欠と感じる。ところで、医療介護連携に関する介護報酬には、入院時情報連携加算(http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/242/447/02-11-14nyuuinnjijyouhourennkei.pdf)、退院退所加算(http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/345/867/02-15-21taiinntaisho.pdf)、地域連携診療計画情報提供加算(http://rehatora.net/%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E9%80%A3%E6%90%BA%E8%A8%BA%E7%99%82%E8%A8%88%E7%94%BB%E6%83%85%E5%A0%B1%E6%8F%90%E4%BE%9B%E5%8A%A0%E7%AE%97%E3%81%AE%E7%AE%97%E5%AE%9A%E8%A6%81%E4%BB%B6%EF%BC%88%E8%80%81%E5%81%A5/)等がある。平成30年度の同時改定では、医療介護連携に関する評価が注目される。
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公立病院と民間病院との連携

2016年09月28日 | Weblog
毎日新聞「米沢市 医療連携の協議開始 市立病院と民間統合視野 /山形」(http://mainichi.jp/articles/20160927/ddl/k06/010/074000c)。<以下引用>
<米沢市は26日、建て替えを検討している同市立病院(同市相生町、病床数322床)と民間病院、三友堂病院(同市中央6、190床)の統合を含む医療連携の協議を始めたことを明らかにした。市議会市立病院建替特別委員会で、市立病院事務局の担当者は「今年度中に一定の方向性を出したい。その後、現在の病院建替基本構想を練り直すこともあり得る」と述べた。同事務局によると、医師不足により両病院とも深夜の当直体制が厳しくなっているという。特に市立病院では5月中旬に精神科の閉鎖により、拍車がかかったという。これを受けて市内の救急医療体制の維持を目的に、昨年から三友堂病院と事務レベルの協議を開始。先月、中川勝市長が改めて三友堂病院に医療連携の話し合いを申し入れ、合意したという。診療科のすみ分けや統合を選択肢として、近く本格的な協議に入る考え。26日に記者会見した中川市長は、20日に厚生労働省に地域の医療連携に関する相談をした際、「再編統合という手法が出た」と述べた。県は、人口減少に対して2025年を見据えた地域医療構想を今月中に示す予定だが、地域では医療連携の模索が始まっている。>

メディウォッチ「新公立病院改革プラン、2015年度中の策定は76病院で全体の8.8%―総務省」(http://www.medwatch.jp/?p=10528)。<以下引用>
<今年(2016年)3月末時点で、新たな公立病院改革プランを作成している病院は76で、全体(867病院)の8.8%にとどまっており、2016年度中に策定予定の病院が769で、全体の88.7%となっている―。総務省は21日に、こうした状況を発表しました。経常収支黒字化目標などを2015・16年度中に全公立病院で策定 公立病院については、2015年度または16年度中に「新公立病院改革ガイドライン」に沿った改革プラン(新公立病院改革プラン)を策定することが求められています。ガイドラインでは、新改革プランにおいて各病院が(1)地域医療構想を踏まえた役割の明確化(2)経営の効率化(3)再編・ネットワーク化(4)経営形態の見直し―という4つの柱を立て、それぞれについて具体的な計画と目標を設定するよう指示しています。(1)の役割については、具体例として ▼山間へき地・離島などの過疎地などにおける一般医療の提供 ▼救急・小児・周産期・災害・精神などの不採算・特殊部門に関わる医療の提供 ▼県立がんセンター、県立循環器病センターなど民間医療機関では限界のある高度・先進医療の提供 ▼研修の実施等を含む広域的な医師派遣の拠点―などの機能を示しています。また(2)の経営の効率化では、対象期間(プラン策定年度または次年度から2020年度まで)中に経常黒字化する数値目標を定める(著しく困難な場合には、経常黒字化を目指す時期と道筋を明らかにする)ことを掲げ、目標達成に向けて ▼民間的経営手法の導入 ▼事業規模・事業形態の見直し ▼経費削減・抑制対策 ▼収入増加・確保対策―などを具体的に示すよう求めています。さらに(3)の再編・ネットワーク化においては、とくに ▼施設の新設・建替等を行う予定の病院 ▼病床利用率が特に低水準(過去3年間連続して70%未満)の病院 ▼地域医療構想などを踏まえ医療機能の見直しを検討することが必要な病院―について「再編・ネットワーク化の必要性について十分な検討を行う」(つまり統合などを行う)よう指示。また(4)の経営形態については、これまでどおり ▼地方公営企業法の全部適用 ▼地方独立行政法人化(非公務員型) ▼指定管理者制度の導入 ▼民間への譲渡―などを検討するよう要求しています。愛媛県立中央病院や日本海総合病院など76病院で策定済 総務省が2016年3月末(つまり2015年度末)の新改革プラン策定状況を調査したところ、すでに策定済の病院は76で全体の8.8%にとどまっています。