保健福祉の現場から

感じるままに

変異ウイルス

2020年12月19日 | Weblog
12.20NHK「コロナ ロンドンなど外出制限へ “変異ウイルスで感染急拡大”」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201220/k10012773911000.html)。<以下引用>
<イギリスのジョンソン首相は、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大しているとして、ロンドンを含むイングランドの南東部を対象に、外出制限などの厳しい措置を20日から再び導入することを明らかにしました。ジョンソン首相は「急拡大は変異したウイルスによって起きているとみられる」としています。イギリスでは、ロンドンを含むイングランドの南東部で感染が急速に拡大していて、ハンコック保健相は14日「変異したウイルスを確認した」と発表しています。ジョンソン首相は、19日、急きょ記者会見を開き、感染の拡大を抑えるため、ロンドンを含む南東部では、正当な理由がない限り外出を控えるよう求めることや、生活必需品を販売する店を除いて、小売店は一部のサービスを除いて営業を行わないことなど、先月実施したのと同様の厳しい措置を20日から再び導入することを明らかにしました。ジョンソン首相は「急拡大は変異したウイルスによって起きているとみられる。多くの不確定要素はあるが、従来よりも最大70%感染しやすいようだ」と述べました。一方で、変異したウイルスによって症状がより重くなったり、ワクチンが効きにくくなったりすることを示す証拠はないとしています。イングランドでは、今月23日から5日間規制を緩和して、3世帯までであれば集まってクリスマスを過ごすことを認める予定でしたが、南東部では規制の緩和が見送られることになり、ほかの地域でもクリスマスの1日のみに限定するとしました。ジョンソン首相は「誰もが失望することはわかっている。首相としてほかに道はない」と述べ、理解を求めました。クリスマス直前の決定に、野党などからは遅すぎるという声もあがっています。イギリスでは、西部ウェールズでも変異したウイルスによる感染が拡大していて、同様の措置を20日から導入するなど、規制の強化が広がっています。>

IASR「新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム分子疫学調査(2020年10月26日現在)」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2488-idsc/iasr-news/10022-491p01.html)について、12.19日刊ゲンダイ「第3波元凶は「GoTo」だった 感染研レポートで浮き彫りに」(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/282905)の記事が出ている。12.15Abema「“不要不急の外出を控えてくれ”というのは誤ったメッセージだ。小池都知事の発信に京大・宮沢准教授が異論」(https://times.abema.tv/news-article/8637868)の「遺伝子配列を調べてみると、いま全国で流行っているのは全て5月、6月くらいに流出していった、“東京由来”のウイルスだと言っていい。」とある。IASR「新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム分子疫学調査(2020年10月26日現在)」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2488-idsc/iasr-news/10022-491p01.html)の「日本のほぼすべてのSARS-CoV-2はD614Gを基本にした株であり、現在の流行株もD614Gを継承している。」について、11.12東大科学研究所「現在流行中のSARS-CoV-2 D614G変異株は、高い増殖効率と感染伝播力を示す」(https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/research/papers/page_00041.html)が出ていた。すべての新型コロナ対策は、12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p22のCOVID-19「無症状患者でも,ウイルス量は多く,感染力が強い」「ウイルス排出のピーク 発症日」をしっかり踏まえる必要がある。さて、11.11「新型コロナウイルス感染症における積極的疫学調査について(要請)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000694560.pdf)で「行政検査を委託している民間検査機関に保管されている遺伝子検査でSARS-CoV-2 陽性(Ct値が30より大きい及びCt値のない場合は除外)と判定された精製RNAの残余液(20μl 程度)を6の照会・送付先へ提出ください。」「対象者から改めて検体を採取する必要はなく、検査後の残りRNA 一部を提出ください。」とあり、広域的な遺伝子解析に消極的にみえる。簡易キット陽性に対する行政検査のPCR検査だけではなく、12.10FNN「日本でのワクチン接種はこうなる&格安1980円「駅前PCR検査センター」登場…ただ民間検査には死角も」(https://www.fnn.jp/articles/-/117902)の「(民間検査で)陽性と判断された方は、ぜひとも医療機関で制度にのっとったPCR検査を再度受けてほしい」はルール化されるべきで、フリー検査陽性に対するPCR検査を行政検査とし、遺伝子解析にもつなげるべきである。しかし、「Ct値のない場合は除外」「改めて検体を採取する必要はなし」(https://www.mhlw.go.jp/content/000694560.pdf)ではどうしようもないかもしれない。感染拡大を単純に「Go to」のせいにするのは楽なのかもしれないが...。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

松平健

2020年12月19日 | Weblog
12.19NHK「俳優 松平健さんが新型コロナウイルスに感染 所属事務所が発表」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201219/k10012773291000.html?utm_int=all_side_ranking-social_001)。<以下引用>
<俳優の松平健さん(67)が新型コロナウイルスに感染したことを所属事務所が発表しました。それによりますと、松平さんは、18日午前、37度5分の発熱の症状があったため都内の医療機関を受診し、PCR検査を受けたところ、19日になって新型コロナウイルスに感染していることが確認されたということです。現在、松平さんは、保健所の指導に従って療養しているということです。所属事務所は「関係者の皆様、ファンの皆様には、ご迷惑、ご心配をおかけしますことおわび申し上げます。事務所としましても、本人の回復に努めますとともに、引き続き新型コロナウイルス感染予防、拡大防止を実施してまいります」としています。>

