保健福祉の現場から

感じるままに

民主党マニフェストとがん検診事業

2009年09月30日 | Weblog
補正予算執行停止や来年度概算要求見直しが話題になっている。がん検診事業に関して、現場サイドから、今後どうなるのか、という声が聞かれる。例えば、女性特有のがん検診推進事業(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan10/index.html)がまさに補正予算事業であり、来年度概算要求にも掲げられている。しかも、旧政権下で始まったもので、単年度事業である。
しかし、本当に、がん検診事業が縮小されるのであろうか。というのは、民主党の政策集(http://www.dpj.or.jp/news/files/INDEX2009.pdf)(http://www.izai2.net/minsyu.html)では、「乳がんや子宮頸がん、大腸がん、肺がん、胃がんなど有効性が高いがん検診の受診率を大幅に向上させるよう、受診しやすい体制を整備します」とされ、マニフェスト(http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/pdf/manifesto_2009.pdf)では、「乳がんや子宮頸がんの予防・検診を受けやすい体制の整備などにより、がん検診受診率を引き上げる」とされていたからである。そもそも、がん対策基本法(http://www.ron.gr.jp/law/law/gan_ki.htm)は、ウィキペディア(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8C%E3%82%93%E5%AF%BE%E7%AD%96%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E6%B3%95)に出ているように、民主党が最初に法案を提出し、与党案と一本化して成立したものである。2006年5月22日の参議院本会議にて民主党の山本孝史議員が自らのがんを告白、法案の早期成立を訴えた姿に感動を覚えた方は少なくないであろう。がん対策推進法(http://www.ron.gr.jp/law/law/gan_ki.htm)第9条による国がん対策推進基本計画(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan_keikaku.html)や同第11条による都道府県がん対策推進計画(http://ganjoho.jp/public/news/2008/plan.html)において、がん検診受診率50%の目標値が設定されている。
平成19年度地域保健・老人保健事業報告(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/07/index.html)によると、平成19年度の市区町村が実施したがん検診の受診率は、「胃がん検診」11.8%、「肺がん検診」21.6%、「大腸がん検診」18.8%、「子宮がん検診」18.8%、「乳がん検診」14.2%である。また、平成19年国民生活基礎調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-19-1.html)では、「過去1年間にがん検診を受診した者」は、「胃がん検診」男性32.5%・女性25.2%、「肺がん検診」男性25.7%・女性21.1%、「大腸がん検診」男性27.5%・女性22.7%、「子宮がん検診」21.2%、「乳がん検診」20.3%(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa07/3-8.html)に留まっている。
仮に予算見直しでがん検診事業が縮小されるようなことになれば、明確な公約違反といえるであろう。そういえば、10月はピンクリボン月間であり、今年から「がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間」(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/16d4e35801d777fc352c13515516bffd)である。この中で、「今後のがん検診事業がどうなるかわからない」では、あまりに格好悪いであろう。
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抽出調査の問題

2009年09月30日 | Weblog
この記事は注目である。

「データ乖離、透析実施の内科診療所の抽出増が原因」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/24537.html)。<以下一部引用>
<外来で透析を行う内科診療所の影響を除外した上で集計すると、メディアスとの差が著しく縮小したといい、これらの医療機関の抽出率が高くなったことが、データの乖離につながったと結論付けた。>

中央社会保険医療協議会での基礎資料となる調査で、少々理解しにくい調査が行われている。なぜ、透析実施医療機関が多く抽出されたのであろうか。今回のことは、政府調査は抽出の仕方によって、統計資料が大きく変わることが証明されたということであろう。
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HPVワクチン報道