もっとも策定に取り組んでいる病院は628(全体の72.4%)で、策定済と合わせて全体の81.2%・704病院が何らかの形で新改革プラン策定に着手していることがわかりました。残りの163病院・18.8%では、プランの「検討中」にとどまっています。新改革プラン策定が求められている867病院のうち、2015年度に策定済は76件だが、策定に着手している病院は628件あり、全体の8割超で何らかの着手をしていることがわかった 都道府県別に新改革プランの策定状況を見ると、▼東京都(2015年度策定済が8病院・47.1%) ▼香川県(同5病院・41.7%) ▼大阪府(同7病院・30.4%) ▼神奈川県(同6病院・30.0%)―などでは、比較的順調に進捗していることが分かります。一方、▼佐賀県(2015年度末に策定に着手しているのが4病院、50.0%) ▼奈良県(同6病院・54.5%) ▼埼玉県(同8病院、57.1%) ▼石川県(同10病院・58.8%) ▼山梨県(同9病院・60.0%)―では、やや進捗に遅れが見られます。なお、既に策定済の病院は、▼市立札幌病院(北海道) ▼奥州市総合水沢病院(宮城県) ▼日本海総合病院(山形県) ▼栃木県立がんセンター(栃木県) ▼東京都立墨東病院(東京都) ▼みなと赤十字病院(神奈川県)▼国民健康保険小松市民病院(石川県)▼福井県立病院(福井県)▼長野県立こども病院(長野県) ▼美濃市立美濃病院(岐阜県) ▼岡崎市民病院(愛知県) ▼彦根市立病院(滋賀県) ▼京都市立病院(京都府) ▼大阪府立成人病センター(大阪府) ▼加古川西市民病院、同東病院(兵庫県) ▼府中市民病院(広島県) ▼下関市立市民病院(山口県) ▼高松市民病院(香川県) ▼愛媛県立中央病院(愛媛県) ▼高知県・高知市病院企業団立高知医療センター(高知県) ▼長崎みなとメディカルセンター市民病院(長崎県) ▼那覇市立病院(沖縄県)―などです。>

総務省「公営企業の経営戦略及び新公立病院改革プランの策定状況」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000439913.pdf)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000149.html)が出ており、都道府県別の策定状況(http://www.soumu.go.jp/main_content/000439915.pdf)も知っておきたい。「新公立病院改革プラン」http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)は医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)の一部である地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422)と並行して策定されている。もはや個別の病院だけで病院経営を考える時代ではない。民間病院との連携も当然であろう。医療法に基づく病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)では、一般病床・療養病床を有する医療機関それぞれの「許可病床数・稼動病床数」が報告され、また、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)では、医療機関の病床種別の許可病床及び前年度1日平均患者数が出ており、各医療機関の病床利用率がわかり、病床稼働率が高くても病床利用率が低い医療機関が少なくない状況にある(特に一般病床)。M3「「机上の構想」、池上慶應大名誉教授が指摘 全日病学会、地域医療構想をめぐり意見多々」(http://www.m3.com/news/iryoishin/357236)では、「「医療ニーズ」は患者側の要因だけでは決まらず、医師による入院の要否の判断には「幅」があり、空床が出ればそれを埋めようとする場合もある」とあったが、まさに本末転倒である。特に市区町村別の将来人口推計(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/5-sai/shosai.html)における「人口減少地域」では、患者の奪い合いは避けなければならない。そして、気になるのは精神病床である。医療法に基づく病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)は一般病床と療養病床だけであって精神病床は対象外である。また、医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)では、精神疾患は柱の一つであるが、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)での必要病床は精神病床が除外されている。「平成27年(2015)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/15/dl/gaikyo.pdf)p41をみれば、精神病床の病床利用率と平均在院日数が一貫して減少していることがわかる。医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)では、医療機関の病床種別の「許可病床数」「前年度1日平均患者数」「前年度平均在院日数」が出ており、全国各地の精神科病院の状況がわかる。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000108755_12.pdf)p9~10「精神病床における入院患者数の推移」、p11「精神病床における入院患者数の推移(在院期間別内訳)」、p13「精神病床における退院患者の平均在院日数の推移」や、平成26年度衛生行政報告例の概況(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/14/index.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/14/dl/kekka1.pdf)で、平成26 年度の「医療保護入院届出数」が170,079 件で前年度に比べ41,901 件(19.8%)減少していること、内閣府「障害者政策委員会」(http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/seisaku_iinkai/)の資料「欧州諸国との比較からみる我が国の精神科強制入院制度の課題」(http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/seisaku_iinkai/k_25/pdf/s1.pdf)などをみれば、精神病床の現状がこのまま続くようには全く感じられない。「新公立病院改革プラン」http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)では「精神病床」のあり方がポイントの一つであろう。
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中小企業のメンタルヘルス

2016年09月28日 | Weblog
保健指導リソースガイド「ストレスチェック 大企業では5割が実施 中小企業では2割どまり」(http://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2016/005558.php)が目に止まった。昨年12月から制度化された「ストレスチェック制度」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/)は50人未満の事業所では努力義務であるが、50人以上の事業所であっても未実施のところが少なくないようである。そういえば、健康保険連合会「平成 26 年度 メンタル系疾患(被保険者:入院外)の動向に関するレポート」(http://www.kenporen.com/study/toukei_data/pdf/chosa_h28_04.pdf)はレセプト分析によっているが、協会けんぽではどういう状況であろうか。「産業医制度の在り方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=299441)の資料にも目を通しておきたい。産業医は精神科医でないことが多いことから、一昨年3月の総務省「「自殺予防対策に関する行政評価・監視」の結果に基づく勧告に対する改善措置状況(回答)の概要」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000209709.pdf)p5に、「医療計画でのかかりつけの医師等と精神科医との連携(GP連携)」、「地域・職域連携推進協議会での取組」を推進したい。地域においては保健所の役割が重要であろう。なお、ストレスチェック義務化では、まずは公的機関の職場が模範となって早めに実施すべきであろう。行政はストレスチェック義務化を強いるだけではいけないように感じる。
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拠点病院以外のがん診療

2016年09月28日 | Weblog
国立がん研究センター「2014年がん診療連携拠点病院等院内がん登録全国集計報告主要5部位のほか7部位について初集計 相談支援センターなどを介し患者さんの医療機関選択にも活用」(http://www.ncc.go.jp/jp/information/press_release_20160926.html)が出ているが、がん診療は、がん診療連携拠点病院(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_byoin.html)とは限らない。厚労省「がんと診断された時からの緩和ケア」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/pdf/kanwakea.pdf)は拠点病院限定ではない。「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=355813)の「緩和ケア提供体制(拠点病院以外の一般病院)について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000131542.pdf)p4現状「拠点病院等の専門的緩和ケア(緩和ケアチーム、緩和ケア外来等)の提供体制が、地域緩和ケアにおいて整備されていない。また整備されていても十分活用されていない。地域緩和ケアを担う施設(病院、診療所、保険薬局、訪問看護ステーション、緩和ケア病棟等)に関する情報が医療機関間で十分に集約・共有されておらず、また患者・家族のみならず、医療従事者に対しても情報提供が十分になされていない。