保健福祉の現場から

感じるままに

がん対策推進基本計画の中間評価

2018年08月30日 | Weblog
メディウォッチ「第3期がん対策推進基本計画の中間評価を2020年度に実施、評価指標の検討始まる―がん対策推進協議会」(https://www.medwatch.jp/?p=22239)。<以下引用>
<第3期のがん対策推進基本計画がスタートしていますが、第3期計画を踏まえたがん対策の進捗状況や効果を把握し、第4期計画につなげていくために「事業の評価」(中間評価)が不可欠となります。8月30日のがん対策推進協議会では、早くも「中間評価」に向けた議論を開始しました。2020年度に「第3期計画」の中間評価を実施、まず「評価項目」を固める 我が国のがん対策は、「がん対策推進基本計画」に則って実施されます。現在、第3期計画(2017年10月、2018年3月に閣議決定)が稼働しはじめたところです。この第3期計画の効果などを踏まえて、次の第4期計画(2024年度スタート予定)につなげることになりますが、第3期の計画終了を待って効果等を評価をしたのでは、第3期と第4期の間に隙間が生じてしまいます。そこで、第3期計画では中間年の2020年度に「中間評価」を行い、その結果を踏まえて第4期計画につなげることになります(医療計画の中間見直しとも歩調を合わせることになる)。がん対策推進基本計画の内容を固める「がん対策推進協議会」(以下、協議会)では、この「中間評価」に向けた「評価項目」を固める議論を開始しました。第3期計画の重要事項(がん予防、がん医療の充実、がんとの共生、基盤整備)のそれぞれについて具体的な評価項目を定め、これに基づいて各種の調査結果を分析し、「第3期計画に則ったがん対策の効果」を測定・評価することになります。8月30日の協議会では、「がん予防」に関し、例えば▼がんの年齢調整死亡率(がん全体、および、がん種別)▼がんの罹患率(同)▼喫煙率▼受動喫煙の機会を有する者の割合▼ハイリスク飲酒者の割合▼運動習慣のある者の割合▼適正体重を維持している者の割合▼B・C型肝炎ウイルス感染率▼B型肝炎定期予防接種の実施率▼ヘリコバクター・ピロリ(いわゆるピロリ菌)の除菌治療歴と胃がん罹患との関係▼がん検診受診率▼精密検査受診率▼「指針に基づくがん検診」を実施している市区町村の割合▼「指針に基づかないがん検診」を実施している市区町村の割合▼職域のがん検診の精度管理(別途、手法の検討が必要)—などの評価項目案が、厚生労働省から提示されました。第2期計画の中間評価指標に比べて項目が増えており、「より精緻な評価を行いたい」との厚労省の意欲が伺えます。この評価項目案そのものについては、審議時間の関係で議論が行われませんでした(次回の協議会で議論し、「がん予防」の評価項目を決定する予定)が、日本対がん協会から「がん検診の実情」についての報告が行われています。日本対がん協会は、主に市町村や企業、保険者などからの委託を受けて「がん検診」を実施している公益財団法人です。2015年度には、胃・肺・大腸・乳・子宮頸がんをターゲットとして、全国で820万人を超える人に検診を実施。その中で、現在のがん検診には、例えば次のような課題があることが分かってきています。▽大腸がんでは早期の発見割合が低めで、とくにに女性で低い▽肺がんでは、特に男性で早期の発見割合が低い▽乳がんでは、検診手法が多く(マンモグラフィー単独、超音波単独、マンモ+超音波など)、手法によって発見割合にバラつきがある(「マンモ+超音波」により40代で、早期の発見割合が高い傾向が伺える)▽がん種によって精度管理にバラつきがある(乳がんでは精密検査受診率が91.0%にのぼるが、大腸がんでは70.8%にとどまる)▽2016年度の検診受診率は、▼胃:男性46.4%、女性35.6%▼肺:男性51.0%、女性41.7%▼大腸:男性44.5%、女性38.5%▼乳:女性36.9%▼子宮頸:女性33.7%―にとどまっている(国民生活基礎調査より) 今後の議論では、こうした課題も踏まえて「がん検診の在り方や手法」などが重点的に議論・検討されることになるでしょう。第3期計画の中間評価でも「患者体験調査」「緩和ケアに関する調査」を実施 前述したように、「中間評価」は、各種の調査結果を「中間評価指標」に基づいて分析・評価する形で行われます。調査は、大きく3種類に分けられます。(1)医療に関する調査(がん診療連携拠点病院の状況報告や、医療施設調査など)(2)がんに関する調査(がん登録や、国民健康・栄養調査など)(3)患者・家族に関する調査(患者体験調査、遺族調査、世論調査など) (3)のうち「患者体験調査」とは、がん患者等に対し、▼がんはどの部位に生じたか▼どのような治療(手術、化学療法、放射線療法など)を受けたか▼受診から、がんと診断されるまでに、どの程度の期間がかかったか▼診断から治療開始までに、どの程度の期間がかかったか▼病気や療養生活について誰に相談したか▼主治医からセカンドオピニオンの説明はあったか、またセカンドオピニオンを受けたか▼治療開始前に「不妊の影響」について説明を受けたか▼精子・卵子保存を実施したか▼費用の面で治療内容の変更・断念をしたことがあるか▼職場でがんであることを話したか▼就労継続について病院の医療者と話し合う機会があったか▼がん相談支援センターを知っているか▼「ピアサポート」が何か知っているか、また利用したか―などをアンケート方式で聞くものです。第2期計画の中間評価でも患者体験調査が7404名の患者等を対象に実施され、がん診療連携拠点病院であっても「セカンドオピニオンや妊孕性(精子・卵子保存等)への説明が不足している」「身体的・精神的苦痛を持つ患者が一定数いる」「『家族に負担がかかっている』と感じる患者が少なくない」「がん相談支援センターは、利用者の満足度は高いが、認知度が低い」ことなどが明らかとなり、現在の第3期計画の端々に反映(対策の充実)されています。患者の声が半ばダイレクトに施策に反映される、極めて重要な調査と言えます。第3期計画では、上記のような項目に沿って、より広範に患者体験調査が実施される予定です(今年(2018年)10月頃に調査票を発送する予定)。この点、8月30日の協議会では、「個人情報である点や患者の気持ちなどに配慮した調査となるよう工夫してほしい」(山口建会長:静岡県立静岡がんセンター総長)などといった要望が出されています。また(1)の医療に関する調査の一環として、医療従事者(医師・看護師)や施設(がん診療連携拠点病院・一般病院)を対象に「緩和ケア」に関する調査が実施されます。「がんと診断されたときからの緩和ケア実施により、治療成績が向上する」といったエビデンスを踏まえ、第3期計画でも「緩和ケアの推進」は重要テーマの1つとなっています。がん診療連携拠点病院については今年(2018年)3月から、一般病院についても今年9月から調査が行われ、新たに「経口オピオイド(麻薬性鎮痛薬)使用に当たり、便秘に備えて下剤を処方しているか」「オピオイド内服患者に、具体的な鎮痛薬の使用方法(突出痛の場合のレスキュー薬使用など)を説明しているか」「薬物療法で疼痛が緩和しない場合、神経ブロック(麻酔薬の注射)の適応があるかを緩和ケア医や麻酔医に相談しているか」などの点も調べることになります。なお、第2期計画における中間評価でもこの調査が行われており、例えば「がん診療連携拠点病院に比べて、一般病院の医師・看護師は、緩和ケアに関する知識が不十分で、緩和ケア実施に困難を感じる傾向にある」ことや、「日本緩和医療学会による緩和ケア研修(PEACH研修)の受講者は、緩和ケアの知識が高く、緩和ケア実施の困難感が低い」ことなどが明らかになりました。これを踏まえ、8月30日の協議会では「一般病院の医師等が緩和ケア研修を積極的に受講できるよう、医師会と連携などを促進すべき」といった指摘が出されています。協議会では、2020年度中に「中間評価」結果を公表すべく、急ぎ「中間評価指標」の決定に向けた議論を継続していきます。>