2009年09月30日 | Weblog
HPVワクチン承認の報道(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/24528.html)(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090928-00000500-san-soci)がされているが、ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)のことをもっと知る必要があるように感じる。ウィキペディア(http://ja.wikipedia.org/wiki/HPV)で出ているが、HPVの型は子宮頸癌と密接に関連する高リスク群と発癌に直接関係しない低リスク群に分けられる。今回承認された「商品名Cervarix(サーバリクス)」はHPV16, 18型であって、高リスク群のすべてではない。先日、専門家から聞いたところでは、わが国では16、18型以外の高リスク群が欧米より多いとのことである。そういえば、最近の日経メディカルで「性感染による“欧米型”B型肝炎が急増中」の記事(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t058/200909/512351.html)が掲載されていた。エイズもそうだが、感染症では、地域によって微生物の型が異なることは、ある意味常識かもしれない。血液型さえも人種や地域で大きく異なっているのである。今般、HPVワクチンが国内で承認されたが、国内ではどれほど有効なのか、基礎的なデータ(例えば、年齢階級別の型別HPV感染率など)の公開が不可欠と感じる。世界ではHPVワクチンの予防効果は約70%程度と見積もられている(http://www.lab.toho-u.ac.jp/med/ohashi/gyne/gynecology_cancer/womb_cervix_cancer_and_hpv.html)が、わが国ではどうなのであろうか。また、①HPV16、18型以外による場合が少なくないこと、②HPVワクチンは既感染のウィルスによる病変の予防にはならないこと、から子宮頸がん検診を省略できるものではないことを正確に理解する必要があるように感じる。
こんなネット記事もある。

「子宮頸がんのワクチン(Gardasil)予防接種に不安がよぎる死亡事例」(http://mediasabor.jp/2008/02/gardasil.html)。

今般認可されたのは、Gardasilではなく、Cervarixである。
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自殺

2009年09月28日 | Weblog
内閣府から「地域における自殺の基礎資料」(http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/basic_data/index.html)が出ていたが、本日、警察庁から、今年8月までの都道府県別の月別自殺者数(http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki81/210928tsukibetsujisatsusya.pdf)が公開されている。8月末まで2万2362人であるが、年末までどこまでいくのであろうか。しかし、この状況下で、仮に今年の自殺者数が3万人を下回るとすれば、多くの方々に「世の中が変わった」と感じられるかもしれない。今年はまだ3ヵ月以上ある。自殺予防週間は9月16日までであった(http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/kou-kei/h21/poster.html)が、これから年末にかけて重要なように感じるところである。
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インフルエンザ流行レベルマップ

2009年09月28日 | Weblog
「インフルエンザ流行レベルマップ」(https://hasseidoko.mhlw.go.jp/Hasseidoko/Levelmap/flu/index.html)が更新され、解説(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/24493.html)も出ている。全国510保健所(http://www.phcd.jp/HClist/HClist-top.html)のうち、63保健所管内が注意報レベルを超えたとのことである。先日出た「学校・保育施設等の臨時休業の要請等に関する基本的考え方」(http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/09/dl/info0924-01.pdf)に基づく対応が一挙に拡がっているであろう。現場では、マスクや消毒液が手に入りにくくなっているようであるが、一般の印象は3ヵ月前とは明らかに異なっている感じがする。
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地域医療再生基金

2009年09月28日 | Weblog
この記事が目に付いた。

「地域医療再生基金は壮大な“無駄遣いコンテスト”」(http://www.izai2.net/kira.html)。

「全国84の2次医療圏が各25億円2100億、10医療圏が100億円 総計3100億円と言われる地域医療再生基金の行方はどうなるか?」(http://www.izai2.net/kokuei.html)。

地域医療再生計画作成指針(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/2001G21090605009.pdf)に基づく「都道府県地域医療再生計画」の最終提出期限は平成21年10月16日(金)である。経済財政諮問会議において、高知県の地域医療再生計画案(http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2009/0717/item5.pdf)が紹介されているが、計画案の内容云々だけでなく、今回の記事(http://www.izai2.net/kira.html)のように、「各地域からどんな計画がどのくらい上がっており、いかなる過程で国に提出する計画を絞り込んだのか」、そのプロセスも気になるところかもしれない。
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子宮頸がんワクチン承認

2009年09月28日 | Weblog
この記事が目にとまった。

「子宮頸がんワクチン承認へ 接種年齢、費用負担など課題も」(http://sankei.jp.msn.com/life/body/090928/bdy0909280000000-n1.htm)。

