保健福祉の現場から

感じるままに

看取り難民!?

2015年06月30日 | Weblog
Business Journal「「死に場所がない」問題が深刻化?看取り難民大量発生の恐れ 破綻した在宅死推進政策」(http://biz-journal.jp/2015/06/post_10523.html)。<以下引用>
<団塊世代を中心に湧き起こった終活ブームは、2025年以降はいよいよ「死の本番」へと移っていく。2025年に団塊世代が75歳を超え、後期高齢者人口は約2000万人にも及ぶ見通しで、30年から40年にかけては「多死時代」に突入する。そこで最も深刻な問題となるのが、どこで人生の最期を迎えるか、いわば「死に場所」の確保である。最期の時を迎える場所は病院か、自宅か、介護施設か。その選択をできないどころか、最期の場所を確保すらできない「看取り難民」が大量に発生しそうなのだ。まず、死亡場所の変遷を振り返っておきたい。日本人の死亡場所は1950年代までは80%以上が自宅だったが、以降は今日まで右肩下がりを続け、自宅死と対照的に伸び続ける病院死が70年代後半に逆転した。医療経済研究機構が02年に発表した死亡場所の内訳に関する調査によると、日本は病院81.0%、ナーシングホーム・ケア付き住宅2.4%、自宅13.9%。フランスはそれぞれ58.1%、10.8%、24.2%、オランダは35.3%、32.5%、31.0%という構成比だった。厚生労働省は医療費抑制に向けて病床数削減を図りながら、2038年に病院以外の「在宅死」(介護施設での死亡を含む)を40%に引き上げる方針だ。この在宅シフトを実現させる仕組みが、医療・介護・生活支援を地域で一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築であり、厚労省はこれを国策と位置づけている。厚労省を後押ししたのが、社会保障制度改革国民会議が13年8月に「病院完結型から地域全体で治し、支える地域完結型へ」と提言したことである。地域包括ケアシステムは「住み慣れた地域で最期までその人らしく」というコンセプトで彩られ、さまざまな調査で在宅死を望む国民が多い現状に合致しているが、あくまで目的は病床数削減による医療費の抑制である。ところが、この国策が「看取り場所の消滅」という事態を招きかねないのだ。10年以上にわたって訪問診療を続けている医師は、危惧を述べる。「看取り場所の確保に年々苦労しています。在宅療養では家族が24時間365日支えられることが必須ですが、老老世帯や独居世帯が増えて、それが望めなくなりました。しかも、日本人の多くが在宅での看取りを経験しなくなって久しいことから、死生観が培われていないのです。だから、例えば延命治療を行うかどうかについて、判断のできない家族が増えています」 民間病院の看護師長も、現状での在宅シフトに疑問を抱いている。「患者さんを地域で支えようというコンセプトで、在宅シフトのシナリオを書くのは簡単です。しかし、家族や地域の看護や介護の力が弱体化している中で、医療費削減を理由にどんどん退院させて、一体誰が支えるのでしょうか」■ 地域医療構想 では、家族の機能が衰退している渦中で、在宅シフトはどのように進められていくのだろうか。在宅シフトに拍車をかけるのが、15年度から17年度にかけて厚労省が進める第6次医療計画に追記される「地域医療構想」だ。これは2次医療圏(医療法で設定された複数の市町村を統合した単位)をベースに構想区域を設定した上で、区域ごとの医療需要を推計して必要病床数を算出し、25年のあるべき医療提供体制を検討するという取り組みである。構想区域によっては、不足している病床の増設も考えられる。区域ごとに設置される地域医療構想調整会議において、増床は病床機能の転換や集約化に併せて検討され、表向きは病床削減を目的にはしていない。厚労省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」が作成したガイドライン(案)にも、病床削減という文言は記載されていない。増床する場合は、病床機能の転換や集約化と併せて「次第に収れんするよう」と微妙な表現で書かれている。しかし、医療提供体制政策はすべからく病床削減に向かうため、この構想に対しては日本医師会(日医)が反応した。今年3月19日に開かれた都道府県医師会地域医療構想担当理事連絡協議会で、日医の中川俊男副会長は「地域医療構想の仕組みは不足している機能の解消であり、急性期病床を削減する仕組みではありません」と指摘した。さらに中川氏は「財務省筋は急性期病床をもっと減らすようにと言ってきています」と打ち明け、警戒感を表明したのだった。「これまで病床削減を正当化するために地域医療構想を使ってはいけないと強調してきましたし、これからも強調していきます」(中川氏)■ 現実離れした地域包括診療料 こうして国が舵を切った在宅医療の推進では、昨年4月の診療報酬改定で主治医機能の確立を目的として地域包括診療料と地域包括診療加算が新設された。この報酬は診療所と200床以下の中小病院を対象に、24時間対応、常勤医師3人以上(診療所の場合)、2次救急指定病院または救急告示病院(病院の場合)などを算定要件として適用される。24時間対応には診療所にも看取りを担当してほしいという意図が込められ、在宅での看取りを促す施策がスタートしたのだ。だが、厚生労働省の期待に反して普及していない。今年4月8日、厚労省は地域包括診療料の届け出件数が14年7月時点で122施設、18府県でゼロだったことを公表した。届け出件数が少ない要因としては、「常勤医師3人以上(診療所の場合)」と「24時間対応」の項目が挙げられる。日医が昨年12月に発表した調査結果(対象医師1519人)では、約7割の医師がこれらの項目について「負担・困難」と回答している。在宅での看取り推進策では、訪問看護ステーションの拡充も挙げられる。昨年4月の診療報酬改定で新設された「機能強化型訪問看護ステーション」は、24時間対応体制加算やターミナルケア加算などの届け出を算定要件に、機能強化型訪問看護管理療養費を取得できて大幅な増収が期待される。厚労省や日本看護協会は機能強化型訪問看護ステーションの増設を促進しているが、増収という政策誘導が必ずしも狙い通りに進むとは限らない。関東近郊に20拠点を開設する訪問看護ステーションは、機能強化型に移行する計画はないという。運営会社の社長は理由を打ち明ける。「看護師が続々と退職するリスクが高いからです。訪問看護ステーションに就職する看護師は急性期病院出身者が大半で、20代後半になって当直や夜勤に疲れ、普通の生活をしたいという動機で移ってくるのです。うちで24時間体制を取ったら、看護師にとっては元の木阿弥になってしまい、すぐに辞めてしまうでしょう」 機能強化型訪問看護ステーションには異業種から参入してくる流れもあるが、看護業界からは歓迎されていないようだ。「異業種から参入してくる事業者の多くは単なる金儲け目的で、医療制度や診療報酬体系の基本すら知らない事業者も少なくありません。もともと医療への志があるわけではないので、儲からないと思ったらすぐに撤退する可能性も高い。そのため機能強化型の普及を目指す看護業界は、異業種参入組を、市場を歪ませてしまう元凶のように見ているのです」(医療コンサルタント)■ 医療と介護の溝 こうした現状にあって、病院は病床が削減され、診療報酬による政策誘導で在院日数の短縮を強いられ、患者は支え手が不在の「住み慣れた地域」に半ば放り出されるのだ。入院医療と在宅医療が共にひっ迫する中、双方の間に広がる溝を埋めるのが介護の役割である。だが、介護施設は看取りの場所として十分に機能していない。「看取りは病院で行うという連携関係が続いてきた経緯があるため、ターミナルケア体制が十分に整備されていないのです」(ケアマネージャー) 加えて、医療と介護の距離が思うように縮まらない現実もある。すでに制度上は医療と介護の関係は連携から一体化へと進みつつあるが、現場では「医療と介護は別もの」と考える医師はいまだに少なくない。「多職種協働」という一体化のキーワードが、むなしく先行しているのが実情である。民間病院に勤務する理学療法士は実態を語る。「医療・介護に携わる多職種でチームを組んでも、協働と呼べる体制にはなかなかなりません。職種間の力関係から、医師が右を向けと言えば右、左を向けと言えば左を、他の職種は向かざるを得ないのですから」 しかも一体化しようにも、介護職の大幅な不足が一向に解消される見通しにない。厚労省の推計では、25年までに介護職を100万人増員しないと、高齢化を支えきれないという。■ 隘路にはまった現実 いまや国民医療費は年間40兆円に迫っている。その抑制策として構築が進む地域包括ケアシステムは「病院から地域へ」を合言葉に、いわば原理主義のように医療・介護業界に浸透しつつあるが、それぞれの地域で扇の要となる自治体には、疑問の声が上がっている。「地域包括ケアシステムを機能させるには医療機関と介護施設だけでは供給力不足で、地域住民のマンパワーが必要になってきます。しかし、地縁や血縁が濃くて、助け合いの習慣が定着しているような地域でないと、マンパワーを確保できないでしょう」(自治体保健福祉部長) 別の自治体福祉担当者はこう打ち明ける。自治体としては介護予防などにNPOやボランティアにも期待しなければならないところですが、正直にいってアテにはできません。活動の継続性が不安定だからです。やはり事業者でないと、サービス提供の質と量を安定的に確保できません」 多死時代に向かう医療現場は、まさに八方塞がりに陥っているのだ。ある病院勤務医は、地域幻想からの覚醒を提言する。「財源がないからという理由で次々に退院させてしまうのは、そもそも医療のあり方として問題があります。まず医療費と介護費の負担と給付を見直すこと。それから、これが最も重要な施策ですが、既存の医療システムにカネとマンパワーを投入すること。その意味で、医学部の新設も必要でしょうし、混合診療をもっと緩和して医療機関の収支を改善することも必要でしょう」 負担と給付の見直しはともかく、医学部新設と混合診療の緩和は、共に日医を中心に今の医療界には忌避され、当面は受け入れられない。こうして隘路にはまった現実がある限り、団塊の世代は葬儀業者や信託銀行などが仕掛ける終活ブームに乗せられている場合ではあるまい。最期の場所としてどこを選ぶのか、そしてどんなターミナルケア体制を望むのか。医療・介護の提供体制を研究し、その推移も見通しておくことが大切といえよう。>

医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou.html)の2025年の都道府県別医療需要推計(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou1.pdf)(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou2-1.pdf)が示され、これについて、医政局「6月15日の内閣官房専門調査会で報告された必要病床数の試算値について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20150618_01.pdf)が出ている。「地域医療構想=病床削減」が強調されている雰囲気がある。推計(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou1.pdf)p8~11では「将来、介護施設や高齢者住宅を含めた在宅医療等で追加的に対応する患者数(2025)(千人)」が示され、地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000088510.pdf)p21「在宅医療等とは、居宅、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、その他医療を受ける者が療養生活を営むことができる場所であって、現在の病院・診療所以外の場所において提供される医療を指し、現在の療養病床以外でも対応可能な患者の受け皿となることも想定。」とあり、「在宅=自宅」ではない。「今後の(低所得)単身者の急増や家族の介護能力の低下、地域社会の「互助」機能の低下を考えると、今後10年間で30万人もの患者を「在宅医療等」に移行させるのはほとんど不可能」(医事新報6月27日号p16)とされるが、「在宅医療等」の「等」を考慮する必要がある。そういえば、介護給付費分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000087112.html)の「平成27年度介護報酬改定を踏まえた今後の課題」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000087131.pdf)では、「介護保険施設等における医療提供の在り方」「医療ニーズの高い介護保険施設等の利用者に対する適切な医療サービス提供の在り方についての調査及び検討」がある。平成24度から、一定の研修を受けた介護職員が、たん吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)、経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻)を行うことが可能となった(http://www.fukushizaidan.jp/htm/038kaigo_kensyu/kaigo_kensyu_top.html)。また、平成28年からカリキュラム受講卒業生が出てくる。そして、看護師の特定行為研修に関する説明会(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000086623.html)では、「研修修了者は訪問看護や在宅、介護系施設も活躍の場となる」(保健衛生ニュース6月29日)とある。この際、介護施設における医療ケアの対応状況の継続的把握(http://www.pref.toyama.jp/branches/1273/hoken/kaigoshisetsukijunn.htm)も必要と感じる。平成27年度介護報酬改定資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000073617.pdf)p56~介護療養型医療施設の機能に応じた評価の見直しと基本報酬の見直し「療養機能強化型」の要件にはターミナル患者割合もあることは認識したい。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)を踏まえて、将来、厚労省通知「病院又は診療所と介護老人保健施設等との併設等について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20070730_01.pdf)が脚光を浴びるかもしれない。今後、病院が老人保健施設や老人ホーム等に転換するケースも少なくないと思われるが、65歳以上の介護保険料に直接的に影響することが懸念される。病院が老人保健施設や老人ホーム等に転換した場合、後期高齢者医療に係る給付はその分減少することを踏まえ、病床転換に際しても65歳以上の介護保険料にあまり影響しないような仕組みづくりが急務と感じる。なお、いうまでもなく、日本人の死亡原因の第一位はがんである。緩和ケア推進検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128561)の5月会合(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000085034.html)の議事録(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000089648.html)では「地域緩和ケアでありますが、地域包括ケアシステムというのは、疾患に限定した体制づくりを目指すのではなく、既存の地域リソースに基づいた医療・介護・福祉の提供体制の包括的な構築を目指したものであると考えられます。特に終末期の高齢患者さん、または認知症をお持ちの患者さんが特に強調されているという点もございます。しかし、がんに関しては、病状の急速な悪化や症状マネジメントの配慮というものが非常に必要であり、また時にオピオイドの使用等も必要になってまいります。現在の地域リソースでも十分でない場合もあると考えられております。また、がんに関しては、国は拠点病院、2次医療圏を中心とした地域連携システムの構築を検討してきたという経緯も踏まえて、今後、より小さい中学校区を中心とした地域包括ケアシステムの中に拠点病院や緩和ケア病棟が連携を深めていくことが重要であると考えられます。具体的には、拠点病院の緩和ケアチームが、入院患者の退院支援を積極的に調整する。あと、在宅医や訪問看護ステーションと連携し、在宅に戻っても入院中と変わらぬ疼痛緩和や症状緩和を確保する。また、万が一疼痛が増悪した場合の対応方法を在宅医や訪問看護師と確認し、患者・家族に伝える。症状悪化時のバックベッドを確保する、など積極的な役割を担うことが期待されます。加えて、近年、がん患者は入院から外来に移行しているということから、拠点病院での外来において、地域リソースと連携した在宅支援を調整することも、拠点病院の緩和ケアの提供体制、機能として求められるのではないかということです。拠点病院や緩和ケア病棟にある専門的な緩和ケアの提供体制(緩和ケアチームや緩和ケア外来等)を地域包括ケアシステムの中でも有効活用できるような、専門家が地域に行って一緒に協働するというアウトリーチ機能というものを充実させ、より有機的に既存のリソースを地域で活用できるということが期待されるだろう。あと、今後、緩和ケア病棟のあり方についてもワーキングで議論していかなければならない。また、緩和ケア病棟と地域の緩和ケアについて論議していかないといけないと考えております。」とあった。「がん対策に関する世論調査」(http://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-gantaisaku/index.html)では、緩和ケアに対する認知度が上昇(http://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-gantaisaku/2-4.html)しているが、自分たちの自治体で行われている緩和ケアの状況はどれほど知られているであろうか。医事新報平成26年6月14日号で、地域包括ケア研究会「地域包括ケアシステムを構築するための制度論等に関する調査研究事業報告書」について解説されており、「在宅と医療機関の両方での看とりを強調;死亡直前まで住まいで過ごし、最期の2週間程度を医療機関等で過ごして看取る形態が今後とも増加」、介護療養型医療施設について「居宅で生活する医療依存度の高い要介護者に対する短期療養も含めた支援拠点としても期待される」とあった。「病床機能報告制度」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html))の報告項目として、「在宅療養支援病院、在宅療養支援診療所、在宅療養後方支援病院の届出の場合の医療機関以外での看取り数、医療機関での看取り数」「退院調整部門に勤務する人数」「在宅患者緊急入院診療加算」「退病先の場所別患者数」「有床診療所の医療機関以外での看取り数、医療機関での看取り数」等があることは知っておきたい。この際、「何が何でも在宅看取り」ではなく、「死亡直前まで住まいで過ごし、最期の2週間程度を医療機関等で過ごして看取る形態」も推進したいものである。そのためには住民への普及啓発が欠かせないように感じる。住民に対する普及啓発は、地域住民が、①在宅医療・介護にかかる地域の実情を知る、②在宅医療・介護に従事する職種の機能や役割を知る、③在宅医療・介護で利用できるサービス内容(コスト含む)や相談場所を知る、④療養場所として「在宅」が選択肢にあることを理解する、⑤自分のこととして終末期医療について考えられる、を目的(「24時間365日 安心して暮らし続けられる地域に向けて ---看護がすすめる地域包括ケア」参考(http://mokuseisya.com/pg339.html)とし、それぞれの地域における継続的な事業展開が必要と感じる。日本病院会「「尊厳死」-人のやすらかな自然の死についての考察―の公表について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/06_20150424_01.pdf)、今年3月の厚労省通知「終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインの改訂について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20150325_01.pdf)、リーフレット(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000078983.pdf)の普及も必要であろう。管内の訪問看護ステーションの資料によると、「死亡直前まで住まいで過ごし、最期の1~2週間程度を病院(療養病床含む)で過ごして看取る」ケースも多い。「看取り難民大量発生」と騒ぐのではなく、地域の医療・介護関係者が、地域のデータを共有し、考え、取り組まなければならない。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)は、地域の医療・介護関係者による行動計画であることを理解する必要がある。ところで、「出産難民」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E7%94%A3%E9%9B%A3%E6%B0%91)、「介護難民」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E9%9B%A3%E6%B0%91)もあるが、「難民」は少し大袈裟な感じがしないでもない。
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生活習慣病対策と医療費適正化

2015年06月30日 | Weblog
朝日新聞「脱メタボ指導、医療費も減量 1人あたり3年間で2万円」(http://www.asahi.com/articles/ASH6V61Z5H6VUTFL00F.html)。<以下引用>
<メタボリック症候群の改善指導を受ければ医療費を3年間で2万円ほど減らせる――。生活習慣病を防ぐための特定健康診査(メタボ健診)で保健指導を受けるよう求められた約10万人を厚生労働省が追跡調査したら、こんな結果が出た。男性で腹囲85センチ以上、女性で90センチ以上の人のうち、血糖、脂質、血圧の二つ以上で基準値を超えるとメタボと判定される。調査は、2008年度にメタボ健診で保健師の指導を受けるよう求められた40~64歳が対象。指導を受けて6カ月間、食習慣を見直したり運動したりした1万1771人と、指導を受けなかった8万7653人を09年度から3年間にわたり追跡した。その結果、生活習慣病で代表的な高血圧症、脂質異常症、糖尿病関連の3年間の1人当たり医療費(保険適用分も含む)は、指導を受けた男性が5万5560円、女性が7万8560円。指導を受けなかった人より、男性が1万9千円、女性が2万1210円少なかった。ただ、この保健指導には約1万8千円かかる。約3割が国費で残りを保険者と利用者などが負担するが、「3年間で収支はトントン」(厚労省の担当者)だという。>

厚労省「特定健診・保健指導の医療費適正化効果の検証のためのワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=129200)の資料が出ればみておきたい。昨年11月の第二次中間取りまとめ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000066373.html)でもそれなりの医療費適正化効果が示唆されていた。しかし、特定保健指導は、肥満要素(腹囲、BMI)がなければ対象にならないし、高血圧、糖尿病、脂質異常で服薬中の方は対象にならない。そもそも特定健診受診者でなければならないが、特定健康診査・特定保健指導に関するデータ(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02a-2.html)では、特定健診の受診率が半分にも満たない都道府県が大半である。とにかく、国立循環器病研究センター「冠動脈疾患を予測する新しいリスクスコアの開発」(http://www.ncvc.go.jp/pr/release/006484.html)や国立がん研究センター「10年間で脳卒中を発症する確率について -リスク因子による個人の脳卒中発症の予測システム-」(http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3284.html)(http://epi.ncc.go.jp/riskcheck/str/)にあるように、高血圧、糖尿病、脂質異常の予防・コントロールの重要性を再認識すべきである。それには、重症化予防も含む必要がある。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000015v0b-att/2r98520000015v4o.pdf)p11~15、(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001w361-att/2r9852000001w3ai.pdf)では、それぞれ保健事業による大幅な医療費適正化事例が紹介されているように、保健事業による医療費適正化はけっして夢物語ではない。さて、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000078417.pdf)にあるように、今後、医療費適正化計画は「医療費の見通しや行動目標の見直し」「要因分析・対策実施の強化」「策定プロセスの見直し」がなされる。「全国高齢者医療主管課(部)長及び国民健康保険主管課(部)長並びに後期高齢者医療広域連合事務局長会議資料」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000077878.html)の医療費適正化対策推進室資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000078417.pdf)p8「「医療に要する費用の見込み」を定めるに当たって必要となる医療費の推計式等を具体化」「新たな医療費適正化基本方針をH27年度中に作成・公表」とあり、注目である。そういえば、後期高齢者医療制度の都道府県別「平成26~27年度の保険料率」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000042811.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12403500-Hokenkyoku-Koureishairyouka/0000042798.pdf)が出ていたが、現役世代からの取り組み如何にかかっているように感じられてならない。
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地域医療構想区域の設定

2015年06月29日 | Weblog
キャリアブレイン「構想区域、「二次医療圏単位」に反対相次ぐ- 都・構想策定部会」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46068.html)。<以下引用>
<東京都は29日、地域医療構想策定部会を開き、構想の策定単位となる「構想区域」の設定に向け、将来の在るべき医療提供体制について議論した。厚生労働省が定めるガイドラインでは、構想区域は原則、二次医療圏単位となっているが、この日の会合で医療側の委員からは、二次医療圏ごとの構想区域に対する反対意見が相次いだ。都はこの日、国の支援ツールを基に作成した2025年の医療需要の推計結果を会合で公表した。それによると、患者の住所をベースにした推計値は11万2485床で、今年4月1日現在の既存病床数を6988床上回った。これを医療機能別で見ると、高度急性期が1万4696.9床、急性期が4万615.6床、回復期が3万4471床などとなった。一方、医療機関の所在地を基にした推計値は11万3882.7床に上った。今回の推計は、患者が住んでいる場所の医療需要(患者住所ベース)と、医療施設の医療供給(医療機関の所在地ベース)を基に行われており、2つの推計値を引いた1397.7床分は他県からの流入が想定されている。大学病院が集中する「区中央部」の高度急性期の推計値では、医療機関の所在地ベースの方が2164.3床多かった。都の推計では、少なくとも1日530.8人の患者が他県から流入し、707.7床分(病床稼働率75%と仮定)を他県からの患者が利用していることになるという。都はまた、現行の保健医療計画について説明。5疾病5事業に関しては、医療関係者が具体的な対策などを話し合う検討会が、二次医療圏ごとに設置されている事例がある一方、都全域で医療提供体制を確保している取り組みも紹介された。猪口正孝部会長(東京都医師会副会長)は「患者さんは病態によってダイナミックに動いている。都民の生活の視点で考えると、二次医療圏でない方が効率は上がるのではないか」と指摘。また、河原和夫副部会長(東京医科歯科大大学院教授)は「(5疾病のうち)精神疾患は三次医療圏の中でやっている。都全域で医療サービスを提供する必要がある」と述べた。このほか委員からは、「疾病別に考えなければならない」「地域包括ケアシステムとの結びつきを議論する必要がある」といった意見も出た。>

国立保健医療科学院において、「地域医療構想策定研修(都道府県職員研修)」(http://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo02.html)が行われ、「10日付けで都道府県に配布した地域医療構想策定支援ツールの使い方や医療計画作成支援データブック等の実際的な演習を行った」とされ、地域医療構想策定支援ツールは必要病床数等推計ツールと構想区域設定検討支援ツールで構成。地域医療構想策定支援ツールは都道府県職員のほかに地域医療構想調整会議や医療審議会等の委員、委託事業者も使用できる。専門家連携編の研修を受講した専門家の所属する団体の事務所等で厚労省に登録した場所でも利用できる。」とある(保健衛生ニュース6月29日号)。医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou.html)の2025年の都道府県別医療需要推計(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou1.pdf)(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou2-1.pdf)が示されたが、焦点は、都道府県による構想区域の設定と構想区域ごとの2025年推計である。この県の医療計画(http://www.pref.kagoshima.jp/ae01/kenko-fukushi/kenko-iryo/iryokeikaku/documents/31036_20130422171704-1.pdf)の指標p374~では、各がん手術の二次医療圏での受療割合が出ているように、医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036854.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036855.pdf)で主要疾病のアクセスマップ・人口カバー率が医療圏別に出ている。また、この県の医療計画(http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000059/59514/keikaku7p184-231.pdf)p209~で「年齢調整標準化レセプト出現比」の数値が掲載されているように、医療計画作成支援データブックでは年齢調整した分析結果が出ている。都道府県境や2次医療圏を越えた患者の移動(流出入)の分析は、患者調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/10-20.html)でもわかる。構想区域の設定のためには、医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036854.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036855.pdf)の分析結果について、地域医療構想調整会議メンバーの共有が不可欠であろう。4月の厚生労働省から日本医師会あて通知(http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/uploads/2015/04/27chi1_34.pdf)では、「(2)のデータブック、(3)の推計ツールについては、現在は、厚生労働省保険局のレセプト情報等の第三者提供の依頼手続き上、都道府県以外に直接開示することができません」とあるが、情報共有できるように早急に対応すべきであろう。なお、地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p11「構想区域の設定に当たっては、病床の機能区分との関係について、高度急性期は診療密度が特に高い医療を提供することが必要となるため、必ずしも当該構想区域で完結することを求めるものではない。」「具体的には、緊急性の高い脳卒中、虚血性心疾患を含む救急医療については、アクセス時間等を考慮した上で、当該診療を行う医療機関がより近距離にある場合は構想区域を越えて流出入することもやむを得ない。」とあり、高度急性期は必ずしも構想区域完結でないことは理解したい。とにかく、医療計画作成支援データブックの取り扱いが一つのポイントになっているように感じる。都・構想策定部会では、地域医療構想策定支援ツール(必要病床数等推計ツールと構想区域設定検討支援ツール)や医療計画作成支援データブックによる分析結果がどこまで出ているか、気になるかもしれない。
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必要病床数等推計ツールと構想区域設定検討支援ツール