がん対策推進協議会(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-gan_128235.html)の資料が出ればみておきたい。がん対策推進基本計画の中間評価が「医療計画」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)と整合が図られるのは当然であり、介護保険事業(支援)計画や障害(児)福祉計画が3年サイクルであることも念頭におきたい。がん予防として、受動喫煙対策(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000189195.html)やがん検診(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059490.html)が重要である。健康日本21(第二次)推進専門委員会(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_208248.html)の。健康日本21の進め方について」(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000342292.pdf)では、第一次が2000~2012年度、第二次が2013~2022年度、第三次は2023年度スタートであるが、健康日本21(http://www.kenkounippon21.gr.jp/)と、がん対策推進計画、医療計画、介護保険事業(支援)計画、障害(児)福祉計画、医療費適正化計画、データヘルス計画などと計画期間の整合が図られないものであろうか。なお、今後、がん対策推進基本計画(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000183313.html)の評価に際し、がん登録(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_toroku.html)やNDBオープンデータ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177182.html)は積極的に活用すべきと感じる。また、緩和ケア(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_kanwa.html)の推進は当然として、がん医療の質はもはや生存率だけで論じる時代ではない。アピアランスケア(https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2016/0727/index.html)の向上も期待したいところである。
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医療・介護のデータヘルス

2018年08月30日 | Weblog
メディウォッチ「科学的介護に向けたデータ収集、評価者間のブレがなく、生活機能変化を把握できる指標とせよ―全老健」(https://www.medwatch.jp/?p=22216)。<以下引用>
<エビデンスに基づいた介護サービス(いわゆる科学的介護)の確立を目指し、2020年度からの介入・状態等に関するデータベース(CHASE、Care, Health Status & Events)本格稼働が目指されている。データ収集の際の評価指標については、「利用者の生活機能変化を把握する」「曖昧な基準を避ける」ために、例えば「ICFに基づいた介護現場における適切な評価指標」などを採用してはどうか―。全国老人保健施設協会(全老健)は8月29日に、こういった内容の要望「『介護分野における今後のエビデンスの構築に向けて収集すべき情報』について」を厚生労働省老健局の大島一博局長と、厚労省「科学的裏付けに基づく介護に係る検討会」の鳥羽研二座長(国立長寿医療研究センター理事長)に宛てて提出しました(全老健のサイトはこちら)。2020年度から、「介入・状態等のデータベース:CHASE」が本格稼働する予定 「ある状態の要介護者には、Aという介護サービスを週に●回程度提供することが自立支援に向けて有用である」—。こういったエビデンスが確立され、介護現場で活用できるようになれば、▼自立支援に資する有効かつ適切なサービス提供▼介護現場の負担軽減(効率化)—が実現できます。エビデンス構築ためには、まず▼要介護者の状態▼介入・サービスの内容▼得られた効果―に関するデータの集積が必要となります。厚生労働省は、▼介護保険総合データベース(介護DB):要介護認定情報、介護保険レセプト情報を格納(稼働中、2018年度より全保険者から収集)(2)通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業(VISIT:monitoring & evaluation for rehabilitation service for long term care):通所・訪問リハビリ事業所からの、リハビリ計画書などの情報を格納(稼働中、現在100か所弱の事業所から収集し、今後拡大予定)—という2つのデータベースに加え、新たに「介入・状態等のデータ」(CHASE、Care, Health Status & Events)というデータベースを構築することとしています。このCHASEにどのようなデータを格納するかについては、厚労省の「科学的裏付けに基づく介護に係る検討会」で、まず、次のような項目とし、任意で介護保険施設・事業所からデータ収集を行う方針を固めました。▽栄養マネジメントに関する情報:例えば、「血清アルブミン値」「食事摂取量」「食事の留意事項の有無」「食事時の摂食・嚥下状況」「水分摂取量」「握力」など ▽経口移行・維持に関する情報:例えば、「経口摂取の状況」「『食事を楽しみにしていない』などの気づいた点」「経口移行・維持に関する指導内容」など ▽口腔機能向上に関する情報:例えば、「『口のかわき』や『食べこぼし』などの課題」「30秒間の反復唾液嚥下回数(RSST)」「口腔機能向上に関する指導内容」など ▽個別機能訓練に関する情報:例えば、「自分でトイレに行く」「歯磨きをする」「友達とおしゃべりをする」「読書をする」「歌を歌う、カラオケをする」「体操・運動をする」ことなどをしているか、あるいは興味をもっているか、「食事や排泄などに課題はあるか」など ▽アセスメント等に関する情報:例えば、「排泄」「寝返り」「食事」などに課題はあるか、「自分の名前はわかるか」「長期記憶が保たれているか」「介護に対する抵抗はあるか」「過去3か月に入院をしたか」など ▽各アセスメント様式等に関する情報:例えば、「入浴」「排泄」「更衣」「寝返り」などに関する各アセスメント様式の評価結果 ▽日常生活動作に関する情報:「BI(Barthel Index)」「FIM」の得点▽認知症に関する情報:例えば「改定長谷川式認知症スケール」などに基づく評価結果、など ▽訪問介護におけるサービス内容に関する情報:例えば、「健康チェック」「おむつ交換」「食事介助」「洗髪」「掃除」「洗濯」「衣類の整理」など、どういった身体介護・生活援助を実施しているか データ収集に当たり、評価者間でブレがなく、生活機能変化を簡易に把握できる指標が必要 これらは、「介護現場の負担」を考慮し、すでに現場で収集しているものや、収集が容易なものとなっています。しかし、全老健では「やはり現場の負担が増えてしまうのではないか」と懸念。例えば、現場の介護職員がデータ収集(評価)に当たって、「この利用者では、自立と判断すべきだろうか、それとも要介助と判断すべきだろうか」と頻繁に迷うような場面があれば、また「特殊な知識・知見を保有していなければ、評価ができない」ということがあれば、現場の負担は重くなります。こうした懸念を払拭するためには、データ収集の際の評価指標が、▼科学的裏付けに基づき「利用者の生活機能の変化」が把握できる▼評価者で差がでないよう、「一部介助」等の曖昧な基準を避ける▼どの職種でも評価でき、将来的にICT等によるデータ収集などの省力化が見込める―という要件を満たすことが求められます。全老健では、こうした要件を満たす評価指標として、例えば「ICFに基づいた介護現場における適切な評価指標」が考えられると提案。さらに、有効かつ効率的なデータ収集手法についても検討を行うよう要望しています。ICF(国際生活機能分類、International Classification of Functioning, Disability and Health)は、WHO(世界保健機関)で採用された「生活機能」と「障害」に関する分類です。全老健では、この分類に基づいた評価指標案を提示しており、例えば「心身機能」の「基本動作」について、▼「つかまらずに一定時間立位を保持できる」状態であれば「ステージ5」、▼「つかまらずに一定時間の立位保持はできない」が、「例えばベッドに座った状態から、車椅子などへ移動できる」状態であれば「ステージ4」—という具合に、利用者の状態を評価することになります。>

「データヘルス改革推進本部」(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-jyouhouseisaku_408412.html)、「医療等分野情報連携基盤検討会」(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei_537922.html)、「医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議」(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken_553056.html)、「要介護認定情報・介護レセプト等情報の提供に関する有識者会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=520284)、「科学的裏付けに基づく介護に係る検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=485753)などはセットで動向が注目される。「国民の健康確保のためのビッグデータ活用推進に関するデータヘルス改革推進計画・工程表」及び「支払基金業務効率化・高度化計画・工程表」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170011.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000170005.pdf)では、平成32年度に「ビッグデータ利活用のための保健医療データプラットフォーム構築(NDB、介護総合DB等)」とあり、医療・介護を含めたデータヘルス(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/hokenjigyou/)が飛躍するのは間違いない。「全国高齢者医療主管課(部)長及び国民健康保険主管課(部)長並びに後期高齢者医療広域連合事務局長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=252919)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000192093.pdf)p4「保険者努力支援制度」は今年度から本格化する。また、今年度から介護保険の「保険者機能強化推進交付金制度」(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/hoken/kaigo_lib/info/saishin/saishinkako580_625.files/jouhou_622-1.pdf)(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/khf/ki/ki_v622.pdf)もスタートする。保健福祉関係者は、最低限、国保データベース(KDB)システム(https://www.kokuho.or.jp/hoken/kdb.html)と地域包括ケア「見える化」システム(http://mieruka.mhlw.go.jp/)を使いこなせなければならないように感じる。また、資料「レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)と介護保険総合データベース(介護DB)との結合」(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000332851.pdf)というのであれば、サービスを提供する施設のデータベースがセットで不可欠と感じる。医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei_335126.html)では、介護サービス情報公表システム(http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)について、資料「介護サービス情報公表制度について」(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000213346.pdf)p9「平成24年度に、各都道府県で設置していた情報公表サーバーを国で一元的に管理」とある一方で、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)について、資料「医療機能情報提供制度の現状と課題」(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000213345.pdf)p3「各都道府県での異なる運用状況について、さらなる議論をいただきたい」とある。この際、①医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)、②薬局機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kinoujouhou/index.html)、③サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム(http://www.satsuki-jutaku.jp/index.php)、④介護サービス情報公表システム(http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)、⑤障害福祉サービス等情報公表システム(http://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/shofukuinfopub/jigyo/)は基本フォーマットを統一・情報公表サーバーを国で一元的に管理し、データベース化すべきであろう。都道府県ごとでは比較評価ができないばかりか、効率が悪い。なお、医療費の地域差については、医療保険データベース(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/database/index.html)では、「医療費の地域差分析」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/database/iryomap/index.html)、「市町村国民健康保険における保険料の地域差分析」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/database/iryomap/hoken.html)が出ているほか、日医総研「医療費の地域差について (都道府県別データ)」(http://www.jmari.med.or.jp/research/research/wr_644.html)(http://www.jmari.med.or.jp/download/WP405.pdf)も参考になる。また、介護費の地域差については、「地域包括ケア「見える化」システム」(http://mieruka.mhlw.go.jp/)で、地域別の要介護認定率、介護費用額、保険料額が公表されていることは常識である。経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)-概要-」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/0521/shiryo_04-1.pdf)p22~23「医療・介護の1人当たり保険料・保険料率の見通し」が出ていたが、自分たちの自治体ではどうなのか、関係機関・団体と共有することが不可欠であろう。
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終末期医療と緩和ケア

2018年08月30日 | Weblog
メディウォッチ「人生の最終段階で受けたい医療やケア、66%の人が話し合いたいが、実際の話し合いは25%にとどまる―日本医療政策機構」(https://www.medwatch.jp/?p=22231)。<以下引用>
<「人生の最終段階において、どのような医療を受けたいか」—。こうした点について日本国民の66.4%は、身近な人と話し合いたいと考えているが、実際に話し合ったことのある人は25.4%にとどまる。また、話し合いの際には「どのようなケア・治療方針の選択肢があるのか」などを知りたい人が多い—。日本医療政策機構が8月28日に発表した「2018年 日本の医療に関する調査」(速報版)から、こういった状況が明らかになりました。人生の最終段階の医療決定に関するガイドライン、国民への認知度はまだ10%程度 人生の最終段階に、自分自身の望まない延命治療などを受けざるを得ない事態となるのは悲しいことです。そこで、自分自身が「人生の最終段階でどのような医療・ケアを受けたいか」について、家族や友人、医療関係者等と話し合って文章にしたとしても、意思は変化しうるものであり、繰り返し話し合い、都度、文章にしておくことが望ましい―。Advanced Care Planning(ACP)という概念を、我が国においても広めていこうという考えの下、厚生労働省の検討会(人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会)で「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」としてまとめられた考えです。日本医療政策機構が、今年(2018年)6月にインターネットを通じて日本全国の20歳以上の男女1000名を対象に行った調査では、このガイドラインを知っている人は10.8%にとどまり、9割近い人には認識されていないことが分かりました。さまざまな機会を通じて、ガイドラインの周知に努めていくことが求められるでしょう。ところで、「人生の最終段階のことは考えたくない、話し合いたくない」という方もいます。ガイドラインでは、こうした方への押し付けが好ましくないことも注記しています。この点について日本医療政策機構の調査では、「自分や身近な人の終末期(人生の最終段階)に受ける医療」について「話し合いたい」と考えている人は66.4%にのぼりますが(逆に言えば33.6%の人は「話し合いたい」とは考えていない)、実際に「話し合った」人は25.4%にとどまることも明らかになりました。また「自分や身近な人の終末期(人生の最終段階)に受ける医療」について「話し合いたい」と考えている人の割合を年代別に見ると、50代以上では7割を超えています。自分や身近な人の「死」を明確に意識していることが伺えます。一方、「死」を身近に感じる機会の少ない20代でも半数超の人は「話し合いたい」と考えており、今後のガイドライン普及には追い風になるとも考えられます。さらに「自分や身近な人の終末期(人生の最終段階)に受ける医療」について、実際に「話し合った」人の割合を年代別に見ると、60代以上では3割を超えていますが、40代以下では2割に届いていません。また今般の調査では、「人生の最終段階について、身近な人と話し合う」としたとき、▼人生の最終段階におけるケア・治療方針の選択肢:58.8%▼望む場所で最期を迎えるため(例えば自宅で最期を迎えるため)に必要なこと:49.1%▼最期を迎えるにあたって利用できる社会保障制度:38.3%―などについて知りたいと考えている人が多く、また、▼選択できる治療・ケア等の情報を教えてくれる人:57.2%▼最期を迎えるにあたって利用できる制度を教えてくれる人:52.1%▼医療機関や介護施設との連携を図ってくれる人:47.1%▼住み慣れた環境で最期を迎えるためのサポートをしてくれる人:41.4%▼不安や悩みを聞いてくれる人:38.5%—との関わりを求めている人が多いことも明らかとなりました。「人生の最終段階には、どのような状態になり、どのような医療や介護が受けられるのか」という情報を知らなければ、「どのような医療等を受けたいか」を考えることは困難です。ガイドラインの普及と併せ、こうした情報を分かりやすく提供していくことが重要であると、再認識できます。>

日本医療政策機構「2018年日本の医療に関する世論調査」(https://hgpi.org/wp-content/uploads/b3008bbafa7d66ec03058c7fcb993809.pdf)図11~16「終末期医療」が出ている。とにかく、「自らが望む人生の最終段階における医療・ケア」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisyu_iryou/index.html)について、リーフレット(https://www.mhlw.go.jp/content/000334605.pdf)と「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」(https://square.umin.ac.jp/endoflife/shimin01/img/date/pdf/EOL_shimin_A4_text_0416.pdf)をもっと広める必要がある。例えば、救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei_540690.html)の「救急・災害医療に係る現状について」(https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/000341601.pdf)p38「<背景・課題>本人の意思に反した(延命を望まない患者の)救急搬送が散見・<対策>患者の意思を関係機関間で共有するための連携ルールの策定支援」p41「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」意思決定支援や方針決定の流れ(イメージ図)(平成30年版)」とあるが、p20~21「メディカルコントロール協議会」においても、この問題は協議した方が良いように感じる。救急救命士による特定行為(http://www.city.fukushima.fukushima.jp/kyukyucenter/bosai/shobo/kyukyu/kouhou/tokuteikoui.html)の救急救命処置(http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/010301/files/2013042600228/2013042600228_www_pref_kochi_lg_jp_uploaded_attachment_106952.pdf)で、救急救命士による挿管は意外にみられるからである。また、日本医師会「パンフレット「終末期医療 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)から考える」について」(http://www.med.or.jp/nichiionline/article/006650.html)が出ていたが、「在宅医療・介護連携推進事業」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000102540.pdf)p12「(カ)医療・介護関係者の研修」、p13「(キ)地域住民への普及啓発」において、「自らが望む人生の最終段階における医療・ケア」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisyu_iryou/index.html)について、リーフレット(https://www.mhlw.go.jp/content/000334605.pdf)と「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」(https://square.umin.ac.jp/endoflife/shimin01/img/date/pdf/EOL_shimin_A4_text_0416.pdf)の普及を図るべきである。「人生の最終段階における医療の普及・啓発等の取組に関する実態調査(自治体)結果」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000179012.pdf)p4「自治体における普及・啓発の取組(都道府県別)」をみれば取り組み格差が大きい。「保険者機能強化推進交付金」(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/hoken/kaigo_lib/info/saishin/saishinkako580_625.files/jouhou_622-1.pdf)(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/khf/ki/ki_v622.pdf)p7「(4)在宅医療・介護連携」の市町村評価で、「(キ)地域住民への普及啓発」が除かれているのは不自然であろう。この際、介護保険地域支援事業「在宅医療・介護連携推進事業」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000102540.pdf)p12「(カ)医療・介護関係者の研修」と「緩和ケア研修」(http://www.hospital.or.jp/pdf/16_20180509_01.pdf)をリンクさせても良いように感じる。「循環器疾患の患者に対する緩和ケア提供体制のあり方に関するワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=492624)では「多職種チームの疾病管理と連携」が協議されていたが、がん診療連携拠点病院(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_byoin.html)の多くは循環器疾患でも拠点的病院である。「緩和ケアにおける循環器疾患と がんとの共通点・相違点」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000185126.pdf)が出ていたが、循環器疾患とがんの緩和ケアはセットで進めたいものである。平成18年3月の事件(http://www.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/15th/06-342.html)から12年余経った...。
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ごみ屋敷問題