そういえば、12.16読売新聞「軽症者療養施設で男性死亡、安否確認に4時間…対応に問題認め知事陳謝」(https://www.yomiuri.co.jp/national/20201215-OYT1T50279/)が出ていたが、12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p27「低酸素血症があっても呼吸困難を訴えないことがある 」「SpO2 を測定し酸素化の状態を客観的に判断することが望ましい」は、新型コロナの診療では重要なポイントであろう。12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p28「診察時は軽症と判断されても発症2週目までに急速に病状が進行することがある」は注意しなければならない(特に高齢者)。さて、現状では、12.8NEWSポストセブン「新型コロナ軽症者に使われるアビガンの効果 医師の実感は」(https://www.news-postseven.com/archives/20201208_1618542.html?DETAIL)の「医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師もこういう。「軽症なら経過観察。食事を摂れず脱水になるようなら点滴などで対症療法にします。効果が証明されていないアビガンやレムデシビルには期待しません。肺炎など症状が悪化したらデキサメタゾンの投与を希望します」」のような意見が少なくないようである。12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p28「抗ウイルス薬の投与が考慮される」は「中等症」からで「軽症」にないが、11.27Web医事新報「[緊急寄稿]これからの新型コロナ対策はどうあるべきか─universal masking,PCR検査,そしてアビガン」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15981)の「厚生労働省はファビピラビル使用の「患者の要件」として、日本感染症学会の「COVID-19に対する薬物治療の考え方 第6版」を引用している。そこには「酸素吸入・侵襲的人工呼吸器管理・体外式膜型人工肺(ECMO)を要する低酸素血症、酸素飽和度94%(室内気)以下、等の症例では薬物治療の開始を検討する」とあり、「無症状者や低酸素血症を伴わない軽症者では薬物治療は推奨しない」となっている。しかし、これは本来の抗ウイルス薬の使い方ではなく、抗菌薬の使用法であり、このような指針では、多くのSARS-CoV-2患者の、ファビピラビル早期治療の機会を逃す可能性がある」とある。12.17沖縄タイムス「アビガン 有効性判断困難 コロナ薬で国が報告書」(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/679643)が出ている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型コロナの治療方針

2020年12月19日 | Weblog
12.19NHK「新型コロナ 重症患者の13%で脳梗塞などの「血栓症」発症」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201219/k10012772621000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_029)。<以下引用>
<新型コロナウイルスに感染した重症患者のうち、およそ13%が、血の塊が血管に詰まる脳梗塞などの「血栓症」を発症したという調査結果を、日本血栓止血学会などの調査チームがまとめました。チームの専門家は「発症率は高く、すべての重症患者に対し血が固まるのを防ぐ治療が必要だ」と指摘しています。新型コロナウイルスの患者では免疫が暴走して炎症を引き起こす物質が大量に出るなどして、血の塊、血栓ができ、血管に詰まって脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こすケースがあると指摘されています。こうした「血栓症」がどの程度、発生したのか、日本血栓止血学会や厚生労働省の研究班などの調査チームは、ことし8月末までのおよそ6000人の入院患者のデータを解析しました。その結果、血栓症を発症したのは全体の1.85%にあたる105人で、人工呼吸器やエクモを使用した重症患者では、378人のうち13.2%にあたる50人が発症したということです。105人の具体的な症状で見ますと、足などに血栓ができる「深部静脈血栓症」が41人、肺の血管が詰まる「肺血栓塞栓症」が29人、脳梗塞が22人、心筋梗塞が7人でした。また、105人のうち26人は、症状が回復に向かう時期に、血栓症を発症したということです。調査を行った日本血栓止血学会の堀内久徳理事は「血栓症は命に関わる危険な病気で、新型コロナによって高い頻度で発生することが分かった。すべての重症患者に対し血が固まるのを防ぐ治療が必要だ」と話しています。>

12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p13「血栓塞栓症;肺塞栓症や急性期脳卒中などの血栓塞栓症が報告され、高い致死率との関連が指摘されている。.酸素需要を伴うような入院患者には血栓症予防が考慮される」、p34「血栓症対策」はすでに臨床では定着しているが、p28「診察時は軽症と判断されても発症2週目までに急速に病状が進行することがある」は注意しなければならない。8.3日本感染症学会「“今冬のインフルエンザとCOVID-19に備えて”の提言に際して」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/2008_teigen_influenza_covid19.pdf)p8「インフルエンザは早期診断に基づく、早期治療を⾏うことを推奨します。」に対して、p3「COVID-19軽症例については、確⽴された治療薬はなく、多くの薬剤が臨床治験中」とあるように「インフルエンザと新型コロナは正反対の治療方針」で、12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p28「抗ウイルス薬の投与が考慮される」は「中等症」からで「軽症」にはない。臨床医の治療の遅れが、12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第 4 版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p13「症状の遷延(いわゆる後遺症)」につながることはないのであろうか。最低限、「重症化リスクのある患者には確定診断後早期からウイルスの増殖を抑制する治療が望ましい」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200512_10.pdf)が打ち出されても良いように感じる。現状では、12.8NEWSポストセブン「新型コロナ軽症者に使われるアビガンの効果 医師の実感は」(https://www.news-postseven.com/archives/20201208_1618542.html?DETAIL)の「医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師もこういう。「軽症なら経過観察。食事を摂れず脱水になるようなら点滴などで対症療法にします。効果が証明されていないアビガンやレムデシビルには期待しません。肺炎など症状が悪化したらデキサメタゾンの投与を希望します」」のような意見が少なくないようであり、10.27Web医事新報「緊急寄稿(4)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアビガン承認に向けて(白木公康)」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15763)の「急性ウイルス性疾患の治療においては,抗ウイルス薬の治療開始時期は,水痘では24時間以内,インフルエンザでは48時間以内,帯状疱疹では72時間以内というように,早期に薬剤投与による治療が開始されている。この点を考慮すると,COVID-19は,発症3~5日後までに治療を開始して,肺炎や神経系・循環器系合併症を防ぎ,後遺症を残さない治療が理想であるように思う。」は厳しいかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする