保健福祉の現場から

感じるままに

胃がん検診と乳がん検診の見直し

2015年09月30日 | Weblog
朝日新聞「X線胃がん検診、当面「毎年も可」 厚労省、経過措置検討」(http://apital.asahi.com/article/news/2015100100009.html)。<以下引用>
<市区町村が実施する胃がん検診について、厚生労働省の専門家検討会は、バリウムを飲むX線検査に加えて内視鏡検査を導入し、50歳以上を対象に2年に1回行うとする報告書をまとめた。体制が整うまでの経過措置として、X線検査については当分の間、従来通り40歳以上に毎年実施してもよいとした。厚労省は報告書をもとにがん検診の指針を改める。来年度からの実施を目指すという。X線検査しかできない地域では、対象年齢が40歳から50歳に引き上げられ、検診の間隔が年1回から2年に1回に延びると、がんの発見が遅れるのではないか、と日本人間ドック学会などが指摘していた。>

キャリアブレイン「胃がん検診、50歳以上で2年に一度- 厚労省、がん検診指針見直しへ」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46836.html)。<以下引用>
<厚生労働省は、市区町村が公共サービスとして実施している対策型検診の来年度からの指針の基になる中間報告書をまとめた。胃がんの検診方法は、胃部エックス線または胃内視鏡とし、対象年齢は50歳以上で検診間隔は2年に一度とした。乳がん検診の検診方法は、乳房エックス線(マンモグラフィ)を原則として、視触診は推奨しない。厚労省は市区町村のがん検診事業を推進するために、「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」を定め、科学的根拠に基づくがん検診を実施するよう促している。指針ではこれまで、胃がんの検診方法は、胃部エックス線のみだったが、胃内視鏡を加える。胃がん検診は現在、対象年齢を40歳以上で間隔は年に一度としているが、1970年代以降に罹患率・死亡率が減少し、がん検診の利益と不利益のバランスを考慮した場合、50歳以上に引き上げるのが妥当だと判断した。間隔については、胃部エックス線、胃内視鏡とも、3年以内の受診歴があれば死亡率減少効果があるとする研究があるため、2年に延長する。乳がんの検診方法については指針で、「視触診及びマンモグラフィ」と定めているが、視触診の死亡率減少効果が十分でなく、精度管理が難しいことから、来年度からの指針では推奨しない。対象年齢と間隔は変えずに、40歳以上で2年に一度とする。>

29日、「がん検診のあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128563)の中間報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000098766.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000098765.pdf)が出た。近いうちに厚労省指針(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000059985.pdf)が変更されるようである。「平成25年度市区町村におけるがん検診の実施状況調査集計結果」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=147922&name=0000013913.pdf)p6をみれば、すでに厚労省指針以外のがん検診はかなり普遍化していることがわかる。市町村のがん検診は、直接の国庫補助事業ではないため、来年度からのがん検診が実際にどれだけ変更になるかわからないが、「内視鏡による胃がん検診」、「視触診なしの乳がん検診」が進むのは間違いないであろう。なお、胃がんについては、国立がん研究センター「10年間で胃がんに罹患する確率について―生活習慣リスク因子とABC分類を用いた予測モデルの作成」(http://epi.ncc.go.jp/jphc/745/3696.html)(http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3693.html)を踏まえ、胃がん罹患リスクを考慮したいところである。一昨年の「ヘリコバクター・ピロリ感染の診断・治療の保険適用拡大」(http://www.hospital.or.jp/pdf/14_20130221_01.pdf)は大きい。また、乳がんについては、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tpur-att/2r9852000001tq0j.pdf)で、「現状のマンモグラフィによる40代の乳がん検診では約3割のがんが発見できない」とされていることを踏まえ、充実性乳房の方には精度管理がなされた超音波乳がん検診の導入が期待される。また、ブレストケアグラブ(http://icst.jp/products/breast/)(http://www.ndy-u.info/beaudrug/dtbs/itm/bcg06.html)のような自己触診補助用具の普及を図りたいものである。ところで、国立がん研究センター「がん登録・統計」(http://ganjoho.jp/reg_stat/)では「がん検診受診率データ(市区町村による地域保健・健康増進事業報告データ)」だけではなく、「都道府県別がん検診プロセス指標データ」(http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.html#a27)が公表されていることはぜひ知っておきたい。都道府県別の「要精検率、精検受診率、精検未受診率、精検未把握率、がん発見率、陽性反応適中度」の格差は小さくないことがわかる。地域保健・健康増進報告(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/32-19.html)の平成25年度報告(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/13/index.html)によると、精密検査の受診率は胃がん79.8%、肺がん78.6%、大腸がん64.4%、子宮がん69.6%、乳がん84.6%(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/13/dl/kekka2.pdf)とあった。大腸がんばかりか、子宮がんの精密検査の受診率が低いことも気になる。子宮がん検診の細胞診は誰が顕微鏡をみているかが重要であり、がん検診の質評価がしっかりなされなければならない。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=147922&name=0000013913.pdf)p2に出ているように、集団検診に比べて単価の高い個別検診の方が情報管理が悪いことは問題である。
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健康サポート薬局

2015年09月30日 | Weblog
キャリアブレイン「かかりつけ薬局のあるべき姿-新名称「健康サポート薬局」、報告書を公表」(http://www.cabrain.net/management/article/46834.html)。<以下一部引用>
<厚生労働省は24日、薬局や薬剤師を健康情報の拠点として活用するため議論を重ねていた検討会の報告書をまとめ、公表した。最後の会合でも意見が一致せず座長預かりとなっていた一般用医薬品の取り扱いについては、具体的な数値の要件化が避けられた。名称は、「健康サポート薬局」に決まった。「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」。医療機関の近隣の「門前薬局」の乱立や、多くの調剤薬局の「調剤偏重」、一般用医薬品を取り扱わず住民が気軽に健康相談に訪れる場所となっていないことを課題に組織された。>

健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-iyaku.html?tid=275402)の報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000098248.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000098248.html)では、かかりつけ薬剤師・薬局が備えるべき機能として、「①服薬情報の一元的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導」「②24時間対応、在宅対応」「③かかりつけ医を始めとした医療機関等との連携強化」が掲げられており、「②24時間対応、在宅対応」は大きいように感じる。薬剤師法施行規則改正(平成26年4月施行)で、患者の居宅等において、処方医の同意を得て、当該処方箋に記載された医薬品の数量を減らして調剤する業務が可能になっている。また、平成26年度診療報酬改定による基準調剤加算の評価の見直しで、 24時間調剤及び在宅業務体制整備、加算2では衛生材料供給体制等の整備、在宅療養支援診療所・訪問看護ステーション・ケアマネージャーとの連携体制が評価されている。こうした地道な取り組みこそが求められているように感じる。日本医師会「かかりつけ医機能と在宅医療を中心とした診療所調査結果」(http://www.med.or.jp/shirokuma/no1831.html)(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20141217_3.pdf)も出ており、かなり低調といわざるを得ないが、ネックになっている一つは「院外処方を行う場合は24時間開局薬局」の要件であろう。かかりつけ薬剤師・薬局の普及・普遍化が欠かせないように感じる。薬局機能情報公表制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kinoujouhou/)も活用したいところである。日本薬剤師会「地域の住民・患者から信頼される「かかりつけ薬剤師」「かかりつけ薬局」の役割について」(http://www.nichiyaku.or.jp/action/wp-content/uploads/2015/09/15091702.pdf)も出ていた。
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施設への指導・監査

2015年09月30日 | Weblog
朝日新聞「老人ホーム虐待問題 施設増、整わぬ自治体の検査体制」(http://apital.asahi.com/article/news/2015093000005.html)。<以下引用>
<大阪府豊中市の介護付き有料老人ホームで虐待があった問題で、厚生労働省は29日、運営会社「メッセージ」(岡山市)の本社を立ち入り検査した。介護保険法に基づき、同社の子会社が運営する川崎市の老人ホームで3人が相次ぎ転落死した問題も含め業務指導管理体制を調査。今後、業務改善を勧告する方針だ。介護施設の増加に伴い虐待は急増しているが、早期に気づきにくいのが実情だ。厚労省の職員は検査後、報道陣に「本社から各施設への支援体制が不十分で、事故の情報などがほかの施設に共有されていなかった」と述べ、改善を勧告する見通しを示した。同社からは第三者委員会を設置し、改善策を検討するとの報告を受けたという。介護職員らによる虐待は増え続けている。厚労省によると、2013年度の相談・通報は962件で、前年度より約3割増えた。虐待と認定されたのは約4割増の221件。施設別では特別養護老人ホーム(特養)が69件で最も多く、有料老人ホームは26件あった。高齢化に伴い施設は急増しているが、自治体の検査体制が追いつかないことが背景にある。特養は自治体の指導監査が通常2年に1回あるが、有料老人ホームなどには介護保険法上、こうしたルールはない。横浜市では有料老人ホームがこの3年で36増えて223施設になった。市の担当職員を2人増やして5人で対応するが、サービス内容などを確認するための指導は6年に1回。担当者は「正直これでは足りていない」と話す。>

各自治体における高齢者・介護施設、障害者施設、児童施設への指導・監査の実態はどうなっているであろうか。問題ケースでクローズアップされるだけではいけないであろう。一方、医療機関への立入検査(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20150420_01.pdf)については、平成25年8月に総務省「医療安全対策に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000245532.pdf)が出ている。
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少子化対策

2015年09月30日 | Weblog
朝日新聞「福山さんと吹石さん結婚に「ママさんたち、産んで国家貢献してくれたら」 菅官房長官発言」(http://apital.asahi.com/article/news/2015093000006.html)。<以下引用>
<菅義偉官房長官は29日、フジテレビの情報番組で、歌手で俳優の福山雅治さんと俳優の吹石一恵さんの結婚について「この結婚を機に、ママさんたちが一緒に子供を産みたいとか、そういう形で国家に貢献してくれたらいいなと思っています。たくさん産んで下さい」と発言した。菅氏は、番組後にあった同日の記者会見で発言の真意を問われ、「結婚について聞かれたので、大変人気の高いビッグカップルで、皆さんが幸せな気分になってくれればいいと思っている中での発言だった」と説明した。「『産めよ増やせよ』との政策を連想する人もいる」との質問には、「全く当たらない」と反論。「安倍晋三首相も、不妊治療を受ける方を応援する趣旨の発言をされている」と述べ、不妊治療の支援策などに取り組む政府の姿勢を強調した。>

そういえば、以前、スポニチ「「穴開き避妊具配っては」と市議が不適切発言、厳重注意 愛知・新城」(http://www.sponichi.co.jp/society/news/2014/07/18/kiji/K20140718008585260.html)、産経新聞「高校で子供を産んだ人に校長がお金を配る」(http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120909/waf12090919370023-n5.htm)が報道されていた。「産めよ増やせよ」を連想させるような発言は良くない。少子化対策の一つとして、不妊治療助成(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000039733.html)も施策の一つであるが、一方で、衛生行政報告例(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/36-19a.html)(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/13/dl/kekka6.pdf)での「人工妊娠中絶件数」は平成25年度は前年度に比べ10,386件減少したものの、18万6,253件であることも認識したい。そういえば、この市の資料(https://www.kokuho.or.jp/hoken/public/lib/01_nabarishi.pdf)p29では、「就労」「結婚」「住宅」「子育て」のライフステージに応じた切れ目ない少子化対策が打ち出されていた。周産期医療体制(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=292852)も少子化対策の一つとしてしっかり位置づけたい。とにかく、それぞれの地域において、①国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3月推計)」(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/t-page.asp)の市区町村別の将来人口推計(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/5-sai/shosai.html)、②「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei02_03000062.html)、③「平成26年(2014)人口動態統計(確定数)の概況」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei14/index.html)の都道府県別データ(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei14/dl/07_h3-2.pdf)の認識が不可欠と感じる。
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在宅医療等のニーズと対応策

2015年09月30日 | Weblog
キャリアブレイン「「まったなし」の再編迫る療養病床」(http://www.cabrain.net/management/article/46845.html)。<以下一部引用>
<2018年に向け、療養病床の制度が大きく変わろうとしている。17年度末をもって「介護療養型医療施設」(介護療養病床)が廃止期限を迎える上、同じタイミングで「療養病棟入院基本料2」を算定する医療療養病床では、その看護配置が認められなくなるためだ。この恐るべきタイミングを前に、厚生労働省は「療養病床の在り方等に関する検討会」を設置。療養病床再編の具体策を練るために動き始めた。同検討会の議論などを踏まえつつ、もはや「待て」も「しばし」も、ありえない再編の行方を考える。>

キャリアブレイン「在宅での看取りめぐる規制など見直し検討へ- 規制改革会議WG」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46832.html)。<以下引用>
<規制改革会議の作業部会(WG)は28日に会合を開き、在宅での看取りと、薬剤師が不在のときの薬局での一般用医薬品の取り扱いについて、関係する規制の見直しを検討することを決めた。同会議は、規制の見直しに関する意見を来年6月に取りまとめる予定。WGは今後、月2回程度のペースで会合を開いて検討を進める。検討する2項目は、事務局を務める内閣府規制改革推進室の担当者が関係団体から聴取した要望の中から選定された。このうち、在宅での看取りに関する規制の見直しは、日本看護協会が要望した。現在は、死亡診断書を交付する際、原則として医師が診察する必要があるが、その結果、医師がすぐに診察できない地域などで、遺体の長期保存や長距離搬送が行われるケースもあるとして、在宅での看取りを推進するために規制を見直すべきだとした。また、一般用医薬品の取り扱いに関する規制は、日本チェーンドラッグストア協会が見直しを要望。現在、薬剤師が在宅患者の服薬指導のために外出するなどして店内に薬剤師が一人もいない状態だと、薬局を閉めなければならないが、店内に残った登録販売者が第二類医薬品や第三類医薬品を販売できず、利用者の利便性を損ねているなどと指摘した。作業部会は今後、それぞれの関係者のヒアリングなどを行い、規制見直しの論点などを整理する。また、そのほかに検討する項目の選定も進める。>