2018年08月30日 | Weblog
東京新聞「ごみ屋敷 県内初の代執行 横須賀市、堆積物を強制撤去」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201808/CK2018082902000154.html)。<以下引用>
<横須賀市は二十八日、四月に施行した「ごみ屋敷」の解消を求める市条例に基づき、同市船越町の五十代男性が自宅屋外に置いていた堆積物を強制撤去(行政代執行)した。同様の行政代執行が県内で実施されるのは初めて。この日午前九時ごろ、職員と業者ら約二十人が男性宅を訪れ、庭とベランダにたまった鍋や陶器類、包装紙と漫画本など計千七百十キロを搬出した。費用は男性に請求する。同市では条例施行を受け、医師や弁護士らでつくる審議会から意見を聴いた上で、氏名の公表や代執行など強制的な対応が取れるようになった。市は今月十日、悪臭や害虫が発生する原因となる堆積物を二週間以内に撤去しない限り、代執行すると男性に通告していた。県内では横浜市にも同様の条例がある。横須賀市によると、男性は一人暮らし。三年前に周辺住民から悪臭などの苦情が寄せられて以降、市は百回近く指導し、対応を促してきた。親族らがごみを処分したこともあったが男性は作業にかかわらず、撤去後に再び増える状況が繰り返されてきた。堆積物の中には市内外のごみ集積所にあったものが含まれ、男性は「分別するために持ってきた」と説明。市は保健師や医師らを派遣し、精神的なケアや健康状態の確認をするため面談を実施してきた。市の担当者は「医療につなげることも検討し、問題の解決に取り組みたい」と話した。>

これまでも東京新聞「高齢者「セルフネグレクト」に着目 周囲で連携 ごみ屋敷解消」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201710/CK2017102502000179.html)が報道されていた。社会経済研究所「セルフネグレクト状態にある高齢者に関する調査―幸福度の視点から報告書」(http://www.esri.go.jp/jp/archive/hou/hou060/hou060.html)(http://www.esri.go.jp/jp/archive/hou/hou060/hou60_03.pdf)が出ていたが、地域包括支援センターはセルフネグレクト高齢者に出会うことが少なくない。セルフネグレクトに対処するために知っておきたい原因と症状」(https://www.ihin-fundex.com/self-neglect-cause)が出ているので参考にしたい。「地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syakai.html?tid=383233)の最終とりまとめ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000176885.html)が出ていたが、地域福祉計画において、セルフネグレクトの対応を盛り込んでも良いように感じる。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000141914.pdf)p1~3「地域福祉に関する法律」には、生活困窮者自立支援法(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/joubun.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059425.html)、子どもの貧困対策の推進に関する法律(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H25/H25HO064.html)、子ども・若者育成支援推進法(http://www.ron.gr.jp/law/law/kodomo_i.htm)等はなぜ入らないのであろうか。なお、社会保障教育(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/kyouiku/index.html)では、日本国憲法(http://www.ron.gr.jp/law/law/jp_kenpo.htm)第二十五条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」は、第十二条「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」とセットで強調した方が良いように感じる。
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運転免許返納と地域包括ケア

2018年08月30日 | Weblog
読売新聞「運転免許自主返納 代理人申請もOK」(https://www.yomiuri.co.jp/local/wakayama/news/20180828-OYTNT50130.html)。<以下引用>
<高齢者らが自動車運転免許を自主返納しやすい環境を整えようと、県警は9月から、これまで本人に限っていた申請手続きを、代理人ができるよう変更する。また、平日のみだった窓口を日曜にも開設。高齢ドライバーらの運転ミスによる事故が全国で相次ぐ中、県警運転免許課の担当者は「運転に不安のある人は、この機会に返納を考えてみて」と呼びかけている。これまで運転免許の自主返納と運転経歴証明書の申請は本人しかできなかったが、9月以降は、委任された家族や介護施設の職員、民生委員らからの申請も受け付ける。委任状兼承諾書や代理人の本人確認書類が必要となる。受け付けは、予約(平日午前9時~午後4時)をすれば▽交通センター(和歌山市西) 毎週日曜・午後3時半~4時▽田辺免許センター 第3日曜・午後3時半~4時▽新宮免許センター 第4日曜・午前10時半~11時――でできるようになる。問い合わせは、運転免許課免許第一係(073・473・0110)。>

高齢運転者交通事故防止対策(http://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/koureiunten/koureiunntennmatome.html)に関して、警察庁「改正道路交通法の施行状況」(http://www.npa.go.jp/koutsuu/menkyo/kaisei_doukouhou/sekoujokyo1nen.pdf)が出ていたが、それぞれの自治体でどうなのか、気になるところかもしれない。高齢運転者支援サイト(http://www.zensiren.or.jp/kourei/)では「運転免許証を自主返納した方への各種特典」(http://www.zensiren.or.jp/kourei/return/relist.html)が出ているが、「買物弱者支援」(http://www.maff.go.jp/j/shokusan/eat/syoku_akusesu.html)(http://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/150430_manual.pdf)や外出支援などの継続的な生活支援が欠かせない。「高齢運転者交通事故防止対策ワーキングチーム」(http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/kou-tai/wt.html)の資料(http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/kou-tai/pdf/k_2-gaiyo.pdf)にある「改正道路交通法の円滑な施行に向けた医師の診断体制の確保、高齢者の生活を支える体制の整備に向けた自家用有償旅客運送制度や地域運営組織の活用」はそれぞれの自治体で整えなければならない。厚労省「地域包括ケアシステムの構築について」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaigo2018/health/dai3/siryou3.pdf)p18「生活支援体制整備事業」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115401_1.pdf)が積極的に実施され、地域包括支援センターが民間の公的保険外サービスもしっかり把握し、調整できるようにすべきである。平成29年度全国厚生労働関係部局長会議資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2018/01/tp0115-1.html)の老健局資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2018/01/dl/tp0115-s01-12-01.pdf)p15「生活支援体制整備事業の都道府県別実施保険者割合」、また、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000170082.pdf)p20~26「平成28年度 認知症初期集中支援推進事業 実施市町村一覧」、p27~35「平成28年度 認知症地域支援・ケア向上事業実施市町村一覧」をみれば取り組み格差が非常に大きいことがわかる。「精神及び行動の障害」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/sippei/dl/naiyou05.pdf)の「F00-F09症状性を含む器質性精神障害」には認知症が多く、医療保護になるケースも少なくない。認知症はやはり早期支援が重要と感じる。「保険者機能強化推進交付金」(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/hoken/kaigo_lib/info/saishin/saishinkako580_625.files/jouhou_622-1.pdf)(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/khf/ki/ki_v622.pdf)には市町村評価指標p10「(5)認知症総合支援」、都道府県評価指標p4「(6)認知症総合支援」があり、評価結果は地域包括ケア「見える化」システム(http://mieruka.mhlw.go.jp/)で公表されるべきであろう。なお、「介護保険事業計画策定に向けた各種調査等に関する説明会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=384533)で要請された「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000138618.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000138620.pdf)や「在宅介護実態調査」が援ニーズの実態がわかるが、それぞれの地域ではこれまで分析結果の共有化が図られてきたであろうか。また、資料「介護サービス情報公表制度の活用等について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115405_1.pdf)にあるように、介護保険法改正で「市町村は地域包括支援センターと生活支援等サービスの情報を公表するよう努めなければならない」と規定され、平成27年10月から、介護サービス情報公表システム(http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)を活用して公表できるようになった。厚労省の介護事業所・生活関連情報検索(http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)による生活関連情報の公表項目には、見守り・安否確認、配食(+見守り)、家事援助、交流の場・通いの場、介護者支援、外出支援、多機能型拠点などがあり、市町村ごとに取り組み状況が公表されていることになっているが、介護事業所・生活関連情報検索(http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)に入力していない自治体が少なくない。そもそも改正介護保険法で規定されている、データ分析や情報公表にしっかり取り組まないようでは、地域包括ケアの推進はあり得ないであろう。
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外国生まれ新登録結核患者

2018年08月30日 | Weblog
メディウォッチ「2017年の結核罹患率は13.3で前年から0.6ポイントダウンするも、地域格差は依然大きい―厚労省」(https://www.medwatch.jp/?p=22177)。<以下引用>
<2017年の結核罹患率は13.3で前年から0.6ポイントダウンしたが、都道府県別にみると最高は大阪府の21.3、最低は宮城県の7.2で、依然として地域格差は大きい―。厚生労働省が8月28日に公表した、2017年の「結核登録者情報調査年報集計結果」からこういった状況が明らかになりました。大阪市に限れば罹患率は32.4と非常に高い 結核は、現在でも年間2万人以上が新たに罹患する慢性感染症です。厚労省は毎年、前年1月1日から12月31日に新たに登録された結核患者と潜在性結核感染症(LTBI)などの状況をまとめ公表しています。2017年の罹患率(人口10万対)は13.3で、前年に比べて0.6ポイント減少しましたが、先進諸国に比べて非常に高い状況が続いています。都道府県別に見ると、大阪府が最も高く21.3(前年に比べて0.7ポイント減)、▼長崎県:16.8(前年に比べて0.9ポイント増)▼東京都:16.1(同1.1ポイント減)▼兵庫県:15.9(同0.6ポイント増)▼徳島県:15.9(同0.1ポイント減)—などで高くなっています。一方、もっとも低いのは宮城県の7.2(同0.7ポイント減)で、▼福島県:7.3ポイント(同1.3ポイント減)▼山形県:7.4(同0.2ポイント増)▼秋田県:8.0(同0.5ポイント減)▼長野県:8.1(同0.2ポイント増)—などで低くなっています。また大阪府の中でも、大阪市の罹患率は32.4となっています(同0.4ポイント減)。結核による死亡率、死因統計の分類見直しで1.8に上昇 次に、結核による死亡状況を見てみると、2017年は2303人(概数)が結核で死亡。前年に比べて411人と大幅に増加していますが、これは「人口動態統計で死因統計に使用する分類を変更した」ことに伴うものです。あわせて、死亡率(人口10万対)は1.8で、前年より0.3ポイント上昇しました。また、年齢階級別に新登録結核患者数を見ると、「80-89歳」が最も多く4822人(新登録者全体に占める割合は28.7%)、次いで「70-79歳」の3187人(同19.0%)、「60-69歳」の2024人(同12.1%)、「90歳以上」の1904人(同11.3%)と高齢者が多くなっています。しかし、「20-29歳」の1231人(同7.3%)も多くなっており、注意喚起がこれまで以上に求められそうです。さらに、薬剤耐性菌の状況を見てみると、新登録肺結核培養陽性結核患者9580人のうち「多剤耐性肺結核患者数」(INH、RFP両剤耐性の者)は52人で、前年より3人増加しています。新登録肺結核培養陽性結核患者に占める多剤耐性結核割合は0.5%で、前年から変化ありません。>

朝日新聞「外国人の結核患者、5年で1.4倍「劣悪環境で拡大も」」(https://www.asahi.com/articles/ASL8R5S42L8RULBJ00N.html?iref=com_apitop)。<以下一部引用>
<国内全体では減少傾向の結核患者が、外国人で急増している。昨年の登録患者は1530人で5年間で1・4倍に。外国人の占める割合は、この20年で2%から9%に拡大した。結核の多いアジア諸国から仕事や留学で来日する人の増加が背景にあるとみられ、専門家は診療体制の整備の重要性を指摘する。厚生労働省が28日、発表した。2017年の国内全体は前年より836人少ない1万6789人。6割が70歳以上だった。一方、外国生まれの患者は前年より192人、12年より461人増えた。20代が半数以上を占める。結核は、結核菌がせきやくしゃみで空気感染し、主に肺で増えて発病する。世界保健機関(WHO)によると、世界の死亡原因のトップ10の一つで、16年は新たに1040万人が発症し、170万人が死亡している。国内の外国人患者は、結核が広がるフィリピンや中国、ベトナム生まれが多い。これらの国から技能実習や留学で日本に入国する人が増えており、結核予防会結核研究所の加藤誠也所長は「発症した状態で入国したり、劣悪な環境で生活する中で発症して感染が広がったりするケースがある」と語る。また、言葉や経済的な問題から適切な医療が受けられていないという課題もある。医療通訳派遣に協力するNGOシェア(東京都)副代表の沢田貴志・港町診療所長は「早期発見できれば、通院しながら治療できる。受け入れる以上、外国人への診療体制の整備も進めていく必要がある」と話す。>

平成29年結核登録者情報調査年報集計結果(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000347468.pdf)では「平成29年に、新たに結核患者として登録された者の数(新登録結核患者数) は16,789人」「各年齢階層別で全体に占める割合は、80~89歳が28.7%」「外国生まれ新登録結核患者数は、前年から192人増加して1,530人となり、新登録結核患者に占める割合は9.1%」「外国生まれ新登録結核患者のうち、入国5年以内の者は、前年の608人から130人増加し738人」「診断が遅れた( 受診から結核の診断までの期間が1か月以上) 患者の割合は、21.7%」「発見が遅れた( 症状発現から結核の診断までの期間が3か月以上) 患者の割合は、21.2%」「平成29年の新登録結核患者のうち、糖尿病合併患者は2,368人で、新登録結核患者の14.1%」「平成29年の新登録結核患者のうち、登録時の年齢が20~59歳であり、登録時の職業が無職臨時日雇等であった者は878人」が注目されたが、特に「外国生まれ新登録結核患者数1,530人のうち、入国5年以内の者738人」であることは認識したい。「結核の常識」(http://www.jata.or.jp/dl/pdf/common_sense/2017.pdf)は常識になっているであろうか。健康危機管理部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=127765)の「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けての感染症のリスク評価について(松井班)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/008.pdf)は確かに注目で、「訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策」(http://www.hospital.or.jp/pdf/00_20180712_02.pdf)p10「【入国前の対策】(すみやかに実施);関係省庁と連携し、海外からの訪日客に対する結核の入国前スクリーニングを導入・実施する。」は注目であるが、結核の潜伏期は非常に長いことを認識したい。輸入感染症対策は「海外での感染症対策」(https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/kaigai.html)だけではない。
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児童虐待 広域的な情報共有と取り組み格差

2018年08月30日 | Weblog
NHK「児童虐待13万件余 過去最多を更新 厚生労働省」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180830/k10011600071000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001)。<以下引用>
<子どもが親などから虐待を受けたとして児童相談所が対応した件数は、昨年度、13万件余りに上り過去最多を更新したことが厚生労働省のまとめでわかりました。厚生労働省は30日開かれた全国の児童相談所の所長会議で児童虐待の対応件数を公表しました。それによりますと、昨年度、18歳未満の子どもが親などの保護者から虐待を受けたとして児童相談所が対応した件数は13万3778件に上り、前の年度より1万1000件余り増え過去最多を更新しました。虐待の内容別では、暴言を吐いたり子どもの目の前で家族に暴力を振るったりする「心理的虐待」が最も多く、7万2197件と半数以上を占めました。次いで、殴るなどの暴行を加える「身体的虐待」が3万3223件、子どもの面倒をみない「ネグレクト」が2万6818件、「性的虐待」が1540件となっています。虐待の対応件数は統計を取り始めた平成2年度以降増え続け、特に「心理的虐待」の一種で、父親が母親に暴力を振るっているところなどを子どもが目撃するいわゆる「面前DV」の増加が目立っています。厚生労働省は「警察から面前DVの情報が提供されるようになったことが件数の増加につながっている。児童相談所だけでなく市町村も含めた体制を強化し、地域が一体となって対応していきたい」と話しています。都道府県別 最多は大阪 都道府県別で昨年度、児童相談所が対応した件数が最も多かったのは大阪で1万8412件、次いで神奈川が1万3928件、東京が1万3707件、埼玉が1万3095件などとなっています。一方、少なかったのは鳥取で76件、次いで島根が203件、佐賀が248件、山形が271件などとなっています。>

宮崎日日新聞「不明の子28人中4人に虐待恐れ 14都県、厚労省調査」(http://www.the-miyanichi.co.jp/news/National/2018083001001492.php)。<以下引用>
<厚生労働省によると、今年6月1日現在で所在不明となっている18歳未満の子どもが14都県に計28人いて、親が就学させていないなどの可能性があり、少なくとも4人は虐待を受けている恐れがある。同省は「自治体に引き続き所在確認を求めるとともに、安全でない状況にいた場合は支援をお願いしたい」としている。所在不明となっているのは男子16人、女子12人。小学校入学前が13人で、小学生4人、中学生6人、中学卒業後は5人。うち9人は出国している可能性があるとの情報がある。都道府県別では、千葉が5人、東京が4人、山梨が3人など。>

NHK「「児童虐待の対策強化を」自民議連が厚労相に要請」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180830/k10011600141000.html?utm_int=news-new_contents_latest_003)。<以下引用>
<児童虐待による痛ましい事件が相次ぐ中、虐待の根絶を目指す自民党の議員連盟のメンバーが加藤厚生労働大臣と会談し、虐待の兆候を見逃さないため、児童相談所に小児科の医師や弁護士を配置するなど対策を抜本的に強化するよう要請しました。児童虐待の根絶を目指す自民党の議員連盟のメンバーらが加藤厚生労働大臣と会談し、予算を拡充し対策を抜本的に強化するよう要請しました。具体的には、児童虐待の兆候を見逃さず関係機関への連絡を速やかに行えるよう、児童相談所に小児科の医師や弁護士などの配置を進めることや、市町村職員らが専門性を高めるための研修の強化など、児童相談所や市町村の体制を充実させるよう求めています。これに対し、加藤大臣は「前向きに検討していきたい」と応じました。議員連盟の会長を務める塩崎前厚生労働大臣は、記者団に対し「虐待が起きてからの対応だけではなく、未然防止も考えなければならない。児童相談所とほかの機関との連携の改革が必要だ」と述べました。>