地域緩和ケアを担うスタッフ(地域の医師、歯科医師、薬剤師、訪問看護師等の医療従事者、社会福祉士、介護・福祉従事者等)の人員が不足しており、また、診療・ケアの質が十分に担保されていない。」では全然ダメである。がん、在宅医療は医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)の柱でもあるが、がん対策推進計画(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000131547.pdf)との一体的な推進が欠かせない。「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128564)では、がん診療連携拠点病院(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_byoin.html)にも注目である。ところで、国会がん患者と家族の会(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/index.html)がん対策基本法改正案(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/revision/pdf/160422_2.pdf)第10条7項の計画期間が5年から6年に変わることが規定されている。「医療計画の見直し等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)の「PDCAサイクルを推進するための指標」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000127305.pdf)では、「がん対策進捗管理指標「緩和ケア分野」」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000085024.pdf)をもっと重視すべきと感じる。この際、地域緩和ケアを地域包括ケアシステムに明確に組み込むべきと強く感じる。
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麻しんワクチンの需給

2016年09月28日 | Weblog
キャリアブレイン「麻疹ワクチン、大学病院の一部で接種困難に- 患者増で在庫不足、小児優先も」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49688.html)。<以下引用>
<麻疹(はしか)の患者増加に伴い、大学病院の一部で麻疹ワクチン(MRワクチン)の接種が困難になっている。特に患者の報告が相次いでいる地域ではワクチンの確保が難しくなっており、十分な免疫を持っていない小児への接種を優先する大学病院も出てきた。麻疹の患者報告が相次いだ関西や関東の一部地域では、接種希望者の増加にワクチンの供給が追い付かず、関西医科大香里病院(大阪府寝屋川市)は「ワクチンの在庫が非常に少なく接種困難」との見解をホームページに掲載した。ワクチン接種外来を設けている順天堂大医学部附属練馬病院(東京都練馬区)も「ワクチンの供給が全国的に不足している」とし、麻疹ワクチンの予防接種を当面実施しない方針を示している。ワクチンの在庫がある大学病院では小児の予防接種の1期(1歳)と2期(小学校入学の前年)を優先する動きが広がりつつある。北里大北里研究所病院(同港区)は、予防接種については小児の予診票(無料券)を持っている人に限定。東京女子医科大東医療センター(同荒川区)も、流通が安定するまで「小児の定期接種のみ」と制限している。国立感染症研究所によると、全国の今年の患者報告数(18日時点)は130人。都道府県別では、大阪が52人で最も多く、以下は千葉(21人)、兵庫(18人)、東京(14人)、埼玉(6人)、神奈川と和歌山(共に3人)などの順。年齢別では20歳代と30歳代が全体の6割を占めている。>

国立感染症研究センター麻しんサイト(http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles.html)の発生動向にも注目であるが、厚労省の麻しん・風しんサイト(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kekkaku-kansenshou21/index.html)でタイムリーな更新が必要と感じる。日本産婦人科医会「妊娠している方へ麻疹(はしか)の流行についてのご注意」(http://www.jaog.or.jp/news/160909measles.pdf)、「最近の麻疹の流行における日本小児科学会の見解」(http://www.jpeds.or.jp/modules/news/index.php?content_id=234)も出ている。
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B型肝炎ワクチン

2016年09月28日 | Weblog
国立感染症研究所「予防接種スケジュール」(http://www.nih.go.jp/niid/ja/vaccine-j/2525-v-schedule.html)は10月から変更である。B型肝炎ワクチンが定期接種となり、「B型肝炎ワクチンに関するQ&A」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137555.html)の周知徹底が必要である。対象は「平成28年4月1日以降に生まれた0歳児」であるが、「1回目の接種から3回目の接種を終えるまでには、おおよそ半年間」であり、「特に、平成28年4月、5月生まれの方であって、平成28年10月の定期接種開始以降初めてB型肝炎ワクチンを受けられる方は、10月時点ですでに生後5~6か月が経過しているので、接種日程の管理が重要」である。