2015年06月29日 | Weblog
国立保健医療科学院において、「地域医療構想策定研修(都道府県職員研修)」(http://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo02.html)が行われ、「10日付けで都道府県に配布した地域医療構想策定支援ツールの使い方や医療計画作成支援データブック等の実際的な演習を行った」という(保健衛生ニュース6月29日号)。「地域医療構想策定支援ツールは必要病床数等推計ツールと構想区域設定検討支援ツールで構成。地域医療構想策定支援ツールは都道府県職員のほかに地域医療構想調整会議や医療審議会等の委員、委託事業者も使用できる。専門家連携編の研修を受講した専門家の所属する団体の事務所等で厚労省に登録した場所でも利用できる。」(同)とある。医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou.html)の2025年の都道府県別医療需要推計(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou1.pdf)(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou2-1.pdf)が示され、これについて、医政局「6月15日の内閣官房専門調査会で報告された必要病床数の試算値について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20150618_01.pdf)では、「地域医療構想は、地域の実情に応じて、都道府県、医療関係者等が話し合い、将来の医療需要の変化の状況を共有し、それに適合した医療提供体制を構築するための、あくまでも自主的な取組が基本」とされた。まさに焦点は、都道府県による構想区域の設定と構想区域ごとの2025年推計である。日医総研「地域の医療提供体制の現状と将来─都道府県別・二次医療圏別データ集─(2014年度版)」(http://www.jmari.med.or.jp/research/working/wr_553.html)では、二次医療圏ごとに偏差値で示されており、ある程度想像されるであろうが、構想区域の設定と構想区域ごとの推計がなければ、自主的な取り組みにも支障がでる。構想区域ごとの病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)の情報共有も不可欠であろう。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000088510.pdf)p50「公表しなければならない項目」には「現在の機能」「将来(6年後)の機能の予定」もあるではないか。いくら都道府県職員研修で情報共有が要請されても、都道府県で取り組まれなければ全く意味がない。16日の政府答申(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/150616/item1.pdf)p16「病床機能報告制度の活用;都道府県ホームページでの結果公表は平成27年度措置」とあったが、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)にかかる各医療機関の自主的な取り組みのためには、共有化は遅くならない方がよい。なお、この県の医療計画(http://www.pref.kagoshima.jp/ae01/kenko-fukushi/kenko-iryo/iryokeikaku/documents/31036_20130422171704-1.pdf)の指標p374~では、各がん手術の二次医療圏での受療割合が出ているように、医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036854.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036855.pdf)で主要疾病のアクセスマップ・人口カバー率が医療圏別に出ている。また、この県の医療計画(http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000059/59514/keikaku7p184-231.pdf)p209~で「年齢調整標準化レセプト出現比」の数値が掲載されているように、医療計画作成支援データブックでは年齢調整した分析結果が出ている。都道府県境や2次医療圏を越えた患者の移動(流出入)の分析は、患者調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/10-20.html)でもわかるであろう。4月の厚生労働省から日本医師会あて通知(http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/uploads/2015/04/27chi1_34.pdf)では、「(2)のデータブック、(3)の推計ツールについては、現在は、厚生労働省保険局のレセプト情報等の第三者提供の依頼手続き上、都道府県以外に直接開示することができません」とあるが、国策として本当に地域包括ケアシステムを推進するのであれば、地域における医療介護関係者が医療計画作成支援データブックのNDB等分析結果を情報共有できるように早急に対応すべきであろう。そういえば、経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/0610/agenda.html)の厚労相資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/0610/shiryo_04.pdf)では、【医療の「見える化」】が掲げられていた。政府答申(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/150616/item1.pdf)p15「地方厚生局が保有するデータの活用【平成27年度中に検討開始、平成29年度にシステムを稼働させることにより措置】」、p16「DPC データの活用【平成29年度措置】」であり、これらも平成27年度からの地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)の検討には間に合わない。何だかチグハグな感じがするのは気のせいであろうか。
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一人ひとりを軸としたICT連携

2015年06月29日 | Weblog
キャリアブレイン「医療・介護情報を効率的に活用する仕組みへ- 総務省懇談会が議論スタート 」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/46079.html)。

CASIO「親と離れて暮らす家族に安心を提供する介護情報シェアツール」(http://www.casio.co.jp/release/2015/0629_daisycircle/)が目にとまった。総務省資料(http://www.soumu.go.jp/main_content/000303234.pdf)p10「健康・医療・介護等関連分野での総合的データ連携モデル ―スマートプラチナプラットフォームの実現―;健康情報や医療・介護情報、生活情報等を連携させるプラットフォーム(スマートプラチナプラットフォーム)を構築。一人ひとりを軸とした各種サービスの有機的な連動、蓄積されたデータをパーソナル化し本人による利用等を可能に。健康情報や医療・介護情報を基にした、よりきめ細かな予防サービスやライフサポートの提供などによる地域活性化、新サービスの創造。」とあった。まさに「一人ひとりを軸としたICT連携」が期待される。総務省資料(http://www.soumu.go.jp/main_content/000303234.pdf)p13のスケジュールでは「在宅医療・介護における共有項目の標準化、システムの標準化」の全国展開は目前であることがわかる。そういえば、昨年7月28日の「全国介護保険担当課長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000052337.html)においても、「ICTを活用した医療と介護の情報連携」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000052707.pdf)が示され、「異なる情報システムを利用している機関・事業所間でも必要な情報共有をできる仕組み構築」の方針が出された。厚労省資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0416/shiryo_09.pdf)p5で、「ネットワークの標準モデルの確立、普及」「在宅医療・介護を含めた標準規格の策定・普及」「クラウド技術の活用等による費用低廉化」があり、期待される。全国各地の在宅医療介護現場では、FAX・電話・メール・連携ノート等を使って、多職種間の情報共有やコミュニケーションが図られているところが多いが、ヒューマンネットワークがしっかり構築されていれば、いずれ、標準モデル・標準規格によって、一挙に在宅医療介護のICT連携に切り替わるように感じる。クラウト活用では「完全非公開型 医療介護専用SNS メディカルケアステーション」(https://www.medical-care.net/html/index.html?gclid=CLaTlZvT2rwCFUxwvAodFFEArg)、富士通「「高齢者ケアクラウド」(http://pr.fujitsu.com/jp/news/2013/01/23.html?nw=pr)などの商品開発もされているが、以前、医療福祉クラウド協会;MeWCA(http://www.mewca.jp/)の医療クラウドを活用した医療介護ICT連携の動向を聞いた。予算的には、介護保険地域支援事業の「在宅医療・介護連携推進事業」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000077428.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/tebiki.pdf)で「エ.医療・介護関係者の情報共有の支援」があり、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000076308.pdf)p8地域医療介護総合確保基金による「ICTの基盤整備」もある。特に厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000077429.pdf)p14の「地域医療介護総合確保基金を活用した在宅医療の充実のための取組例」では「ICTによる医療介護情報共有」があり、期待されるかもしれない。しかし、地域医療介護総合確保基金(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068065.html)等による莫大なコストでの在宅医療介護ICT連携システムの開発競争をそれぞれの地域でするのではなく、標準モデル・標準規格による在宅医療介護ICT連携の普及・普遍化を図る必要性を強く感じる。もはや、それぞれの地域内限定のローカル医療介護ICT連携ではなく、地域横断的な一人ひとりを軸とした医療介護ICT連携の確立を期待したいものである。情報通信白書(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h25/pdf/index.html)(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h25/pdf/n2300000.pdf)p250によると、平成24年末におけるインターネット利用率は、60~64歳で71.8%、65~70歳で62.7%で、高齢者のネット利用が急速に伸びている。一人ひとりを軸としたICT連携には、患者参加型が期待されるであろう。
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介護人材確保と地域格差

2015年06月29日 | Weblog
NHK「介護人材確保へ 離職者の再就職促進」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150629/k10010131531000.html)。<以下引用>
<塩崎厚生労働大臣は東京・立川市で記者団に対し、介護現場で続く深刻な人手不足の解消に向けて、結婚や出産などでいったん職場を離れた介護福祉士を対象とする新たな届け出制度などを活用し、将来的な再就職を促していく考えを示しました。厚生労働省は先週、介護現場で深刻な人手不足が続くなか、10年後の2025年には全国でおよそ38万人の介護職員が不足する恐れがあるとする推計を発表しました。これについて、塩崎厚生労働大臣は29日、東京・立川市の特別養護老人ホームなどを視察したあと記者団に対し「必ずしも今までと同じような資格を持った人だけではなく、より幅広いほうに参画してもらうことが重要だ」と述べ、人手不足の解消に向け、多様な人材の確保を図る必要があるという考えを示しました。そのうえで塩崎大臣は「優れた人材が埋もれないように、しばらく休んだとしてもいつでもカムバックしてもらえるようにしたい」と述べ、結婚や出産などでいったん職場を離れた介護福祉士を対象とする新たな届け出制度などを活用し、将来的な再就職を促していく考えを示しました。>

福井新聞「老後は外国人介護士のお世話に? 慢性的な人手不足で施設が活用に力」(http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/pickup_photo/74022.html)。

朝日新聞「東京の超高齢化を見据えて福祉・家庭科、専門高新設へ 都教委が報告書」(http://apital.asahi.com/article/news/2015062600019.html)。

朝日新聞「10年後、高齢者の4分の1は要介護に 職員3万6000人不足 東京都推計」(http://apital.asahi.com/article/news/2015040300014.html)。

厚労省「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000088998.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12004000-Shakaiengokyoku-Shakai-Fukushikibanka/270624houdou.pdf_1.pdf)p3「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)(都道府県別)」をみれば、どの自治体も需給ギャップが大きいことは認識したい。介護福祉士(http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi4.html)の資格取得方法(http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi5.html)で受検資格は4パターンがあり、また、経済連携協定(EPA)介護福祉士候補者に配慮した国家試験(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002caut.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000050703.html)もなされている。様々な観点から、介護職員の養成策、離職防止策、再就職促進策が図られる必要があるが、それぞれの地域の実情がどれほど理解されているか、少々気になる。そういえば、今年の「介護雇用管理改善等計画の全部改正」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000081554.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000081554.html)が出ており、「介護労働安定センターが相談訪問を行った事業所の離職率 14.0%以下」「介護労働講習修了後3か月時点の就職率 継続的に85%以上」「雇用管理責任者を選任した事業所の割合 全事業所の50%以上」「教育・研修計画を立てている事業所の割合 60%以上」等の数値目標が示されている。労働政策審議会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-rousei.html?tid=126982)の資料「介護労働の現状」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000071241.pdf)で、p9「都道府県別の介護分野の有効求人倍率」、p10「都道府県別の介護関係職種の職業紹介状況」の大きな格差が出ているが、まずは地域の実情を認識すべきである。同じ県でも地域によって状況が異なるであろう。介護人材は中高年者の活用も積極的に図りたい。
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気になる都道府県の取り組み格差と指標評価

2015年06月29日 | Weblog
平成25年7月の「医療計画の推進に係る都道府県調査結果(速報)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=148716&name=0000014431.pdf)では、p2「医療計画の作成に当たって、医療審議会での議論;最大8回~最小1回」「医療計画作成に当たって設置した作業部会:最大9回~最小0回」、p3「圏域連携会議;最大13回~0回(実績なし;秋田県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、三重県、京都府、奈良県、岡山県、徳島県、香川県、愛媛県、大分県、宮崎県、鹿児島県)」と大きな格差があった。特に気になるのは、圏域連携会議の格差で、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)での構想区域ごとの調整会議がどうなるか、である。また、厚労省が示す分析指標(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_taisei2.pdf)の活用について、「医療計画の推進に係る都道府県調査結果(速報)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=148716&name=0000014431.pdf)p4「分析する指標 ①国が示した指標全て17、②国が示した指標のうち一部30、③都道府県で独自に検討23」、p7「国から配布した分析ツール ①活用した38、②活用していない9」とあり、指標評価の取り組み格差も小さくないようである。昨年度、国立保健医療科学院では都道府県職員を対象に医療計画PDCA研修(http://www.niph.go.jp/entrance/h26/course/short/short_iryo02.html)が2回行われ、医政局「医療計画作成支援データブック」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036854.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036855.pdf)のNDB等分析データの活用に関する研修もなされている。また、今年度も国立保健医療科学院において、「地域医療構想策定研修(都道府県職員研修)」(http://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo02.html)が行われている。5月の医政局室長講演では「まずは3疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞)で需要等算出;医療需要は患者の住所地別、医療供給は医療機関の所在地別に議論するデータを6月上旬にもお渡しできる」(保健衛生ニュース6月1日号)とあり、既に都道府県には最新の詳細分析データが届いているはずである。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)にあたっては、国立保健医療科学院での研修を受講した都道府県職員が情報を抱えるのではなく、構想区域ごとの調整会議に参加するすべてのメンバーとの情報共有が欠かせないように感じる。ところで、「医療計画の推進に係る都道府県調査結果(速報)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=148716&name=0000014431.pdf)p68~「医療機関の機能を分析するために活用したデータと収集方法」をみると、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)を通じて把握する県が少なくないことがわかる。しかし、各都道府県の医療機能情報ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)をみれば、厚労省の医療機関の医療機能に関する「一定の情報」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1031-6a.pdf)の公表はバラバラである。昨年スタートした病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)について、地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000088510.pdf)p50「公表しなければならない項目」が整理され、16日の政府答申(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/150616/item1.pdf)p16「病床機能報告制度の活用;都道府県ホームページでの結果公表は平成27年度措置」とあったことに期待したい。今後、全国共通である病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)をデータベース化し、それを活用した評価指標の普及を図るべきであろう。
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徘徊を繰り返す前に

2015年06月27日 | Weblog
朝日新聞「認知症のお年寄り、迅速発見・保護へ 山形県寒河江市・署、県警110ネット活用」(http://apital.asahi.com/article/news/2015062500022.html)。<以下引用>
<寒河江市と寒河江署は、認知症のお年寄りが行方不明になった場合、できるだけ早く発見・保護するため、県警の「やまがた110ネットワーク」を活用した県内初の取り組みを始めた。警察が行方がわからなくなった人の顔写真や氏名、特徴などをメールで配信。受信した市民に、「この人では」と思う人を見かけたら「どさ、いぐなやっす?(どこへ行くのですか)」と声をかけてもらおうというものだ。寒河江市は昨年1月、徘徊(はいかい)の可能性がある高齢者の名前や顔写真などの情報を事前登録し、警察と情報を共有する制度を県内で初めて導入。9月には、高齢者役の男性が街を歩き、市民が声かけの経験をする模擬訓練も行った。今回の取り組みは「さがえ無事かえる協力ネットワーク事業」。これまで、事前登録していたお年寄りが行方不明になった場合は、顔写真などをもとに、主に警察官や介護施設の職員が探していた。 新たな事業は、県警が、事件の手配や不審者に関する情報などをメールで配信している「やまがた110ネットワーク」を利用。行方不明になったとの届けを受けた寒河江署は、家族の意向に沿って、名前や顔写真、外見上の特徴などの情報をメールで送る。同市は受信登録(無料)をしていた市民に、このメールが届くことで、徘徊をしている人の早期発見につながる効果を期待している。>

警察庁「平成2 6年中における行方不明者の状況」(https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/fumei/H26yukuehumeisha.pdf)では、昨年の届出受理した行方不明者81,193名のうち、認知症10,783名(対前年+461)とある。各地で警察も巻き込んだ見守りネットワークが活動しているであろう。いつも感じるのは、徘徊を繰り返す前の対応である。厚労省「「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000072246.html)にあるように、平成27年度からの第6期介護保険事業計画(http://www.mhlw.go.jp/topics/2015/02/dl/tp0219-06-01p.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000076407.pdf)で打ち出された「認知症初期集中支援チーム」(http://vexon-intnl.com/dasc/h25text.pdf)(http://dasc.jp/)(http://dasc.jp/wp-content/uploads/2014/05/c3dff154bb1efd88c140ccc28a66d035.pdf)(http://dasc.jp/wp-content/uploads/2014/05/6f0f6c627d0dab6b66d88dcca7183aa7.pdf)はポイントの一つであるが、この際、認知症は介護予防の一環で積極的に取り組む必要がある。既に介護予防マニュアル(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/tp0501-1.html)では「認知機能低下予防・支援マニュアル」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1_08.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/tp0501-1.html)が打ち出されているが、平成27年度からの「介護予防・日常生活支援総合事業」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000074126.html)において、非専門職による認知症の介護予防がどれほど普遍化できるかがカギを握るように感じる。また、支援ガイドである「認知症ケアパス」(http://www.zaikei.or.jp/index.html)は、市町村単位で作成とは限らず、圏域単位(市町村単位ではない)で整備されている「認知症疾患医療センター」との連携も重要であろう。見守りネットワークも広域で考えたいものである。
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尊厳死

2015年06月26日 | Weblog
経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/0622/agenda.html)の「経済財政運営と改革の基本方針2015(仮称)(素案)」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/0622/shiryo_01.pdf)p28「地域医療構想と整合的な形で、都道府県ごとに医療費の水準や医療の提供に関する目標を設定する医療費適正化計画を策定する。平成27年度中に、国において目標設定のための標準的な算定方式を示す。これらの取組を通じて、都道府県別の一人当たり医療費の差を半減させることを目指す。医療・介護に関する計画については、中長期的な視野に立った工程管理を行う観点からPDCAマネジメントの実施を進める。都市・地方それぞれの特性を踏まえ、在宅や介護施設等における看取りも含めて対応できる地域包括ケアシステムを構築する。また、人生の最終段階における医療の在り方の検討を行う。かかりつけ医の普及の観点からの診療報酬上の対応や外来時の定額負担について検討する。」とあるが、「人生の最終段階における医療の在り方の検討」は経済財政面から強調しない方が良い感じがしないでもない。先月、日本病院会「「尊厳死」-人のやすらかな自然の死についての考察―の公表について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/06_20150424_01.pdf)が出ているが、経済財政運営と「尊厳死」は次元が違うように感じるからである。今年3月の厚労省通知「終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインの改訂について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20150325_01.pdf)、事務連絡「終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインの改訂について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20150325_02.pdf)は、周知されているであろうか。厚労省リーフレット(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000078983.pdf)「人生の最終段階における医療に関する意識調査」(平成25年3月)の結果が出ているが、専門スタッフでも「全く話し合ったことがない」「ガイドラインを知らない」の割合がかなり高いのが気になる。厚労省専用HP(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisyu_iryou/index.html)は「患者の意思を尊重した人生の最終段階における医療体制について」であり、リーフレット(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000078983.pdf)では「患者の意思尊重」をもう少し前面に出しても良い感じがする。そういえば、緩和ケア推進検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128561)の会合(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000075674.html)の議事録資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000075661.pdf)で「地域包括ケアシステムは、今後増加していく認知症高齢者の生活を支えることを中心に想定されたシステムであり、終末期のがん患者を地域の中で支えていくための体制は、地域の状況に応じて別途検討する必要がある。」「地域包括ケアシステムに、対象疾患として「がん」を入れるのかどうかの検討が必要である。」とあるようでは、「人生の最終段階における医療」の普及・普遍化は厳しいかもしれないと感じていたが、5月会合(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000085034.html)の議事録(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000089648.html)では「地域緩和ケアでありますが、地域包括ケアシステムというのは、疾患に限定した体制づくりを目指すのではなく、既存の地域リソースに基づいた医療・介護・福祉の提供体制の包括的な構築を目指したものであると考えられます。特に終末期の高齢患者さん、または認知症をお持ちの患者さんが特に強調されているという点もございます。しかし、がんに関しては、病状の急速な悪化や症状マネジメントの配慮というものが非常に必要であり、また時にオピオイドの使用等も必要になってまいります。現在の地域リソースでも十分でない場合もあると考えられております。また、がんに関しては、国は拠点病院、2次医療圏を中心とした地域連携システムの構築を検討してきたという経緯も踏まえて、今後、より小さい中学校区を中心とした地域包括ケアシステムの中に拠点病院や緩和ケア病棟が連携を深めていくことが重要であると考えられます。具体的には、拠点病院の緩和ケアチームが、入院患者の退院支援を積極的に調整する。あと、在宅医や訪問看護ステーションと連携し、在宅に戻っても入院中と変わらぬ疼痛緩和や症状緩和を確保する。また、万が一疼痛が増悪した場合の対応方法を在宅医や訪問看護師と確認し、患者・家族に伝える。症状悪化時のバックベッドを確保する、など積極的な役割を担うことが期待されます。加えて、近年、がん患者は入院から外来に移行しているということから、拠点病院での外来において、地域リソースと連携した在宅支援を調整することも、拠点病院の緩和ケアの提供体制、機能として求められるのではないかということです。拠点病院や緩和ケア病棟にある専門的な緩和ケアの提供体制(緩和ケアチームや緩和ケア外来等)を地域包括ケアシステムの中でも有効活用できるような、専門家が地域に行って一緒に協働するというアウトリーチ機能というものを充実させ、より有機的に既存のリソースを地域で活用できるということが期待されるだろう。あと、今後、緩和ケア病棟のあり方についてもワーキングで議論していかなければならない。また、緩和ケア病棟と地域の緩和ケアについて論議していかないといけないと考えております。」と軌道修正されている。管内の訪問看護ステーションの新規利用者の中で「がん」が最多である。
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介護福祉士

2015年06月26日 | Weblog
朝日新聞「東京の超高齢化を見据えて福祉・家庭科、専門高新設へ 都教委が報告書」(http://apital.asahi.com/article/news/2015062600019.html)。<以下引用>
<都教育委員会は25日、都立専門高校の改編の方向性を示す基本計画の報告書を公表した。東京の超高齢化を見据えて介護福祉士の受験資格を得られる福祉科のほか、保育や家庭看護のスペシャリストを育成したり調理師免許を取得できたりする家庭科で、専門高校を新設するという。有識者らによる検討委員会が昨年8月にまとめた基本構想をもとに、在校生や保護者、企業へのアンケートを実施。都教委が基本計画として具体化した。卒業時に介護福祉士の受験資格を取得できる福祉科は現在、多摩に1校あり、昨年度は卒業生31人のうち27人が資格を取った。介護人材のニーズが高まっているため、卒業後すぐに活躍できる人材を育成する福祉科の新設を目指す。>

介護福祉士(http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi4.html)の資格取得方法(http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi5.html)は平成27年度に実施される試験から若干変更になっているが、受検資格は4パターンがある。全国では修学資金貸与を行っている自治体も少なくないであろう。「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000088998.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12004000-Shakaiengokyoku-Shakai-Fukushikibanka/270624houdou.pdf_1.pdf)p3「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)(都道府県別)」をみれば、どの自治体も需給ギャップが大きい。そういえば、経済連携協定(EPA)介護福祉士候補者に配慮した国家試験(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002caut.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000050703.html)もなされている。
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精神障害の労災請求とストレスチェック制度

2015年06月26日 | Weblog
「平成26年度「過労死等の労災補償状況」」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000089447.html)では「精神障害の労災請求件数1,456件、支給決定件数497件、ともに過去最多」とあり、今年12月からのストレスチェック制度(http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/)が脚光を浴びるであろう。「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150507-1.pdf)p31「職業性ストレス簡易調査票(57 項目)」、p32「職業性ストレス簡易調査票の簡略版(23 項目)」には「次の人たちはどのくらい気軽に話ができますか?  上司、職場の同僚」「あなたが困った時、次の人たちはどのくらい頼りになりますか?  上司、職場の同僚」「あなたの個人的な問題を相談したら、次の人たちはどのくらいきいてくれますか?  上司、職場の同僚」があり、p85「集団ごとの集計・分析の結果は実施者から事業者に通知され、事業者は職場環境の改善のための取り組みを行います。」につながるか、注目である。
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フレイル対策と疾病予防

2015年06月26日 | Weblog
経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/0622/agenda.html)の「経済財政運営と改革の基本方針2015(仮称)(素案)」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/0622/shiryo_01.pdf)p29「要介護認定率や一人当たり介護給付費の地域差について、高齢化の程度、介護予防活動の状況、サービスの利用動向や事業所の状況等を含めて分析し、保険者である市町村による給付費の適正化に向けた取組を一層促す観点から、制度的な対応も含めた検討を行う。民間事業者の参画も得つつ高齢者のフレイル対策を推進する。」とある。老健局「地域包括ケア見える化システム」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/sankou5_1.pdf)(http://mieruka.mhlw.go.jp/)では、介護保険の保険者ごとに介護保険に関する様々な分析結果が出ているが、果たしてどれほど活用されているであろうか。厚労省資料「中長期的視点に立った社会保障政策の展開」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/0526/shiryo_05.pdf)p5「「見える化」等による介護予防等の更なる促進」とあるが、各自治体からの地域包括ケア見える化システム(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/sankou5_1.pdf)(http://mieruka.mhlw.go.jp/)への日常生活圏域ニーズ調査(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/osirase/hokenjigyou/06/dl/s1-1.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/osirase/hokenjigyou/06/dl/s1-2.pdf)のデータ送信がごく一部に留まっているようでは全くダメであろう。そういえば、厚労省「第6期計画期間・平成37年度等における介護保険の第1号保険料及びサービス見込み量等について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000083954.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12303500-Roukenkyoku-Kaigohokenkeikakuka/shuukei.pdf)が出ていた。今年度から65歳以上の介護保険料が大幅にアップしているが、保険料アップを嘆くばかりではなく、それぞれの地域において介護予防に向けた取り組みを活性化させなければならない。「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(医療介護総合確保促進法)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000052238.pdf)第二条では、「この法律において「地域包括ケアシステム」とは、地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防(要介護状態若しくは要支援状態となることの予防又は要介護状態若しくは要支援状態の軽減若しくは悪化の防止をいう。)、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制をいう。」とあり、地域包括ケアシステムには「予防」も重要な視点の一つである。「介護予防の推進に係る全国担当者会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=191066)の資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000086278.html)には目を通しておきたい。介護予防・日常生活支援総合事業(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000074126.html)について、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000086354.pdf)p14「訪問型サービスB (住民主体による支援)、p15「通所型サービスB (住民主体による支援)、p18「地域介護予防活動支援事業」等がそれぞれの地域でどう展開するか、まさに問われている。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000086355.pdf)p10~p16で取り組み事例が紹介されているが、もっと普及・普遍化されなければならない。いきなり市町村全域というよりも、可能なところから拡げていくのがよいかもしれない。この際、「地域づくりによる介護予防を推進するための手引き」(http://www.mri.co.jp/project_related/roujinhoken/uploadfiles/h26/h26_07_tebiki.pdf)をしっかりマスターし、「地域づくりによる介護予防推進支援事業」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yobou/3_gaiyo.html)を普及する必要がある。また、厚労省資料「中長期的視点に立った社会保障政策の展開」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/0526/shiryo_05.pdf)p5高齢者の虚弱(「フレイル」)に対する総合対策[平成28(2016)年度、栄養指導等のモデル事業を実施。食の支援等、順次拡大]とあり、地域包括支援センターと市町村保健センターと連携した取り組みが欠かせない。さらに、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000086355.pdf)p22~「地域リハビリテーション活動支援事業」については、検討会取りまとめ(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000078416.pdf)p47にある「地域リハビリテーション広域センター」との連携が欠かせないであろう。しかし、「予防」は介護予防だけで、高齢者からの予防でよいのであろうか。平成22年国民生活基礎調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/4-2.html)によると要介護原因は脳卒中が多く、国立がん研究センターが脳卒中リスク(http://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2013/002752.php)をみれば、糖尿病や高血圧などの疾病予防が重要である。国保中央会ホームページ(http://www.kokuho.or.jp/hoken/public/hokenannouncement.html)に「国保データベース(KDB)システム活用マニュアル(Ver.1.2)」が出ているが、KDBでは、脳卒中の基礎疾患が分析できる。そして、疾病予防は保健だけではない。糖尿用や高血圧等の重症化予防は薬物療法等の「医療」を含めなければならない。専門医とかかりつけ医との連携、地域における多職種連携が不可欠である。医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036854.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036855.pdf)では、糖尿病医療指標として、糖尿病合併症管理料、糖尿病透析予防指導管理料、生活習慣病管理料等の二次医療圏ごとのレセプト分析による比較検討が可能になっており、活用したい。フレイル対策と疾病予防には、保健・医療・介護・福祉の連携・協働が不可欠であるが、もっと視点を拡充したい。「高齢者の地域におけるリハビリテーションの新たな在り方検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=216570)の取りまとめ案(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000078416.pdf)p46「地域のイベントに高齢者が参加できる仕組みづくりや、まちづくりや地域活性化を目指す活動の例として、地域の医療機関や介護サービス事業所が近隣の商店と連携する医商連携、耕作放棄地などを利用し機能性食品や介護食品の普及・開発などを行う医福食農連携など、医療・介護が地域において他産業と協働することが考えられる。このような活動の価値を、リハビリテーションの観点から考えるならば、医療機関や介護サービス事業所等が、地域の他産業や活動の中に、高齢者の生活を支え、参加の場を提供する社会資源を見いだし、あるいは創出、発掘をしていくことも必要である。このような取組みプロセスにおいて住民や行政との対話の場を持ち、市民協働(医療従事者も市民)という形で高齢者の居場所づくりや役割づくりが出来上がっていくと考える。」とあるように、これからの地域包括ケアには、医商連携や医福食農連携も積極的に打ち出す必要性を感じる。生涯学習や商工事業、農業事業等も絡んでくるであろうが、あまり、介護保険地域支援事業の枠内限定で捉えてはいけないようにも感じる。キャリアブレイン「在宅医療と併せ、高齢者の生きがい就労重視」(http://www.cabrain.net/management/article.do?newsId=45288)では、高齢者の生きがい就労として、①休耕地農業、ミニ野菜工場、屋上農園、②保育・子育て支援の工場、子どもの居場所の確保、③生活支援サービス、④高齢者の福祉サービス、⑤コミュニティ食堂や配食の実施で地域の食を支えるサービスが示されており、参考にしたい。
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地域医療構想と自主的な取り組み

2015年06月26日 | Weblog
国保情報6月22日号「37年の必要病床数推計 「シビアな数字」総務省室長」。<以下引用>
<総務省の大沢博自治財政局準公営企業室長は19日、国診協の定時社員総会で講演し、社会保障制度改革推進本部の専門調査会が発表した37年の必要病床数推計について「シビアな数字だ」との認識を示した。そのうえで、「大変だな、と率直に思っているが、前回の医療計画とは気合いの入れ方が違うということは間違いないと思う」との考えを示した。また、調査会の推計に「地域差の縮小」と明記されたことがポイントと指摘。「今プレッシャーを受けているのは、医療の地域差を縮小せよということ。それを地方交付税の算定に反映させるべきじゃないかと言われている」と語った。経済財政諮問会議や財政制度等審議会は。都道府県ごとに医療の地域差を縮小させることを検討しているが、大沢室長は「極めて強く主張されている」と強調した。>

厚労省「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000088998.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12004000-Shakaiengokyoku-Shakai-Fukushikibanka/270624houdou.pdf_1.pdf)では、都道府県別の2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)が出ている。厚労省「第6期計画期間・平成37年度等における介護保険の第1号保険料及びサービス見込み量等について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000083954.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12303500-Roukenkyoku-Kaigohokenkeikakuka/shuukei.pdf)では、第5期4,972円→第6期5,514円→平成32年度(見込み)6,771円→平成37年度(見込み)8,165円とあったが、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000038314.pdf)p165~167に出ているように、各保険者において、平成32、37年の推計値が出されることになっていたはずであり、介護保険事業計画用ワークシートによる推計値の保険者別一覧表の公表を期待したい。2025年推計は介護だけではない。医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou.html)の2025年の都道府県別医療需要推計(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou1.pdf)(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou2-1.pdf)が示され、これについて、医政局「6月15日の内閣官房専門調査会で報告された必要病床数の試算値について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20150618_01.pdf)が出ている。しかし、焦点は、都道府県による構想区域の設定と構想区域ごとの2025年推計である。日医総研「地域の医療提供体制の現状と将来─都道府県別・二次医療圏別データ集─(2014年度版)」(http://www.jmari.med.or.jp/research/working/wr_553.html)では、二次医療圏ごとに偏差値で示されており、ある程度想像されるであろうが、専門調査会の推計(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou1.pdf)(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai_dai5/siryou2-1.pdf)によって、二次医療圏ごと又は構想区域ごとの2025年推計が公表しやすくなったといえるかもしれない。さて、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)について、地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000088510.pdf)p34~「まず、様々な病期の患者が入院している個々の病棟について、高度急性期機能から慢性期機能までの選択を行った上で、病棟単位で当該病床の機能に応じた患者の収れんのさせ方や、それに応じた必要な体制の構築などを検討することが望ましい。併せて、自主的な取組を踏まえ、地域医療構想調整会議を活用した医療機関相互の協議により、地域における病床の機能の分化と連携に応じた自院の位置付けを確認することが可能になる。例えば、がん入院医療の役割を医療機関の間で臓器別に分担すること、回復期のリハビリテーション機能を集約化すること、療養病床について在宅医療等への転換を進めること等が挙げられる。以上の取組を受け、次年度の病床機能報告への反映や地域医療介護総合確保基金の活用を検討し、更なる自院の運営の改善と地域における役割の明確化を図る。」「医療機関がこのような取組を行う際には、患者・住民の理解が不可欠であり、自らの状態に応じた医療機能や医療機関を選択することが重要であるため、医療機関だけではなく、保険者や関係者を巻き込んで、患者・住民への啓発に取り組むべきである。」とある。特に公立病院については、総務省通知「公立病院改革の推進について」(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)に基づく新改革プランの策定が要請されており、各病院の自主的な取り組みに注目する必要がある。各病院の自主的な取り組みを促すには、都道府県による、①構想区域の設定、②構想区域ごとの2025年推計、③構想区域ごとの病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)の情報共有が不可欠であろう。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000088510.pdf)p50「公表しなければならない項目」には「現在の機能」「将来(6年後)の機能の予定」があることは理解したい。16日の政府答申(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/150616/item1.pdf)p16「病床機能報告制度の活用;都道府県ホームページでの結果公表は平成27年度措置」とあったが、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)にかかる各医療機関の自主的な取り組みのためには、あまり遅くならない方がよいであろう。
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保険者協議会と医療計画・地域医療構想