子宮頸がんは予防ワクチンがあるだけでなく、検診では前がん病変で発見できるがんである。対策をしっかりやれば、確実に予防できる。子宮頸がんは30代にピークがあり、少子化対策としても推進したいところである。子宮頸がんによる子宮摘出がなくなれば、代理母の問題も軽減できるであろう。この機会に、HPVワクチンだけでなく、HPV持続感染の有無を調べる検査の普及も期待される。今回の記事をみて、先進各国とわが国の対策格差を感じる女性が少なくないかもしれない。これまでマスコミではあまり報道されてこなかったと感じるのは、気のせいであろうか。
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新型インフルの薬とワクチン

2009年09月28日 | Weblog
先日、地元医師会の懇親会に参加したところ、新型インフルの話題で持ちきりであった。最近は重症例の報道(http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou.html)が続き、早期治療が勧奨されているためか、受診者が多くなっているという。今月新たに出た「新型インフルエンザの診断と治療について」(http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/09/dl/info0915-01.pdf)では、「治療開始にあたって簡易迅速検査やPCR 検査の実施は必須ではない」とされたため、タミフル処方が多くなっているそうである。また、中には家族内での予防投薬を希望する方も少なくないとのことであるが、このままでは薬剤供給が大丈夫か、心配する声もある。もう一つの話題が、ワクチンである。「新型インフルエンザワクチン(A/H1N1)の接種について(素案)」に関する意見募集(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=495090157&OBJCD=100495&GROUP=)は、9月13日で締め切られており、近いうちに具体化されるのであろう。さて、素案では、優先接種対象者として、第一にインフルエンザ患者の診療に従事する医療従事者(救急隊員を含む)約100万人が挙げられているが、警察官や教職員、社会インフラにかかる方々はどうなるのであろうか。それらの方々では心配する声が聞かれるようである。ワクチン接種計画が早急に必要であるが、短期集中的に接種するためには、対象によっては集団接種が必要かもしれない。そういえば、8日の新型インフルエンザ担当者会議では、「ワクチン接種は希望者が受託医療機関で受けることが原則だが、地域の実情や被接種者の利便性を考慮し、一定の安全性要件を満たした場合、厚生労働省は受託医療機関以外での集団的な接種も認めることとした」とされている(医事新報9月19日号)。
ところで、全国的に患者が急増している(http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090926-OYT8T00260.htm)(http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20090926ddlk28040338000c.html)が、下記の取り組みは、都道府県感染症情報センター業務として他県へ拡がらないのであろうか。

「新型インフルエンザ:県内の流行状況、ネットで毎日速報 全国初の試み /岐阜」(http://mainichi.jp/area/gifu/news/20090926ddlk21040112000c.html)。

なお、この記事はぜひみておきたい。新型インフル対策はすべてが包括された対策であることを実感する。

「医療従事者の、医療従事者による、国民のための新型インフルエンザ対策 ~良好な医療アクセスと現場の医療従事者は世界に誇るべき日本国民の財産」(http://medg.jp/mt/2009/09/-vol-265.html)。
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後期高齢者医療制度はどこへ向かうのか

2009年09月27日 | Weblog
この記事が目にとまった。

「後期高齢者医療制度はどこへ向かうのか」(http://www.innervision.co.jp/12SP/eyes/vol018/index.html)。

全国保険医団体連合会から、後期高齢者医療制度に関する課題(http://hodanren.doc-net.or.jp/sonota/0706214kourei.pdf)が列挙されていた。制度発足後、様々な見直しや凍結が行われ、当初の姿から随分変わってきたのは確かであろう。今年4月には旧与党から、見直しに関する基本的考え方(http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2009/pdf/seisaku-008.pdf)がでており、旧与党内でも後期高齢者医療制度のいろいろな課題が認識されていたのは間違いない。すでに、廃止後の老人保険制度改正の提言(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/PDF/080805kourei.pdf)もみられるが、今後の行方が注目される。今年5月に示されていた「社会保障の機能強化の工程表」(http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2009/0521/item3.pdf)(http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2009/0521/item1.pdf)における2012年の医療報酬・介護報酬の同時改定も関係してくるのであろうか。
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療養病床再編計画の凍結

