保健福祉の現場から

感じるままに

HTLV-1の情報公開が必要ではないか

2016年05月31日 | Weblog
キャリアブレイン「HTLV-1陽性の血液製剤、23人に輸血- 日赤、感染の有無の把握は2人だけ」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48884.html)。<以下引用>
<日本赤十字社(日赤)は31日、成人T細胞白血病(ATL)や神経難病の関連脊髄症(HAM)などの原因ウイルス「HTLV-1」の陽性反応が出た血液製剤が23人の患者に輸血されていたことを明らかにした。輸血後に感染しているかどうか検査できたのは2人だけで、残りの患者の感染の有無をほとんど把握できていないという。日赤によると、現在のスクリーニング検査では、同検査で使う試薬添付文書で示された値の1.0以上ならば陽性と判断し、輸血用血液製剤などには使用していない。しかし、この値の前後で陽性や陰性の反応を繰り返す「微妙な検体」(日赤)を収集し、HTLV―1のウイルス由来のDNA「プロウイルスDNA」を測定。その結果、635本のうち15本からプロウイルスを検出した。添付文書よりも低い値に陽性反応が分布していたことを踏まえ、日赤は昨年3月から調査を開始。暫定的に検査の範囲を広げ、これまでの検査では陽性とされなかった値(0.6-0.9)の献血血液の陽性頻度を調査したところ、対象となった1066本のうち8本が陽性となった。陽性となった製剤のうち一部が医療機関に供給され、23人に輸血されたとみられるが、日赤は、輸血後に検査できた2人について「感染は確認されなかった」と説明。調査時点で輸血された患者がすでに死亡していたケースもあり、残りの患者の感染の有無を調べるのは難しいという。現在、日赤と試薬メーカーが共同で検査試薬の改良に取り組んでいるが、それが導入されるまでは今回の調査で行った検査を暫定的に続ける方針。>

以前の日本産婦人科医会(http://111.87.74.44/)の「HTLV-1抗体陽性妊婦の全国調査結果報告とお願い」(http://www.jaog.or.jp/news/pdf/HTLV-12014.pdf)では「全国の分娩数から、2013年は約1780人のHTLV-1のWB陽性妊婦がいたと推定され(陽性率0.178%)、その約半数の920人が九州在住の妊婦でした(陽性率0.669%)。残念ながら、そのうちの約20%しか『コホート研究』へ登録されておりませんでした。」「HTLV-1抗体陽性妊婦から出生した児の3歳以降のHTLV-1抗体検査を指導している施設は、以前の約27%から未だ55%に増加した程度であります。」とあった。エイズ動向委員会(http://api-net.jfap.or.jp/status/index.html)の定期発表では、「献血件数及びHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数」が公開されているが、妊婦や献血者の抗体検査陽性率を地域ごとにまとめて情報公開されてもよいように感じる。HTLV-1対策推進協議会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128528)の資料も参考になる。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/03/dl/140313-01_01.pdf)p67にHTLV-1総合対策の実施状況が出ていたが、「保健所におけるHTLV-1抗体検査と、相談指導の実施体制の整備」は重点施策である。


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地域医療構想の誤解と達成に向けた取り組み

2016年05月31日 | Weblog
M3「病床数減、調整難航も 北海道西胆振地域医療構想」(https://www.m3.com/news/general/429011)。<以下引用>
<2025年(平成37年)を見据え、地域の実情に応じた医療提供体制を描いた「西胆振構想地域医療構想(西胆振地域医療構想)」。西胆振3市3町の必要病床数(推計)は、14年比934床削減の2826床に設定した。今後は同構想を指針とし、まちづくりの一環の中での地域医療・介護の維持と体制の構築、管内の医療資源を有効的な活用などの議論も深めたい考えだ。◆――25年ピーク 道は、25年の医療提供体制を描いた「地域医療構想」策定作業に着手。胆振総合振興局でも連動して、西胆振地域医療構想の策定作業を進めていた。この構想に、管内の実情や医療関係者らの意見を反映させるため、昨年7月から「地域医療構想調整会議」を定期的に開催。素案は5月18日の第4回会合で承認された。構想では、管内人口は25年には10年比15%減としたが、75歳以上の人口は25年にピークに達し、10年比37・0%増―と設定。要介護(要支援)認定者数は75歳以上の増加に伴い、25年には15年比30・7%(3665人増)を見込んだ。必要病床数については、各推計と医療需要の想定に、病床稼働率などの現状も加味して推計。全体数は減少し「不足が見込まれる回復期病棟の充足」や「慢性期病床から介護施設や在宅医療への移行」を中心に取り組む、としている。◆――高評価維持 14年比24・8%減の必要病床数。医療機関に自主的な削減や転換、移行などの協力を求める方針で、今後は、地域医療構想調整会議で達成に向けた議論も進む。ただ、医療関係者からは「一人暮らしのお年寄りなど退院させられない場合もあり、回復期は難しい」「医療資源の有効活用も必要」などの意見もあり、調整が難航する可能性もある。また、病院経営に直結するだけに、「思惑が絡み、一筋縄では行かない」との指摘もある。西胆振は、東京圏の高齢者の地方移住を促すよう求めた民間団体・日本創成会議から、医療が最高ランクの7、介護が上から2番目の6と、高い評価を得た。その一因は「地域に公立と民間の病院が共存し、各病院がそれぞれの強さを発揮しながら、足りない部分は補完し合う関係性もあるから」(西胆振管内の医療関係者)だ。この評価を維持するため、共存のための一定のすみ分けや、在宅医療の受け皿づくりも課題となりそう。同振興局も「構想策定が終わりでない。将来あるべき医療提供体制をどのように構築するかが大切」(廣島孝保健環境部長)とする。西胆振3市3町では、広域連携で、東京圏の高齢化問題への対応や地方への人の流れの推進する観点から、充実した医療介護体制を生かした「生涯活躍のまち(日本版CCRC)構想」も進めている。住民の安全で安心な暮らしを守るため、効率的かつ質の高い医療の提供体制を確保するための議論にも改めて注目が集まる。>

西胆振構想区域地域医療構想調整会議(http://www.iburi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/hgc/tyouseikaigi.htm)の資料、議事録が公開されている。「医療計画の見直し等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000124780.pdf)p13「都道府県の地域医療構想の策定の進捗状況」では、平成27年度中の策定12、28年度半ば27、28年度中8とあったが、策定の取り組み方は自治体によって大きく異なるかもしれない。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)に関して、根強い誤解があるように感じるのは、都道府県の権限である。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p44~45「都道府県知事による対応」や医政局地域医療計画課長「6月15日の内閣官房専門調査会で報告された必要病床数の試算値について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20150618_01.pdf)にあるように、そもそも都道府県には稼動している病床を削減させる権限は存在しない。稼働していない病床の削減命令・要請の権限はあるが、地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p45にあるように、都道府県医療審議会の意見を聴くことになっている。そして、なぜ、病床過剰とされるか、について、あまり理解が進んでいないように感じる。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p13にあるように、高度急性期・急性期・回復期の構想区域の2025年の医療需要=[当該構想区域の2013年度の性・年齢階級別の入院受療率×当該構想区域の2025年の性・年齢階級別推計人口]を総和したもので推計され、ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p23の必要病床数を計算する際の病床稼働率は、高度急性期75%、急性期78%、回復期90%、慢性期は92%である。現状の入院受療率で、かつ比較的余裕のある病床稼働率が勘案されていることが理解されていない。例えば、急性期病床過剰と判断されるのは、市区町村別の将来人口推計(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/5-sai/shosai.html)による人口減少だけでなく、「病床利用率が低い一般病床」の存在が大きい(病院は休棟・休床にしている病床を除いて「見せかけの利用率」を出してはいけない!)。各都道府県の医療機能情報ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)では、医療機関の病床種別の許可病床数と前年度1日平均患者数が公表されていることは常識としたい。人口減少地域で、かつ、病床利用率が低い一般病床が多い地域では、病床過剰と判断されてしまうのはやむを得ない。高齢化進展に伴い、一時的に医療需要が増えるようにみえる地域もあるが、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3月推計)」(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/t-page.asp)の市区町村別の将来人口推計(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/5-sai/shosai.html)をみれば、それほど遠くない将来、高齢者人口自体が減少してくる地域が少なくないことがわかる。日医総研「地域の医療提供体制の現状と将来─都道府県別・二次医療圏別データ集─(2015年度版)」(http://www.jmari.med.or.jp/research/research/wr_587.html)では医療圏ごとに2040年までの医療需要が出ており、将来の高齢者人口減少が反映されていることはぜひ知っておきたい。また、慢性期病床が過剰とされる地域では、地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p17「療養病床入院受療率の地域差解消」が大きいであろう。但し、ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p15、p21の図6「慢性期機能及び在宅医療等の医療需要のイメージ図」に「在宅医療等とは、居宅、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、その他医療を受ける者が療養生活を営むことができる場所であって、現在の病院・診療所以外の場所において提供される医療を指し、現在の療養病床以外でも対応可能な患者の受け皿となることも想定。」とあることの認識が不可欠である。在宅医療等であって、意図的に「等」を抜いてはならない。既に「療養病床の在り方等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=282014)の「サービス提供体制の新たな選択肢の整理案」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000110443.html)が出ており、医療ケアが提供されない類型施設はあり得ない。具体的な制度設計について、「療養病床の在り方等に関する特別部会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=353786)は6月1日スタートであり、注目である。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)の推進にあたって、「現状の一般病床や療養病床でなければ絶対に慢性期の医療ケアや看取りができない」の認識を変えなければならないであろう。とにかく、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)について、病床数のみに着目した根強い偏見・誤解があるように感じる。医政局長通知「「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」の一部の施行について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20150331_02.pdf)p7にあるように、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)では、①構想区域の設定、②構想区域における将来の病床数の必要量、③当該構想の達成に向けた病床の機能の分化及び連携の推進、④構想区域における将来の居宅等における医療の必要量等が定められる。これらは一体のものであり、病床数の必要量だけを論じるのはナンセンスといえる。なお、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)と並行して策定が進められている「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)がもっと注目されなければならない。地域医療構想の前半のハイライトは平成32年度までの計画である「新公立病院改革プラン」と感じる。新公立病院改革プランが進まないのに、地域医療構想がうまくいくわけがない。もはや、どの病院も「医師や看護師を増やして患者を増やす」という時代ではなく、「病院同士の患者の奪い合い」は避けなければならない。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)は医療と介護のアクションプランであって、具体的な取り組みこそが重要であろう。
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国保・後期高齢の保健事業と介護保険事業

2016年05月31日 | Weblog
メディウォッチ「高齢者医療、フレイル対策や窓口負担のあり方などが検討テーマに―医療保険部会」(http://www.medwatch.jp/?p=9052)。<以下引用>
<高齢者のフレイル(虚弱)対策をはじめとした保健事業の推進、後期高齢者の医療機関窓口負担や高額療養費などのあり方を、今年末(2016年末)にかけて議論していく―。このような方針が、26日の社会保障審議会・医療保険部会で、厚生労働省保険局高齢者医療課の藤原朋子課長から発表されました。若人では「メタボ」対策、高齢者では逆に「フレイル」(虚弱)対策が重要 高齢化の進行で医療費が膨張し、我が国の経済・財政を圧迫していると指摘されます。高齢者の1人当たり医療費は、若人よりも高いことが知られています。例えば2013年度で見ると、40-44歳の1人当たり医療費は入院で4万1000円、入院外で8万6000円、60-64歳では入院13万4000円、入院外20万5000円ですが、80-84歳では入院41万5000円、入院外44万円となっています。40-44歳と80-84歳を比べると、入院ではおよそ10倍、入院外ではおよそ5倍の開きがあります。こうした事態を重く見て、厚労省や自治体では、被保険者の特性にあわせた予防・健康づくり対策を進めています。例えば若年期や壮年期には、特定健診や特定保健指導といった生活習慣病予防に向けたメタボ対策が重点的に行われています。さらに、厚労省はこの春から糖尿病の重症化予防(重症化して透析に移行する患者を減らす)に力を入れています。一方で高齢期になると、メタボとは逆に「フレイル」(虚弱)対策に力を入れていく必要があります。フレイル(虚弱)とは、「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能など)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響も受けて生活機能が障害され、心身の脆弱化が出現した状態」のことですが、一方で、適切な介入・支援によって生活機能の維持向上が可能な状態でもあります。国立長寿医療研究センター理事長特任補佐の鈴木隆雄氏は、75歳以上の後期高齢者には「フレイル」「慢性疾患の複数保有」「老年症候群(認知機能障害や視力障害、難聴、摂食・嚥下障害など)」「多医療機関受診、多剤処方」のほか、「個人差が大きい」といった特性があります。このため、今後、高齢者に対する保健事業を進めるに当たっては、次のような点がポイントになると指摘します。▽フレイルに着目した対策への転換(若年期のメタボ対策から徐々に転換する) ▽生活習慣病などの重症化予防や、低栄養、運動機能・認知機能の低下などフレイル進行の予防 ▽高齢者の特性に応じた健康状態や生活機能の適切なアセスメントと適切な介入支援 ▽広域連合が保有する健診・レセプト情報などを活用しながら、専門職によるアウトリーチを主体とした介入支援(栄養指導など) ▽医療機関と連携した保健事業 厚労省はこうしたポイントを踏まえて、2016年度予算で「高齢者の低栄養防止・重症化予防」を進めるための経費(3億6000万円)を新規に計上しています。具体的には、地域の医療機関・訪問看護ステーション・地域包括支援センター・専門職(保健師や管理栄養士)が連携して、後期高齢者の元を訪問し、▽低栄養・過体重 ▽摂食などの口腔機能 ▽服薬―などの指導を行ったり、後期高齢者からの相談に対応する体制を構築するとともに、これを全国展開することを目指しています。神奈川県大和市では、すでに▽低栄養改善事業 ▽糖尿病性腎症の透析予防事業―を実施しており、こうした好事例の全国展開を図りたいと藤原高齢者医療課長は強調しました。また保険者に対する「医療費適正化対策実施へのインセンティブ」でも、後期高齢者医療において「フレイルなど、高齢者の特性を踏まえた保健事業の実施状況」などが指標に盛り込まれています。厚労省は、近く「高齢者保健事業のあり方」を集中的に議論する検討ワーキンググル―プを設置するとともに、効果的な保健事業の実施に向けたガイドラインを作成する考えです。なお、26日の部会で武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長)は、「急性期病棟における入院の後期には、フレイルが一気に進行することがある。特に脳卒中で嚥下障害が生じた患者では、栄養不良からフレイルに陥り、やがて死を迎えるケースもすくなくない。急性期におけるフレイル対策が重要ではないか」と指摘しています。「公平性」の視点に立ち、論理的に「高齢者の負担のあり方」を検討 高齢者医療については、「患者負担」のあり方についても検討していくことになります。政府の経済財政諮問会議からは、社会保障改革に向けて44の検討項目と工程表が示されており、そこでも「高齢者の患者負担のあり方」を検討するよう指示が出されています。例えば75歳以上の後期高齢者の医療機関窓口負担は、原則1割、現役並み所得(年収が約370万円以上)の場合には3割となっています。また高額療養費についても、外来特例を設けるなど、若人よりも負担が緩和されています。一般に、高齢者は収入の多くを年金に頼る世帯が多く、負担水準を若人より緩和することには一定の合理性がありますが、年齢階級別に「収入に対する負担(保険料と自己負担を加味)の割合」を見ると、若人(現役世代)では9-10%なのに対し、高齢世代では8-9%と若干低くなっており、より「負担の公平性」を考慮すべきとの指摘もあります。こうした状況を踏まえ、医療保険部会では年末に向けて高齢者の負担のあり方を検討していくことになります。この点について白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)は、後期高齢者医療制度の財源が▽公費5割 ▽現役世代からの支援金4割 ▽高齢者自身の保険料1割―という財源構造について、「現在のままでは現役世代の負担が伸び続ける。高齢者自身の負担や公費の拡大を検討する必要がある」旨を強調。さらに、「高齢者の負担増という議論になると、政治が介入してくるが、論理的に議論していく必要がある」とも指摘しました。>

「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=129197)の資料「保険者インセンティブの検討状況」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000121285.pdf)p8に示すように、後期高齢者医療における保険者インセンティブとして、「特別調整交付金への反映」は今年度からで、固有指標には「指標② 高齢者の特性(フレイルなど)を踏まえた保健事業の実施状況」「指標⑤ 後期高齢者医療の視点からの地域包括ケア推進の取組」がある。国保「保険者努力支援制度における評価指標の候補」(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T160506S0020.pdf)には、「地域包括ケア推進の取組;①地域包括ケアの構築に向けた医療・介護・保健・福祉・住まいなど部局横断的な議論の場への国保部局の参画、②地域包括ケアに資する地域のネットワークへの国保部局の参画、③KDB・レセプトデータを活用した健康事業・介護予防・生活支援の対象となる被保険者の抽出、④個々の国保被保険者に対する保健活動・保健事業の実施状況について、地域の医療・介護・保健・福祉サービス関係者との情報共有の仕組み、⑤国保被保険者を含む高齢者などの居場所・拠点、コミュニティ、生きがい、自立、健康づくりにつながる住民主体の地域活動の国保部局としての支援の実施、⑥国保直診施設を拠点とした地域包括ケアの推進に向けた取組の実施、⑦後期高齢者医療制度と連携した保健事業の実施」もあることを認識したい。「全国高齢者医療主管課(部)長及び国民健康保険主管課(部)長並びに後期高齢者医療広域連合事務局長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=252919)の高齢者医療課説明資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000113628.pdf)p17「平成28年度から、後期高齢者医療広域連合において、市町村の地域包括支援センター、保健センター等を拠点として栄養指導等の高齢者の特性に応じた保健事業を実施することを推進。」、p21「高齢者の虚弱(「フレイル」)に対する総合対策[平成28(2016)年度、栄養指導等のモデル事業を実施。食の支援等、順次拡大]」、p23「平成28年度から、栄養、口腔、服薬などの面から、高齢者の特性にあった効果的な保健事業として、専門職による支援をモデル実施。心身機能の包括的なアセスメント手法、効果的な支援方法を検討。※効果検証を行い、平成30年度からの本格実施を目指す。」とあったが、今年度からフレイル対策を積極的に取り組みたいものである。3年毎に全国の市町村が実施している「日常生活圏域ニーズ調査」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/osirase/hokenjigyou/06/dl/s1-1.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/osirase/hokenjigyou/06/dl/s1-2.pdf)をみれば、フレイル対策ニーズが高いことがわかるであろう。また、健康増進計画(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_01.pdf)では、「高齢者の健康」に関する目標値として、「介護保険サービス利用者の増加の抑制」「認知機能低下ハイリスク高齢者の把握率の向上」「高齢者の社会参加の促進(就業又は何らかの地域活動をしている高齢者の割合の増加)」等も掲げられており、介護予防・フレイル対策は健康増進計画の推進の一環でもある。国民健康・栄養調査企画解析検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128610)の「国民健康・栄養調査の重点テーマについて(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000113289.pdf)では、平成29年度の重点テーマは「高齢者の健康・生活習慣に関する実態把握」であり、「食事、身体活動、睡眠、身体状況(筋肉量等)、咀嚼・嚥下に関する実態把握」がポイントとされる。一方で、介護保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126734)の「保険者等による地域分析と対応」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000122353.pdf)p5「経済財政運営と改革の基本方針2015(平成27年6月30日閣議決定)において、「要介護認定率や一人当たり介護給付費の地域差について、高齢化の程度、介護予防活動の状況、サービスの利用動向や事業所の状況等を含めて分析し、保険者である市町村による給付費の適正化に向けた取組を一層促す観点から、制度的な対応も含めた検討を行う。」とされ、p6「保険者において、要介護認定率や一人当たり給付費等の地域差をはじめとした給付実態等の効果的な分析、課題抽出、活用の促進に向けて、地域包括ケア「見える化」システムを効果的に活用するためにはどのような改善や仕組みが必要か。」とあった。「介護予防の推進」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000125466.pdf)は介護保険地域支援事業(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000125465.pdf)の取り組みでもある。介護保険部局では「地域づくりによる介護予防推進支援事業」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yobou/3_gaiyo.html)(http://www.mri.co.jp/project_related/roujinhoken/uploadfiles/h26/h26_07_tebiki.pdf)や「介護予防・日常生活支援総合事業」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000074126.html)等が実施されているが、介護予防・フレイル対策は、健康増進部局、国保担当部局、生涯教育担当部局なども含めて組織横断的な取り組みが不可欠と感じる。厚労相資料「子育て・介護の環境整備(保育・介護人材の確保)」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/dai7/siryou14.pdf) p10「「タテワリ」から「まるごと」へ⇒対象者ごとに整備されている福祉サービスの一体的な提供の推進。」とあったが、介護予防・フレイル対策といった狭い領域においても「タテワリ」から「まるごと」への転換が不可欠であろう。行政組織内での「譲り合い」「縄張り」ではいけない。
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受動喫煙防止対策の強化

2016年05月31日 | Weblog
受動喫煙防止対策助成金の今後のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=353354)の論点(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000124795.pdf)では、「喫煙室の面積に係る適正水準」「喫煙室の面積あたりの助成金額の適正水準」「受動喫煙防止対策が遅れている事業業者等に対する助成金の有効活用;特に飲食店・宿泊業等」があがっている。そういえば、受動喫煙防止対策強化検討チーム(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000110146.html)の論点(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000110201.pdf)に「受動喫煙防止措置の対象とする施設・区域の範囲」「施設類型ごとに施設管理者等が行うべき受動喫煙防止措置」「規制を担保するための措置;施設管理者、喫煙者本人」があがっていたが、検討はどうなっているであろうか。昨年12月の「がん対策加速化プラン」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000107743.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000107766.pdf)p7「平成22(2010)年にWHO とIOC がたばこフリーオリンピックを推進することに合意していることや、受動喫煙を減らすため、近年のオリンピック開催地では、すべての開催地で罰則規定のある法制上の措置が講じられていることに留意する。<実施すべき具体策>受動喫煙を減らすため、平成31(2019)年のラグビーワールドカップ及び平成32(2020)年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに、関係府省庁や都道府県等と連携しつつ、受動喫煙防止対策を強化する。」とあった。兵庫県「受動喫煙の防止等に関する条例」(https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf17/judoukitsuen_jourei.html)、「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」(http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f6955/p23021.html)はみておきたい。平成31(2019)年のラグビーワールドカップまでとなると、少々慌しいかもしれない。
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新専門医制度の事実上の見送りと医師データベース

2016年05月31日 | Weblog
M3「新専門医、予定通り開始せず、2017年度は“試行” 厚労省提案「専門医機構の役割縮小」「専攻医の定数設定」」(https://www.m3.com/news/iryoishin/429231)。<以下引用>
<厚生労働省は、社会保障審議会医療部会「専門医養成の在り方に関する専門委員会」(委員長:永井良三・自治医科大学学長)の5月30日の第3回会議で、新専門医制度は予定通りスタートせず、2017年度は“試行”で実施することを提案した。専門医養成の研修プログラムは、学会が実質的に認定するほか、本専門委員会が、専攻医数の激変や偏在を防ぐため、診療領域別、都道府県別、プログラム別の専攻医定員を設定する内容だ。いずれにおいても、日本専門医機構の役割は限定的。“試行”を進めつつ、同機構の体制や、2018年度以降の専門医養成の在り方については、本専門委員会で引き続き議論する。30日の会議でも、日本専門医機構の役員を務める委員からも、同機構のガバナンスが問題視され、予定通り新専門医制度をスタートさせることには反対意見が多いものの、2017年度からの開始に向けて、専門研修プログラムの審査などの準備が進んでいるのも現実。同機構の役割を限定しつつ、“試行”する本案に対し、永井委員長は、「日本専門医機構が正式な形で新専門医制度をスタートさせるかどうかは別にしても、来年度に向けた各学会の取り組みについて議論をすることが必要」と述べ、地域医療に混乱を来さないための“試行”に理解を求めた。各学会が独自に新専門研修プログラムを運用した場合、現状では総定員数が、過去の専攻医の採用実績よりも大幅に多く、専攻医の地域偏在などが生じかねないからだ。「(日本専門医機構の動きに関わらず)いずれにしても学会は専門医の養成を続ける。学会は何をしようとしているのか。学会に任せていたら、混乱は起きる。とりあえず1年、あるいは機構がしっかり運営できるようになるまで、試行錯誤を続けるしかないのではないか」(永井委員長) もっとも、全日本病院協会会長の西澤寛俊氏は「一度、立ち止まって議論すべきではないか。この提案の位置付けが分からない」と述べるなど、“試行”への反対意見も強かった。「病院団体が反対しているのは、『この制度が始まったら、先生のところから、医師を引き揚げる』などと言われているからだ。プログラム制を走らせること自体に反対している」と西澤氏。新専門医制度は、プログラム制を採用し、大学病院などが基幹施設となり、連携施設と組んで運営するのが基本。指導医と専攻医ともに、基幹施設に集まりやすくなり、結果的に中小病院等の医師不足を招くとの懸念は他の委員からも出た。日本医療法人協会会長の加納繁照氏も、「試行してしまうと止まらないのではないか」と問題視。さまざまな意見が出たが、30日の会議では結論は出ず、永井委員長は、「学会の意見を聞かなければいけない」とまとめ、新専門研修プログラムで実施するか、それとも従来通りの研修プログラムで実施するかなどを次回会議までに、学会にヒアリングすることを提案。この方針に対し、全国医学部長病院長会議の立場で出席した、日本皮膚科学会理事長の島田眞路氏(山梨大学学長)は、「これまで強権的に進められてきた。やらざるを得ないというから、やってきた。しかし、いろいろな意見が出るから、今はペンディングしている。ここ(本専門委員会)で延期だと言えば、延期し、我々はその間に考えたいと思う」と、本専門委員会に結論を出すよう求めた。日本精神科病院協会常務理事の森隆夫氏も、「日本専門医機構の問題点を指摘してきたが、精神科は大きな学会ではないので、“長いものに巻かれるしかない”ということで、我々は来た」とコメント。永井委員長は、「各学会は、従来通りにするのかどうか、意思表示をしなければならない」と投げかけたのに対し、島田氏は「それを助けるのが、この専門委員会」と返した。永井委員長が「学会がやりたくないものをやるわけにはいかない」と述べ、島田氏が「延期という声が出ているなら、延期とはっきり決めてもらえば延期する」と答えたところ、西澤氏が「今の話で一致しているのは、学会が(専門委員会に)従うというなら、新しい専門研修プログラムをやめて、従来通りやるということでいいのではないか」と提案した。一連のやり取りを受けて、厚労省医政局医事課は、「延期を支持する学会もあるが、自分のところは、新しい専門研修プログラムでやるという学会もある。その場合、地域医療に影響が出るのではないかということを考えて、我々はこの案を提示した。学会にしっかりと意向を聞いて、次回に報告する」と述べ、議論を収めた。次回までに各学会にヒアリングし、その結果を踏まえて、2017年度の専門医制度の対応方針を検討する。内科や外科など、基本領域は19あるが、ヒアリングの結果、2017年度において新専門研修プログラムで実施する学会が一部の場合、当該領域のみで専攻医定員を設定するかなどは未定。永井委員長は、前回の第2回会議で、専攻医定員を設定する私案を提出していた。今回の厚労省案はこれを踏まえ、具体化したもの。2017年度からの新専門医制度については、いまだ流動的な部分が多いものの、日本専門医機構の組織や運営、役割が大きく見直しを迫られるのは必至だ。「今まであまりにも機構に権限が集約していたことが問題。あまりにも多くのものをやろうとし、自縄自縛に遭っている」(永井委員長)。厚労省案では、2017年度の“試行”における同機構の役割は、(1)研修医の希望状況を調査し、本専門委員会と各領域研修委員会(学会)へ情報提供、(2)各領域研修委員会(学会)で実質的に認定された、各専門研修プログラムの認定手続き(2018年度以降、必要な見直しを行うことを念頭に置いた「条件付き認定」)――にとどまる。同機構のガバナンスや財務体制のぜい弱さを指摘する声は強く、日本医師会常任理事の羽鳥裕氏は、「(日本専門医機構に)これだけ問題があるなら、もう1回、機構の在り方を1年以上かけてゆっくり議論してもいい。そこまで戻してもらいたい」と求めた。都市部は過去実績の1.0倍、それ以外は1.2倍 第3回会議の議題は二つ。2017年度からの新専門医制度への対応と、日本専門医機構の組織・運営、役割の在り方だ。厚労省はこの日の会議に、本専門委員会、各都道府県の協議会、各領域研修委員会(学会)、日本専門医機構の役割を整理、その上で2017年度の対応については、専門委員会が専攻医定員枠を設定し、“試行”することを提案。専攻医定員枠は、都市部の都道府県は、過去3年の卒後3~5年目の医師採用実績の1.0倍、それ以外では1.2倍を基本とし、今後実施予定の研修医への希望状況調査などを踏まえて補正する。例えば内科領域の場合、全国で研修プログラムは523、募集定員は計6084人。各領域の募集定員は合計で1万9000人を超え、卒後2年目の研修医数の2倍以上になっている。「このままでは、臨床研修の時と同様に、都市部に専攻医が集まることが懸念される」(厚労省医政局医事課)。2004年度から必修化された臨床研修制度では、募集定員総数が、研修希望者数を上回っていたことが、都市部への研修医集中を招いたとの指摘があり、東京都や京都、大阪府などの募集定員を漸減してきた経緯がある。「基幹施設」「連携施設」の分担が偏在を生む もっとも、単に専攻医の定員枠だけでは、問題は解決しないとの指摘も上がった。東京大学大学院教授の北村聖氏は、「大学病院などしか基幹施設になれないため、連携施設に医師が回ってこない」との懸念があるとし、来年度は、基幹施設と連携施設という区分がない形でやるべきと提言。「何が何でも、大学医局に入局しないと研修できないやり方はやめ、どこの病院でも採用できるようにすべき」(北村氏)。日本精神科病院協会の森氏も、「簡単に言えば、基幹施設の基準が厳しすぎた。最初の設計が悪すぎた」と指摘。専門医取得の場合、初期研修とは異なり、研修修了時に試験に合格するかどうかが問題であり、「もう少しやりようがある」と述べ、連携施設でも専攻医の募集を可能とするなどの対応を求めた。そのほか各都道府県の協議会についても、日本医師会副会長の今村聡氏からは、「現実的には、協議会は機能していない。全く何をしていいかが分からないと言っている協議会のトップもいる」と指摘する声も上がった。厚労省はこの1月以降、各都道府県に対し、専門医研修が地域医療に影響するのを防ぐため、関係者が議論するための協議会の設置を求めてきた。全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏も、「協議会は、大学の研修プログラムの報告会になっている」と述べ、地域の病院長が協議会に参加しても、大学に物を言いにくい現状があるとした。全国衛生部長会会長の鶴田憲一氏は、厚労省が都道府県に対して協議会の設置を求めても、「法的根拠がないと、県としては動けない」との声が現場にあるほか、タイトなスケジュールなどにも問題があると指摘。これらの意見に対し、厚労省医政局医事課は、「協議会の動きが遅いのはその通りだ」「法律の根拠がないと何もできないわけではない」などと答え、第3回会議に掲出した案では、協議会の役割を限定して、(1)地域医療確保の観点から、必要な施設が研修施設としてもれていないかの確認、(2)各領域研修委員会(学会)への改善要望の取りまとめ(指導医の配置方針、地域枠医師の受け入れへの対応など)――に限定したと説明した。「資料なしでは判断できない」と西澤氏 もう一つの議題である、日本専門医機構の組織や運営、役割については、過去2回の会議でも問題視する声が相次ぎ、西澤氏からは、「正式な議事録を基に、議論すべき」との意見が出ていた。第3回会議では、過去の理事会と社員総会の「議事録」が提出され、今年3月14日の社員総会で、社保審医療部会の議論が2016年度の事業計画案に反映されていなかったなどの理由から、再度、4月25日に社員総会が開催された経緯などが説明された。もっとも、西澤氏は、提出されたのは、議論を要約した「議事録」のみで、理事会や社員総会に配布された資料がないことなどから、「これだけでは全く判断できない」と強い口調で問題視、次回会議で資料をそろえた上で、再度議論するよう求めた。「新専門医制度で、質は上がるか?否」と島田皮膚科学会理事長 日本専門医機構の運営の経緯について、詳細に説明したのが、日本皮膚科学会の島田氏。「社員総会を開催しても、1回で決まったことがない。必ず何か問題になり、もう1回開催して問題を解決することしかできない」と指摘。各基本領域の学会が、日本専門医機構の社員として入れなかった成り立ちから問題が生じた。「学会とコラボしないと運営できないのに、COI(利益相反)が生じるから学会を入れないといった、訳の分からないコンセプトで始まった」。次にもめたのは、日本専門医機構の財務面。専門研修プログラムの認定料は、一つの基本領域に付き10万円(初年度)。19領域で全て認定を受ければ、190万円になる。専門医の更新料は1万円。「我々は、社員総会に行って、いきなり知らされた。その時、言われたのは、『機構の定款上は、理事会の決定事項は、社員総会では報告事項』だということ。大事なことも、全て理事会で決め、社員総会で報告のみで通そうとした。そのため(機構の)財務委員会の委員に、社員から4人を出すことで収まった。これが昨年の6月のこと」(島田氏)。さらに今年2月に、社会保障審議会医療部会で新専門医制度が問題視されたものの、前述のように3月14日の社員総会だけでは済まず、4月25日に再度社員総会が開かれ、議論した経緯などを説明。邊見氏は、島田氏の発言に対し、「もう言われることが本当なら、中学校か高校のクラス会(学級会)であり、ガバナンスがなっていない」との意見も出た。島田氏は、新専門医制度で養成する専門医の質にも言及。「これで本当に質が高い専門医が養成できるのか。それは否だ。機構は全くの素人なのに、学会に命令しようとするから問題」と手厳しく批判した。日本精神科病院協会の森氏も、「(専門医制度について)何度質問しても、答えがなかなか返ってこない」とガバナンスの在り方を問題視するほか、専門医の質についても指摘。当初は学会の講義形式の講演しか、専門医研修の単位として認められなかったという。「本来は、シンポジウムやワークショップなどを通じて、知見を出し合っていくことが重要」との考えから、日本専門医機構に相談したところ、それ以外でも暫定的に認められたという。「重要なのは、専攻医の定員枠ではない。機構の機能をいかに縮小するかだ」(森氏)。日本政策投資銀行から8000万円の借入 日医の今村氏は、日本専門医機構の監事でもある。財務の点を中心に同機構の在り方を問題視。2017年度からの開始が前提となっていたため、専門研修プログラム作成関係の委員会は多数開催されていたものの、「財務、広報、総務などの委員会の開催は十分ではない、と理事会で指摘していた」と説明。同機構の事務員は少なく、事務局長も非常勤であることから、学会とのやり取りも十分ではなかった理由の一つであると指摘した。日本専門医機構は、専門研修プログラムの認定料や専門医の認定料などの収入が入らない状態であり、運営資金にも苦労している。今村氏によると、同機構の社員にアンケートしたところ、「7団体が、無利子、無期限で貸してもいい」という回答だった。しかし、「COIの関係から、社員から借り入れしない方がいい」との同機構の外部評価委員会の意見も踏まえ、日本政策投資銀行から借り入れをすることになったという。借入額は、最初が5000万円、次に3000万円だ。「5000万円については、今年10月までに返済することになっている。しっかりとした財務体制がないと、事務局の機能も強化できない」と今村氏は指摘し、長年活動している既存団体の事務局機能の活用も検討すべきとした。日本専門医機構の役員も問題視 そのほか、他の委員からも、さまざまな視点から意見が出た。「日本専門医機構は、法令に基づく組織ではない。プロフェッショナルコミュニティーからの信任に基づいて仕事をしている組織であり、情報公開を最初からやっておくべきだった。基本領域の専門医制度はきちんと機能しているものの、これらをおしなべて新しくするのは意欲的だが、短時間でやるのは無理であり、個人的には『急ぎすぎ』と理事会では言っていた」(日本専門医機構理事の桐野高明氏)、「少なくとも18の基本領域はそれまでもきちんとした専門医制度をやってきた。それを評価する形で進めればいいのに、機構がまずやり、やれないところは学会に依頼するやり方になっている。第三者として機構を運営する立場から、学会を社員にしないという最初の状況に今も引きずられていると思う。学会は利益団体として入っているわけではない」(全国医学部長病院長会議の荒川哲男氏)といった内容だ。地域医療を担う立場からは、「(機構の)専門研修プログラムに関する委員会の委員は、各学会の代表者であり、地域医療のことが分からない。その結果、基幹施設の基準が厳しくなり、大学病院中心になってきた」(日本専門医機構理事、日本病院会副会長の末永裕之氏)、「大病院が中心となるため、大病院にいないと(専門医の)更新ができないという不安が出ている」(日本医療法人協会の加納氏)などの意見も出た。プロフェッショナルオートノミーとは何か? 日本専門医機構の在り方については、「プロフェッショナルオートノミーとは何か」という議論も展開された。新専門医制度は、厚労省の「専門医の在り方に関する検討会」が2013年4月にまとめた報告書の端を発している。そこでは、「新たな専門医の仕組みは、プロフェッショナルオートノミー(専門家による自律性)を基盤として設計する」とうたわれている。「もう一度、原点に戻ることが必要ではないか。プロフェッショナルオートノミーとして、我々医療人が、もう一度作り上げなければいけない。学会も含め、我々の中で議論すべきではないか」と発言し、ここに来て厚労省の関与が強まっていることをけん制したのは、全日病の西澤氏。これに対し、東大の北村氏は、「プロフェッショナルオートノミーとは、医師の間で勝手に決めることではない。地域医療のため、患者や国民のために何をやるかを考えるのが、プロフェッショナルオートノミー。この原点に立ってやっていれば、地域医療の崩壊はない」と述べる場面もあった。一方で、厚労省は専門医のデータベース構築などの費用を補助していることもあり、「日本専門医機構には、法的根拠はないが、バックに厚労省がおり、皆で作っていく制度であると考えていたから、(機構に)従わざるを得ないとして進んできた面がある」(日本皮膚科学会の島田氏)との意見もあり、日本専門医機構と厚労省との関係については、受け止め方に相違も見られた。>

メディウォッチ「2017年度の専門医、学会の意向確認して定数枠を設定へ―専門医の在り方専門委員会」(http://www.medwatch.jp/?p=9061)。<以下引用>
<来年度(2017年度)の専門医制度については、各学会の意向を確認した上で、医師偏在が進まないように、過去の採用実績に基づいて「診療領域別・都道府県別・プログラム別に専攻医(専門医を目指す医師)の定員枠」を設定してはどうか―。厚生労働省は、30日に開催した社会保障審議会・医療部会の「専門医養成の在り方に関する専門委員会」にこのような提案を行いました。「日本専門医機構が統一した基準で研修プログラムと専門医の認証・認定を行う」ことを目指す新制度の実施は、事実上見送りとなる模様です。なお2018年度以降については改めて検討されることになります。診療領域別・都道府県別の定員枠を設定、プログラム認定は各学会が行う 新専門医制度は、第三者機関(日本専門医機構)が「専門医養成プログラムの認証」と「専門医の認定」を統一した基準で行うことで、より質の高い医療提供体制の構築を目指しています。しかし、「専門医の養成を行う施設が大学病院などに偏っており、地域医療に従事する若手医師が地域を離れてしまう可能性が高い。地域における医師偏在を助長してしまう」との批判があり、改善策を練ってきました。27日の専門委員会では、永井良三委員長(自治医科大学学長)委員長から、過去の採用実績を踏まえて都道府県・診療領域別の定員枠を設定し、医師偏在を助長しないように配慮してはどうかという私案(提案)が提示されました。厚労省は、この永井私案を踏まえ、次のような考え方を整理して提案したものです。(1)過去3年間の採用実績を踏まえて、来年度(2017年度)における診療領域別・都道府県別・プログラム別の専攻医定員枠を設定する (2)都道府県に設置された協議会が、医療現場から「研修プログラムの中に地域医療確保の観点から必要な施設が漏れていないか」「指導医配置方針などに改善すべき点はないか」「地域で必要な定員増はどの程度か」を聞き、それをまとめて学会(各領域研修委員会)に伝える (3)学会は、(2)の都道府県からの要望を受けて調整を行う(調整をしても、なお検証が必要な場合には、専門委員会で調整を行う) (4)学会が研修プログラムの実質的な認定を行う(日本専門医機構は、2018年度以降にプログラムが見直されることを条件とした『条件付き認定』を行う) この厚労省提案は、新専門医制度の導入を事実上延期するとともに、新制度に向けたトライアル(試行)という位置づけになります。専門医の養成を、現在のいわば「病院単位」から「プログラム単位」に変更することで地域偏在が助長されると指摘されているため、(1)のように定員枠を設置することで、偏在を防止することが最大の狙いと言えそうです。後期研修医が集中し、かつ体制を超えて受け入れているところでは定員枠を厳しく設定 定員枠の考え方は、次のようなものです。(i)専攻医が集中している診療領域(後期研修医の全国シェアが高く、かつ、研修体制[前期研修医定員の全国シェア]に比べて後期研修医を多く受け入れている)では、過去3年間の採用実績の1.0倍(ただし、リハビリ科や形成外科など、過去の採用実績が一定をしたまわっている診療領域は除く) (ii)(i)以外では、過去3年間の採用実績の1.2倍 都道府県別の定員枠は「各都道府県における診療領域ごと定員((i)と(ii))の合計」、診療領域別の定員枠は「診療領域における都道府県ごと定員の合計」となります。また、▽最低限の定員枠を保つための特例(過去の実績が著しく低い場合の補正)▽研修医の希望を踏まえた補正―も行う考えです。(i)について、「後期研修医の全国シェアが5%以上」かつ「研修体制(前期研修医定員の全国シェア)に比べて1.2倍以上の後期研修医を受け入れている」場合を専攻医が集中していると仮定すると、東京都や愛知県の内科・小児科・皮膚科・精神科・産婦人科・脳神経外科・麻酔科などが該当する格好です。ただし、(i)の1.0倍という倍率には「甘いのではないか」との指摘もあり、今後より厳しく設定される可能性もあります。なお、(i)の倍率を厳しくした場合、希望する地域・診療領域で専攻医になれない医師も出てきます。この場合のマッチングをどうするのかも、今後、早急に詰められる見込みです。永井委員長は「学会の意向を確認」することを強調 こうした厚労省案に対し、「急な提案であり、一度立ち止まって考える必要があるのではないか」(西澤寛俊委員:全日本病院協会会長)、「今までの仕組み(専門医養成制度)を延長すればよいのではないか」(加納繁照構成員:日本医療法人協会会長)といった意見も出されました。しかし、学会によっては多額の費用を投入して新たな研修プログラムを作成しているところもあります。こうした学会では、「日本専門医機構が関与するか否かに関わらず、新しい研修プログラムで専門医の養成を開始する」と考えているようです。研修がプログラム単位、つまり「基幹施設と連携施設で群を設け、そこで研修医の養成を行う」形になると、基幹施設に若手医師が集中し、地域偏在が進む可能性が高くなります。また、厚労省の調査によれば、概ね専攻医の母数となる「現在の初期臨床研修2年目」の医師は8000人程度なのに対し、各診療領域の研修プログラム定員の合計は1万9000人もあります。つまり特定の地域や診療領域に研修医が集中する可能性があるのです。こうした点を踏まえて永井委員長は、「学会の意向を確認する必要がある」とし、厚労省にその旨を指示しました。厚労省は基本診療領域を担う学会に対し、「来年度(2017年度)からの専門医養成をどのように行う考えか」などを調べ、次回以降の専門委員会に報告する考えです。なお、北村聖構成員(東京大学大学院医学系研究科附属医学教育国際研究センター教授)は、「地域偏在の原因は、『基幹施設』『連携施設』という区分にあると考えられる。基幹施設となる大病院が少なければ、地域の病院は『うちは連携施設になれるだろうか』と心配することになる。来年度(2017年度)は、基幹施設・連携施設の区分をやめ、『どの病院でも一定の症例などを診ればよい』という仕組みにすべき」と提案しています。秋頃から専攻医募集を開始、厚労省は「迷惑をかけない」点を強調 専門医制度において、最も不安を感じているのは「来年度(2017年度)から専攻医になろう」と考えている若手医師(主に現在の初期臨床研修2年目の医師)でしょう。厚労省は「迷惑をかけないようにする」と強調し、次のようなスケジュールで動く予定です。▽今後、「募集・採用方法の検討」「定員枠の調整」を専門委員会で詰め、今夏に定員枠を設定する(上記で言えば(1))→▽都道府県の協議会で改善要望をまとめて各学会に提出、学会で改善に向けた調整を行い、社会保障審議会医療部会で調整内容を確認→▽医療部会の確認を受けて、各学会で研修プログラムの実質的な認定を行い、秋頃には専攻医の募集を開始する>

「専門医養成の在り方に関する専門委員会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=339077)の資料が出ればみておきたい。新専門医制度の事実上の見送りのようである。医師需給分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=318654)の中間まとめ案(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000120209_5.pdf)では、p6「いわゆる地域枠のこれまでの効果について、地元出身者の定着率も含め検証を行い、卒業後の地域定着がより見込まれるような地域枠の在り方について検討する。」「臨床研修制度において、募集定員の配分等に対する都道府県の権限を一層強化する。」「専攻医の募集定員については、診療領域ごとに、地域の人口、症例数等に応じた地域ごとの枠を設定することを検討する。」「都道府県が策定する医療計画において、医師数が不足する特定の診療科・地域等について、確保すべき医師数の目標値を設定し、専門医等の定員の調整を行えるようにする。」「将来的に、仮に医師の偏在等が続く場合には、十分ある診療科の診療所の開設については、保険医の配置・定数の設定や、自由開業・自由標榜の見直しを含めて検討する。」、p7「医籍登録番号、三師調査等の既存の仕組みの活用も念頭に置きつつ、医師の勤務状況等を把握するためのデータベース化について検討する。」「特定地域・診療科で一定期間診療に従事することを、臨床研修病院、地域医療支援病院、診療所等の管理者の要件とすることを検討する。」等とあり、偏在(地域、診療科)解消策の一環で進められるであろう。「医師の勤務状況等を把握するためのデータベース」は当然必要であり、この際、「スマート国勢調査」(http://kokusei2015.stat.go.jp/)が行われたり、「医療等分野におけるマイナンバーの利用拡充」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000077884.pdf)が図られる中で、医師臨床研修(http://www.jrmp.jp/)や病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)のように、今後、情報管理をネットで簡単にできるシステムを国主導で構築できないものであろうか。医師偏在の評価には「医師・歯科医師・薬剤師調査」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/33-20.html)、「病院報告」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/80-1.html)、「医療機能情報」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)、「病床機能報告」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)等も活用できるように感じる。
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都道府県アルコール健康障害対策推進計画の行方

2016年05月31日 | Weblog
キャリアブレイン「アルコール依存症、都道府県に専門医療機関- 基本計画を閣議決定」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48875.html)。<以下引用>
<内閣府の関係者会議で検討してきたアルコール健康障害対策推進基本計画が31日、閣議決定された。治療につなぐための体制整備を重点課題として明記。すべての都道府県に、アルコール依存症に対して適切な医療を提供できる専門医療機関を1カ所以上設置することを目標に掲げている。■診療可能な医療機関は「全国的に不足」 基本計画では、アルコール依存症の生涯経験者(診断基準の該当者・過去の該当者)が100万人を超えるとの報告があることなどに触れ、「飲酒をしていれば、誰でもなる可能性がある」と指摘。健康障害の発症頻度の高い臓器障害として、アルコール性肝疾患を挙げ、アルコール性脂肪肝として発症後、飲酒の継続で肝炎、肝線維症に移行し、「アルコール性肝硬変や肝細胞がんへ進行する」と注意を促している。こうした状況を踏まえ、2016年度から20年度までの基本計画の期間中に、健康障害に関する予防から相談、治療、回復支援までの切れ目のない支援体制の構築や、飲酒のリスクに関する知識の普及について、重点的に取り組む方針だ。特に医療分野の基本的な方向性については、「アルコール健康障害への早期介入を含め、一般医療機関と専門医療機関との連携を推進する」と記載。診療が可能な医療機関が「全国的に不足している」とし、治療拠点となる専門医療機関を整備することを盛り込んだ。■救急や内科などの一般医療機関と専門医療機関の連携推進も さらに、アルコール依存症に適切な医療を提供可能な専門医療機関を都道府県に「1カ所以上」とする目標値を設定。受診者が多いと考えられる救急や内科などの一般医療機関と専門医療機関との連携を推進する必要性を挙げている。アルコール関連の問題の相談支援を行っている精神保健福祉センターや保健所などの問題点も指摘。「どこに相談に行けば良いか分からず、適切な相談や治療、回復につながっていない」といった指摘があるため、地域で相談体制を確保する方向性を示している。全国の中心となる専門医療機関を定め、研究や治療、人材の育成を図ることや、早期の発見・介入を図る観点から、医療従事者向けの研修プログラムを開発することも明記。「アルコール依存症が疑われる者を適切な治療に結び付けるため、医療関係者の技術の向上に取り組む」としている。>

内閣府「アルコール健康障害対策」(http://www8.cao.go.jp/alcohol/)に「アルコール健康障害対策推進基本計画の策定について」(http://www8.cao.go.jp/alcohol/kihon_keikaku/kihonkeikaku.html)(http://www8.cao.go.jp/alcohol/kihon_keikaku/pdf/kihon_keikaku.pdf)が出ている。アルコール健康障害対策関係者会議(http://www8.cao.go.jp/alcohol/kenko_shougai_kaigi/index.html#kaigi)の資料も参考になる。今後、アルコール健康障害対策基本法(http://alhonet.jp/law.html)第14条の都道府県アルコール健康障害対策推進計画の行方が気になるかもしれない。計画策定は法律では努力義務であるが、どうなるであろうか。11月10日から16日までのアルコール関連問題啓発週間(http://www8.cao.go.jp/alcohol/keihatsu/week/h26/pdf/youkou.pdf)で注目されるような気がしないでもない。さて、医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)では、精神疾患は柱の一つである。①医療法に基づく医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)の「一定の情報」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1031-6a.pdf)には「精神科・神経科領域の対応可能な疾患・治療内容;アルコール依存症」がある。②医療介護情報局HP(http://caremap.jp/)では、「医療機関届出情報(地方厚生局)」がデータベース化(http://caremap.jp/cities/search/facility)されており、基本診療料の「(重アル)重度アルコール依存症入院医療管理加算」があり、どの医療機関が算定しているかわかる。③国立保健医療科学院の「地域医療構想策定研修(都道府県職員研修)」(https://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo02.html)・「地域医療構想策定研修(専門家連携編)」(https://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo03.html)で各都道府県職員等に対して実践研修が行われた医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115654.pdf)では、「重度アルコール依存症入院医療管理加算」があり、SCR(年齢調整標準化セレプト出現率)やカバー率が把握できる(県、二次医療圏、市町村)ことは知っておきたい。
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精神医療と精神保健福祉との連携

2016年05月31日 | Weblog
キャリアブレイン「精神障害者の介護、現場で必要な知識は?- 日本精神保健福祉士協会が研修テキスト作成」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48860.html)。<以下引用>
<日本精神保健福祉士協会は、精神障害者の支援に関する研修のプログラムとテキストを作成した。統合失調症や気分障害などの症状や生活面に表れる特性、支援の方法などをまとめたもので、介護老人福祉施設や訪問介護、通所リハビリテーションなどの職員・従事者が対象。これまで精神障害者の利用が少なかった施設や事業所の職員らの知識や対応能力の向上につなげたい考えだ。統合失調症などの長期入院精神障害者の高齢化に伴い、退院後も介護サービスが受けられる体制の整備が求められている。長期入院の精神障害者については、2014年に厚生労働省の検討会が取りまとめた「今後の方向性」で、高齢の精神障害者に配慮した住まいの確保に取り組むことが重要としていた。こうした方向性を踏まえ、同協会は15年度の障害者総合福祉推進事業で、精神障害の特性に応じたサービスを提供できる従事者を養成する研修プログラムとテキストの開発に着手。介護と障害の両分野の従事者にインタビューを行い、課題を把握したという。研修会の講義で取り上げる精神疾患については、統合失調症や気分障害(うつ病、双極性障害)、アルコール依存症といった介護・障害分野で対応する可能性が高いものに絞り、その障害特性の概要を提示。「対応に困難を感じることが想定される事例(場面)での具体的な支援方法を例示する講義を設定する」としている。例えば、統合失調症の「具体的な支援のコツ」や「対応の心構えと準備」として、▽本人のペースに合わせる▽格下に見た対応をしない▽“長い目”で見る▽支援者が幻覚や妄想に振り回されない▽支援者間のリーダーを決めておく―といったことを挙げている。このプログラムとテキストを使ったモデル研修では、受講者から「固定観念で人を見ないという気持ち、考えの大切さが分かった」や「障害サービスを利用する必要があっても、なかなかつながっていない方が多いことを知ることができた」といった意見が寄せられたという。>

厚労省「ハローワークを通じた障害者の就職件数が7年連続で増加/精神障害者の就職件数が身体障害者の就職件数を大きく上回る」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000125531.html)と出ているが、精神医療と精神保健介護福祉は一体的に推進する必要をますます感じる。社会保障審議会障害者部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126730)の平成27年12月の報告書「障害者総合支援法施行3年後の見直しについて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000107988.pdf)p21~「住民に最も身近な基礎的自治体である市町村が中心となり、当事者を含め、医療と福祉の双方を含む様々な関係者が情報共有や連携体制を構築する場として、市町村に精神障害者の地域移行や地域定着を推進するための協議の場の設置を促進するとともに、都道府県・保健所・市町村が適切かつ重層的な役割分担をしながら協働して取り組むための体制を構築すべきである。その際、地域移行後に想定される精神障害者の居住地についても留意することが望まれる。都道府県障害福祉計画に記載される精神障害者の長期在院者数の削減目標を、市町村障害福祉計画に記載される障害福祉サービスのニーズの見込量に反映させる方法を提示すべきである。」とあった。「市町村に精神障害者の地域移行や地域定着を推進するための協議の場の設置を促進する」ことには異論はないが、一口に「市町村」といってもピンキリで精神科病院がない市町村が少なくない。あっても広域に入院しているケースも多い。精神障害者の地域移行のためには、それぞれの地域において、精神保健医療福祉が一体となった推進体制が不可欠と感じる。この際、医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)では、精神疾患は柱の一つであることを強く認識し、圏域連携会議(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000066602.pdf)の「保健所は、地域医師会等と連携して当会議を主催し、医療機関相互または医療機関と介護サービス事業所との調整を行うなど、積極的な役割を果たすものとされている。」を重視したい。そもそも一般の市町村では、精神医療は自立支援医療(精神通院)以外に、例えば医療保護入院についてもどれほど状況が把握されているであろうか。精神保健福祉法(http://www.ron.gr.jp/law/law/seisin_h.htm)第49条3項で「保健所による市町村支援」が規定されていることも踏まえ、「市町村と保健所の連携・協働」を前面に打ち出すべきと感じる。医療計画に係る厚労省通知別表(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_taisei2.pdf)別表5「精神疾患の医療体制構築に係る現状把握のための指標例」には障害者施設等に関する指標を追加すべきであろう。地域移行は障害福祉体制とセットである。障害福祉計画では、訪問・通所サービス(居宅介護、行動援護、重度障害者等包括支援)、日中活動の場(生活介護、自立訓練、宿泊型生活訓練、就労移行支援、就労継続支援)、住まいの場(共同生活援助、共同生活介護)、相談支援、地域活動支援センター、共同作業所、患者会、家族会等が評価されるであろうが、医療計画の精神医療体制の評価とセットで行いたいものである。平成27年度からの第4期障害福祉計画では、①平成29年度における入院後3ヶ月時点の退院率64%以上、②平成29年度における入院後1年時点の退院率91%以上、③平成29年6月末時点の長期在院者数を平成24年6月末時点の長期在院者数から18%以上減少、の目標値が掲げられているが、精神医療抜きの精神保健福祉はあり得ない。平成30年度から、第5期障害福祉計画(3年間)、第7次医療計画(6年間)、第7期介護保険事業(支援)計画(3年間)が揃う意義を踏まえたい。
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レセプトによる医療の質評価と審査基準の統一

2016年05月31日 | Weblog
キャリアブレイン「医療機関の質評価で患者の選択促す時代に?-解説・診療報酬審査の抜本改革」(http://www.cabrain.net/management/article/48858.html)。<以下一部引用>
<診療報酬の審査のあり方をゼロベースで見直すべきとの提言を政府の規制改革会議から受け、厚生労働省の有識者検討会が、年内の取りまとめを目指して急ピッチで議論を進めている。検討課題の目玉は診療報酬明細書(レセプト)の電子化に合わせた審査体制の効率化だが、審査支払機関に医療の質を評価する役割を担わせて、患者側の選択を支援するといった方向性も示されている。「効率的で質の高い医療の実現を目的として、ICT(情報通信技術)の活用、ビッグデータの活用により保険者機能を強化する新たなサービス等を検討する」-。こうしたテーマを掲げ、厚労省の「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」が先月、初会合を開いた。>

経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の「経済・財政再生計画改革工程表」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2016/0511/sankou_01-2.pdf)p32社会保障別紙3「「見える化」の深化に基づく効果的な施策の検討・実施;レセプト情報の活用による医療の質の評価の検討など、レセプト等のデータの活用方策について今後検討を行う」とある。「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=350947)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000125318.pdf)では、韓国「健康保険審査評価院」(HIRA)が紹介されている。わが国でも、医療法に基づく「医療機能情報提供制度」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)や「病床機能報告」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)では、NDBとリンクした医療機関ごとの実績がネット公表されている。「医療の質向上」の観点から、「医療機能情報提供制度」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)の「一定の情報」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1031-6a.pdf)は見直しされるとともに、国レベルでデータベース化されるべきと感じる。また、病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)は一般病床と療養病床を有する医療機関だけであるが、630調査(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/data.html)ともリンクし、精神病床の実績公表が必要ではないか、と感じる。しかし、レセプトによる医療の質評価を進めるのであれば、レセプト審査の改革と情報公開徹底は急務であろう。健康保険組合連合会から社会保険診療報酬支払基金への要請(http://www.ssk.or.jp/pressrelease/pressrelease_h28/press_280408_2.files/pressrelease_2804082_10.pdf)では、審査の充実強化として「健康保険組合からの指摘により確認された審査結果の異なる事例については、要因を分析し、その分析結果を情報開示するなど、健康保険組合が納得できる審査基準の統一化への対応に取り組んでいただきたい」「審査における支部独自の取決め事項(査定基準等)や取扱い(返戻等)については、その有無や内容を開示し、是正・統一化を図っていただきたい」「審査情報提供検討委員会で検討する事例については、検討対象を広げることで、審査格差の是正に努めていただきたい」とあったが、「支部独自の取決め事項(査定基準等)や取扱い(返戻等)」にかなり違和感を感じる方が少なくないであろう。レセプト審査基準の統一がないままに、経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の「経済・財政一体改革推進委員会」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/index.html)の第2次報告(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/report_280428_1.pdf)p3「医療費適正化計画の策定による地域差「半減」」は少々色褪せてしまう感じかもしれない。
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循環器疾患の緩和ケア

2016年05月30日 | Weblog
キャリアブレイン「循環器疾患の緩和ケアを議論へ- 厚労省検討会」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48868.html)。<以下引用>
<厚生労働省の「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」は30日、初会合を開き、心不全などの循環器疾患の患者に対する緩和ケアのあり方を議論することを決めた。同検討会では同時に、来年6月の閣議決定を目指す次期がん対策推進基本計画の緩和ケアに関する部分を議論した上で意見を取りまとめ、9月をめどにがん対策推進協議会に提出する。この日の検討会では、冒頭に座長の選任が行われ、福井次矢委員(聖路加国際大学長)が就任した。厚労省は、初会合に当たり同検討会で議論する項目として、「循環器疾患の患者に対する緩和ケア体制のあり方」のほかに、「がん診療を担う医療機関の緩和ケア提供体制のあり方」「すべての医療従事者が基本的な緩和ケアを身につけるための方策」を示し、おおむね了承を得た。循環器疾患の患者の緩和ケアを議論するのは、同検討会の前身である「緩和ケア推進検討会」で、がん以外の疾患で終末期の緩和ケアを必要とする患者の割合が高いとして、検討課題として挙がったことを受けたものだ。疾患群別の予後経過について、がん等は、比較的長い間機能が保たれ、最後の2カ月くらいで急速に機能が低下する一方、心・肺疾患末期は急性増悪を繰り返しながら、徐々に機能が低下、最後は比較的急に低下するため、厚労省では、循環器疾患の患者の緩和ケアの議論では、別に分科会などを立ち上げることも検討している。>

「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=355813)の資料が出ればみておきたい。前身の「緩和ケア推進検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128561)では今年4月に報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000120737.html)が出ていたが、今回は循環器疾患の緩和ケアが議論されている。がん診療連携拠点病院(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_byoin.html)は循環器疾患診療機能も充実しており、一体的に推進すべきであろうが、医療連携・医療介護連携がより必要とされ、地域包括ケアにおいてもウエイトが高い感じかもしれない。在宅医療・介護連携推進に係る全国担当者会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=190816)の資料「在宅医療・介護連携推進事業について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000102540.pdf)p12「(カ)医療・介護関係者の研修」、p13「(キ)地域住民への普及啓発」において、「人生の最終段階における医療」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisyu_iryou/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000078983.pdf)の周知を図るべきであろう。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)の推進にあたっても、「現状の一般病床や療養病床でなければ絶対に循環器疾患の緩和ケアや看取りができない」の認識も変えなければならないように感じる。
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周産期医療機能の集約と周産期医療圏

2016年05月30日 | Weblog
福島民友新聞「「周産期医療」集約へ 郡山・太田西ノ内、須賀川・福島病院」(http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160527-079259.php)。<以下引用>
<太田西ノ内病院(郡山市)と国立病院機構福島病院(須賀川市)で行っている周産期医療について、2017(平成29)年4月を目安に太田西ノ内病院に同医療機能を集約することが26日、分かった。同日、福島市で開かれた県周産期医療協議会で県が説明した。県によると、現在、両病院は福島医大から医師の派遣を受けて周産期医療を行っている。同医大から派遣できる医師が減少し、機能を集約することになった。国立病院機構福島病院で対応していた周産期医療は、新たに「周産期医療協力施設」として認定する方向で調整している公立岩瀬病院(須賀川市)などでカバーしていくという。>

「全国医政関係主管課長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=327739)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000114072.pdf)p418「都道府県別に見た分娩取扱医師数 増加率(平成20年→平成26年)」では「都道府県別に見た場合、都市部の都府県においては増加傾向にあるものの、一部の地方の県においては、分娩取扱医師数が減少しており、分娩取扱医師数の確保に都道府県間の格差が見受けられる。」とあった。医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)では周産期医療も柱の一つであり、周産期医療の体制構築に係る指針(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_taisei1.pdf)では、①正常分娩等に対し安全な医療を提供するための周産期医療関連施設間の連携、②周産期の救急対応が24 時間可能な体制、③新生児医療の提供が可能な体制、④NICU に入室している新生児の療養・療育支援が可能な体制の方向が示されている。医療法に基づく病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)に関して、地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000088510.pdf)p50~「公表しなければならない項目」には、助産師数、分娩件数、院内の出生、ハイリスク分娩管理加算、ハイリスク妊産婦共同管理料Ⅱがある。また、医療法に基づく医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)の「一定の情報」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1031-6a.pdf)には、標榜科目、人員配置(医師、助産師、看護師等)、産婦人科専門医数、施設設備(NICU、MFICU、新生児搬送車等)、対応可能な措置・疾患(正常分娩件数、選択帝王切開術件数、緊急帝王切開術件数、卵管鏡下卵管形成術件数等)、周産期母子医療センターの有無(地域、総合)があり、毎年更新される医療機関ごとのデータを把握しておきたい。「産科標榜医療機関」といってもピンキリで、分娩取り扱いの有無、周産期母子医療センターの有無等で、人員配置、施設設備、実績件数が大きく異なる。厚労省通知別表(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_taisei2.pdf)別表9「周産期医療の医療体制構築に係る現状把握のための指標」は、国立保健医療科学院の「地域医療構想策定研修(都道府県職員研修)」(https://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo02.html)・「地域医療構想策定研修(専門家連携編)」(https://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo03.html)で各都道府県職員等に対して実践研修が行われた「医療計画作成支援データブック」に大半が出ている。また、「医療計画作成支援データブック」では、NICU、MFICU、GCU、帝王切開術、妊産婦の救急医療体制(妊産婦緊急搬送入院加算)、妊娠合併症に対する医療体制(ハイリスク妊娠管理加算)、ハイリスク分娩に対する医療体制(ハイリスク妊産婦共同管理料、ハイリスク分娩管理加算)のSCR(年齢調整標準化レセプト出現率)や自己完結率(カバー率)が出ており(都道府県、二次医療圏、市町村)、みておきたい。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)と並行して進められている「公立病院改革」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)について、少子化対策として、各公立病院での分娩対応希望が少なくないかもしれないが、晩婚化・出産高齢化の中で、それぞれの地域において、自治体の枠を超えてでも「ある程度リスクの高い出産に対応できる医療体制」を確保することこそが最低限必要と感じる。「分散化」よりも「重点化」を優先したい。「公立病院改革」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)等では分娩対応機関にこだわらず、身近な妊婦健診対応医療機関や助産所の確保も選択肢としてあり得るであろう。「日本産科婦人科学会医療改革委員会 産婦人科医療改革グランドデザイン2015」(http://www.jsog.or.jp/news/pdf/gl2015_20150620.pdf)で提唱される「地域基幹分娩取扱病院重点化プロジェクト」による施設データベースが期待される。周産期医療体制のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=292852)の資料にも目を通しておきたい。ところで、「医療計画の見直し等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)の「現行の医療計画における課題等」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000124781.pdf)では、p1「医療圏の見直しの必要性についてどのように考えるか」「各種疾病対策と医療計画の連携についてどのような取り組みが必要か」、p2「施策の立案や見直しにつながるような評価指標にすることが必要ではないか」などの課題が目についた。医療圏の見直しについて、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000124780.pdf)にあるように、「人口規模が20万人未満の二次医療圏については、流入患者割合が20%未満、流出患者割合が20%以上の場合、設定の見直しについて検討する」とあったが、第6次計画で見直しがされたのは3県(宮城、栃木、徳島)だけである。以前、二次医療圏の具体的資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_a-2.pdf)が出ていたように、二次医療圏といっても状況が大きく異なる。二次医療圏の見直しには政治的な要素も絡み容易ではないが、5疾病・5事業について、地域の実情に応じて、医療圏が設定されても良いように感じる。その中でも「周産期医療圏」の設定は優先的に考慮されてもよいかもしれない。
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新公立病院改革プランの進捗状況はどうなっているか

2016年05月30日 | Weblog
毎日新聞「市民病院、18年度から民営化へ 「大胆な改革必要」/栃木」(http://mainichi.jp/articles/20160528/ddl/k09/010/099000c)。<以下引用>
<佐野市は27日、指定管理者制度に移行して8年になる佐野市民病院について、2018年度から完全民営化する方針を明らかにした。この日の市議会全員協議会で説明した。同市政策審議会に諮問したうえで正式に決める。同病院は04年の研修医の新臨床研修制度の導入などを背景に、一時常勤医師が全員退職するなど深刻な医師不足に陥った。08年10月に指定管理者制度を導入。医療法人財団「青葉会」(本部・東京)が運営を引き継いだ。08年度末に7人だった常勤医師は14年度末には14人に倍増し、患者数や経常収益も増加している。しかし、赤字体質は変わらず、14年度末で2億5994万円の経常損失を出した。同市は毎年度、7億〜8億円を一般会計から補填(ほてん)している。青葉会との指定管理者の協定は18年3月末で満了するため、同市は今後の経営形態を検討。現在の「公設民営」方式を見直し、民間譲渡を目指す方針を固めた。同市健康医療部によると、地域の中核病院として存続するためには大胆な改革が必要と判断したという。同市によると、総務省が07年に「公立病院改革ガイドライン」で公立病院の経営効率化や再編などを打ち出し、これまでに全国で46病院が民営化したという。>

「医療計画の見直し等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000124780.pdf)p13「都道府県の地域医療構想の策定の進捗状況」では、平成27年度中の策定12、28年度半ば27、28年度中8とあったが、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)と並行して策定が進められている「新公立病院改革プラン」http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)の進捗状況はがどうなっているであろうか。さて、経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の経済・財政一体改革推進委員会(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/index.html)の「社会保障ワーキング・グループにおける「見える化」の更なる深化等に関する議論のまとめ」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/280419/agenda.html)(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/280419/shiryou1.pdf)(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/280419/shiryou1.pdf)のKPI・「見える化」項目一覧(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/280419/shiryou3.pdf)p2「地域医療構想の2025年における医療機能別(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)の必要病床数に対する都道府県ごとの進捗率;高度急性期、急性期、回復期機能については、病床機能報告による病床数に基づき進捗率を算出(①地域医療構想策定年度の病床機能報告制度の病床数-②当該年度の病床機能報告制度の病床数)/(①地域医療構想策定年度の病床機能報告制度の病床数-③地域医療構想の2025年における必要病床数)(%)」で、「2020年度時点での十分な進捗率を実現」とある。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)と並行して策定が進められている「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)の最終年度は平成32年度(2020年度)であり、新公立病院改革プランが進まないのに、地域医療構想がうまくいくわけがないように感じる。まさに地域医療構想の前半のハイライトは新公立病院改革プラン如何であろう。
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次期がん対策基本計画とがん対策基本法改正

2016年05月30日 | Weblog
メディウォッチ「第3期がん対策推進基本計画、ゲノム医療や希少・小児がん対策などを柱の1つに―がん対策推進協議会」(http://www.medwatch.jp/?p=9040)。<以下引用>
<第3期のがん対策推進基本計画においては、「希少がん・難治性がん・小児がん対策」や「ゲノム医療の推進」などを柱に据えるべきではないか―。27日に開かれたがん対策推進協議会では、委員からこういった意見が出されました。下部組織である3つの検討会(検診、医療提供体制、緩和ケア)の検討状況も踏まえながら議論を重ね、年末から年明け(2017年)1月にかけて第3期計画の骨子案を策定し、3月に諮問・答申を経て、6月に閣議決定というスケジュールが描かれています。第3期のがん対策推進基本計画、より分かりやすい「章立て」に わが国のがん対策は、5年を1期とするがん対策推進基本計画に沿って進められています。現在、第2期の基本計画(2012-16年度)が動いており、17年度からの第3期計画策定を進める必要があり、協議会では精力的に議論を続けています。さらに重点事項である「がん検診の受診率向上」「がん医療提供体制の充実」「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」を図るために、それぞれのテーマを集中的に議論する検討会を設置。年明けの骨子案に向けて、年末に向けて並行をして議論を進めることになります。27日の協議会では、「基本計画の項目立てをどうするのか」が主な議題となりました。第2期計画では(1)基本方針(2)重点的に取り組むべき課題(3)全体目標(4)分野別施策(5)がん対策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項―という5つの大項目が立てられました。これを踏襲すべきか否かについて、山口健会長代理(静岡県立静岡がんセンター総長)は、「都道府県や市町村の担当者、病院関係者、患者団体などにも分かりやすくするため、(1)基本方針の次に『全体目標』を持ってきてはどうか」と提案。つまり上記の「(2)重点的に取り組むべき課題」と「(3)全体目標」の章立てを入れ替えてはどうかという提案です。これに対し行政の立場で参加している松村淳子委員(京都府健康福祉部長)は「施策の方向が見えやすくなる」旨を述べて賛同。また門田守人会長(堺市立病院機構理事長)や中川恵一委員(東京大学医学部附属病院放射線科准教授)も理解を示しています。厚労省健康局がん・疾病対策課の丹藤昌治がん対策推進官は「特段の反対はなかった」と捉えており、7月開催予定の次回会合で修正案を示す考えを述べています。希少がん患者の専門施設へのアクセス確保に向け、WGで施設リストなどを作成 また、27日の協議会では「第3期計画の策定に向けて検討すべき事項」について多くの委員から意見が出されました。その中で目立ったのが「希少がん・難治性がん・小児がん対策」や「ゲノム医療の推進」に関するものです。前者のうち希少がんについては、国立がん研究センターに設置された「希少がん対策ワーキンググループ」(WG)で、希少がんに関する診療ネットワークの構築や診療ガイドラインの策定・普及などを目指した検討が進められます。WGの事務局を務める東尚弘参考人(国立がん研究センターがん対策情報センターがん臨床情報部)は、WGでまず取り組む事項として▽専門施設のリスト作成▽専門施設で公表する項目の決定▽専門施設を中心とした患者紹介の流れの整理―を行うことを説明。希少がん治療を行う専門施設のリストや情報が公表されることで、患者のアクセスを確保することが狙いです。すでに希少がんの1つである「四肢軟部肉腫」を対象として分科会を開き、これらの項目について議論が始まっています。ゲノム医療の推進、「診療提供体制のあり方」検討会で集中論議 また後者のゲノム医療については、協議会の下に設置された3検討会の1つである「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」で集中的な議論を行うことが、厚労省健康局がん・疾病対策課の佐々木健課長から説明されました。ゲノム医療の推進は、▽がん研究▽予防・検診▽治療▽保険―の各分野にも便益をもたらすことが期待できます。検討会の議論を踏まえて、協議会でも検討を行い、第3期計画に盛り込まれることになりそうです。もっとも「ゲノム医療」という項目立てになるかどうかは不透明で、例えば「医薬品・医療機器の開発」や「がん研究」などの項目の中で、「ゲノム医療の面ではどうなのか」を記載する形もあり得ます。この点に関連して、檜山英三委員(広島大学自然科学研究支援開発センター教授)は、「データを蓄積・解析することで遺伝的な『がんになりやすさ』が分かる。こうした情報を同癌医療につなげていくべきかを慎重に検討する必要がある」と指摘しています。なお、データをもとにがん医療の質向上に取り組むCQI研究会が8月に開催されます。GHCもデータ分析をお手伝いしています。一方、中川委員は「放射線治療」をより重点的に推進すべきと提案します。第2期計画では分野別施策のトップ項目の「放射線治療」が位置付けられていますが、中川委員は「放射線治療件数が減少傾向にある」ことを説明し、より長期的に対策の成果をフォローしていくことの重要性を指摘しています。さらに粒子線治療をすべての放射線治療症例を登録する仕組みを考慮すべきとも提案しました。がん診療連携拠点病院、「集約化を考えるべき」との指摘も ところで、どこに住んでいても適切ながん医療を受けられる(均てん化)体制をめざし、国は2次医療圏の1か所以上のがん診療連携拠点病院整備を進めています。拠点病院を整備できない地域については、やや要件を緩和した「地域がん診療病院」の設置なども可能です。この点について大江裕一郎委員(国立がん研究センター中央病院副院長(教育担当)呼吸器内科呼吸器内科長)は、「拠点病院の集約化を考えてもよいのではないか」との見解を述べました。2次医療圏では「圏域内で一定の医療を完結させる」ことが期待されていますが、がんについては、圏域を超えて治療が行われるケースが増えています。この点は20日に開かれた「医療計画の見直し等に関する検討会」でも議論になっており、疾病別・事業別に医療圏を設定する構想(例えばがんの2次医療圏は現在よりも広く設定するなど)も浮上しています。両検討会で調整をしながらこの問題を考える必要があるでしょう。>

キャリアブレイン「次期がん対策基本計画の策定へ、議論本格化- 厚労省協議会」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48865.html)。<以下引用>
<来年6月に開始予定の次期がん対策推進基本計画(基本計画)を策定するための議論が本格的に始まった。厚生労働省は27日のがん対策推進協議会(会長=門田守人・堺市立病院機構理事長)で、基本計画での項目の構成や内容の見直しの必要性の有無などの検討を提案した。委員からは、希少がんや難治性がんを施策の柱の1つに含めるべきといった意見が出た。同協議会は、来年1月をめどに次期基本計画の骨子案を示す方針。基本計画は、がん対策基本法に基づいて政府が策定するもので、がん対策を進める上での方針が明示されている。現行の基本計画では、全体目標として、がんによる死亡者の減少や患者・家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上、がんになっても安心して暮らせる社会の構築を掲げている。また、重点的に取り組むべき課題として、▽放射線療法や化学療法、手術療法のさらなる充実と、それらの療法を専門的に行う医療者の育成▽がんと診断された時からの緩和ケアの推進▽がん登録の推進▽働く世代や小児へのがん対策の充実―を提示。分野別施策では、がん医療や相談支援と情報提供、早期発見、小児がんなどが示されている。次期基本計画の策定が急がれることから、同協議会は検討を本格化させた。今後は、がんの検診や医療体制、緩和ケアについて議論する厚労省の検討会からの提言を踏まえた上で、計画の骨子案をまとめる。■従来計画実施の効果検証を求める声も 27日の会合での意見交換で、桜井なおみ委員(CSRプロジェクト代表理事)は、現行の基本計画の分野別施策で、希少がんは「その他」の項目の中に含まれていると指摘。その上で、「がん対策加速化プランで、希少がんや難治性がんは研究の柱の1つになっているので、(次期基本計画でも)柱の1つに入れていただきたい」と訴えた。中釜斉委員(国立がん研究センター理事長)は、取り組むべき課題の項目として、ゲノム医療を挙げた。このほか、従来の基本計画の取り組みの効果の検証を求める声や、都道府県や市町村、がん診療連携拠点病院などの担当者が分かりやすいような工夫が必要との意見も出た。>

がん対策推進協議会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-gan.html?tid=128235)の「今後のがん対策の方向性について(~これまで取り組まれていない対策に焦点を当てて~)の概要」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000125880.pdf)は新たながん対策推進基本計画に反映されるのであろうか。そういえば、国会がん患者と家族の会(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/index.html)がん対策基本法改正案(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/revision/pdf/160422_2.pdf)で注目されたのは、第一に、第10条7項の計画期間が5年から6年に変わること、第二に、第14条2項、3項のがん検診の質の向上の規定が新設されること、第三に、第15条、17条で、緩和ケアが明記されること、第四に、第20、21、22条でがん患者の就労の規定されること、第五に、第23条のがんに関する教育の推進が規定されることなどであるが、がん対策推進基本計画の見直しは基本法改正と一体であるべきと感じる。がんは医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)の柱の一つでもあり、今回の改正案(http://www.cancer-reg.sakura.ne.jp/revision/pdf/160422_2.pdf)を踏まえて、通知別表(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)別表1「がんの医療体制構築に係る現状把握のための指標例」を設定し直してもよいのではないかと感じる。がん対策は「検診受診率」と「死亡」だけで評価をする時代ではないであろう。さて、「医療計画の見直し等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)の「現行の医療計画における課題等」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000124781.pdf)では、p1「医療圏の見直しの必要性についてどのように考えるか」「各種疾病対策と医療計画の連携についてどのような取り組みが必要か」、p2「施策の立案や見直しにつながるような評価指標にすることが必要ではないか」「CTやMRIといった医療機器等の医療資源のあり方について、どのように考えるか」「医療計画において在宅医療等をどのように推進するのか検討が必要ではないか」「医療提供体制の構築の主体である都道府県と、介護の提供体制の構築の主体である市町村との具体的な連携のあり方について検討が必要ではないか」などの課題が目についた。いずれも「がん対策」とも絡む課題である。とにかく、国のがん対策推進基本計画と医療計画基本方針の整合が図られなければ、都道府県がん対策推進計画と都道府県医療計画の一体的推進にも影響するように感じる。平成30年度から、第7次医療計画(6年間)、第7期介護保険事業(支援)計画(3年間)、第3期医療費適正化計画(6年間)が揃う。この絶好の機会を逃してはならないであろう。ところで、がん診療提供体制のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128564)の資料「がん診療提供体制に関するこれまでの議論と今後の議論の方向性について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000124947.pdf)p31「「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」での議論を踏まえ、整備指針の内容を検討してはどうか。」とあり、「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128567)の動向からも目が離せない。
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デング熱新規保険適用検査と行政検査

2016年05月30日 | Weblog
デング熱(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dengue_fever.html)について、キャリアブレイン「デング熱、海外での感染が過去最多ペース- 前年同期1.5倍、警戒の自治体も」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48713.html)と出ていたが、感染症疫学センター(http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html)の速報をみれば、今年はすでに100例以上届出があり、今後要注意である。国際化が進んでいるわが国では、公園での重点サーベイランス(蚊の捕獲、ウイルス検査)は全国各地で重要であろう。ジカウイルス感染症(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109881.html)のリスクアセスメント(http://www.nih.go.jp/niid/ja/id/2358-disease-based/sa/zika-fever/6468-zikara-6-160513.html)では「不顕性感染が感染者の約8割を占める」「日本国内に広く分布するヒトスジシマカがデングウイルスと同様にジカウイルスにも感受性がある」とされており、以前のデング熱(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dengue_fever.html)のようなことが起こらないとも限らない。注意喚起徹底(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000122458.pdf)ではリオ五輪が警戒されているが、世界的な感染拡大が気になるところかもしれない。さて、中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の資料「臨床検査の保険適用について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000124522.pdf)で、「デングウイルス抗原及び抗体同時測定定性」の新規保険適用は、「(イ) 区分番号「A300」救命救急入院料「1」から「4」までのいずれか、(ロ) 区分番号「A301」特定集中治療室管理料「1」から「4」までのいずれか、(ハ) 区分番号「A301-2」ハイケアユニット入院医療管理料「1」又は「2」のいずれか、(二) 区分番号「A301-4」小児特定集中治療室管理料」」のいずれかに係る届出を行っている保険医療機関に入院を要する場合に限り算定である。しかし、デング熱は不顕性感染も多く、患者が大病院に入院するとは限らない。ここは、行政検査体制も含めて、しっかりと構築しておきたいところであろう。感染症危機管理は保険適用に依存してはいけない。
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避難所支援と災害弱者支援

2016年05月30日 | Weblog
全国保健師長会「避難所支援にかかる帳票様式」改訂版(http://www.nacphn.jp/02/saigai.html)は周知しておきたい。医政発0321第2号」通知が発出(http://www1.qq.pref.tochigi.lg.jp/file/info/%E5%B9%B3%E6%88%9024%E5%B9%B43%E6%9C%8821%E6%97%A5%E5%B1%80%E9%95%B7%E9%80%9A%E7%9F%A5.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_a-4.pdf)され、発災時の初期段階で災害現場に最も近い保健所が医療チームの配置調整や情報の提供など、地域災害医療対策会議を迅速に設置できるよう事前に計画策定するよう、通知されたが、どういう状況であろうか。一昨年2月の全国厚生労働関係部局長会議(http://www.mhlw.go.jp/topics/2013/02/tp0215-1.html)の社会・援護局資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2013/02/dl/tp0215-07-09d.pdf)p88で「福祉避難所の設置・推進について」が出ていた。「福祉避難所設置運営に関するガイドライン」(http://www.jrc.or.jp/vcms_lf/080619_fukushi_hinanjo.pdf)や「避難所における良好な生活環境の確保に関する検討会」報告書(http://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/h24_kentoukai/pdf/kentoukai_houkoku.pdf)にも目を通しておきたい。内閣府「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」(http://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/1604hinanjo_hukushi_guideline.pdf)が改訂されているが、平素から、仙台市避難所運営マニュアル(http://www.city.sendai.jp/kurashi/bosai/hinanjo/1208133_1391.html)の福祉避難所版があってもよいかもしれない。災害対策基本法(http://www.bousai.go.jp/taisaku/hourei/kaisei_hourei.html)(http://www.bousai.go.jp/taisaku/hourei/pdf/hourei_gaiyou.pdf)が改正され、市町村が要援護者名簿を作成することになったが、名簿作成だけではいけないのはいうまでもない。例えば、難病患者等の個別支援計画には保健所の積極的な関与が期待されるであろう。日本臨床工学技士会「医療機器の停電対応マニュアル」(http://www.ja-ces.or.jp/ce/?p=2039)、大阪府「在宅人工呼吸器ハンドブック」(http://www.pref.osaka.lg.jp/yakumu/handbook/index.html)は参考になる。
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健康づくり・疾病予防と医療費適正化計画

2016年05月30日 | Weblog
医療保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126706)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000125580.pdf)p10「予防・健康づくり推進の当面のスケジュール」では「今年7月 第2回日本健康会議(各WGの成果の発表)」が目にとまった。経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の経済・財政一体改革推進委員会(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/index.html)では今年6月に「健康で日本を元気に」シンポジウム(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/sympo/agenda.html)が開催され、「健康づくり・疾病予防」が前面に打ち出される。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000015v0b-att/2r98520000015v4o.pdf)p11~15、(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001w361-att/2r9852000001w3ai.pdf)では、それぞれ保健事業による大幅な医療費適正化事例が紹介されているように、保健事業による医療費適正化はけっして夢物語ではないように感じる。「保険者インセンティブの検討状況」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000121285.pdf)p1国保・後期高齢者医療「保険者努力支援制度の前倒し」は今年度からで特別調整交付金(28年度分)に反映されることは強く認識したい。「保険者努力支援制度における評価指標の候補」(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T160506S0020.pdf)、「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121935.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000121902.pdf)、「個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブを提供する取組に係るガイドライン」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000124579.html)について、まずは各市町村がしっかり取り組まれなければならない。そういえば、経済・財政一体改革推進委員会(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/index.html)の「社会保障ワーキング・グループにおける「見える化」の更なる深化等に関する議論のまとめ」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/280419/agenda.html)(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/280419/shiryou1.pdf)(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/280419/shiryou1.pdf)のKPI・「見える化」項目一覧(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/280419/shiryou3.pdf)p2「2016年度末までに医療費適正化計画策定を前倒しで行った都道府県の数;おおむね半数;厚生労働省が各都道府県から提出された医療費適正化計画より集計」とあった。新たな「医療費適正化基本方針」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000117386.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000117391.pdf)が出ているように、入院医療は地域医療構想を踏まえることになる。「医療計画の見直し等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000124780.pdf)p13「都道府県の地域医療構想の策定の進捗状況」では、平成27年度中の策定12、28年度半ば27、28年度中8とあり、地域医療構想の策定が遅れる県は医療費適正化計画の策定も遅れることになるであろうが、健康づくり・疾病予防はしっかりと取り組みたい。
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