2015年06月25日 | Weblog
国保情報6月22日号「保険者は医療提供体制の分析を 医療行為や患者移動など/厚労省」。<以下引用>
<厚労省は19日の保険者協議会中央連絡会で、医療機能ごとの37年の必要病床数を決める「地域医療構想」策定の際、保険者はデータ分析を通じて議論に関与することが求められるとして、分析の視点を例示した。①脳卒中や急性心筋梗塞など特定の疾病に関する医療行為の分析 ②都道府県内または2次医療圏内の医療機関への患者アクセス ③都道府県境や2次医療圏を越えた患者の移動(流出入)で、データ分析を踏まえて、基本的に2次医療圏ごとに設置される「地域医療構想調整会議」などで意見を出すよう要請した。医療機能ごとの必要病床数は、厚労省の検討会が3月にまとめたガイドラインなどで、考え方や推計方法が示されている。ただ厚労省では、医療機関が現状維持に固執する可能性や逆に医療機関へのアクセスが悪い地域に病院を新設する動きが出てくる可能性を懸念。保険者にデータ分析に基づいて、「急性期から回復期に移行すべきだ」といった意見を調整会議などで出してもらうことを想定している。これとは別に都道府県は、医療計画(地域医療構想)を策定する際に保険者協議会から意見を聞く。ただ意見を聞くタイミングは計画案が出来上がってからで、実効性を疑問視する声もある。また厚労省は同日の中央連絡会で、保険者協議会の補助金交付申請の提出期限を「6月30日」から「7月下旬~8月上旬」に変更する方針も明らかにした。同省がデータで分析可能な手法や分析事例を7月の中央連絡会で提示することにしたためで、こうした事例を参考に有識者等の活用費用なども含めた必要経費を算出してもらいたいとしている。>

保険者協議会で、①脳卒中や急性心筋梗塞など特定の疾病に関する医療行為の分析 ②都道府県内または2次医療圏内の医療機関への患者アクセス ③都道府県境や2次医療圏を越えた患者の移動(流出入)の分析が行われるというが、5月の医政局室長講演では「まずは3疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞)で需要等算出;医療需要は患者の住所地別、医療供給は医療機関の所在地別に議論するデータを6月上旬にもお渡しできる」(保健衛生ニュース6月1日号)とあり、既に都道府県には最新の詳細分析データが届いているはずである。この県の医療計画(http://www.pref.kagoshima.jp/ae01/kenko-fukushi/kenko-iryo/iryokeikaku/documents/31036_20130422171704-1.pdf)の指標p374~では、各がん手術の二次医療圏での受療割合が出ているように、医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036854.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036855.pdf)で主要疾病のアクセスマップ・人口カバー率が医療圏別に出ている。また、この県の医療計画(http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000059/59514/keikaku7p184-231.pdf)p209~で「年齢調整標準化レセプト出現比」の数値が掲載されているように、医療計画作成支援データブックでは年齢調整した分析結果が出ている。都道府県境や2次医療圏を越えた患者の移動(流出入)の分析は、患者調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/10-20.html)でわかるであろう。昨年度、国立保健医療科学院では医療計画PDCA研修(http://www.niph.go.jp/entrance/h26/course/short/short_iryo02.html)が2回行われ、医政局「医療計画作成支援データブック」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036854.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036855.pdf)のNDB等分析データの活用に関する研修もなされている。また、今年度も国立保健医療科学院において、「地域医療構想策定研修(都道府県職員研修)」(http://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo02.html)が行われている。保険者協議会において、厚労省からの補助金を受けて新たな分析を行うのも必要なのかもしれないが、保健医療科学院での研修を受講した都道府県職員から復命を受け、医政局「医療計画作成支援データブック」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036854.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036855.pdf)のNDB等分析データを情報共有した方が早いであろう。それは保険者協議会に限らず、地域医療構想調整会議に参画するすべてのメンバーにあてはまるように感じる。4月の厚生労働省から日本医師会あて通知(http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/uploads/2015/04/27chi1_34.pdf)では、「(2)のデータブック、(3)の推計ツールについては、現在は、厚生労働省保険局のレセプト情報等の第三者提供の依頼手続き上、都道府県以外に直接開示することができません」とあるが、国策として本当に地域包括ケアシステムを推進するのであれば、地域における医療介護関係者が医療計画作成支援データブックのNDB等分析結果を情報共有できるように早急に対応すべきであろう。そういえば、経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/0610/agenda.html)の厚労相資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/0610/shiryo_04.pdf)では、【医療の「見える化」】が掲げられていた。政府答申(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/150616/item1.pdf)p15「地方厚生局が保有するデータの活用【平成27年度中に検討開始、平成29年度にシステムを稼働させることにより措置】」、p16「DPC データの活用【平成29年度措置】」であり、これらも平成27年度からの地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)の検討には間に合わない。
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介護保険料滞納と年金保険料未納

2015年06月25日 | Weblog
朝日新聞「介護保険の未収274億円、最大 2年滞納で自己負担3倍、1万人 13年度調査」(http://apital.asahi.com/article/news/2015062500004.html)。<以下引用>
<介護保険料を滞納したペナルティー=キーワード=で、介護サービス利用時に自己負担が3倍になる高齢者が2013年度で1万人超に上った。納付期限から2年以上過ぎても納めない高齢者が対象。自治体が未収の保険料は同年度で総額274億円と過去最高で、保険料の値上げも滞納の背景にある。自己負担が増えることで、必要な介護サービスを控える動きが広がる可能性もある。 65歳以上の介護保険料は年金が年額18万円以上なら天引きされ、満たなければ自治体に直接納める。直接納付の対象は昨年4月、約3200万人の被保険者のうち384万人いた。厚生労働省は昨年末、全自治体に13年度中の滞納への対応を調査。滞納が2年以上で、介護保険法に基づき原則1割の自己負担が3割に引き上げられた人は1万335人だった。最多は大阪市の673人で、横浜市(314人)、福岡市(255人)、仙台市(157人)、神戸市、東京都足立区(いずれも148人)と続く。>

朝日新聞「介護保険料滞納、1万人ペナルティー 負担3倍、困窮者直撃」(http://apital.asahi.com/article/news/2015062500005.html)。<以下一部引用>
<保険料を支払ってサービスを受けるのが保険の原則だ。ただ、暮らしが苦しい高齢者の自己負担増は、サービス差し止めに近い。千葉県の女性(55)の父親(75)は昨年末ごろから寝たきり状態となり、最も状態が悪い要介護度5に認定された。今年1月末から約20日間、ホームヘルパーや訪問看護などの介護サービスを利用。父は保険料滞納によるペナルティーを受け、自己負担分が費用の3割で3万4千円に達した。収入が不安定だった父は年金をもらえない。両親と3人の暮らしは事務職として働く女性の収入が支える。手取り18万円ほどの月収は家賃や光熱水費、食費、車のローンなどでなくなる。介護サービスの自己負担分は、きょうだいから借りて工面したという。父の介護保険料を肩代わりした時期もあったが、勤め先の経営悪化で月給が10万円ほど減り、貯金も尽きた。「ペナルティーは当然。ただ、介護は人の命にかかわる。助けを本当に必要とする人を支援する手立てがもっとあれば」 入院中の父が退院すれば介護が必要になる。やむを得ず生活保護を申請した。>

「65歳以上の介護保険料は年金が年額18万円以上なら天引きされ、満たなければ自治体に直接納める」とルールであるが、なぜ、高齢者の年金が年額18万円未満なのか、考慮する必要がある。この問題は、結局、年金(http://www.nenkin.go.jp/n/www/index.html)問題に行き着くように感じる。老齢基礎年金(http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=3222)は、「20歳から60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納めた方は、65歳から満額の老齢基礎年金が支給(平成27年4月分からの年金額 780,100円)」であるが、「保険料を全額免除期間の年金額は1/2(平成21年3月分までは1/3)」「保険料の未納期間は年金額の計算の対象期間にならない」。以前のネット記事;キャリアブレイン「非正規雇用で生活保護20兆円-シンクタンク試算」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15814.html)、NEWSポストセブン「中高年無職「親が死んだら生活保護でも受ける」と言う人多い」(http://www.news-postseven.com/archives/20130703_197444.html)が気になるところである。厚労省「平成26年度の国民年金保険料の納付状況と今後の取組等について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000089763.html)の「平成26 年度の国民年金の加入・保険料納付状況」(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12512000-Nenkinkyoku-Jigyoukanrika/0000089762.pdf)p9「都道府県別の保険料納付状況」が出ており、みておきたい。
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