2009年09月25日 | Weblog
この記事が目にとまった。

「療養病床 削減なら介護の質低下 民主党は計画凍結の方針 報酬減り職員が減」(http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2009092402000069.html)。

先般、「介護療養型老健 まだ31カ所」(http://www.silver-news.com/ps/qn/guest/news/showbody.cgi?CCODE=12&NCODE=1499)の記事がでていたように、「療養病床の再編」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02b.html)は今のところ円滑に進んでいるとは思えない。また、「医療の課題、「長期入院施設の整備」がトップ―日医総研調査」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19960.html)の記事をみると、長期入院施設の整備を望む国民が非常に多いことがわかる。しかし、療養病床再編計画の凍結となれば、療養病床再編(http://www.niph.go.jp/soshiki/shisetsu/ryouyou_handbook2008.pdf)を含む各都道府県の医療費適正化計画(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02c.html)・地域ケア体制整備構想や第四期介護保険事業(支援)計画の抜本的な見直しとならざるを得ない。その場合、新たな方針に基づく新計画づくりが行われるのであろうか。とりあえずは、各自治体でせっかく作成した平成47年(2035年)までの長期ワークシート(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05Kaig.nsf/0/94d6599fc3368b5649257267002b4f35/$FILE/20070118shiryou2_1.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05Kaig.nsf/0/94d6599fc3368b5649257267002b4f35/$FILE/20070118shiryou2_2.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05Kaig.nsf/0/94d6599fc3368b5649257267002b4f35/$FILE/20070118shiryou2_3.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05Kaig.nsf/0/94d6599fc3368b5649257267002b4f35/$FILE/20070118shiryou2_4.pdf)による地域における高齢化の進展の状況、施設・居住系サービスの需要の見通しの推計と現状の供給量をネット等で情報公開し、議論を活発化するのもよいかもしれない。療養病床「再編」が「削減」とのみ捉えられていることも重点的な対応が必要と感じる。その昔、地域保健福祉の現場にいた者としては、介護予防事業(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/5294434f31a9426c71e24916f3f6fad5)や医療・介護の連携等も気になるところである。そういえば、国民生活基礎調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa04/4-2.html)によると、介護が必要となった主な原因について、要介護者では「脳血管疾患」が29.1%と最も多く、要介護度が高い程、割合も多くなっている。まさに、地域包括ケアは脳卒中対策が大きな柱ともいえる。また、医療計画においても、平成19年7月20日の厚生労働省通知(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/191113-j00.pdf)の2 策定に当たっての留意点の④に「医療と介護・福祉の緊密な連携が求められる典型的な疾病という観点から、脳卒中の医療体制に関しては優先的な取組が必要であり、19年度中にその体制構築を確保する具体的な方策を定められたいこと。」とされていた。脳卒中対策基本法に向けた動き(https://www.cabrain.net/news/regist.do;jsessionid=22AC35B76686DE43B21D3F42636F06F1)は、その後どうなっているであろうか。
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結核予防キャンペーン

2009年09月24日 | Weblog
昨日は、結核予防婦人会の方々と街頭キャンペーンを行った。毎年9月24日~30日が「結核予防週間」(http://www.jatahq.org/headquarters/index3.html)とされていることに合わせてのものである。今回の配布物は飛ぶようになくなってしまった。おそらく、可愛いマスクが入っていたためであろう。結核予防というよりも新型インフル予防といえるかもしれない。但し、街頭ではマスク着用の方は全く見かけなかった。ところで、キャンペーンの最中に地元マスコミ数社から取材を受けた。県庁側が記者室に事前棚入れしたらしい。いろいろ聞かれたが、マスコミには結核統計(http://www.jata.or.jp/rit/ekigaku/?%E7%B5%90%E6%A0%B8%E3%81%AE%E7%B5%B1%E8%A8%88)がほとんど理解されていないようである。今年は有名芸能人の結核(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/1aeff8a26314063dc25502f8316dd425)が話題となり、もっと知られていると思っていたのであるが...。ここが一番の課題かもしれない。
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がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間

