保健福祉の現場から

感じるままに

精神障害者地域移行と協議の場

2017年05月31日 | Weblog
診療報酬改定結果検証部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128160)の「精神疾患患者の地域移行・地域生活支援の推進や適切な向精神薬の使用の推進等を含む精神医療の実施状況調査報告書(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000166343.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000166344.pdf)が出ている。診療報酬改定資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000166346.pdf)p2「地域移行を重点的に進める精神病棟の評価;地域移行機能強化病棟入院料」について、概要(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000166343.pdf)p5「地域移行機能強化病棟入院料の届出をしている病院は2.3%(10施設)」とあり、p7「入院期間が「10年以上」の割合は、精神療養病棟入院料算定患者では33.3%、地域移行機能強化病棟入院料算定患者では38.9%となり、平均入院期間も長かった。」が目にとまった。精神障害者の地域移行担当者等会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000154105.html)の「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けて~平成29年度事業について~」(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000155617.pdf)について、4月18日付通知「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業実施要綱」では、障害保健福祉圏域ごとの協議の場を設置した上で、事業メニューには、①精神障害者の住まいの確保支援、②ピアサポートの活用、③入院中の精神障害者地域移行、④包括ケアシステムの構築状況の評価、⑤精神障害者の地域移行関係職員に対する研修、⑥措置入院者及び緊急措置入院者の退院後の医療等の継続支援、⑦精神障害者の家族支援などが挙げられ、具体的な取り組みが例示されている。まずは、精神障害者地域移行・地域定着推進協議会の設置がポイントとなるが、自立支援協議会や圏域連携会議等の既存組織を活用する方法もある。その前に、実施要綱が関係者で、精神保健計画研究部HP(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/)の充実による、地域ごとのレセプト分析や630調査(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/data.html)の分析結果が共有されていなければならない。「障害福祉サービス及び相談支援並びに市町村及び都道府県の地域生活支援事業の提供体制の整備並びに自立支援給付及び地域生活支援事業の円滑な実施を確保するための基本的な指針の一部を改正」(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495160374&Mode=0)の「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築;「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」の議論を踏まえ、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指して、成果目標を次のとおり設定する。・平成32年度末までに、全ての障害保健福祉圏域ごとに保健・医療・福祉関係者による協議の場を設置することを基本とする。・平成32年度末までに、全ての市町村ごとに保健・医療・福祉関係者による協議の場を設置することを基本とする。・都道府県は、平成32年度末の精神病床における1年以上長期入院患者数(65歳以上、65歳未満)の目標値を国が提示する推計式を用いて設定する。・都道府県は、平成32年度末における入院3ヶ月後時点、入院後6ヶ月時点、入院後6ヶ月時点及び入院後1年時点の退院率の目標値をそれぞれ69%以上84%以上及び90%以上として設定することを基本とする。」とあり、地域ごとの取り組みが問われることになる。精神疾患医療計画指標(https://docs.com/user765986/4556/20170525)の情報共有が急務であるが、「障害保健福祉圏域ごとの協議の場」は保健所の役割が期待される。医療計画に関する厚労省医政局通知(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_keikaku.pdf)p36「圏域連携会議は、各医療機能を担う関係者が、相互の信頼を醸成し、円滑な連携が推進されるよう実施するものである。その際保健所は、地域医師会等と連携して当会議を主催し、医療機関相互または医療機関と介護サービス事業所との調整を行うなど、積極的な役割を果たすものとする。」とあり、圏域連携会議(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000066602.pdf)での保健所の役割を重視すべきと感じる。保健師助産師看護師法(http://www.ron.gr.jp/law/law/kangofu.htm)第36条で「保健所長による管内保健師に対する指示」が規定されており、それは原則医師である「保健所長」による地元の医師会長、病院長、首長等への働きかけ・調整とセットであると認識したい。
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外来医療の機能分化と連携

2017年05月31日 | Weblog
朝日新聞「紹介状なしの大病院受診、微減 初診料5千円以上でも」(http://www.asahi.com/articles/ASK5Z3T1NK5ZUTFK00C.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<紹介状なしに大病院を受診した場合に5千円以上の定額負担を求める制度が2016年4月に導入された後も、紹介状なしで訪れる患者数に大きな変化がなかったことが30日、厚生労働省の調査で分かった。安易な受診を抑え、大病院が重症患者の治療に専念できるようにする狙いだったが、効果は限定的のようだ。調査は昨年11~12月、200床以上ある850の病院を全国から無作為に抽出して郵送で実施。有効回答率は81・6%だった。500床以上の病院では、定額負担導入前の15年10月にすべての初診患者のうち42・6%いた紹介状なしの人は、導入後の16年10月に2・9ポイント減の39・7%に。200床以上500床未満では60・3%が0・9ポイント減の59・4%になった。大きく減らなかった理由は調査で明確になっていないが、55・5%の病院が「徴収する際に困ったことがあった」と回答。その理由として「お金を払えば大病院を受診できると解釈している患者がいる」「救急治療の必要ない患者が救急車で来院し、(初診料を払わなくていい)救急治療の必要性があったと主張された」などをあげた。500床以上の病院での初診料は、94・2%が5千~6千円の間に設定。500床以上の病院のうち14・1%は、定額負担の対象者の同意が得られず、徴収できなかったケースがあったと回答した。調査結果は31日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)の専門部会で厚労省が示す。>
 
メディウォッチ「紹介状なし外来患者の5000円以上定額負担、500床未満の病院にも拡大すべきか—中医協総会(1)」(http://www.medwatch.jp/?p=13972)。<以下引用>
<外来医療の機能分化を進めるために、特定機能病院・500床以上の地域医療支援病院では、紹介状なしの外来受診患者に定額負担が課せられることになったが、「初診に占める紹介状なし患者の割合」は定額負担導入前後でわずか2.9%しか減少しておらず、500床未満の病院では依然として「初診に占める紹介状なし患者の割合」は6割に達している—。このような調査結果が31日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会と診療報酬改定結果検証部会に報告されました。結果を受けて支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「定額負担の対象施設を特定機能病院など以外にも拡大する」「定額負担の除外規定を見直す」ことを検討すべきと提案しています。500床以上の大病院、定額負担導入したものの紹介状なし患者の減少は低調 2016年度の前回診療報酬改定で、外来機能分化を目指し、特定機能病院・500床以上の地域医療支援病院では、紹介状なしに外来を受診する患者について初診時5000円(歯科は3000円)、再診時2500円(同1500円)以上の定額負担を求めることになりました。厚生労働省が、2016年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査の一環として、この定額負担導入の効果を調べたところ、特定機能病院・500床以上の地域医療支援病院において「初診に占める紹介状なし患者の割合」は、改定前(2015年10月)には42.6%でしたが、改定後(定額負担導入後、2016年10月)には39.7%となり、わずか2.9ポイントしか低下していないことが明らかになりました。また定額負担が義務化されていない200床以上500床未満の病院では、「初診に占める紹介状なし患者の割合」は、改定前60.3%から改定後59.4%で、減少幅は1ポイントに満たないことも分かっています。この結果を受け、支払側の幸野委員は「紹介状なしの外来受診患者の抑止ができていない」と指摘。その背景には初診時5000円以上という金額設定のほか、「定額負担の除外規定があるのではないか」と考えているようです。紹介状なし外来患者の中には、紹介状取得を求めることができない「救急搬送患者」がいます。また「健診結果により受診指示があった患者」「外来受診後そのまま入院となった患者」「地域に、ほかに当該診療科を標榜する診療所などがなく、大病院が外来診療を実質的に担っているような診療科を受診する患者」「ほか医療機関が直接受診が必要と認めた患者」などでも、紹介状取得を求めることは酷であり、こうした患者には定額負担は課されません。幸野委員は「紹介状なし患者のうち、定額負担の対象になる患者は34.1%に過ぎない。除外項目を見直す必要があるのではないか」と提案しています。また、200床以上の病院全体(定額負担の義務の有無にかかわらず)のうち、「従前は紹介状なしの初診患者に5000円未満の別途負担を課していたが、2016年度改定後の現在は5000円以上の別途負担を課している病院」では、「初診に占める紹介状なし患者の割合」が改定(5000円以上への引き上げ)後に32.0%も減少したことが明らかとなりました。この点からは、「5000円以上の定額負担義務化」に一定の効果があることが伺えます。幸野委員は、ここから「500床未満の病院、例えば300床以上、400床以上の病院にも定額負担義務化を適用すれば効果が出てくると予想される」と提案しました。経済財政諮問会議においても、民間議員から「外来医療の機能分化を進めるために、紹介状なしの外来受診患者に対する定額負担義務化の対象病院拡大」を求める意見が出されており、2018年度の次期診療報酬改定に向けて論点の1つとなる可能性があります。なお、上記の除外患者以外では、紹介状なしに特定機能病院・500床以上の地域医療支援病院を受診した場合に、病院の設定した5000円以上の定額負担を支払わなければいけません。しかし14.1%の病院では「患者に説明したが、同意が得られず定額負担を徴収できない患者がいる」と回答しています。さらに、患者から「金額が高い」「納得がいなかい」といったクレームがつくケースもあることが病院から報告されており、幸野委員は「一般の人には機能分化の必要性が理解されていない。なぜ定額負担が義務化されたのかなどを周知徹底する必要がある」ともコメントしています。病院側による説明も必要ですが、何より保険者(健保組合や協会けんぽ、国民健康保険など)が被保険者やその家族に対して、折を見て機能分化や適正受診の必要性をこれまで以上に説いていく必要があるでしょう。なお、こうした幸野委員の具体的な提案に対し、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、「結果検証報告は、追加分析の必要性などを議論するためになされるもので、個別項目へのコメントなどは現時点ですべきではない」と指摘し、あえて具体的な反論などを控えています。>
 