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新しい総合事業の移行戦略と情報公開

2016年09月27日 | Weblog
中日新聞「報酬半減に業者ら反発 10月改定の介護予防事業」(http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20160926/CK2016092602000018.html?ref=rank)。<以下引用>
<介護保険制度のうち「要支援」枠の一部を市町に委ねる「介護予防・日常生活支援総合事業」が、熊野市と御浜町、紀宝町の三市町で十月に始まる。紀南介護保険広域連合は介護報酬を決めたものの、事業者側は「これでは赤字になる」と反発。スタートを前に広域連合に質問状を突きつける事態となっている。九月十三日夜にあった紀南ケアネットの定例会。介護事業者の集まる席上、「この報酬でやらない業者は切るってことだろうか」などと激しい言葉が飛び交った。議論のテーマは広域連合が七月二十五日に示した介護報酬の削減割合だった。「県の最低賃金も払えないような水準だ」「しっかり自分たちの意思表示をしていこう」。出席者からは不満や要望が相次いだ。広域連合は訪問介護について来月から現行の五割、通所介護で三割のカットを打ち出した。訪問の介護報酬は一回あたり一時間で現行二千六百六十~二千八百五十円だが、これが千三百三十~千四百二十五円に減額。通所介護の場合、現行三千七百八十~三千八百九十円が二千六百四十六~二千七百二十三円に減ることとなる。広域連合の畑中千早次長(50)は削減理由を次のように説明する。「入浴や排せつ、食事など身体介護を必要としない人が対象であり、ごみ出しや家事など専門的な資格がヘルパーになくても対応できる内容のため」。加えて訪問介護のサービス提供時間を現行一時間から三十~四十五分に短くすることも理由に挙げる。こうした説明に熊野市井戸町で介護事業のNPO法人を運営する更谷令治さん(77)は「現場を全然分かっていない」と声を上げる。更谷さんによると、介護報酬にはヘルパー自身の給与のほか、ガソリン代など交通費、介護計画や報告書を策定する担当者らの人件費なども含む。「これでは最低賃金が払えず労基署からお叱りを受ける」。時間短縮にも「散らかった家を掃除し、たまった汚れ物を洗濯し、健康に配慮した食事を作る。三十分でできますか。一時間以上かかることがしょっちゅうだ」と疑問を抱く。きつい仕事だけにヘルパーは慢性的に不足。「たとえ無資格であっても、こんな額でなり手を見つけるのは難しい」と指摘する。介護保険の要介護認定は比較的軽度な要支援と要介護に分かれ、介護報酬の削減対象は要支援のうち、主に身体介護を必要としない訪問介護と通所介護。三月末時点の三市町の介護認定者数は三千四百四十一人で、うち要支援は九百五十八人だ。紀南ネットの冨田啓暢会長(68)は九月十五日、広域連合に質問書を提出。介護報酬の削減やサービス提供時間の短縮の理由をただす内容で、来月の事業実施前の回答を求めている。冨田会長は「会としてこういう行動をするのは初めてだが、この額ではどうしてもやってけない」。一方、畑中次長は「いろいろな意見があり真摯(しんし)に受け止めたいが、現行の計画通りにスタートを切りたい」と言い、両者の主張は平行線のままだ。>

全国介護保険・高齢者保健福祉担当者会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000108007.html)の資料「介護予防・日常生活支援総合事業の実施状況」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000108005.pdf)が出ていたが、行政側には、地域住民に対する情報公開を徹底し、ともに考え、取り組む姿勢が不可欠と感じる。「介護予防・日常生活支援総合事業」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000074126.html)が進むにしたがって、要支援者に対する介護予防サービスの減少が顕著になるのは間違いないが、「介護予防サービスの大幅減 ⇒ サービス低下」と短絡してはいけない。介護予防の推進に係る全国担当者会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=191066)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000126549.pdf)p2で、保険者機能の強化が打ち出されているが、この保険者は介護保険である。「新しい総合事業の移行戦略 地域づくりに向けたロードマップ」(http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/060201/files/2016070100197/sougoujigyou_ro-domappu.pdf)が出ており、ぜひ参考にしたい。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000126549.pdf)p7~p16で介護予防の取り組みによって要介護認定率が低下した事例が紹介されており、介護保険のインセンティブも期待されるかもしれない。そういえば、地域包括ケア「見える化」システム(http://mieruka.mhlw.go.jp/)に関して、全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000115521.html)の資料「地域包括ケア「見える化」システムについて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115418_1.pdf)、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115416_1.pdf)p12「地域包括ケア「見える化」システムへの在宅医療・介護連携に関するデータの掲載について」、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115370_1.pdf)が出ていた。「自治体ユーザーの利用に限定しない機能については、一般国民も閲覧可能」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115418_1.pdf)とあるが、「自治体ユーザーの利用に限定しない機能」には、自治体における地域包括ケアの取り組み状況が含まれるべきと強く感じる。全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000115521.html)の資料「介護サービス情報公表制度の活用等について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115405_1.pdf)にあるように、介護保険法改正で、市町村は地域包括支援センターと生活支援等サービスの情報を公表するよう努めなければならない、とされ、昨年10月から、介護サービス情報公表システムを活用して公表できるようになった。厚労省の介護事業所・生活関連情報検索(http://www.kaigokensaku.jp/)による生活関連情報の公表項目(http://www.kaigokensaku.jp/publish_seikatsu/)には、見守り・安否確認、配食(+見守り)、家事援助、交流の場・通いの場、介護者支援、外出支援、多機能型拠点などがあり、市町村ごとに取り組み状況が公表されていることになっているが、入力されていない自治体が多い。市町村には生活支援体制整備事業(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115401_1.pdf)で協議体設置運営費、生活支援コーディネーターの人件費等もみられていることを踏まえたい。しかし、いくら国で法改正、事業化しても、自治体で取り組まれなければ全く意味がない。地域支援事業への移行拡大には自治体による選択と介護保険努力支援制度のようなものが必要と感じる。その前に情報公開の徹底が欠かせないであろう。そういえば、介護保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126734)で軽度者への支援のあり方(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000130768.pdf)について協議されている。以前、財政制度等審議会 財政制度分科会(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/index.html)の資料(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia271009/02.pdf)p9「経済・財政一体改革における社会保障の改革検討項目」として出ていたものであるが、来年度策定の第7期介護保険事業計画の策定が円滑に行われるか、気になる方が少なくないかもしれない。団塊世代の高齢化に伴う介護需要の増大にあたって、厚労省「第6期計画期間・平成37年度等における介護保険の第1号保険料及びサービス見込み量等について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000083954.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12303500-Roukenkyoku-Kaigohokenkeikakuka/shuukei.pdf)が出ていたように、各介護保険者では2025(平成37)年度の介護保険料の見込みを出している。そもそもこの保険料水準が受け入れられるかどうか、気になるところである。「介護予防・日常生活支援総合事業」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000074126.html)を進めるか、あるいは、介護保険料を引き上げて報酬を確保するか、地域住民の選択にかかっている。まさに「介護保険は住民自治の学校」といえるかもしれない。来年度は第7期介護保険事業計画の策定であるが、徹底した情報公開なしでは円滑に進まないであろう。
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データ分析に基づく平成30年度改定

2016年09月27日 | Weblog
キャリアブレイン「病床機能報告のデータ提出が経営を左右する-請求から見えてくる病院経営(1)」(http://www.cabrain.net/management/article/49677.html)。<以下一部引用>
<病床機能報告で適切にデータを提出することが、今後の病院経営を大きく左右する可能性があります。今年度から病棟機能を付記したレセプト(6月診療分)データや特定健診データ等が厚生労働省に集約されます。地域医療構想を進める上で、病床機能報告のデータおよびレセプトや特定健診データは重要な根拠になるため、データの精緻化が求められます。これらは病院の患者層(病態)を表すデータであり、「行われている医療提供及び患者病態」によってこの先、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の病床機能が判断されることを院内に周知する必要があります。厚労省に集約されるのは、病床機能報告(6月分の診療データ)と6月診療分のレセプトデータですが、このデータに基づいて、同規模病院と比較を行ったり、自院の医療提供の状況を院内に示しながら、データの精緻化を進める必要があります。2016年度の病床機能報告では、診療報酬改定に関する項目が一部追加されました。「総合入院体制加算」の届け出の有無をはじめ、患者の病態等に関連する「認知症ケア加算」「精神疾患診療体制加算」、歯科医との連携に関連する「周術期口腔機能管理後手術加算」「栄養サポートチーム加算の歯科医師連携加算」などですが、厚労省も項目を挙げつつ、今後の体制整備が必要であることを医療機関に示唆していると思います。>

メディウォッチ「2016年度診療報酬改定で病院は「増収減益」、看護必要度要件は12.4%の病院で満たせず―日病」(http://www.medwatch.jp/?p=10501)。<以下引用>
<2016年度診療報酬改定後、病院の経営状況を見ると、改定前に比べて収益は増加しているが利益は減少(増収減益)し厳しさを増している。7対1病院の12.4%は、新たな重症度、医療・看護必要度を満たすことができず、今年(2016年)10月以降も「すべての病棟で7対1を継続する」と考えている病院は8割弱にとどまる―。こういった状況が、26日の日本病院会の定例記者会見で発表されました。日病では必要に応じて追跡調査なども検討し、12月中旬には最終報告(2016年度の診療報酬等に関する定期調査)を行う予定です。材料費とくに医薬品費が大きく伸び、病院の「収入」は増加したが、「利益」は減少 この調査は日病の会員を対象に行われたもので、2016年度改定後(16年6月)と改定前(15年6月)の状況比較などを行っています。2016年度は医科本体について0.56%のプラス改定となったため、診療収益は56.4%の病院で増加(増収)しました。診療単価を見ると、入院では59.8%の病院が、外来では69.8%の病院で増加しています。一方、経常利益を見ると、56.3%の病院で前年同月に比べて減益となっており、赤字病院の割合は60.6%(前年同月は56.5%、5.1ポイント増加)となっています。こうした状況について日病の堺常雄会長は「急性期機能を維持するための人件費や設備投資が必要であり『増収減益』となった。病院経営は年々厳しくなっている」とコメントしています。なお、費用について詳しく見てみると、材料費(医薬品、診療材料)が前年に比べて大きく伸びています。稼働病床100床当たりで見ると、医薬品は前年同月に比べて5.3%(診療材料を加味した材料費全体では4.6%)増加しています。この要因について、例えばハーボニー錠(C型肝炎治療薬)など超高額薬剤の影響が想像されますが、日病の診療報酬・病院経営検討委員会の永易卓委員(若草第一病院事務局長)は、「委員会では詳細な分析をすべきとの指摘も出ている。調査すべきという意見で固まれば追跡調査などを実施し、12月中旬の最終報告に盛り込みたい」と述べるにとどめています。10月以降も「全病棟で7対1を維持する」のは79.1%にとどまる 次に、2016年度改定で大幅な見直しが行われ、注目を集めている「7対1病院」の状況を見てみましょう。2016年度改定では一般病棟用の重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)についてC項目の新設など大きな見直しが行われた上で、7対1の施設基準について「看護必要度を満たす患者割合が25%以上」などの厳格化も行われました。この新たな看護必要度要件(新基準で25%以上)を満たしているかどうかを見てみると、2016年6月単月では290病院(新基準で看護必要度をチェック)のうち87.5%にとどまっています(▼40%以上が1.7%▼35-40%が3.4%▼30-35%が24.8%▼25-30%が57.6%▼20-25%が10.3%▼15-20%が2.1%)。看護必要度要件は単月で満たせずとも、すぐに7対1を返上しなければいけないわけではありませんが、「12.4%が満たせていない」状況について日病は重く受け止めています。200床以上に限定すると90.6%で25%以上が確保されていますが(▼40%以上が1.9% ▼35-40%が3.5% ▼30-35%が25.7% ▼25-30%が59.5% ▼20-25%が8.2% ▼15-20%が1.2%)、200床未満では経過措置である「23%以上」(病棟群単位を選択しない場合)を満たす病院は81.9%にとどまっており(▼31%以上が18.2% ▼29-31%が21.2% ▼27-29%が6.1% ▼25-27%が18.2% ▼23-25%が18.2% ▼21-23%が9.1% ▼19-21%が3.0% ▼19%未満が6.1%)、規模の小さい病院で厳しいようです。