キャリアブレイン「厚労省課長に聞く、療養病床改革の焦点-経営面も考慮した実現可能な案に期待」(http://www.cabrain.net/management/article/46812.html)。<以下一部引用>
<慢性期の医療・介護ニーズに対応するサービスの提供体制を検討するため、7月に厚生労働省に設置された「療養病床の在り方等に関する検討会」。医政・老健・保険の3局の局長が合同開催し、保険局内の医療介護連携政策課が事務局を務めるという、厚労省としては異例の体制で進められる検討会だ。同課の渡辺由美子課長は、過去の療養病床改革がなかなか進まなかったことも踏まえ、サービス提供側の経営面も考慮した、実現可能な改革案が提示されることを期待したいと語る。■17年度末に介護療養病床の廃止期限 -療養病床を中心とした慢性期の医療・介護サービス提供体制の改革について、「療養病床の在り方等に関する検討会」で議論が始まりました。このタイミングで検討を始めた理由は何でしょうか。理由の一つは、今年度から各都道府県で地域医療構想(ビジョン)の策定が行われるのを前に、今年3月に国が定めたビジョンの策定ガイドラインです。その中で、慢性期については、病床と在宅とを一体的に考えて推計するとともに、療養病床の入院受療率の地域差解消を目指すことが示されました。ビジョン実現のためには、こうした慢性期の医療・介護サービス提供体制の対応方針を早期に検討することが求められています。>

2025年の都道府県別医療需要推計(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou1.pdf)(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou2-1.pdf)p8~11では「将来、介護施設や高齢者住宅を含めた在宅医療等で追加的に対応する患者数(2025)(千人)」が出ており、地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p15、p21の図6「慢性期機能及び在宅医療等の医療需要のイメージ図」には「在宅医療等とは、居宅、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、その他医療を受ける者が療養生活を営むことができる場所であって、現在の病院・診療所以外の場所において提供される医療を指し、現在の療養病床以外でも対応可能な患者の受け皿となることも想定。」とある。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)では、療養病床の入院受療率の格差の解消も図られるため、在宅医療等のニーズへの対応が最大の課題となる地域が少なくないであろう。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000088510.pdf)p50~病床機能報告の「公表しなければならない項目」には、p51「一ヵ月間の退院患者数;家庭へ退院、他の病院・診療所へ転院、介護老人保健施設に入所、介護老人福祉施設に入所、社会福祉施設・有料老人ホーム等に入所、死亡退院等、その他」、「退院後に在宅医療を必要とする患者の状況;退院後1か月以内に自院が在宅医療を提供する予定の患者数、退院後1か月以内に他施設が在宅医療を提供する予定の患者数、退院後1か月以内に在宅医療を必要としない患者数(死亡退院含む)、退院後1か月以内の在宅医療の実施予定が不明の患者数」があり、都道府県公表の病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000095664.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)で、一般病床又は療養病床を有する医療機関ごとに病棟単位で出ている。「退院→在宅医療等」の現状ニーズについては、戦略的に考えやすくなっている。また、供給面については、昨年実施された「医療施設静態調査」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/chousahyo/index.html#00450021)の一般診療所票(http://www.mhlw.go.jp/toukei/chousahyo/dl/iryoushisetu/H26_seitai_ippan.pdf)、歯科診療所票(http://www.mhlw.go.jp/toukei/chousahyo/dl/iryoushisetu/H26_seitai_shika.pdf)、病院票(http://www.mhlw.go.jp/toukei/chousahyo/dl/iryoushisetu/H26_seitai_byouin.pdf)をみれば、医療保険・介護保険での在宅医療の取り組み状況と実績の詳細が把握できるであろう。しかし、「在宅医療」ではなく「在宅医療等」で考えた場合、介護施設での医療ケアの状況を把握しておきたいところかもしれない。以前の厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000092786.pdf)p131で特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養病床、医療療養病床における医療・看護の提供実態が出ており、社会保障審議会介護給付費分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126698)で「介護保険施設等における利用者等の医療ニーズへの対応の在り方に関する調査研究事業」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000098154.pdf)が行われるが、やはり、それぞれの地域ごとで継続的把握された方が良いように感じる。平成24度から、一定の研修を受けた介護職員が、たん吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)、経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻)を行うことが可能となった(http://www.fukushizaidan.jp/htm/038kaigo_kensyu/kaigo_kensyu_top.html)。また、平成28年からカリキュラム受講卒業生が出てくる。おそらく、今後、介護施設での医療ケアが普及してくると思われるからである。介護給付費分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000087112.htmlの「平成27年度介護報酬改定を踏まえた今後の課題」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000087131.pdf)では、「介護保険施設等における医療提供の在り方」「医療ニーズの高い介護保険施設等の利用者に対する適切な医療サービス提供の在り方についての調査及び検討」とあり、「介護サービス事業所における医療職の勤務実態および医療・看護の提供実態に関する横断的な調査研究事業」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000087125.pdf)が出ていた。さて、都道府県別医療需要推計(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou1.pdf)(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou2-1.pdf)p8~11「将来、介護施設や高齢者住宅を含めた在宅医療等で追加的に対応する患者数(2025)」はまさに2025年の新たな在宅医療等のニーズである。日本慢性期医療協会「新しい病院内施設(SNW)の提案」(https://jamcf.jp/chairman/2015/chairman150717.html)(https://jamcf.jp/chairman/2015/150716kaiken.pdf)、キャリアブレイン「首相が施設増に意欲」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46800.html)と報道されており、「療養病床の在り方等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=282014)では、新たな在宅医療等のニーズに対応した施設類型が示されるかどうか、注目される。また、厚労省資料「次期診療報酬改定の基本方針」では、4視点「医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムを推進する視点」「患者にとって安心・安全で納得できる効率的で質が高い医療を実現する視点」「重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点」「効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点」、厚労省資料「医療提供体制改革の観点からの主な論点について(たたき台)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000097839.pdf)では「医療需要の変化への対応」(病床機能の分化・連携、在宅医療・地域包括ケアシステムの推進)等があり、次期診療報酬改定では、新たな在宅医療等のニーズに対応するための促進策が打ち出されるのは間違いないであろう。例えば、「在宅医療を行う医療機関について(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000078090.pdf)に関して、毎日新聞「訪問専門診療所:来年4月めどに解禁 厚労省」(http://mainichi.jp/shimen/news/20150927ddm002040078000c.html)と報じられている。「地域医療総合確保基金の創設と医療・介護の連携強化について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000090968.pdf)p5「医療と介護の一体改革に係る今後のスケジュール」にあるように、平成29年度には、新たな「地域医療介護総合確保基金にかかる総合確保方針」「医療計画基本方針」「介護保険事業計画基本方針」が示され、平成30年度からの第7次医療計画(6年計画)と第7期介護保険事業(支援)計画(3年計画)が策定される。平成30年度は診療報酬と介護報酬の同時改定である。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)の策定は今年度から取り組まれているが、現状の制度・報酬・事業に囚われすぎて、悲観的になってもいけないように感じる。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000088510.pdf)p31~32「在宅医療の充実に係る具体的な取組例」が示されているように、新たな在宅医療等のニーズへの対応は、平素からの地道な取組如何にかかっているといえるかもしれない。なお、在宅医療等のニーズに関して、地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000088510.pdf)p57「小児や障害者など介護保険の対象でない患者に関しても、福祉担当部局と連携して同様に整備することを目指す必要がある。」を忘れてはならない。ところで、国立保健医療科学院の「地域医療構想策定研修(都道府県職員研修)」(https://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo02.html)・「地域医療構想策定研修(専門家連携編)」(https://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo03.html)で実践研修された「地域医療構想策定支援ツール(必要病床数等推計ツール、構想区域設定検討支援ツール)」と「医療計画作成支援データブック」について、7月28日医政局地域医療計画課事務連絡「地域医療構想策定支援ツール等から得られる情報の関係者間での共有等について」では「地域医療構想の策定及び医療計画の作成に必要な情報については、ナショナルデータベース(NDB)等の情報を含む地域医療構想策定支援ツール及び医療計画作成支援データブック(以下「支援ツール等」という。)として都道府県へ配布しています。この支援ツール等から得られる情報については、地域医療構想の策定及び医療計画の作成に関わる多くの関係者で共有し、地域医療構想の策定や医療計画の作成のための議論に活用していただくことが求められています。そのため、医師会等の医療関係者や医療保険者等の地域医療構想調整会議及び都道府県医療審議会の委員から、支援ツール等から得られる情報を地域医療構想の策定又は医療計画の作成に参画するために提供してほしい旨依頼があった場合には、これに応じ、情報を提供していただくようお願いいたします。また、今般の医療法改正により、医療計画の作成又は変更を行う場合には、都道府県は保険者協議会の意見を聴くこととされており、地域医療構想調整会議には医療保険者が参画することとなっております。都道府県においては、地域医療構想調整会議や医療審議会の運営に当たり、保険者協議会にも、適宜情報を共有するなど、必要な連携を図っていただきますようお願いいたします。」とあったが、医療審議会・地域医療構想調整会議・保険者協議会の方々とどれほど情報共有されているであろうか。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000088510.pdf)p39「地域医療構想調整会議における議論の進め方; 地域の医療提供体制の現状と将来目指すべき姿の認識共有、 地域医療構想を実現する上での課題の抽出、 具体的な病床の機能の分化及び連携の在り方について議論、 地域医療介護総合確保基金を活用した具体的な事業の議論」とあることを踏まえたい。「地域医療総合確保基金の創設と医療・介護の連携強化について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000090968.pdf)p3~4に出ているように、地域医療介護総合確保基金の対象事業は、1 地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業、2 居宅等における医療の提供に関する事業、3 介護施設等の整備に関する事業(地域密着型サービス等)、4 医療従事者の確保に関する事業、5 介護従事者の確保に関する事業であり、以前の都道府県担当者会議(http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226651633445)では基金事業として54事業が例示されたが、情報共有や議論がなされない「地域医療介護総合確保基金」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068065.html)はあり得ないであろう。
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向精神薬の重複処方に係る適正化

2015年09月29日 | Weblog
産経新聞「生活保護で無料入手の向精神薬を転売、受給者を逮捕 兵庫県警」(http://www.sankei.com/west/news/150930/wst1509300055-n1.html)。<以下引用>
<医療費が全額公費で賄われる生活保護をめぐり、無料で処方された向精神薬を違法に販売したとして、兵庫県警生活経済課は30日、麻薬取締法違反(営利目的譲渡)容疑で、京都市伏見区白銀町、飲食店員、小寺恵真(えま)子容疑者(31)を逮捕した。小寺容疑者は生活保護受給者で、薬をインターネットで不特定多数に転売。転売先の別の女が向精神薬を大量に買い集めて売りさばき、荒稼ぎしていたとみられ、県警は受給者が関与した「貧困ビジネス」の実態解明を進める。逮捕容疑は平成26年12月~27年3月ごろ、東京都世田谷区のマンション経営、小岩井由香被告(55)=同罪で起訴中=に、処方された向精神薬「モディオダール錠」など約700錠を約5万8千円で販売したとしている。県警は今春、県内で自殺した男性が向精神薬を服用していたことを受け、関係先として、小岩井被告の自宅を捜索し、向精神薬を含む錠剤約2万錠を押収。長野県内の女性に向精神薬を販売したとして小岩井被告を6月に逮捕した。その後の捜査で、小岩井被告が21年以降、受給者から向精神薬などを買い集めて転売し、全国の約170人から約2800万円を売り上げていたことが判明。入手ルートを調べたところ、小寺容疑者が浮上したという。小寺容疑者は21年夏ごろにインターネット掲示板を通じて小岩井被告と知り合った。小寺容疑者の口座には20年6月~今年5月、小岩井被告を含む十数人から約450万円の入金があったという。県警は小寺容疑者が転売目的で必要量以上の向精神薬を重複して処方してもらっていた可能性もあるとみている。厚生労働省によると、25年度の保護費は約3兆6千億円。うち医療扶助は約1兆7千億円と半分近くを占める。財政を圧迫しているのに、不正が横行している。薬物問題に詳しい小森栄弁護士(東京弁護士会)は「不正の原因は薬を出しすぎる医療機関にもある。過剰処方を防ぐための法整備などの対策が必要だ」と話している。>

毎日新聞「睡眠薬:規制強化後も処方減らず 抗不安薬を流用」(http://mainichi.jp/select/news/20150913k0000e040101000c.html)。<以下引用>
<医療機関が1人の患者に3種類以上の睡眠薬を処方すると診療報酬を大幅に減らされるようになった昨年4月以降、体への作用は同じ「抗不安薬」に切り替えて同じ量を処方するケースが横行していることが、医療経済研究機構などの研究チームによる調査で分かった。推奨量を大きく超えて服用している患者の割合はほぼ横ばいで、規制強化が有効に機能していない実態が浮かぶ。精神科では、有効性を示す医学的証拠がないにもかかわらず、患者の求めに応じて睡眠薬などを多量に処方することが問題になっている。国は処方量を減らすため、12年と14年の診療報酬改定で規制を段階的に強化し、睡眠薬などを3種類以上処方した場合、病院や診療所への診療報酬を減らす措置を取った。しかしチームが11年4月〜14年11月に全国の調剤薬局317店で扱われた処方箋延べ約110万枚を分析したところ、睡眠薬の大半を占めるグループの薬を推奨量の3倍以上処方された患者の割合は3年8カ月の調査期間中に0.7%しか減っていなかった。14年の規制強化後に限っても0.3%の減少にとどまった。一方、3種類以上の睡眠薬処方で診療報酬減算の対象となった患者の割合は、14年の規制強化からの8カ月間で4.2%から2.4%に大きく減っていた。睡眠薬は2種類以下とし、代わりに同じグループに入る抗不安薬を新たに処方されている患者が増加したとみられる。調査した同機構の奥村泰之主任研究員は「診療報酬を下げて減薬に導こうとするだけでなく、多剤処方を予防したり、患者の薬の摂取量を減らしたりした取り組みに診療報酬を付けるなどの支援も必要だ」と指摘する。>

国立精神・神経医療研究センター「「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」の改訂版」(http://www.ncnp.go.jp/press/press_release130611.html)(http://www.ncnp.go.jp/press/press_release130611.html)p32「【勧告】常量の睡眠薬を服用しても効果が不十分な場合に、睡眠薬の多剤併用がより有効であるというエビデンスは無い。副作⽤リスクを低減するためにも、多剤併用はできるだけ避けるべきである。特に、三種類以上のベンゾジアゼピン系ないし⾮ベンゾジアゼピン系睡眠薬の併用は避けなくてはいけない。【推奨グレードC2】」とある。ベンゾジアゼピン系薬(BZ) にはトリアゾラム(商品名:ハルシオン)、ブロチゾラム(商品名:レンドルミン)、フルニトラゼパム(商品名:サイレース、ロヒプノール)、クアゼパム(商品名:ドラール)などがあり、非ベンゾジアゼピン系薬 (非BZ系薬)にはゾルピデム(商品名:マイスリー)、ゾピクロン(商品名:アモバン)がある(http://kusuri-jouhou.com/pharmacology/bz-bar.html)が、実際には多剤併用されているケースが少なくないかもしれない。厚生局ホームページ(https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/iryo_shido/syohouryounikakarukjouseisinyakyutazaitouyonojyoukyounituite.html)では「保険医療機関が1回の処方において、抗不安薬を3種類以上、睡眠薬を3種類以上、抗うつ薬を4種類以上又は抗精神病薬を4種類以上投与(以下「向精神薬多剤投与」という。)した場合は、向精神薬多剤投与の状況の報告が必要です。」とあるが、臨床医に周知徹底されているであろうか。なお、保険診療ではない生活保護の医療扶助であっても向精神薬の多剤併用は当然チェックをしっかりすべきである。向精神薬の過剰入手は貧困ビジネス(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A7%E5%9B%B0%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9)の一つとされ、以前も「生活保護の医療扶助における緊急サンプル調査の一次調査結果」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000gmbj.html)、朝日新聞「向精神薬余分に処方、5177人 生活保護受給者を調査 厚労省」(http://apital.asahi.com/article/news/2015031000004.html)が出ていた。今年3月の「社会・援護局関係主管課長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077332.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000077381.pdf)p57「向精神薬の重複処方に係る適正化に向けた地方自治体の取組状況については、平成27年度も引き続き地方厚生局による確認を実施する」とあったが、どうなっているであろうか。麻薬及び向精神薬取締法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S28/S28HO014.html)を甘くみてはいけない。そういえば、先週、群馬県「薬局に対する業務停止命令」(http://www.pref.gunma.jp/houdou/d5100037.html)が出ていた。
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診療報酬と医療計画

2015年09月29日 | Weblog
社会保障審議会医療部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126719)の資料「次期診療報酬改定の基本方針」では、4視点「医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムを推進する視点」「患者にとって安心・安全で納得できる効率的で質が高い医療を実現する視点」「重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点」「効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点」が示されているが、診療報酬改定だけでは厳しい。例えば、「医療提供体制改革の観点からの主な論点について(たたき台)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000097839.pdf)にある「医療需要の変化への対応」(病床機能の分化・連携、在宅医療・地域包括ケアシステムの推進、医療分野におけるICT化の推進)、「医療従事者の確保」(チーム医療の推進)、「質の高い医療の効率的な提供」(救急医療、小児医療及び周産期医療の充実、医科歯科連携の推進)等は地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)において、それぞれの地域でも具体策について協議・推進されるべきであろう。厚労省資料(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/0f12c5af9da4cb0c49257571001e1275/$FILE/20090306_1shiryou10_1.pdf)p226にあるように、診療報酬や税制上、「都道府県医療計画に記載される医療機関であることが要件」となるものがいくつもあるが、この際、診療報酬改定と医療計画・地域医療構想との連携が少しでも図れないものであろうか。平成27年度からの医療計画・地域医療構想への医療保険者の関与の意義も踏まえたい。そうなれば、都道府県医療審議会や地域医療構想調整会議による調整機能の強化にもつながるかもしれない。また、今後、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2015/2015_basicpolicies_ja.pdf)p31「高齢者医療確保法第14条の診療報酬の特例の活用の在り方の検討」とも絡んでくるような気がしないでもない。
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産業保健とコラボヘルス

2015年09月29日 | Weblog
M3「時代に見合う産業医の在り方、検討開始 座長に相澤・北里大学名誉教授を選任」(https://www.m3.com/news/iryoishin/361013?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150927&dcf_doctor=true&mc.l=124143309)。<以下引用>
<産業医の在り方について検討する厚生労働省「産業医制度の在り方に関する検討会」(座長:相澤好治・北里大学名誉教授)の第1回会議が9月25日に開かれた。今年12月から労働安全衛生法の改正で「ストレスチェック制度」が新設されるなど、産業医の負担が増加することが予想されており(『新制度で産業医、「負担が数倍に」 - 野村忍・早稲田大学人間科学学術院教授に聞く◆Vol.1』を参照)、検討会では改めて産業医の位置付けや役割を見直すことを目的としている。明確な期限を設けず、抜本的な見直しにつながるような議論をする方針。委員には医療関係者だけでなく、経済団体や労働組合も加わっている。会議の冒頭で、座長に相澤氏、座長代行に産業医科大学産業生態科学研究所産業保健経営学研究室教授の森晃爾氏がそれぞれ選出された。「産業医制度の在り方に関する論点(メモ)」として、厚労省労働基準局安全衛生部労働衛生課は(1)求められる労働衛生管理、(2)産業医に期待される役割、(3)医師以外の産業保健スタッフの役割、(4)小規模事業場における労働衛生管理の強化、(5)事業者と産業医の関係、(6)その他――の6つの柱を提示。労働衛生課は「誰が何をするかの前に、労働者の健康に何が必要かを議論し、その中で産業医の役割や産業保健サービスの在り方について検討してほしい」と要望した。初回のこの日は各委員が自由に発言した。森氏は「日本では500人ぐらいの産業医専門の専門医と、9万人もの医師が認定産業医として活動している。どちらも重要だが、これら2つを一緒に議論するのは難しいのでは」と指摘。労働安全衛生総合研究所企画調整部首席研究員の甲田茂樹氏は「事業所で起きた災害や過労死を分析しようとした時、産業医の姿が見えない。医師だけでなく産業衛生スタッフの関与の欠如が目立つ。業種別、人数別のニーズを洗ったほうが良いと思う」と提案した。石田労働安全衛生コンサルタント事務所所長の石田修氏は「作業管理、作業環境管理、健康管理の3つの管理分類はそろそろ終わりでは。いろいろな管理の仕方があり見直すべき。」と主張した。近畿大学法学部政策法学科教授の三柴丈典氏は「経営形態、雇用形態がさらに変化している。産業医は総合力が必要な仕事で、医師になれるぐらいのスペックや経験が、 実務上も制度上も大きいのかなと思う」と指摘した。東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野教授の川上憲人氏は「産業医療で、医師がリーダーであることが必要だが、医師が個別の仕事に時間を取られている。個々の業務に縛られないようにすることが必要」と述べた。日本産業衛生学会理事長の円藤吟史氏は「全員参加という視点が重要。専門職だけでなく、労働者、管理者も参加しないとうまく回らない」、日本産業保健師会会長の大神あゆみ氏は「高齢化しており、この先の日本の労働がどうなっていくかという視点も重要」と指摘した。イオン株式会社グループ人事部イオングループ総括産業医の増田将史氏は「職場巡視をやって、職場環境の改善に役立ったという指摘をもらったことがほんとどない。現場ではメンタルヘルスが問題でそちらに時間を割きたいが、職場巡視で時間が取れないこともある。事業場の特性で優先順位は変わってくるのでフレキシブルに対応できるようにすべき」と提起した。また、病気を抱えた人の就労支援をどうしていくかも重要な課題という指摘もあった。議論の最後に相澤座長は「現場のニーズを知る必要があるので、ヒアリングもやっていきたい」と話した。>

「産業医制度の在り方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=299441)の資料が出ればみておきたい。産業保健の話題は「ストレスチェック制度」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/)が中心になっているであろう。「『日本再興戦略』改訂2015-未来への投資・生産性革命-」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/)p148。」「経営者等に対するインセンティブ;企業による健康経営を促進するため、経営者等に対するインセンティブとして、以下のような企業規模に応じた取組を通じ、健康投資の促進が図られるよう、関係省庁において年度内に所要の措置を講ずる。・ 中小企業等;- 商工会議所等と連携して、中小企業等による健康経営の優良事例を収集・公表するとともに、「健康経営アドバイザー制度(仮称)」の創設を通じ、健康経営人材の育成・活用を促進。 - 安全衛生優良企業公表制度等と連携して、健康経営の優良企業に対する認定制度の創設に向けた評価基準の策定等を行うとともに、民間企業等による活用を促進する観点からも、これらの制度と連動したインセンティブ措置(人材獲得・確保の円滑化等)を検討。 ・ 大企業等;- 健康経営銘柄や健康経営度調査等の健康経営の普及のための取組を引き続き実施。また、健康経営銘柄選定企業等の先進的な取組を分析・整理するとともに、企業業績・生産性・医療費への影響等を経年で追跡し、企業経営者に向けて発信。- 健康経営の取組が定性及び定量的に把握出来るような環境を整備するため、「企業による健康投資の情報開示に関する手引書(仮称)」を策定し、投資家などのステイク・ホルダーへの情報発信を促進。 先進的な健康経営実践企業、健康保健組合などの医療保険者、サービス事業者等を主体として、健康情報の流通・利活用に係るデータフォーマットの整備等を行うとともに、企業や保険者における健康経営・保健事業活動の評価指標の策定を検討。 ・ その他: 民間の資金やサービスを活用して、効果的・効率的に健康予防事業を行う自治体等の保険者へのインセンティブとして、ヘルスケア分野におけるソーシャル・インパクト・ボンドの導入を検討。」とあったことに関して、先般の首相会見(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46800.html)では「企業による健康経営や健康投資を促す仕組みを設ける」とされていた。全国健康保険協会運営委員会(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat720/h26)の「データヘルス計画に基づく保健事業の推進」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/direction/dai65kai/27031809.pdf)では、①特定健診・特定保健指導の推進、②事業主等の健康づくり意識の醸成をめざした取組み(コラボヘルス)、③重症化予防対策の三本柱が示されており、このうち、コラボヘルスについては「①オーダーメイド的な健康情報及び加入者の性別若しくは年齢階層ごと、事業所ごとの健康・医療情報を提供(事業所カルテ等)、②加入者が、自身の健診結果を経年的に把握したり、全体の中で自分自身の位置づけを確認できる環境の提供(ICTの活用)、③業種別の分析結果を、中小企業団体、業種団体、都道府県(市町村)、商工会等に示し、各団体を通じて事業主に対して働きかけ」とあった。産業保健がコラボヘルスを推進できるような体制を期待したいところかもしれない。
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SNW

2015年09月28日 | Weblog
キャリアブレイン「日慢協提案のSNW、資源の有効利用で評価-日病・堺会長」(http://www.cabrain.net/management/article/46827.html)。<以下一部引用>
<日本病院会(日病)の堺常雄会長は28日の定例記者会見で、日本慢性期医療協会(日慢協)が検討している療養病床転換の新たな類型案(SNW)について、「すぐにそのまま、日本病院会がそれに乗るということではないが、一つの考え方の方向性としては、資源の有効利用ということで評価できると思う」と述べた。>

「療養病床の在り方等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=282014)について、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000097844.pdf)にあるように、「年内目途に検討会報告とりまめ」「年明け以降、制度改正に向けた議論」である。日本慢性期医療協会「新しい病院内施設(SNW)の提案」(https://jamcf.jp/chairman/2015/chairman150717.html)(https://jamcf.jp/chairman/2015/150716kaiken.pdf)や「首相が施設増に意欲」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46800.html)がどう反映されるであろうか。
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周産期医療と地域医療構想

2015年09月28日 | Weblog
読売新聞「大町総合病院、分娩再開へ 来月から」(http://www.yomiuri.co.jp/local/nagano/news/20150925-OYTNT50130.html)。<以下引用>
<大町市は25日、産科医不足を理由に3月から休止している市立大町総合病院の分娩ぶんべんの受け入れについて、10月5日から再開すると発表した。9月に県外から医師が常勤として着任し、病気療養中だった医師も週5日の勤務に戻ったことなどから、分娩を受け入れる環境が整ったという。再開にあたり、牛越徹市長は「今後も態勢を堅持できるよう全力で努めていきたい」とコメントを出した。同病院は、3月に分娩の取り扱いを休止して以来、県のドクターバンク制度を通じて招いた非常勤の産科医と信州大から派遣された医師が妊婦健診にあたっていた。>

周産期医療体制のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=292852)が8月31日再開(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000096040.html)され、周産期医療の現状(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000096037.pdf)が出ていたが、それぞれの地域ごとで考えたい。医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)では周産期医療も柱の一つである(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000096049.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000096051.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000096053.pdf)。「周産期医療の医療体制構築に係る現状把握のための指標」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_taisei2.pdf)は医療圏ごとで継続的に把握・共有されるべきであろう。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000088510.pdf)p50~病床機能報告の「公表しなければならない項目」には、助産師数、分娩件数、院内の出生、ハイリスク分娩管理加算、ハイリスク妊産婦共同管理料Ⅱがあり、都道府県公表の病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000095664.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)で医療機関ごとに出ている。都道府県の診療科毎の医師数について、e-Stat(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do)で詳細に出ている(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL02020101.do?method=extendTclass&refTarget=toukeihyo&listFormat=hierarchy&statCode=00450026&tstatCode=&tclass1=&tclass2=&tclass3=&tclass4=&tclass5=)ものの、医師・歯科医師・薬剤師調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/33-20.html)の概要(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/12/dl/kekka_1.pdf)は都道府県毎単位で公表されても良いのではないかと感じる。産科病床は一般病床であり、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)では、周産期医療体制についても重点的に検討されるべきであろう。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000077059.pdf)p256「持続可能な周産期医療体制の構築」は少子化対策としてもかなり優先度が高いように感じる。それぞれの地域において、自治体の枠を超えてでも「ある程度リスクの高い出産に対応できる医療体制」を確保することが最低限必要であろう。また、正常妊娠・分娩は助産所、助産師の活用を積極的に図るべきであろう。なお、平成25年度地域保健・健康増進事業報告(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/13/index.html)の地域保健編(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/13/dl/kekka1.pdf)p2「妊娠週(月)数別妊娠届出者数」で、満28週~分娩4420件、分娩後2189件、不詳5774件とあった。早めの妊娠届出は周産期医療に重要であり、国民の協力も欠かせない。
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地域枠と地域医療支援センター

2015年09月28日 | Weblog
読売新聞「医学部「地域枠」地元医師育てる、本格運用10年」(http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20150926-OYS1T50025.html)。<以下引用>
<地方の深刻な医師不足を解消しようと、自治体と大学が連携し、医学部の定員の一部を地元出身者らに割り当てる「地域枠」の本格運用開始から10年が経過した。文部科学省によると、九州・山口・沖縄では10大学が導入し、卒業生の地元定着に一定の効果が見えてきている。関係者は更なる医師確保に向け、制度の拡充を目指している。◆奨学金優遇も 卒業生の地元定着率が低かった宮崎大医学部。文部科学省によると、2002年度の卒業生のうち、県内勤務を選んだのは約20%で、全国の医学部で最下位だった。地元出身の学生の割合が10~15%程度と低かったことが一因という。宮崎県は過疎地などでの深刻な医師不足に悩んでいた。県からの要請を受け、宮崎大は06年度、当時の定員100人のうち10人を県内の高校出身者に限定する地域枠を設けた。すると地元出身の入学者は32人に増加。09年度には、県が指定する病院に12年間勤務すれば、月10万円の奨学金の返済が免除される特別枠も導入。11年度の地元出身者は45人まで増えた。県は今年度も特別枠関連で約1億円を予算計上している。いずれの枠も推薦扱いで、1次選抜は県が高校からの書類や面接で審査。2次選抜は大学が面接やセンター試験結果などから判断する。地域枠で入学し、これまでに卒業年次を迎えた46人のうち、留年などを除く39人が国家試験に合格。うち約70%の29人が初期研修で県内に残った。県医療薬務課は「効果は出ている」と手応えを感じている。>

医師不足への対応は、法定化された各都道府県の地域医療支援センター(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/chiiki_iryou/index.html)の果たす役割が小さくないであろう。今年1月の総務省「医師等の確保対策に関する行政評価・監視<調査結果に基づく勧告>」(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/91719.html)の勧告(http://www.soumu.go.jp/main_content/000334420.pdf) p2「26年度の地域枠入学定員は500人となっている。」「平成23年度から、都道府県に対する国庫補助事業として、「地域医療支援センター運営事業」を実施」、p3「地域枠による医師は、平成28年度以降に順次医療現場に輩出されることになっており、これら地域医療を志向する医師を地域の医療機関で活用していくためには、医師のキャリア形成支援を中心とした地域医療支援センターの機能をより一層発揮させることが重要な課題となっている。」、p5「地域医療支援センター運営事業により設置されたものが平成26年3月末現在で30センターあるほか、地域医療再生基金や都道府県独自の事業により設置された同種のものが6センターある。」「平成26年6月の医療法(昭和23年法律第205号)の一部改正(平成26年10月1日施行)により、「地域において必要とされる医療を確保するための拠点」として、地域センターの機能が同法に位置付けられ、都道府県による地域センターの設置が努力義務化」とあった。果たして、それぞれの自治体における地域医療支援センターの活動実態や自治医大・地域枠出身医師の状況はどれほど知られているであろうか。先月、「日本医師会・全国医学部長病院長会議 医師偏在解消策検討合同委員会「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」-求められているのは医学部新設ではない-」(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20150819_2.pdf)が出ていた。さて、各都道府県がホームページ公表している「病床機能報告」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000095664.pdf)では、一般病床・療養病床を有する医療機関それぞれの「許可病床数・稼動病床数」が出ている。また、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)では、医療機関の病床種別の許可病床及び前年度1日平均患者数が出ており、各医療機関の病床利用率が出ている。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html) p45「病床過剰地域において、公的医療機関等が正当な理由がなく病床を稼働していないときは、都道府県医療審議会の意見を聴いて、当該病床の削減を命令することができる(医療法第7条の2第3項)。なお、公的医療機関等以外の医療機関にあっては、病床過剰地域において、かつ医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合において、正当な理由がなく病床を稼働していないときは、都道府県医療審議会の意見を聴いて、当該病床の削減を要請することができる(同法第30 条の12 第1項)。また、実際には、病床の稼働状況は病床機能報告制度において病棟単位で把握することが可能であることから、病棟単位で病床が稼働していないことについて正当な理由がない場合に、当該対応を検討することが適当である。」とある。また、総務省通知(http://www.soumu.go.jp/main_content/000350493.pdf)p8では、「過去3年間連続して病床利用率が70%未満」である病院に対して、抜本的な検討が要請されている。ここが地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)の重要なテーマの一つと感じる。「正当な理由」をどう判断するかについて、医療審議会における分析情報の共有を踏まえた真摯な検討が必要になるであろう。各都道府県の地域医療支援センター(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/chiiki_iryou/index.html)の活動にも注目である。
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後発医薬品の都道府県格差

2015年09月28日 | Weblog
キャリアブレイン「後発品65%以上の薬局割合、32.7%に- 1年で11ポイント上昇、民間調査」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46806.html)。<以下引用>
<2014年度診療報酬改定で要件が見直された「後発医薬品調剤体制加算2」を届け出る薬局が全国の保険薬局に占める割合は、7月時点では32.7%で、前年同月と比べ11.0ポイント上昇したことが、日本アルトマーク(東京都港区)の調査で分かった。同加算2の要件は、薬局が調剤する医薬品(後発品がない医薬品などは除く)の65%以上が後発品であることなど。同社によると、7月時点で全国に5万7270軒あった薬局のうち1万8721軒が届け出ていた。一方、後発品の調剤割合が55%以上であることなどが要件の同加算1を届け出ていた薬局は1万4565軒あった。全保険薬局に占める割合は25.4%で、前年同月と比べ1.3ポイント下がった。後発医薬品調剤体制加算を届け出る薬局の割合を都道府県別に見ると、沖縄(85.6%)が最も高く、最も低い徳島(34.9%)とは50ポイント以上の差があった。後発医薬品調剤体制加算の要件は、後発品の使用を促進する国の目標に合わせて14年度改定で見直された。この改定の際の数量シェアの目標は「60%以上」だったが、今年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」に、「17年央に70%以上」「18年度から20年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上」という新たな目標が盛り込まれたため、16年度改定での要件見直しに注目が集まっている。>

全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=180575)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000077059.pdf)p424の「都道府県別後発医薬品割合」をみれば大きな格差があることがわかる。「調剤医療費(電算処理分)の動向」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000096908.pdf)p13~「都道府県別の状況」も出ている。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000077059.pdf)p423「後発医薬品の安心使用促進のための協議会」は平成20年度から予算計上され、「平成25年度:47都道府県中37都道府県で委託事業を実施」とあるが、全県で実施されるべきであろう。平成25年3月の総務省「医薬品等の普及・安全に関する行政評価・監視 <調査結果に基づく勧告>」(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/000071649.html)では、後発医薬品の普及の促進が勧告(http://www.soumu.go.jp/main_content/000213386.pdf)(http://www.soumu.go.jp/main_content/000213385.pdf)され、「市町村別の後発医薬品数量シェアを把握・公表し、都道府県に周知すること。」と厚労省に対して勧告されているが、どうなっているであろうか。行政施策として、まずは生活保護医療扶助での後発医薬品徹底を図りたい。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000077381.pdf)p14「生活保護法第34条第3項;医師が医学的知見に基づき後発医薬品を使用することができるものと認めたものについては、被保護者に対し、可能な限り後発医薬品の使用を促すことにより医療の給付を行うよう努めるものとする。」とあるが、p12の生活保護における後発医薬品の数量シェアでは都道府県・政令市・中核市ごとの生活保護における後発医薬品の使用割合(数量シェア)が出ており、「最大78.9%(那覇市)~最低45.6%(和歌山県)まで、その差は約2倍。」と大きな地域間格差がある。p13「後発医薬品の数量シェアが75.0%以下である市町村(都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村)においては、後発医薬品の使用促進の取組に関する計画を策定。」、p14「後発医薬品の数量シェアが75.0%以下の医療機関については、都道府県等から状況の説明を行い、後発医薬品の使用促進について要請。」とあり、p51~「平成27年度から、後発医薬品の数量シェアが75.0%に達していない地方自治体については、更なる取組として、後発医薬品の使用促進にかかる計画を策定する取組を開始するとともに、後発医薬品の使用割合について一定の基準を達成した地方自治体については、医療扶助の適正化にかかる補助金において、補助率を引き上げることにより、取組の評価を行うことを予定している。」「平成27年度より、院内処方について、医師等が後発医薬品を使用することができるものと認めた場合については、生活保護受給者は、原則として後発医薬品を使用することとするとともに、後発医薬品の数量シェアが75.0%に達していない医療機関等に対し、後発医薬品の使用促進に関する働きかけを行う取組を開始する」と下線で強調されている。p54「一部の福祉事務所では電子レセプトシステムを活用できていないとの回答も見られたほか、都道府県等本庁においては、電子レセプトシステムにより得ることができるデータを指導対象医療機関の選定の一要素として使用し、実際に指導検査を行った事例がある都道府県等は31.2%、請求に特徴が見られる医療機関の把握に活用している都道府県等は19.3%であるなど、活用状況は低調であった。」とあるが、これでは全然いけない。
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健康増進計画

2015年09月28日 | Weblog
厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=127751)が14日に再開(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000097426.html)されており、健康診査等専門医委員会が設置される(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000097407.pdf)。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000077884.pdf)「医療等分野におけるマイナンバーの利用拡充」も踏まえられるべきであろう。保健事業指針改正(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000044053.pdf)によるデータヘルス(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061273.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000044053.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000060316.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000061280.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000061278.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000061279.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000060316.pdf)の取り組みも当然も盛り込まれるべきである。なお、平成30年度から、医療計画(6年間)、介護保険事業計画(3年間)、障害福祉計画(3年間)、医療費適正化計画(6年間)の策定が揃うが、肝心の健康増進計画が全く浮いてしまっており、地域保健健康増進栄養部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=127751)では協議されないものであろうか。「健康増進・予防サービス・プラットフォーム」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/kenko/index.html)ともリンクされても良いような気がしないでもない。 「宿泊型新保健指導(スマート・ライフ・ステイ)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/sls/)(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000098196.html)からの飛躍があっても良いかもしれない。
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とどけるん

2015年09月28日 | Weblog
10月から「看護師等免許保持者の届出制度」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000095486.html)がスタートする。概要は資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000097843.pdf)p25にある。日本看護協会「「都道府県ナースセンター登録データ」分析結果 ~潜在看護職員の就業に関する報告~」(http://www.nurse.or.jp/up_pdf/20140114163853_f.pdf)が出ていたが、「届出」努力義務がどれほど機能するか、注目である。看護職は、保健師助産師看護師法(http://www.ron.gr.jp/law/law/kangofu.htm)第三十三条により、業務従事者のみの届出であって、潜在看護師の正確な把握ができていない。平成23年年3月に公表された「看護職員就業状況等実態調査結果」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017cjh.html)によると、20代~50代の看護職としての就業率は85.3%である(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017cjh-att/2r98520000017cnt.pdf)が、この調査はあくまで抽出調査であり、有効回答率は52.1%に留まっていた。以前、「医療等分野における情報の利活用と保護のための環境整備のあり方に関する報告書」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002k0gy.html)が出ていたが、「スマート国勢調査」(http://kokusei2015.stat.go.jp/)が行われたり、「医療等分野におけるマイナンバーの利用拡充」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000077884.pdf)が図られる中で、今後、国家資格・免許を有する医療職全員の届出・情報管理をネットで簡単にできるシステムは国主導で構築できないものであろうか。そういえば、「平成28年度厚生労働省所管概算要求」(http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/16syokan/)の社会・援護局資料(http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/16syokan/dl/04-09.pdf)p3「潜在介護福祉士対策の強化【新規】約50 万人の潜在介護福祉士の再就業に向けた支援を進めるため、離職した介護福祉士の届出システムを新たに創設する。」とあった。病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)や医師臨床研修(http://www.jrmp.jp/)のように、ネット上で行えるようになれば、行政事務負担の軽減にもつながるであろう。
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鳥インフルエンザ

2015年09月28日 | Weblog
環境省「高病原性鳥インフルエンザに関する情報」(http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/index.html)から24日付「韓国での高病原性鳥インフルエンザ(H5N8 亜型)の発生に伴う野鳥サーベイランスの対応レベルの引き上げについて」(http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_ful/150924.pdf)が出ている。そろそろ渡り鳥の季節であり、養鶏場での鳥インフルエンザ(http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/)はどこで発生してもおかしくはないであろう。国立環境研究所が「日本における鳥インフルエンザウイルスの侵入リスクマップ」(http://www.nies.go.jp/whatsnew/2012/20121115/20121115.html)(http://www.nies.go.jp/biology/kiban/AImap.html)を発表しており、警戒は怠れない(特に侵入リスクが高い地域)。そういえば、全国健康関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000078305.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000078347.pdf)p3「今シーズンにおいては、国内の野鳥や家禽において、H5N8型の鳥インフルエンザの発生が多数報告されている。H5N8型の鳥インフルエンザについては、これまでヒトへの感染事例は報告されていないが、貴管内の養鶏場等で鳥インフルエンザが発生した際には、関係機関との連携を密にし、農場関係者や防疫作業従事者に対する感染防御策の指導や健康調査を実施するとともに、万一、ヒトへの感染疑い事例が発生した場合には、対応に遺漏のないようお願いする。」とあった。各自治体では対応マニュアルは準備されているであろうか。
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