診療報酬改定結果検証部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128160)の「(2)かかりつけ医・かかりつけ歯科医に関する評価等の影響及び紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入の実施状況調査報告書(案)<結果概要>」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000166337.pdf)、「かかりつけ医・かかりつけ歯科医に関する評価等の影響及び紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入の実施状況調査報告書(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000166338.pdf)が出ているが、行政担当者は資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000166339.pdf)を最低限理解しておく必要がある。そういえば、経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の資料「国民生活の質の向上と社会面・産業面の課題解決に向けた社会保障制度改革」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0523/shiryo_01-1.pdf)p2「かかりつけ医の普及;かかりつけ医の普及が課題となっており、総合診療専門医との関係も含め定義を明確にしていく必要がある。また、国際的にみて高い我が国の外来の受診回数の抑制にも資するよう取り組むべき。 かかりつけ医の普及に向けて、その取組工程を明らかにすべき。 まずは紹介状なしに病院外来を受診した際の定額負担の対象を拡大するとともに、保険財政の負担軽減にもつながる仕組みを検討すべき。また、かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担の導入に向けて検討を行い、必要な措置を講ずるべき。」とあった。医療保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126706)の「かかりつけ医の普及の観点からの 外来時の定額負担について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000141012.pdf)p5「特定機能病院及び一般病床500床以上の地域医療支援病院」について現行の選定療養の下で定額の徴収が責務とされているが、p4「選定療養による初再診において特別の料金徴収」は「病床数が200床以上の病院であって、地方厚生局に届け出たもの」ができることから、選定療養の範囲で定額徴収対象病院の拡充が自然であろう。また、中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の「外来医療(その2)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000158415.pdf)では「予防から治療まで一貫したサービス提供・システム連携の推進」がテーマとされ、p70「今後、生活習慣病の増加が見込まれるとともに、より質の高い医学管理や重症化予防の取り組みが求められる中で、・かかりつけ医機能と専門医療機関等との連携の推進や、・かかりつけ医を中心とした多職種との連携による効果的な医学管理等の推進、・医療機関と保険者・自治体等の予防事業との情報共有の推進、に資する評価のあり方について、どのように考えるか。」も注目される。保険者とかかりつけ医との連携による「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121935.html)を推進するためには、例えば、「外来医療(その2)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000158415.pdf)p44「生活習慣病管理料」や医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)p36・p37「地域包括診療料・地域包括診療加算」にインセンティブがあった方が良いように感じる。平成29年1月17日国民健康保険課事務連絡「平成28年度保険者努力支援制度前倒し分に係るQ&Aの送付について その2」の問3では「(答)「かかりつけ医との連携」とは・事業実施にあたり、事業内容について医師会に情報提供すること。・事業実施過程で、事業内容について医師会から助言を受けること。・事業実施にあたり、個々の取組についてかかりつけ医に情報提供すること。・事業実施過程で、個々の取組についてかかりつけ医から助言を受けること等を指す」とされたことは認識したい。もはや生活習慣病対策は大病院の専門医中心の時代ではない。
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注目したい共生型サービス

2017年05月31日 | Weblog
「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/193-06.pdf)が成立(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170526150611)したが、介護医療院とともに、共生型サービスも大きい。第7期介護保険事業計画や第5期障害福祉計画にも直結する課題である。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000138306.pdf)p33「高齢障害者の介護保険サービスの円滑な利用」は理解したい。社会保障審議会障害者部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126730)「高齢の障害者に対する支援の在り方」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000102901.pdf)に関する資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000102901.pdf)p10~11「介護保険制度と障害福祉制度の適用関係」をみれば、まさに組織横断的な対応が求められるといえる。「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針(医療介護総合確保方針)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000102556.pdf)p14「他の計画との関係」では、地域福祉計画、医療費適正化計画、健康増進計画との調和が要請されているが、なぜ、障害福祉計画が明記されないのであろうか。
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レセプト分析に思う

2017年05月31日 | Weblog
佐賀新聞「治療の実施率 都道府県で濃淡」(http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10102/433008)。<以下引用>
<■東北大院教授、ビッグデータ10億件分析 医療機関の受診時に発行されるレセプト(診療報酬明細書)に記された患者のビッグデータについて、東北大大学院の藤森研司教授(医療政策学)が2015年度の約10億件を分析したところ、都道府県の間で病気やけがの治療の実施率に濃淡がみられることが分かった。地域によって医療提供が過剰だったり、逆に必要な医療が不足したりしている可能性がある。分析結果は政府の経済財政諮問会議に報告された。政府は医療ビッグデータの活用を進め、こうした地域差の解消を図って平準化し、医療費の抑制につなげる方針だ。分析では、全国平均を指数100として比較。胃に直接栄養を注入するため腹部に穴を開ける「胃ろう」の造設は、最も低い静岡県が69なのに対し、最高の沖縄県は185で2・68倍。佐賀県は119だった。MRI(磁気共鳴画像装置)による撮影や、人工透析でも2~3倍の地域差があった。これまで1人当たり医療費については地域差がみられるとの指摘があったが、高齢化率の違いが要因と説明されてきた。藤森教授は今回、地域ごとの年齢や性別の偏りを調整した上でレセプトを精査し、約1500種類の治療項目を分析。その結果、高齢化率の影響を取り除いても、項目によっては実施率に地域間でばらつきがあった。実施率が高いほど医療費は膨らむ。4月に開かれた諮問会議では、民間議員が治療実施の地域差を問題視。各都道府県に地元医師会や健康保険組合などが協議する場を設け、住民の受診行動や医療機関の診療行為の変化を促すべきだと提案した。分析データは内閣府ホームページに掲載。治療項目ごとに都道府県別、市町村別に示している。■何が適正医療か議論を データを分析した藤森研司・東北大大学院教授の話 地域によって有病率が明らかに違う病気もあるが、ほとんどは有病率に地域差はなく、行われるべき医療にも違いはないはずだ。平均値の100を挟んで大きくぶれている都道府県は、過剰に医療が介入しているか、逆に提供体制が不足している可能性がある。何倍もの地域差は縮小すべきで、まずは「何が適正な医療か」という議論をしなければならない。医療費は主に公費や保険料で賄われている。医療関係者や患者に行動変化を促すための資料として提示した。■データの分析方法 電子レセプト(診療報酬明細書)を患者が特定できないよう匿名化した国の「レセプト情報・特定健診等情報データベース」(NDB)を基に、2015年度に保険診療で扱った約10億件について、都道府県ごとにレセプトを分析した。「件数」で比べると、高齢化率が高い地域では特定の治療項目が多くなったりするため、高齢化の影響を除く調整をデータに施した上で指数化し、比較した。医療機関の所在地ごとに集計し、都道府県をまたぐ患者の流出入は考慮していない。>
 
経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0412/shiryo_03-2.pdf)p3「胃ろう造設術のレセプト出現比(SCR)の地域差」が都道府県別に出ていたが、胃ろうが中心静脈栄養に切り替わったような施設が少なくないかもしれない。「平成27年(2015)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/15/dl/gaikyo.pdf)で、平成26年から平成27年にかけて、p16療養病床の一日平均在院患者数は減少し、p20療養病床の利用率も減少している。中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の「入院医療(その1)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000149651.pdf)p59「療養病棟入院基本料1の病床数は増加傾向、入院基本料2の病床数は減少傾向」にある。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000149651.pdf)p60に示すように、「療養病棟入院基本料1」には「医療区分2・3の患者が8割以上」の施設基準があり、中心静脈栄養や気管切開などの処置を受ける患者が増えている可能性が高い。とにかく、療養病床における胃ろうと中心静脈栄養のSCRセットがないと適切に評価できないように感じる。すでに、評価・分析ワーキング・グループ(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg5/290417/agenda.html)の資料「医療提供状況の地域差」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg5/290417/sankou.pdf)で、外来約2,200項目、入院約2,800項目の診療報酬項目のSCRが一般公開(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg5/290406/shiryou2-2.xls)されていることは認識したい。地域別SCRの公表は「医療提供状況の地域差」を認識する上で、画期的かもしれない。「NDBオープンデータ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html)から進化している感がある。しかし、公表項目が非常多く、主な項目についてわかりやすい解説が必要と感じる。このため、医政局「医療計画作成支援データブック」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115654.pdf)でSCR分析データの更新が期待されるが、平成27年7月28日医政局地域医療計画課事務連絡「地域医療構想策定支援ツール等から得られる情報の関係者間での共有等について」、平成28年9月14日医政局地域医療計画課事務連絡「医療計画作成支援データブック【平成27年度版】の利用について」では、医療計画作成支援データブックのNDB分析データの活用は医療計画・地域医療構想関係者に限定され、NDB分析データ(生データではない!)の活用には「国が定める誓約書」による厳格な規制がかかっており、地域包括ケアや健康増進を担当する行政職員すら閲覧できないでいる。「規制改革推進に関する第1次答申 ~明日への扉を開く~」(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/committee/20170523/170523honkaigi01.pdf)p39~「官民データ活用」は正直ガッカリである。また、支払基金についても、「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=350947)の報告書(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000148300.pdf)p9「審査・支払効率化ワーキンググループにおける検討においても、限られた期間の中で必要な資料を揃えることが困難であったことから、審査の地域差についての具体的な内容までは吟味できていなかった」では話にならない。「「診療報酬の審査の効率化と統一性の確保」について(概要)」(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/iryou/20161011/161011iryou02.pdf)p1「社会保険診療報酬支払基金(以下、「支払基金」という)における診療報酬の審査について、レセプトの電子化がほぼ完了したにもかかわらず、紙レセプト時代と同様に、47全都道府県に支部を置き、人手による非効率な業務運営が継続している。」「この原因として、支払基金のICTに関する知見不足、経営のガバナンス不全及び実質的な業務独占による競争原理の不在などがあり、過去数度にわたり支払基金に自己改革の機会が与えられてきたにもかかわらず、抜本的な構造改革に至っていなかった。」は全くおかしい。健康保険組合連合会から社会保険診療報酬支払基金への要請(http://www.ssk.or.jp/pressrelease/pressrelease_h28/press_280408_2.files/pressrelease_2804082_10.pdf)では、審査の充実強化として「健康保険組合からの指摘により確認された審査結果の異なる事例については、要因を分析し、その分析結果を情報開示するなど、健康保険組合が納得できる審査基準の統一化への対応に取り組んでいただきたい」「審査における支部独自の取決め事項(査定基準等)や取扱い(返戻等)については、その有無や内容を開示し、是正・統一化を図っていただきたい」「審査情報提供検討委員会で検討する事例については、検討対象を広げることで、審査格差の是正に努めていただきたい」とあったが、「支部独自の取決め事項(査定基準等)や取扱い(返戻等)」にかなり違和感を感じる。「社会保険診療報酬支払基金の見直しに関する意見」(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/publication/opinion1/290425iryou1.pdf)p3「「地域の顔が見える関係を土台」とした審査は、他方で、審査する側とされる側が同じ地域の医師であることから生じ得る利益相反の批判も招いてきた。」はしっかり認識したい。そもそもレセプト審査の地域差解消が図られなければ、SCRの見える化は色褪せてしまう。診療行為で「A県では保険診療が認められたのにB県では認められない」状況が放置される中で、資料「医療・介護をはじめとする社会保障制度改革の推進に向けて」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0412/shiryo_03-1.pdf)p2「国は、医療サービスの標準化と報酬体系の見直しを段階的に進めるべき。」と「段階的に進める」のはどうなのであろうか。社会保険診療報酬支払基金資料(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/iryou/20161024/161024iryou02.pdf)p6「統一的、客観的な判断が可能なコンピュータチェック項目は公表 (例)統計的に70%以上査定されている項目」とあるが、もっと情報公開は徹底すべきで、「統計的に70%以上査定されている項目」に限定する必要はないであろう。
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病院経営

2017年05月31日 | Weblog
メディウォッチ「医療連携のリーダーは副院長、必須能力は俯瞰力と人脈-GHC春の病院経営セミナー」(http://www.medwatch.jp/?p=13941)。<以下引用>
<グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC、ホームページはこちら)は5月27日、新任の副院長など病院管理職を対象とした講演会「病院管理職向け春の経営セミナー【改定講演付】~「現場」を動かした副院長の成功事例集に学ぶ~」を開催。全国から約50人の病院管理職が集まりました。メインスピーカーでGHCマネジャーの塚越篤子は、副院長時代に実績を残して院長に昇進した病院経営者たちの事例を複数紹介。その上で、「副院長は連携のリーダーであり、そのためには経営者としての俯瞰力と、常にあらゆる視点で情報をキャッチできるネットワーク構築が欠かせない」と強調しました。専門分野ではなく病院全体の経営を 「病院大再編へ向けた大改定」になると予測される2018年度診療・介護報酬改定。大改定を目前に控えた今、病院の経営幹部は、難しい舵取りを迫られています。特に、今期から経営に参画した副院長などの病院管理職にとっては、なおさらのことです。そこで、「この4月に副院長に就任したばかり」「就任して1年経つが本格的な経営改善に踏み切れない」などの急性期病院の管理職を対象に、実践的な経営セミナーを企画。経営改革の実績を積み上げて院長へ昇進した副院長たちの奮闘記を通じて、副院長に求められることは何か、そのためには何から始めればいいのか、などについて学びました。塚越はまず、「病院経営には、大空から眺めるように物事の大局を捉える『鷹の目』、事象をより身近に細かく見る『蟻の目』、激しい流れの中でも泳ぐため先を見通す『魚の目』--の3つの視点が必要。中でも、自身の専門分野だけではなく、病院全体の経営を鷹の目で見ることができる俯瞰力が重要」と指摘。医業利益を因数分解した項目の空欄を埋めたり(図表1)、主要経営指標のデータだけを見てどのような役割の病院であるかを推定(図表2)したりするワークショップなどを通じて、経営における俯瞰力の重要さを確認しました。院内外のネットワーク構築 ネットワークの構築では、各部門の取り組みの集合体が病院全体の改善成果につながることを確認した上で、「多職種連携の取り組みによる効果は必須。それを推進するのが副院長の役割」と指摘。そのためには、あらゆる部署から情報が入ってくるネットワーク構築が不可欠であり、特に「看護師は病院全職員の潤滑剤であり、情報通」として、院内最大部門の看護部を味方につけることが重要としました(図表3)。瀬戸氏は岸和田市民病院の副院長に就任した当時、小牧市民病院を見学して驚いたことがありました。当時の末永裕之院長(現小牧市民病院事業管理者)は執務中、ほとんど院長室の扉を開けたままにしていて、職員が次から次へと相談や決裁を求めて入ってきたのです。これを見てその後、瀬戸氏は副院長時代から院長になった後も、末永氏のスタイルを貫き通していると言います。メディ・ウォッチの取材で瀬戸氏は、「経営をよくするための決断をすることが院長の仕事。院長の役割を果たすから院長なのであり、そのためにはすぐに相談しやすい『院長室』であることは不可欠。『院長に相談しづらい』という壁があり、そのために不要な下から上への手続きを踏むのは、時間の無駄」と強調しています)。済生会福岡総合病院の事例では、同院の病院紹介ビデオを紹介(病院紹介ビデオはこちら)。講演で解説した同院の具体的な取り組み事例や他病院の事例紹介は割愛させていただきますが、前述のイメージビデオでは、近隣の医療機関との連携に定評のある済生会福岡総合病院の強さが分かりやすく凝縮されています。院内のネットワーク構築も重要ですが、院外の医療機関といかに円滑で強固なネットワークを構築するかも重要であり、それを推進するのも、副院長の大きな役割の一つです。メディ・ウォッチ着目の同時改定論点とは この日の講演会では、メディ・ウォッチ編集部から「2018年度同時改定に向けて-急性期病院が抑えるべきポイント-」と題して講演。(1)急性期入院医療の動向、(2)後方病床の動向、(3)DPCの動向、(4)医療連携、医療・介護連携の動向--の4つの軸で、診療・介護報酬改定の最新情報と論点を解説しました。現在、中央社会保険医療協議会で2018年度診療報酬改定の議論が進められています。急性期入院医療の動向としては、7対1入院基本料と10対1入院基本料の議論に着目(参考『7対1・10対1入院基本料、看護配置だけでなくパフォーマンスも評価する報酬体系に―中医協総会(1)』)。7対1と10対1を比較すると、入院患者像に重複があるにも関わらず、報酬に大きな差があることを厚生労働省が問題していると考えられます。そのため、「次の改定ではこの差を『埋める』見直しが行われる見込みが高い」とした上で、今後、想定される論点や注目すべき動向について、メディ・ウォッチ独自の着眼点を交えて詳細に解説しました。>
 
厚労省「DPC導入の影響評価に関する調査結果」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049343.html)、医療法に基づく病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)、医療法に基づく医療機能情報(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)、医療機関届出情報(地方厚生局)検索(http://caremap.jp/cities/search/facility)等もみれば、ある程度、各病院の実績がわかる。DPC係数の平成29年度の病院別の数値は資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000165562.html)からダウンロードできる(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000165685.pdf)。「TQM(Total Quality Management)」(https://www.juse.or.jp/tqm/)は、「組織全体として統一した品質管理目標への取り組みを経営戦略へ適用したものであるが、医療のTQM(http://tqmh.jp/index.html)はいまや不可欠となってきているであろう。基本診療料「A247(認ケア)認知症ケア加算」(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_1_2_2/a247.html)、「A233-2(栄養チ)栄養サポートチーム加算」(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_1_2_2/a233-2.html)、「A242(呼吸チ)呼吸ケアチーム加算」(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_1_2_2/a242.html)、「A230-4(精リエ)精神科リエゾンチーム加算」(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_1_2_2/a230-4.html)、特掲診療料「B001 27(糖防管)糖尿病透析予防指導管理料」(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_2_1_27/b001_27.html)など、チーム医療の算定が増えており、医療介護情報局(http://caremap.jp/cities/search/facility)をみれば、どの医療機関が算定しているか出ている。キャリアブレイン「介護人材不足、“泥沼”から脱出するために」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50514.html)にある、①理念の確立と浸透、②育てる環境と仕組み、③地域全体を視野、は病院経営にもあてはまるように感じる。「B007 退院前訪問指導料」(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_2_1/b007.html)、「B007-2 退院後訪問指導料」(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_2_1/b007-2.html)、「A246 退院支援加算」(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_1_2_2/a246.html)、「B005-1-2 介護支援連携指導料」(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_2_1/b005-1-2.html)、「B004 退院時共同指導料」(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_2_1/b004.html)など、急性期病院も在宅医療に深く関わる時代である。
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アレルギー疾患対策

2017年05月31日 | Weblog
東京都アレルギー情報navi.(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/allergy/index.html)は参考にしたい。厚労省資料「アレルギー疾患対策に関する状況の調査(結果報告)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10905100-Kenkoukyoku-Ganshippeitaisakuka/201606214.pdf)では、アレルギー疾患対策基本法に定められた、気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーのうち、何らかの対策を講じている自治体は、0疾患37.7%、1疾患40.6%とまだまだ低調である。全国健康関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126469.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/857KB_4.pdf)p53にあるように、平成27年12月25日から施行されている「アレルギー疾患対策基本法」(http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/uploads/2015/12/27chi3_184.pdf)では「第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、アレルギー疾患対策に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施するよう努めなければならない。」「第十三条 都道府県は、アレルギー疾患対策基本指針に即するとともに、当該都道府県におけるアレルギー疾患を有する者に対するアレルギー疾患医療の提供の状況、生活の質の維持向上のための支援の状況等を踏まえ、当該都道府県におけるアレルギー疾患対策の推進に関する計画を策定することができる。」と規定されているが、それぞれの自治体で取り組まれなければ全く意味がない。アレルギー疾患医療提供体制の在り方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=439760)の資料「アレルギー疾患医療提供体制に関する議論のたたき台」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000163057.pdf)では、「県拠点病院(群)→1~2か所程度/県;・臨床(重症・診断困難対応、多科連携等)・情報提供(相談センター等)・研修・研究」「県内各地域レベルの医療を担う一般病院、診療所は、県拠点病院の支援・協力のもと、以下の事項を着実に行う。1)現体制での通常診療、2)県拠点病院との連携(患者、情報)、3)研修会等への参加、4)普及啓発(自治体、市教育委員会等)」「都道府県地域連絡協議会(仮)」とあったが、アレルギー相談センター(https://www.immune.jp/allergy/consults/)では自治体の計画や取り組み状況の「見える化」が必要であろう。アレルギー疾患対策推進協議会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-Allergy.html?tid=327078)の資料にも目を通しておきたい。
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新たな専門医制度と医師人事

2017年05月29日 | Weblog
日経メディカル「新専門医制度、地方の現場は依然強い懸念」(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/irohira/201705/551435.html)。<以下引用>
<地方で診療に携わる医師の目から、日本専門医機構と各学会が来年度の「再スタート」に向け準備を進めている新専門医制度を見ると、懸念材料が多々ある。同機構の吉村博邦理事長が4月24日、厚生労働省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」に示した資料によれば、専門医制度の主役は「国民と専攻医(後期研修医)」だとされている。卒後2年間の初期臨床研修は必修化されたものの、その後の系統的(標準的)な専門研修の仕組みを欠いたことで、「フリーター医師」(十分な専門研修を受けない医師)が増加した点を指摘。基本的な診療科については、初期研修修了後に全員、3年間程度の専門研修を行ってほしいと述べている。このことは「患者、国民の希望」なのだという。確かに多くの国民は、疾病に対する知識や診断の正確さなどを医師に求めている。しかしながら、初期研修を終えた貴重な若手医師たちを、専門医研修のプログラムが組める大学病院や都市部の大病院などに3年間も囲い込みかねないような仕組みを、本当に国民は求めているのだろうか。若手医師が地方の第一線、中小病院から大病院にごっそり移りかねない新制度を期待しているのだろうか。全国市長会は4月12日、「国民不在の新専門医制度を危惧し、拙速に進めることに反対する緊急要望」を厚生労働大臣に提出した。この要望書では、以下のような懸念が表明されている。(1)中小病院が危機に陥る懸念 すべての医師を機構の認定する専門医に振り分けるとなると、専門外の診療を敬遠する傾向が生まれ、多くの専門科を整備できない中小病院での診療が困難になる。小規模自治体の地域医療が崩壊する危険に対する議論がなされていない。(2)地方創生への逆行と医師偏在助長への懸念 同機構は、専攻医を研修施設の連携病院に派遣することで、地方の医療崩壊を回避できると主張するが、派遣期間は短く、そもそも地域医療の底辺を支える中小病院が研修施設の認定を受けることは現実的に困難。1つの県の中でも大学病院所在地と郡部の小規模自治体との格差は顕著であり、新制度で過疎地域の医師不足が助長される。(3)医師の診療活動開始年齢の遅延とコスト増大への懸念 6年間の医学部の学生生活に加え、5年以上の研修を積まないと専門医として第一線に立てないとなれば、結果的に地方の医師不足に拍車がかかる。あらゆる疾患への専門的な検査や診療がなされれば、医療費増大による財源問題も浮上する。さらに要望書では、「フリーの立場で地域医療に貢献する医師たちの権利・自由も尊重されるべき」といった点も指摘。総合的に診ることができる医師を育てるという初期研修制度導入時の理念に立ち返り、まずは初期研修を含め医学教育を見直すところから始めるべきだ、と訴える。機構側は、様々な批判を受けて、研修施設の基準を緩和したり、大都市部への専攻医集中を回避するための対策を打ち出してきたが、根本的なスキームは変わっていない。塩崎恭久厚生労働大臣は昨年6月、「地域医療を崩壊させることのないよう、一度立ち止まって集中的な精査を早急に行うべき」とする談話を発表し、これが契機となって制度開始の延期が決まったが、全国市長会が緊急要望を出したように、特に地方の医療現場の懸念は依然として強いものがある。ここでもう一度立ち止まり、「患者、国民」を含めた根本的な議論を行うことが必要ではなかろうか。>

m3「「大学病院への過度な不信感に基づく誤解」全国医学部長病院長会議、全国市長会に反論」(https://www.m3.com/news/iryoishin/532401)。<以下引用>
<全国医学部長病院長会議は5月26日に記者会見を開き、全国市長会の「国民不在の新専門医制度に対する緊急要望」に対する反論を、同25日に塩崎恭久厚労相に提出したことを公表した。反論は、卒後2年の臨床研修を修了しても一人前の医師としては不十分であり、卒後3~5年の専門研修の必要性を指摘。その上で、全国市長会の要望は、過去の封建的な「医局」のみに焦点を当てており、「大学病院への過度な不信感に基づく大いなる誤解」であるとし、現在の大学病院は、質の高い安心安全な医療、チーム医療の実践の場であり、地域医療や女性医師支援・キャリア支援にも積極的に行うほか、卒前と卒後のシームレスな医師養成の制度設計にも関わっていると説明。専門医制度と大学病院が、地域医療や我が国の医療・医学の発展において果たす役割は大きいとし、関係者の理解を求めている。同会議会長の新井一氏(順天堂大学学長)は、「確かに過去には硬直した医局システムがあったが、今はない。地域医療に貢献しているなど、大学病院の役割を正しく理解していないのではないかと懸念し、やはり反論せざるを得ないと考えた」と、反論に至る経緯を説明した。全国市長会の緊急要望は4月14日に塩崎恭久厚労相に提出(『「国民不在の新専門医制度を危惧」、全国市長会』を参照)。その後、厚生労働省の新専門医制度をめぐる議論において緊急要望が影響を及ぼしていたことから、国立大学医学部長会議も5月17日に、反論を公表していた。5月26日の記者会見では、反論に関連して、新専門医制度、大学医局の役割や地域医療との関係についての質問が出た。新専門医制度については、前日25日の厚生労働省の検討会で、日本専門医機構の「専門医制度新整備指針」の改正方針が了承された。全国医学部長病院長会議の「専門医に関するワーキンググループ」座長の島田眞路氏(山梨大学学長)は、「専門医取得は義務ではない」という新整備指針の改正方針について、「やはり患者を診る臨床医であれば、基本的には19の基本領域のいずれかで、きちんとした研修を受けてもらい、質を保証すべきと考えている」との見解を述べた。大学医局の役割に関して、同会議副会長で広報委員会委員長の稲垣暢也氏(京都大学医学部附属病院長)は、「良質な医師の養成が、医局の一番重大な使命だと考えている。地方では、医局人事で地域医療が保たれており、それを否定的に捉えると、逆に地域医療の崩壊につながりかねない」と理解を求めた。同会議医学教育委員会委員長の山下英俊氏(山形大学医学部長)は、「医局は、教育のためのシステムであり、山形大学は、医局機能を強化すると明言している」と紹介、医師は生涯にわたって教育・研修をしていく必要があり、それを支えるのが大学医局であるとした。一方で、医師の人事については、各医局独自に行うのではなく、「山形大学蔵王協議会」内に、「地域医療医師適正配置委員会」を設置、医師以外の人も交え、透明性を確保しつつ、適材適所を進めているという。さらに大学医局と地域医療との関係について、新井氏は、「大学医局は、医師の質保証と地域医療への配慮を両立させるための重要な機能を果たしている。それが否定されると、いったいどうなるのか」と提起した。「医師養成の基本は、屋根瓦方式であり、これができるのが医局」とし、新専門医制度では、研修プログラム制の採用により、地域医療に配慮しながら研修できる体制になっていると説明した。5つの柱で全国市長会に反論 全国医学部長病院長会議は、全国市長会の6つの緊急要望に対し、5つに分けて反論。特に医師養成に携わる立場から強調したのは、「医師の診療活動開始年齢の遅延と医療コスト増大」と「.若手医師たちに義務的に医局生活を強いる理不尽」という二つの緊急要望への反論だ。「医師の診療活動開始年齢の遅延と医療コスト増大」については、「専門医となるためには、しかるべき研修施設で、しかるべき指導医・指導体制のもと、卒後臨床研修後3~5年の勉学、研修は必要最低限」と指摘。「現行制度では2年の卒後臨床研修を修了しても、一人前の医師としては全く不十分で、独り立ちはできない」とし、専門的な知識や技術を持たない医師が増えれば、結果として質と安全性が低い医療が蔓延することになり、「それこそが医療費の無駄遣い。国民の理解が得られるのか。大いに危惧する」と反論した。「若手医師たちに義務的に医局生活を強いる理不尽」については、「過去において硬直した医局システムが存在したのは事実」と認めたものの、批判を真摯に受け止め、自己改革を進めてきたとし、現在の大学病院は、質の高い安心安全な医療、患者中心のチーム医療を実践し、地域医療、女性医師支援・キャリア支援、医学教育の改革や卒前・卒後のシームレスな医師育成の制度設計などにも積極的に関わっていると主張した。そのほか、「中・小規模病院が危機に陥る懸念」と「地方創生に逆行する危険と医師偏在の助長」については、「研修プログラム制を原則取ることで、地域の病院にも医師が循環することが担保される」「研修カリキュラム制は、例外的に認めている」とし、医師偏在は2004年度に始まった臨床研修制度にその原因があり、「新専門医制度は改善こそすれ、悪化させるものではない」と反論した。「初期研修制度導入時に立ち返りPDCA で考えるべき」に関しては、「まさにPDCAの発想で対応し、同制度の反省のもとに生まれたのが、新専門医制度と言える」と指摘。「専門職自律という国民不在の議論」については、プロフェッショナルオートノミー(専門職自律)は、医師の行動規範であり、「日本専門医機構が、専門職自律を専門医育成の基本的な概念とすることは、極めて自然」との見解を示した。>

報道にある「医師の人事については、各医局独自に行うのではなく、「山形大学蔵王協議会」内に、「地域医療医師適正配置委員会」を設置、医師以外の人も交え、透明性を確保しつつ、適材適所を進めている」は大学医局の人事にどれほど普遍化されているであろうか。そういえば、医道審議会医師分科会医師臨床研修部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-idou.html?tid=127790)の「臨床研修制度における地域枠医師への対応(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10803000-Iseikyoku-Ijika/40.pdf)では「各都道府県は、臨床研修を開始する地域枠医師について、採用先病院を調べた上で、義務履行要件と研修プログラムに齟齬がないかどうかを確認し、厚生労働省に提出」「臨床研修病院が、義務履行要件に反する研修医を採用している場合、当該病院に対する臨床研修費補助金を減額することとする」とあったが、どうなっているであろうか。「全国医政関係主管課長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=419341)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000155420.pdf)p63「地域医療介護総合確保基金を活用した医師修学資金貸与事業の取扱いについて」で「貸与した修学資金の返還免除要件に「医師不足地域・診療科で勤務すること」などの項目がなく、必ずしも医師偏在の課題解決に資するものとなっていない都道府県も見受けられる。」とあった。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000155420.pdf)p123「地域の医師確保を目的とした都道府県地域枠」が出ているが、各都道府県ごとに、これまでの年度別の自治医大・地域枠出身医師の勤務先(診療科、地域)と派遣ルールが公表されてもよいかもしれない。最低限、直接的公費投入の養成医師に関する見える化が必要と感じる方は少なくないであろう。さて、「今後の医師養成の在り方と地域医療の確保に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=436600)の資料「専門医に関する経緯と最近の動向について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000163147.pdf)p7「従来の専門医認定と新たな専門医認定の比較(イメージ)」は理解しておきたい。日本専門医機構(http://www.japan-senmon-i.jp/)から「新専門医制度概説とQ & A(平成29年5月12日版)」(http://www.japan-senmon-i.jp/news/doc/Q%EF%BC%86A%205.12_Ver2-2.pdf)が出ているが、「新専門医制度における研修プログラム」(http://www.japan-senmon-i.jp/program/index.html)も「総合診療専門医概要」(http://www.japan-senmon-i.jp/comprehensive/index.html)も「準備中」のままである。全国市長会「国民不在の新専門医制度を危惧し、拙速に進めることに反対する緊急要望」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000163148.pdf)のように懸念されており、まずは、それぞれの都道府県協議会で、「新専門医制度における研修プログラム」(http://www.japan-senmon-i.jp/program/index.html)がどうなっているか、実態把握・公表が欠かせないように感じる。
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医療費適正化

2017年05月29日 | Weblog
メディウォッチ「2018年度同時改定、「国民の負担増を考慮せよ」とプラス改定論議を牽制—財政審」(http://www.medwatch.jp/?p=13889)。<以下引用>
<賃金・物価と診療報酬本体とギャップは未だ大きく、国民負担が増加し続けていることを踏まえて、2018年度診療報酬・介護報酬の改定率を考えるべきである—。財政制度等審議会(財政審)が25日、このように「プラス改定論議を牽制する」内容を盛り込んだ建議「『経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議』を麻生太郎財務大臣に行いました。医療費・介護費の4分の1は国庫負担、財務省も社会保障改革を重視 財政審は、名称どおり我が国の財政について審議し、財相に建議する審議会です。医療費・介護費の4分の1は国が負担しており、これらが税収を超えて伸びていけば「我が国の財政は破綻してしまう」(結果、公的医療保険・介護保険は崩壊する)ため、社会保障改革に向けた内容も建議に盛り込まれるのです。とくに、経済・財政再生が緊急課題とされる昨今では、社会保障改革に向けた極めて具体的な項目を提言しています。これらの提言は、次年度予算編成などにも色濃く反映されることから、2018年度以降の診療報酬・介護報酬同時改定や医療・介護保険制度改革にも大きな影響を及ぼします。建議では、2016・17年度には「社会保障関係費などの伸びを『目安』(3年間で1兆5000億円)の範囲内にとどめる予算編成を2年連続で実現した」ことを説明し、2018年度も「2020年度のプライマリバランス黒字化に向けて、『目安』に沿った歳出改革(つまり社会保障費の伸びは5000億円以内に抑える)を続けるべき」と要望。具体的な社会保障改革案を列挙しています。今般の建議では、医療・介護分野でどのような改革を行うべきとしているのか、眺めてみましょう。2018年度同時改定、「国民の負担増が続いている」ことなどを考えた改定率を まず2018年度に控える診療報酬・介護報酬の同時改定の「改定率」について、▼デフレーションで賃金・物価が下落する一方、診療報酬本体は伸び続け、両者のギャップは未だ大きい▼高齢化・医療技術の高度化で医療・介護費は増加し、これを支える国民負担が増加し続けている—ことを考えるべきとし、プラス改定論議を強く牽制しています。また建議本体には具体的な改定項目への言及は含まれていませんが、参考診療の中で▼看護職員配置ではなく、提供している医療の機能(⾼度急性期、急性期、回復期など)により評価される仕組みを⽬指す ▼⾃⽴⽀援・重度化防⽌に向けた質の⾼いサービス提供が⾏われていない場合には、介護報酬の減算などの適正化を図る—ことなどを提言してます。新薬創出等加算は廃止し、新たなイノベーションを評価する加算などの新設を また現在、中央社会保険医療協議会で議論されている薬価制度抜本改革に関しては、国民負担の軽減につながる改革が必要と指摘。▼年度途中における新規収載について、保険財政や国民負担の観点から、必要な措置を講じる ▼効能追加などで販売額が増加する場合に、速やかに薬価を引き下げる仕組みを講じる ▼中間年の薬価引き下げ対象品目について、「通常の薬価改定と比べた国民負担軽減の効果」を踏まえて検討する ▼新薬創出・適用外薬解消等促進加算制度は廃止し、国民負担を軽減する ▼イノベーションの評価に関しては、費用対効果などの観点で「客観的に他の医薬品よりも優れていると認められる医薬品」を見極めて、必要な加算などを行う仕組みを検討する—という具合に、抜本改革基本方針から一歩踏み込んだ提言を行っています。地域医療構想の実現などに向け、都道府県の権限を強化すべき 一方、2018年度から、都道府県が国民健康保険の財政責任を担い、医療提供体制だけでなく保険制度についての責任主体となることを踏まえ、「地域医療構想や医療費適正化計画を実現するために、▼都道府県に実効的な手段・権限を付与する ▼結果に応じた強力なインセンティブを設ける—必要がある」と指摘。前者の手段・権限については、▼介護施設や在宅医療などへの移行など、「慢性期機能の再編」に向けた地域における標準的な意思決定プロセスの整備 ▼地域医療構想推進に向け、要請・勧告に応じない保険医療機関の指定拒否を可能とする—ことを提言しました。後者のインセンティブについては、▼地域医療介護総合確保基金(医療分)を地域医療構想の進捗(『医療機関ごとの機能分化』などの取組方針策定など)に応じた配分とする ▼保険者努力支援制度について、地域医療構想の進捗度合いや医療費などのアウトカム指標に応じた配分とする ▼国民健康保険の普通調整交付金について、医療費の全国平均を踏まえた標準的な医療費水準に基づく配分とする—ことなどを検討するよう求めました。さらに医療費適正化に関しては、▼医療費適正化計画で「高齢者の多剤投与などを適正化する」取り組みなどを強化する ▼標準的な診療ガイドラインによる地域差の縮減 ▼医療費適正化に向けた地域の協議の枠組みを構築する ▼地域別診療報酬(高齢者医療確保法第14条)の活用方策を検討する—よう求めています。かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担導入などを検討せよ このほか医療分野については、▼受診時定額負担については、まずは病院・診療所の機能分化の観点から、現行の選定療養を見直し、保険財政の負担軽減につながる仕組みとする ▼かかりつけ医機能の在り方を検討し、かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担の導入を検討する ▼薬剤の種類に応じた保険償還率の設定、一定額までの全額自己負担などを検討する ▼70-74歳の自己負担割合段階引上げ(2018年度末までに2割へ)と同様に、75歳以上についても2019年度から段階的に2割負担とする ▼後発医薬品使用割合80%の達成時期をできるだけ早期に設定し、効果的な促進策を講じる ▼後発品の平均価格を超える部分を自己負担とする仕組みを導入する—ことを求めています。一方、介護保険に関しては、介護保険法改正案に盛り込まれた「給付費適正化に向けた取組へのインセンティブ付与」について、財政的インセンティブを付与する場合には、「具体的かつ客観的な成果指標(例:年齢調整後1人当たり介護費の水準や低下率など)に応じて、調整交付金(介護給付費の5%)の一部を活用すべき」と提言しました。>
 
財政制度等審議会「「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議」(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia290525/index.htm)(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia290525/01.pdf)(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia290525/02.pdf)は、「経済・財政再生計画 改革工程表 2016改定版」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2016/1221_2/shiryo_03-1-2.pdf)に沿ったものであろうが、今後の展開に注目である。まず、経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の資料「経済・財政一体改革 (社会保障改革)の取組状況」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2016/1021/shiryo_04.pdf)p1で、後発医薬品の使用割合の目標達成(70%→80%)【▲約4000億円】の平成35年度の効果額が示されているように、後発医薬品による医療費適正化は小さくない。生活保護制度の現状(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000164401.pdf)p25「医療扶助における後発医薬品使用状況の地域差」でも沖縄県81%~徳島県59%であり、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000153730.pdf)p96~p113「自治体別後発医薬品使用割合」をみると市町村によっても割合がかなり違いがみられている。後発医薬品の普及は医療扶助から徹底しなければならないように感じる。そういえば、全国保険医新聞(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/shinbun/160905.pdf)では「「オプジーボ」の薬価は英国に比べて日本は約5倍に上る」とあったが、そもそも市場規模予測(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000138872.pdf)で大きく異なるデータが出ているのはおかしい。同じ薬で日本だけ極端に薬価が高いのは変であり、経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)でもっと強調されるべきであろう。また、医療保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126706)の「かかりつけ医の普及の観点からの 外来時の定額負担について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000141012.pdf)p5「特定機能病院及び一般病床500床以上の地域医療支援病院」について現行の選定療養の下で定額の徴収が責務とされているが、p4「選定療養による初再診において特別の料金徴収」は「病床数が200床以上の病院であって、地方厚生局に届け出たもの」ができることから、選定療養の範囲で定額徴収対象病院の拡充が自然であろう。しかし、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000015v0b-att/2r98520000015v4o.pdf)p11~15、(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001w361-att/2r9852000001w3ai.pdf)では、それぞれ保健事業による大幅な医療費適正化事例が紹介されているように、データヘルス(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061273.html)による医療費適正化は決して夢物語ではないように感じる。全国高齢者医療主管課(部)長及び国民健康保険主管課(部)長並びに後期高齢者医療広域連合事務局長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=252919)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000148235.pdf)p153~154「個人のインセンティブ事例」で「1人あたり6か月で約1万5千円の医療費削減効果」が注目された。第1回NDBオープンデータ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html)では、特定健診結果について都道府県別の性・年齢階級別のデータが出ており、数値がかなり悪い勤務世代が少なくない。例えば、公務員の「共済組合」(http://www.kkr.or.jp/)(http://www.chikyoren.or.jp/)や大企業が多い「健康保険組合」(http://www.kenporen.com/)が率先して、「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121935.html)をはじめとする「健康増進による医療費適正化」に取り組み、模範とならなければいけない(特に公務員)。この際、社会全体で、勤務世代の健康管理の取組如何が、国保、後期高齢者医療、介護保険に影響する認識を持ちたいものである。Choosing Wisely Japan(http://choosingwisely.jp/)の普及も重要かもしれない。
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介護保険事業計画と障害福祉計画

2017年05月29日 | Weblog
キャリアブレイン「改正介護保険法などが成立」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170526150611)。<以下引用>
<改正介護保険法などを含む「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」が26日の参院本会議で、自民党や公明党などの賛成多数によって可決・成立した。今年度末で廃止期限を迎える介護療養型医療施設(介護療養病床)の受け皿と位置付けられる「介護医療院」や、介護保険と障害福祉のサービスを一体提供することを想定した「共生型サービス」の創設、現役並みの所得がある利用者の自己負担を2割から3割に引き上げることなどが盛り込まれている。改正介護保険法の施行は来年4月。ただし、現役並みの所得がある人の利用者負担の3割への引き上げは来年8月に実施される。利用者負担が引き上げられるのは、1人暮らしで年収が340万円以上ある高齢者などで、約12万人が対象になるとみられる。また、小規模多機能型居宅介護などのサービスの普及を図るため、一定の条件を満たす場合、市町村が地域密着型通所介護の指定を行わない仕組みや、各自治体の取り組みを住民の要介護度の維持・改善などの指標で評価し、成果を挙げている自治体にインセンティブを付与する仕組みも導入される。そのほか改正介護保険法には、高額介護サービス費の一般区分を現状の3万7200円から4万4400円に引き上げることや、介護納付金に対する総報酬割の導入も盛り込まれた。>
 