また今年(2016年)9月までは経過措置が設けられ、今年3月末に7対1を届け出ている病院では「9月まで看護必要度要件を満たす」とみなされます(極論すれば9月までは看護必要度を満たす患者がゼロでもよい)。しかし、10月以降は子の経過措置が切れるため、7対1病院は本格的に「病床戦略」を立てなければいけません。この点、「10月以降も全病棟で7対1を継続する」と考えている病院は79.1%と8割を切っていることが分かりました。日本病院団体協議会の調査でも「7対1病院の2割協で地域包括ケア病棟などへの移行を決定・検討している」ことが分かっており、これと整合性のとれた結果です。それ以外の病院では、▼すべて7対1以外へ移行する病院が0.3% ▼一部を7対1以外へ移行する病院が12.5% ▼すべて・一部の病棟で減少する病院が1.8%―などとなっています。「病棟群単位の入院基本料」については、届け出が確認できたところが1病院ありますが、詳細は12月の最終報告を待つ必要がありそうです。10月移行にどういった届け出がなされるのか、各種の調査が注目を集めそうです。このほか、▼療養病棟入院基本料2のうち、新施設基準(医療区分2または3の患者が50%以上)を満たす病院は55.9% ▼回復期リハビリテーション病棟の新アウトカム評価基準(リハビリの実績指数が27以上)を満たす病院は71.5% ▼特定機能病院・一般病床500床以上の地域医療支援病院における紹介状なし患者の特別料金は、初診の中央値5400円、再診の中央値2700円―といった状況なども明らかになっています。医師キャリア支援センターの機能、地域の「協議の場」に設置できないか 26日の記者会見では、堺会長から「医師偏在対策」に向けた見解も発表されました。堺会長はまず「日病では、以前に現在の1.2倍の医師が必要(4万人程度の増員)と推計した。ただし単純な増員ではなく、医療提供体制の効率化も進めるべきとの指摘があり、当面は厚生労働省の主張する『現状維持』とし、偏在対策を進める必要がある」と指摘。その上で、日本医師会と全国医学部長病院長会議会長が共同提案している「医師キャリア支援センター」(提案では各大学医学部に設置)について、地域医療構想の実現に向けて地域の関係者が集って議論する「協議の場」にその機能をもたせてはどうかと提案。今後、日医などと意見調整をしていく考えを示しました。またやはり日医などが「偏在是正に向けて一定の規制を受け入れる」との考えについて、▼臨床研修修了後に、地域で一定期間診療に従事することを義務づける ▼保険医の更新制(地域貢献を要件として課す)を設ける―ということも1つの方法であるとして、検討に値するとの評価をしています。さらに初期臨床研修については、「地方での研修医や、研修修了後に大学に戻る医師が増加しており、『諸悪の根源』ではない」との見解も示しています。医師の地域・診療科偏在の是正に向け、年末にかけて厚労省の審議会で議論が精力的に行われます。医療関係者の意見がどのようにまとまるのかも含めて、注目が集まります。なお、日病では78病院(役員・支部長の在籍する病院)を対象に専門医制度についてアンケートを実施します。堺会長は、「新制度の開始はいつからが適当か」「総合診療専門医はどの程度養成すべきか」といった点について「これまできちんと議論してこなかった」とし、病院経営者の生の声を踏まえて、今後の専門医制度改革に臨む考えです。>

キャリアブレイン「経過措置終了、データで病院が丸裸に!?-“決戦”の10月がやって来る!(1)」(http://www.cabrain.net/management/article/49513.html)が出ていたが、HファイルとEFファイルは今年度からの病棟コード(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000111453.pdf)と併せて、医療法に基づく病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)の精緻化につながるのは間違いない。地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=216011)の資料「病床機能報告制度の改善に向けて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115828.pdf)が出ていたが、病棟コード(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000111453.pdf)による病棟機能の分析が進歩しなければならない。また、財政制度等審議会 財政制度分科会(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/index.html)の資料(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia271009/02.pdf)p15「診療報酬体系における7対1入院基本料算定要件の一層の厳格化、病床4機能と整合的な点数・算定要件の設定;28年度(又は30年度)診療報酬改定において措置」とあり、データ分析に基づく平成30年度改定が注目されるであろう。
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