2009年09月23日 | Weblog
今年から、厚生労働省が毎年10月を「がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間」と位置づけ(https://www.gov-online.go.jp/pr/theme/gankenshinjushinritsu50_campaign.html)、8月31日付でその実施要領が出されている。本年7月9日に厚生労働大臣を本部長に「がん検診50%推進本部」が設置(http://www.med.or.jp/nichinews/n210805h.html)されたことを受けてのものであろう。従来から10月はピンクリボン月間でもあり、全国各地でキャンペーンが予定されている(http://www.pref.yamaguchi.jp/press/200909/013959.html)(http://www.pref.kagoshima.jp/kenko-fukushi/kenko-iryo/kenko/josei/nyugan/pinkribbon.html)。また、例年9月は「がん征圧月間」(http://www.jcancer.jp/association/katsudo/katsudo06.html)であり、集中キャンペーンは実質2ヵ月間となる。特に今年は「女性特有のがん検診推進事業」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan10/index.html)によって、対象年齢の女性にこの頃までに検診無料クーポンが届く(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/24303.html)。但し、現場では、この事業に対する不満の声が聞かれる。中でも厚生労働省Q&A(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan10/pdf/gan_women11_0001.pdf)の問12及び13にあるように、国の指針(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_kenshin02.pdf)による「2年に一回」と無料クーポンの「5歳刻みの節目年齢」との整合性がとれないという声が少なくない。しかし、国の指針(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_kenshin02.pdf)のp3では「乳がん検診及び子宮がん検診については、原則として同一人について2年に1回行うものとし、前年度受診しなかった者に対しては、積極的に受診勧奨を行うものとする。また、受診機会は、乳がん検診及び子宮がん検診についても、必ず毎年度設けること」とされている。平成19年度地域保健・老人保健事業報告(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/07/index.html)によると、平成19年度の市区町村が実施したがん検診の受診率は、「子宮がん検診」18.8%、「乳がん検診」14.2%である。また、平成19年国民生活基礎調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-19-1.html)では、「過去1年間にがん検診を受診した者」は、「子宮がん検診」21.2%、「乳がん検診」20.3%(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa07/3-8.html)に留まっている。「女性特有のがん検診推進事業」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan10/index.html)による無料クーポンの配布は、前年度受診しなかった方に対する格好の受診勧奨となるはずである。整合性がとれないという市町村では、これまで、前年度未受診者に対する積極的な受診勧奨や毎年度受診機会の提供はどれほどなされてきたであろうか。そういえば、厚生労働省による「市区町村におけるがん検診の実施状況調査」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/02/dl/s0226-15i.pdf)で、この点が調査されており、国会議資料(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/0/791917b16a2abe09492575ec000b9d2f/$FILE/20090707_3shiryou2~3.pdf)p35では、「同一人にとって受診機会、勧奨ともに隔年(誕生年、誕生月、居住地区で選定等)」としている市区町村は、子宮がん検診で13.8%、乳がん検診で21.5%、また、「定員を設け先着順」としている市区町村は、子宮がん検診で13.0%、乳がん検診で23.5%に上っている。例えば、「居住市町村が国の指針どおりに受診勧奨しなかったがために、がんが手遅れになった」という方が出てこないとも限らないかもしれない。がん検診は健康増進法(http://www.ron.gr.jp/law/law/kenko_zo.htm)第19条2項に基づく市町村事業(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_kenshin01.pdf)であり、今年3月にはその充実強化についての通知(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_kenshin03.pdf)が出ている。しかし、がん検診の受診は強制ではない。自らの自覚と行動が基本であるのはいうまでもない。

政府インターネットテレビ「あなたも受けて!がん検診〜乳がん・子宮頸がん〜峰竜太のナッ得!ニッポン」(http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2772.html)。
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新型インフルワクチンの輸入