今国会の「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/193-06.pdf)が成立し、第7医療計画に(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)に比べてやや遅れている、第7期介護保険事業(支援)計画の策定作業が本格化するであろう。とりあえず、「介護保険事業計画策定に向けた各種調査等に関する説明会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=384533)の「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000138618.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000138620.pdf)や「在宅介護実態調査」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000154928.html)が実施されているはずである。ところで、障害保健福祉関係会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/index.html)で説明された、第5期障害福祉計画・障害児福祉計画の策定作業はどうなっているであろうか。「障害福祉サービス及び相談支援並びに市町村及び都道府県の地域生活支援事業の提供体制の整備並びに自立支援給付及び地域生活支援事業の円滑な実施を確保するための基本的な指針の一部を改正」(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495160374&Mode=0)では「障害児支援の提供体制の整備等」で、①平成32年度末までに、児童発達支援センターを各市町村に少なくとも1カ所以上設置することを基本とする。②平成32年度末までに、すべての市町村において、保育所等訪問支援を利用できる体制を構築することを基本とする。③平成32年度末までに、主に重症心身障害児を支援する児童発達支援事業所及び放課後等デイサービス事業所を各市町村に少なくとも1カ所以上確保することを基本とする。④平成30年度末までに、各都道府県、各圏域及び各市町村において、保健、医療、障害福祉、保育、教育等の関係機関等が連携を図るための協議の場を設置することを基本とする。」に関する「見える化」が欠かせないように感じる。いくら法律・指針が改正されても自治体で取り組まれなければ全く意味がない。障害福祉サービス事業所情報(http://www.wam.go.jp/shofukupub/)は介護事業所・生活関連情報検索(http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)とセットで活用したい。
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病床ダウンサイジング

2017年05月26日 | Weblog
キャリアブレイン「医師の働き方で今年秋にも見解 全自病」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170526104226)。<以下一部引用>
<■病床の整備は「地域の実情で」 また、邉見会長は地域医療構想に沿った地域ごとの病床再編ついて、「田舎では、自治体病院がほとんど救急車を受けているのに、『(自治体病院の)急性期病床を減らせ』『民間病院は税金をもらっていない。死活問題だから、お前たちから減らせ』と言う人が多いが、地域によって違う」と主張し、地域の実情に応じた病床の整備を改めて求めた。>
 
地域医療構想に関するワーキンググループ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422)の資料「各都道府県の地域医療構想について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000164337.pdf)p31~「各構想区域における4機能ごとの病床の必要量」が出ているが、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)を具体的に進めるためには、まずは、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000164337.pdf)p22~24「公的医療機関」について、しっかり取り組むべきであろう。特に「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)は平成32年度までの計画であり、「地域医療構想」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)の前半のハイライトである。「経済・財政再生計画 改革工程表 2016改定版」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2016/1221_2/shiryo_03-1-2.pdf)p3のKPI「地域医療構想の2025年における医療機能別 (高度急性期、急性期、回復期、慢性期)の必要病床数に対する都道府県ごとの進捗率 【2020年度時点での十分な進捗率を実現】」が地域医療構想の評価指標とされているが、2020年度(平成32年度)は「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)の最終年である。経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の「地方自らの行財政改革に向けて」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0511/shiryo_03-1.pdf)p3「総務省は策定の遅れている新公立病院改革プランの策定を促すとともに、病床再編等の地域医療構想との関係性をしっかり明示すべき。不採算地区以外の病院については、繰出金への依存をより減らすべき。」とあった。さて、医療計画の見直し等に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000151974.pdf)p16「都道府県知事の権限の行使の流れ」では、①過剰な医療機能への転換の中止等、②不足する医療機能への転換等の促進、③非稼働病床の削減の3つが示されている。この中では、「非稼働病床の削減」は比較的取り組みやすいように感じる。「各都道府県の地域医療構想について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000164337.pdf)p31~「各構想区域における4機能ごとの病床の必要量」において、急性期病床過剰と判断される地域は、市区町村別の将来人口推計(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/5-sai/shosai.html)による人口減少だけでなく、「病床利用率が低い一般病床」の存在が大きいであろう。医療法に基づく病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)では、一般病床・療養病床を有する医療機関それぞれの「許可病床数・稼動病床数」が報告され、また、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)では、医療機関の病床種別の許可病床及び前年度1日平均患者数が出ており、各医療機関の病床利用率がわかり、病床稼働率が高くても病床利用率が低い医療機関が少なくない状況にある(特に一般病床)。休棟を抱えている公立病院は、「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)ではどうなっているか、注目される。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000151974.pdf)p16「都道府県知事の権限」が行使される前に、ダウンサイジングする必要があるように感じる。医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)による政策医療とも関連するが、もはや、どの病院も医師・看護師を確保して病床利用率を上げる時代ではない。それは「地域住民にもっと重い病気に罹ってくれ、大ケガしてくれ」と要請することにもつながりかねない面もあることは認識したい。
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働くがん患者

2017年05月26日 | Weblog
キャリアブレイン「働くがん患者、アプリで療養環境改善へ 国がん」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170523160102)。<以下引用>
<国立がん研究センター(国がん、中釜斉理事長)は26日、スマートフォンのアプリケーションを使い、がん患者の仕事のパフォーマンスを含めた実態を調査し、療養環境を改善するための指標の構築を開始した。指標により研究に参加するがん患者は、継続的に仕事のパフォーマンスなどを自己評価できる上、同じがんや同世代の患者のパフォーマンスの平均値などを確認することが可能になる。がん患者の療養状況の実態調査は、Appleの医学研究のためのフレームワーク「ResearchKit」を使用して開発したiPhoneアプリケーション「がんコル」(=がん患者のQOL)を利用する。がん患者は、「がんコル」アプリをダウンロード。研究内容に同意して参加する。がん患者でなくても参加でき、その人のデータは対照データとして利用する。収集データに個人情報は含まない。がんと診断された人は、初めて治療を受けた日を起点に、毎日のQOLや労働生産性などのアンケートに回答する。このアプリには、化学療法や放射線治療の副作用を含む有害反応を記録することも可能。スマホの画面に表示された体の部位をタッチすることで、有害事象の種類と度合いを入力できる。また、カレンダー機能も備えており、診察日や治療日のほか、薬の内服日などを記録することができる。>
 
国立がん研究センター「みんなで取り組む研究アプリ 「がんコル(QOL)」のご案内」(http://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/gan_qol.html)に期待したい。がん情報サービス(http://ganjoho.jp/public/index.html)のがんの統計(http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/backnumber/2016_jp.html)の部位別年齢階級別がん罹患率をみれば、勤務世代のがん罹患状況がわかる。がん登録(http://ganjoho.jp/reg_stat/index.html)のデータ活用ができればよいが、まずは、それぞれの地域において、勤務世代のがん種別の罹患数を推計しておく必要があるように感じる。保健指導リソースガイド「人事労務担当者・産業保健スタッフ】治療と仕事の両立支援 ツール紹介」(http://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2017/006139.php)にある、がん対策推進総合研究事業「がんと就労」(http://cancer-work.ncc.go.jp/)、労働者健康安全機構「治療と職業生活の両立支援」(https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/ryoritsushien/tabid/1055/Default.aspx)はブックマークに入れておきたい。健康局資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2017/01/dl/tp0117-k01-04-02p.pdf)p30「がん対策基本法の一部を改正する法律の概要」の「基本理念の追加(第2条)」「事業主の責務の新設(第8条)」の普及徹底が欠かせない。
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定期健康診断を実施していない事業場

2017年05月26日 | Weblog
特定健診・保健指導(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161103.html)は、保険者による健診・保健指導等に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=129197)の「第3期特定健康診査等実施計画期間(平成30年度~35年度)における特定健診・保健指導の運用の見直しについて(議論のまとめ)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161103.html)、「第3期実施計画期間(平成30年度~35年度)における特定健診・保健指導の運用方法の詳細等について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000158929.pdf)に続き、「特定健康診査・特定保健指導の電子的な標準様式の仕様に関する資料(平成30年度以降実施分)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000165280.html)が出た。来年度に向けて健診・保健指導のシステム変更が図られることになる。そういえば、平成26年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info03_h26.html)について、資料(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/dl/info03_h26_00.pdf)p4「表5 特定健康診査の実施率(被保険者・被扶養者別)」で、全国健康保険協会の被保険者の実施率51.6%は、健康保険組合(84.6%)、共済組合(87.8%)に比べて大きく下回っており、「全国健康保険協会の被保険者の特定健診実施率51.6%」からは、中小企業ではそもそも労働安全衛生法に基づく定期健康診断が適切に行われていないところが少なくない可能性がある。特定健診項目の電子データ送信がないだけではないであろう。労働安全衛生法に基づく定期健康診断等のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=328053)の報告書(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000149604.pdf)p19「10 人~29 人の事業場においては定期健康診断を実施している事業場の割合は89%(平成24年労働者健康状況調査)にとどまっている」とあった。健診・保健指導の制度が変わっていく一方で、法律で決められている定期健診すら満足に実施されない事業場が少なくないことは認識したい。
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社会保障関係費の伸び抑制とガバナンス体制