2009年09月21日 | Weblog
「ワクチン、9カ国が他国に分配へ 新型インフル」(http://www.asahi.com/international/update/0921/TKY200909210224.html)。<以下引用>
<世界保健機関(WHO)は、米英仏など9カ国が自国用に調達を予定している新型インフルエンザワクチンの約1割を他国に分配することを申し出ていることを明らかにした。マーガレット・チャン事務局長は18日の声明で「ワクチンへのアクセスがない人たちへの助けとなる」と歓迎した。WHOによると、加盟193カ国のうち、途上国を中心に85カ国が全くワクチンへのアクセスがない状況。今後、各国の感染状況や国民にワクチンを供給する計画の有無などをもとに9カ国からのワクチンの割り振りなどを決める。9カ国は米英仏のほか、豪州、ブラジル、イタリア、ニュージーランド、ノルウェー、スイス。>

このような流れになるのは当初から予想されていたであろう。わが国は国策として自国民のために、ワクチンを海外から只管輸入するのであるが、果たして、海外からはどう思われているであろう。とにかく、マスコミが国際的な動きについてあまり触れないのは、何か理由があるのであろうか。

「WHO医務官、新型インフルワクチン輸入を批判」(http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090716-OYT1T01123.htm)。<以下引用>
<世界保健機関(WHO)の進藤奈邦子医務官は16日、都内で開かれたシンポジウム終了後、記者会見し、新型インフルエンザワクチンの輸入に前向きな姿勢を示している日本の対応について、「国内で製造能力があるのに、国際的に、貴重なワクチンを買ってしまうのは残念だ」と批判した。WHOの新型インフルエンザ対策を進める進藤氏は「ワクチン製造能力を持った国が製造できない国を助けるのが重要」と訴え、「治療薬も大量に備蓄する日本の輸入方針は、国際社会から驚きをもって受けとめられる」と述べた。ワクチンを優先的に接種する候補については、治療を担う医療関係者や重症化が懸念される若年層、妊婦を具体例として挙げた。>
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広域食中毒と保健所ネットワーク

2009年09月21日 | Weblog
「佐久市の「ステーキのどん」で女性がO157に感染」(http://www.shinmai.co.jp/news/20090919/KT090918FTI090017000022.htm)。<以下引用>
<県佐久保健所は18日、ステーキチェーン店「ステーキのどん佐久店」(佐久市岩村田)で食事をした小諸市の10代の女性1人が病原性大腸菌O157に感染したと発表した。18、19日の2日間、同店を営業停止処分とした。女性は自宅療養し、既に回復している。同保健所によると、女性は8月30日、同店でステーキなどを食べた。9月4日に下痢や腹痛などの症状が出て、8日に佐久市内の医療機関で受診。国立感染症研究所(東京都)が調査した結果、埼玉県の同じチェーン店2店で感染が確認されたO157の菌株とDNAパターンが一致したため、同保健所は佐久店が食中毒の原因と判断した。チェーン店を経営する「どん」(埼玉県)によると、ステーキはカナダ産牛肉を埼玉県鶴ケ島市の自社工場で加工し、佐久店に搬入したという。埼玉県内の2店舗に運ばれたものも同じ工場で加工されていた。佐久店は、この女性が食中毒症状を訴えていることについて10日ごろ同保健所から問い合わせを受けたため、13日から営業を自粛していた。>

「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/10/tp1030-2.html)では食品衛生対策として、「都道府県、政令市及び特別区並びに保健所は、食中毒等飲食に起因する事故に対して、国、他の都道府県等及び関係部局と連携を図りながら、原因究明、被害拡大防止、再発防止対策等の一連の措置を迅速かつ的確に行うことができるよう体制を整備すること。」とされている。まさに全国510保健所によるネットワーク(http://www.phcd.jp/HClist/HClist-top.html)である。全国保健所長会のS先生の挨拶文(http://www.phcd.jp/gaiyou/kaichoaisatu.html)にも全国ネットワークのメリットが強調されている。保健所の設置主体は都道府県、指定都市、中核市、政令市、特別区と様々であるが、設置主体にかかわらず、管轄内における関係機関とのネットワークばかりではなく、全国保健所ネットワークがますますクローズアップされるように感じるところである。近々見直しされるという基本指針には、「全国保健所ネットワーク」の文言を盛り込んでもらいたい。
しかし、以前の地方分権推進委員会(http://www8.cao.go.jp/bunken/bunken-iinkai/index-bu.html)では、自治体における保健所の必置規制の廃止が論じられ、最近では、地方分権改革推進委員会(http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/iinkai-index.html)において、「保健所長は、医師でなくても公衆衛生行政に精通した職員が遂行可能であり、医師資格要件を廃止すべき。」(http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/torimatome/081208torimatome01.pdf)とされてきた。全国の保健所の名称(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/02/dl/h0201-3a.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/01/dl/h0131-3a.pdf)をみると、保健所は全国各地で、保健福祉事務所、健康福祉事務所、保健福祉環境事務所、健康福祉センター、保健福祉センター、福祉保健センター、厚生センター、福祉保健所など、様々であるが、これは、地方分権推進委員会第2次勧告(http://www8.cao.go.jp/bunken/bunken-iinkai/index-bu.html)で、「保健所については、福祉事務所等他の行政機関との統合が可能であり、その統合組織の一部を地域保健法の保健所とする条例の制定は地域保健法上は禁じられていないこと、地域保健法に基づく保健所の事務以外の事務をその統合組織に附加することが可能であり、その事務については統合組織の長が指揮・監督権限を有すること及びその統合組織の施設において保健・衛生部門を保健所としたときは保健・衛生部門に保健所の名称を表示することを通例とするが必ずしも義務付けるものではないことなど、地方公共団体における弾力的な設置形態が可能である趣旨を明確にする。」(http://www8.cao.go.jp/bunken/bunken-iinkai/2ji/3.html)とされたことによる。先般ブログ(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/cf1c3074ce0107353765a79eeb153362)ったように、自治体によっては保健所予算が削減され、人員確保も厳しくなっている。とにかく、地方分権・行政改革によって、保健所全国ネットワークに影響がでないようにしなければならないであろう。
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子宮頸がんの征圧

2009年09月19日 | Weblog
「子宮頸がんの「征圧」を目指して」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/24325.html)。

8月31日の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で子宮頸がん予防ワクチン「サーバリックス」が承認され、早ければ年内にも発売される(保健衛生ニュース9月14日号)。但し、これまで聞いたところでは、値段は3~4万円とのことである。日本産婦人科医会資料(http://www.jaog.or.jp/know/kisyakon/24_090708_b.pdf)p10に示されているように、先進各国では公費による接種が行われている。わが国でも公費接種を期待したいが、年齢階級別のHPV陽性率やHPVタイプ割合等の基礎となるデータは揃っているのであろうか。子宮頸がんの征圧のためには、現状では、とにかく、子宮がん検診の受診率を上げるしかない。子宮がん検診は前がん状態で発見できるため、検診をしっかり受けていれば、がん死亡を防げるだけでなく、子宮を摘出しなくて済む。その際、子宮がん罹患のピークとされる30代の受診率を上げる必要があり、勤務女性に対する子宮がん検診の推進が不可欠である。東京都の「職域のがん検診実施状況実態調査」(http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2009/05/60j5r400.htm)によると、子宮がん検診を実施している事業所は約6割とされているが、受診率となると、かなり低いであろう。ちなみに、労働安全衛生法による事業所健診には子宮がん検診は義務付けられていない。健康保険事業として期待したいが、その予算確保が大変である。今回の「女性特有のがん検診推進事業」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan10/index.html)の画期的なことは、対象年齢の女性すべてに対して市町村から案内されていることである。これまで、健康増進法による市町村のがん検診の案内については、市町村によって対応が異なっていることは、どれほど認識されているであろうか。勤務者を除いて案内してきた市町村が少なくないであろう。今回は国の10/10補助であったため、変更されたのである。普及啓発だけでは限界を感じる。とにかく、子宮がん検診の予算確保をどうするか、である。
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