2017年05月26日 | Weblog
キャリアブレイン「社保費の伸び抑制、5千億円より踏み込んで 財政審、入院基本料の抜本見直しなど提言」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170525210526)。<以下一部引用>
<財政制度等審議会(財政審、財務相の諮問機関)は25日、来年度の予算編成で、医療や介護など社会保障関係費(社保費)の伸びを、政府の財政健全化に向けた計画が掲げる「目安」からさらに踏み込んで抑制することなどを求める提言(建議)をまとめ、麻生太郎財務相に提出した。同計画の伸びの「目安」は年5000億円程度で、診療報酬のマイナス改定などで2年度にわたり達成してきた。財政審は、社保費をさらに抑えるための具体策として、来年春の診療報酬と介護報酬の同時改定をにらみ、7対1入院基本料のように看護職員の配置状況を要件とする報酬体系そのものの見直しなどを提案している。政府の計画は、財政の健全さを示す国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を、2020年度までに黒字化させる目標の達成に向けたもの。社保費の「高齢化による増加分に相当する伸び」が年5000億円程度だと定義し、来年度まで3年間の伸びのペースをその程度に抑えるという「目安」を掲げている。名目は「目安」だが、政府は予算編成過程で伸びを切り詰めるなどして達成し続けている。例えば昨年度予算では、診療報酬改定の本体と薬価などを合わせたネットでのマイナス改定などで国費1495億円分を縮減。また今年度予算では、診療報酬の改定がないため介護納付金の総報酬割の導入(今年度の国費の歳出削減効果は443億円)や、医療保険の高額療養費制度の見直し(同224億円)といった制度改革で帳尻を合わせた。■“ダブルのマイナス改定”、直接は求めないが… 25日にまとめた提言で財政審は、PBを黒字化させる必要性を改めて強調。社保費のこれまでの伸びが「目安」に沿っていたことは評価したものの、「効率化・適正化に不断に取り組んでいかなければならない」と指摘し、来年度予算で「目安」の達成よりも踏み込んで伸びを抑えるよう求めた。6月に閣議決定される「骨太方針2017」などに反映されれば、来年度の同時改定が、医療・介護関係者にとって厳しいものになる可能性がある。>
 
財政制度等審議会「「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議」(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia290525/index.htm)(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia290525/01.pdf)(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia290525/02.pdf)では「社会保障」の「都道府県に実効的な手段・権限を付与するとともに、取組の結果に応じた強力なインセンティブを設けることで、医療保険・医療提供体制を通じたガバナンス体制を構築する必要」に注目である。経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の資料「予防・健康・医療・介護のガバナンス改革」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0412/shiryo_04.pdf)p3「地域における『予防・健康・医療・介護』は、それぞれ密接に関連するが、制度がバラバラ。都道府県の役割は限定的。」とあった。「政府の社会保障ワーキンググループ(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/index.html)の資料「医療費、介護費の地域差分析等」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/290425/shiryou1.pdf)では都道府県単位の医療費と介護費の分析結果が出ているが、例えば、保険局「国保データベース(KDB)システム」、老健局「地域包括ケア「見える化」システム」(http://mieruka.mhlw.go.jp/)、医政局「医療計画作成支援データブック」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115654.pdf)はセットで評価されているであろうか。「介護保険事業計画策定に向けた各種調査等に関する説明会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=384533)の「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」は、健康増進部門と共有されているであろうか。「高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=369143)の「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン 暫定版」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000152498.pdf)は介護保険部門と共有されているであろうか。今年度は、第7次医療計画、第7期介護保険事業(支援)計画、第3期医療費適正化計画、第5期障害福祉計画・障害児福祉計画、第3期がん対策推進計画が一斉に策定されるが、「タテワリのバラバラ」からの転換が不可欠と感じる。
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新たな専門医制度の行方

2017年05月26日 | Weblog
キャリアブレイン「専門医制度担う都道府県協議会、機能強化目指す 厚労省、担当者向けの説明会開催へ」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170526125421)。<以下引用>
<厚生労働省は、日本専門医機構が認定する専門研修プログラムの把握・調整を担う「都道府県協議会」に関する説明会を開催することを決めた。都道府県などの担当者を対象に来月中に開催する予定。専門医制度をめぐる最近の動向や協議の進め方などを伝え、協議会の機能・調整力の底上げを図りたい考えだ。専門医制度では、各領域(内科、精神科、外科など19領域)の研修プログラムを同機構が承認するが、都道府県、医師会、大学、病院団体などで構成する都道府県協議会と事前に協議することになっている。協議会は47都道府県で設置済みだが、関係者からは、自治体によっては十分機能しておらず、大学病院を中心とした研修プログラムが組まれた場合、医師の偏在が進みかねないといった懸念が出ていた。厚労省は昨年1月、協議会に関する通知を都道府県に出したが、協議会の枠組みが一部変更される見通しとなったため、協議会の目的、プログラムの把握・調整の進め方などを改めて周知する必要があると判断した。同機構の協力を得て6月中をめどに説明会を開催する方針だ。6月以降、各領域の研修プログラムの公開が相次ぎ、協議会を開催する回数が増えることが見込まれている。このため、厚労省は今年度の開催経費として前年度比2倍超の3100万円を補助する予定。>
 
日本専門医機構(http://www.japan-senmon-i.jp/)から「新専門医制度概説とQ & A(平成29年5月12日版)」(http://www.japan-senmon-i.jp/news/doc/Q%EF%BC%86A%205.12_Ver2-2.pdf)が出ているが、「新専門医制度における研修プログラム」(http://www.japan-senmon-i.jp/program/index.html)も「総合診療専門医概要」(http://www.japan-senmon-i.jp/comprehensive/index.html)も「準備中」のままである。全国市長会「国民不在の新専門医制度を危惧し、拙速に進めることに反対する緊急要望」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000163148.pdf)のように懸念されており、まずは、それぞれの都道府県協議会で、「新専門医制度における研修プログラム」(http://www.japan-senmon-i.jp/program/index.html)がどうなっているか、実態把握・公表が欠かせないように感じる。そういえば、ハフィントンポスト「「国立大学医学部長会議」はなぜ「全国市長会」への反論をしたのか?」(http://www.huffingtonpost.jp/mareyuki-endo/faculty-of-medicine_b_16698634.html)が出ていた。
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マンモグラフィの痛み

2017年05月25日 | Weblog
昨年、GEヘルスケア「乳房用X線診断装置(マンモグラフィ)「Senographe PristinaTM」およびマンモグラフィ用画像診断ワークステーション「SenoIrisTM」を発売 敬遠されるマンモグラフィの“痛み”を考えた新製品」(http://www3.gehealthcare.co.jp/ja-jp/news_and_initiatives/2016/press19)が出ていたが、今回、日立製作所「簡便・無痛・高精度な乳がん検診を実現する超音波計測技術を開発 360度の方向から計測することで、動物臨床で5mmの腫瘍検出に成功」(http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2017/05/0524a.html)が目にとまった。マンモグラフィの「痛み」はしばしば耳にするところである。さて、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tpur-att/2r9852000001tq0j.pdf)で、「現状のマンモグラフィによる40代の乳がん検診では約3割のがんが発見できない」とあった。「がん検診のあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128563)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000158058.pdf)p2をみれば、若い方ほど、デンスブレスト(高濃度乳房)の割合が高いことがわかる。がん検診のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128563)の中間報告書(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000098765.pdf)p3「マンモグラフィは乳腺濃度の高い乳房では相対的に診断精度が低下するため、高濃度乳腺が多い日本人女性において、特に乳腺濃度の高い40歳代の検診におけるがん発見率の低さや偽陽性率の高さが指摘されている。このため、乳がん検診において、40歳代の女性を対象に、マンモグラフィに超音波検査を併用する群とマンモグラフィ単独群とのランダム化比較試験が実施されており、マンモグラフィと超音波検査の併用群は、マンモグラフィ単独群に比べ、感度及びがん発見率においてその有用性が示されたが、死亡率減少効果については、引き続き検証を行っているところである。超音波検査については、将来的に対策型検診として導入される可能性があり、検査機器の仕様や検査方法、読影技術や診断基準の標準化等、評価体制や実施体制についても、引き続き検討していく必要がある。」とあり、行方が注目である。「対策型乳がん検診における「高濃度乳房」問題の対応に関する報告書」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000158057.pdf)、「対策型乳がん検診における「高濃度乳房」問題の対応に関する提言」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000158052.pdf)では、まだ方向がはっきりしていないようである。なお、がん検診ハンドブック(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_kenshin04.pdf)p5で解説される「任意型検診」のがん検診もあることは認識したい。「がん検診における過剰診断」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000137845.pdf)p15「対策型検診と任意型検診の比較」、p16「利益・不利益バランス」にあるように、任意型のがん検診では個人レベルで判断することになるが、医療技術の進歩によっても、がん検診は変化するように感じる。また、ブレストケアグラブ(http://icst.jp/products/breast/)(http://www.ndy-u.info/beaudrug/dtbs/itm/bcg06.html)のような自己触診補助用具の普及も図りたいものである。乳がんの危険因子(http://www.sutaa.net/nyugan/0001/0104/5.php)も勘案したいところかもしれない。
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