NHK「児童虐待情報をデータベース化 全国の警察が共有し活用へ」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180830/k10011599291000.html?utm_int=news_contents_news-main_002)。<以下引用>
<深刻な問題となっている児童虐待に迅速に対応できるようにしようと、警察庁は全国の警察で情報を共有できるデータベースを新たに作り、来年度から運用を開始する方針を固めました。警察庁によりますと、去年1年間に虐待を受けた疑いがあるとして全国の警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもは6万5000人余りと、統計を取り始めた平成16年以降最も多くなり、児童虐待は深刻な問題となっています。警察が児童相談所に通告を行った際の情報は、これまでそれぞれの都道府県の警察ごとに管理されてきましたが、引っ越しをした家族の中で虐待が疑われる場合などでは、以前の居住地の警察に照会を行って状況を確認するまで時間がかかるケースがあったということです。このため警察庁は、迅速に対応できるようにしようと全国の警察で情報を共有できるデータベースを新たに作り、来年度から運用を開始する方針を固めました。データベースには、過去に児童虐待が疑われた子どもや家族に関する情報、それに、児童相談所に通告を行った際の状況などが記載されるということです。警察庁は来年度予算案の概算要求に関連費用としておよそ4700万円を盛り込んでいて、こうしたデータベースを積極的に活用することで被害が深刻な事態に陥るのを防いでいきたいとしています。>

「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」(http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_36/pdf/s4-2.pdf)(http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kodomo_kosodate/k_36/pdf/s4-2.pdf)が出ている。資料(https://www.mhlw.go.jp/content/000339275.pdf)p15「市区町村子育て世代包括支援センターの実施状況」、p17「市区町村子ども家庭総合支援拠点の設置状況」が出ているが、一体的な運営が期待されるとともに、資料(https://www.mhlw.go.jp/content/000339275.pdf)p18「市区町村における子育て支援施策及び母子保健施策」について、市区町村ごとの取り組みの「見える化」が必要と感じる。里帰り分娩が多いことや分娩施設がない市町村の存在を考慮すれば、広域的な情報共有が不可欠であろう。ところで、児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212239_00002.html)(https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000336226.pdf)p4「中核市・特別区における児童相談所の設置支援促進;中核市・特別区において、適切な人材確保、都道府県との調整等が円滑に行えるよう、財政面・制度面における国の支援策について、あらゆる機会を通じて周知し、児童相談所の設置に向けた働きかけを行う。」とあった。資料(https://www.mhlw.go.jp/content/000339275.pdf)p11「児童相談所の設置に向けた検討状況(平成30年6月時点)」では、中核市は54市あるが、「横須賀市、金沢市は児童相談所設置済み」、「「設置する方向」(2ヶ所) :明石市、奈良市」「「設置の方向で検討中」(2ヶ所) :船橋市、豊橋市」「「設置の有無を含めて検討中」(19ヶ所) :旭川市、盛岡市、秋田市、郡山市、いわき市、宇都宮市、高崎市、川越市、柏市、豊中市、枚方市、姫路市、和歌山市、呉市、久留米市、長崎市、佐世保市、大分市、鹿児島市」であり、極めて低調といえるかもしれない。「中核市・特別区等における児童相談所設置に必要な支援の実施」と国がいくら予算化しても自治体で取り組まれなければ意味がない。
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保険者の取り組み格差

2018年08月28日 | Weblog
朝日新聞「健康経営法人、目標の500超す 従業員の健康増進図る」(https://www.asahi.com/articles/ASL8S6RXKL8SUTFK01L.html?iref=com_apitop)。<以下一部引用>
<民間主導で医療費抑制や健康寿命の延伸をめざす「日本健康会議」は27日、健康保険組合と連携して従業員の健康増進に取り組む「健康経営」を実施する企業や社団法人などが539になり、目標の500を突破したと発表した。これらの法人は、従業員の食生活や運動に関する助言や、長時間労働の防止などに取り組んでいる。同会議は経済3団体や日本医師会、健康保険組合連合会、協会けんぽなどが参加し、2015年に発足。従業員や市民の健康づくりに関し20年までに達成する八つの目標を掲げている。>

日本健康会議(http://kenkokaigi.jp/)データポータル(http://kenkokaigi-data.jp/)のデータマッピング(http://kenkokaigi-data.jp/datamap/)の地図をクリックすれば、それぞれの都道府県・市町村の取組状況がわかることは常識としたい。随分と取り組み格差がみられている。経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)-概要-」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/0521/shiryo_04-1.pdf)p22~23「医療・介護の1人当たり保険料・保険料率の見通し」が出ていたが、全国一律ではない。今年8月から、「70歳以上医療保険高額療養費の引き上げ」(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000209857.pdf)と「現役並み所得者の介護保険利用負担割合の引き上げ」(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/20180608.pdf)がなされたが、財政制度分科会(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/index.html)の「新たな財政健全化計画等に関する建議」(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia300523/index.html)(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia300523/06.pdf)p106「薬剤自己負担の引き上げ」、p107「受診時定額負担の導入」、p108「ケアプランの利用者負担」、p113「多床室の室料負担」、p123「後期高齢者医療の負担割合」、p124「介護保険の利用者負担割合」など、様々な負担増が検討されている。来年10月には消費税10%も予定され、「財政健全化に向けた取組みについて~長期財政試算を踏まえて~」(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia300514/01.pdf)p7「ベースシナリオ;少なくとも17%までの消費税率引き上げ」・p8「リスクシナリオ;少なくとも22%までの消費税率引き上げ」も示されている。負担増を嘆いてばかりではいけない。全国数値だけではなく、地域のデータに基づく比較議論を積極的にする時代のように感じる。例えば、経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の資料「経済・財政一体改革 (社会保障改革)の取組状況」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2016/1021/shiryo_04.pdf)p1で、後発医薬品の使用割合の目標達成(70%→80%)【▲約4000億円】、医薬品の投与の適正化(重複、多剤投与の是正)【▲約600億円】の平成35年度の効果額が示されているように、薬による医療費適正化が大きい。また、資料「経済・財政一体改革 (社会保障改革)の取組状況」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2016/1021/shiryo_04.pdf)p1で、糖尿病重症化予防(全国的に取組推進+平均以上は差を半減) 【▲約800億円】、特定健診・保健指導実施率(全国目標:各70%、45%)【▲約200億円】の平成35年度の効果額が示されているように、メタボ対策による適正化も重要である。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000015v0b-att/2r98520000015v4o.pdf)p11~15、(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001w361-att/2r9852000001w3ai.pdf)では、それぞれ保健事業による大幅な医療費適正化事例が紹介されているように、保健事業による医療費適正化はけっして夢物語ではない。これからの社会保障は「一人当たり医療費の地域差半減、一人当たり介護費の地域差縮減」にどれだけ取り組めるかにかかっているといえるかもしれない。医療費の地域差については、医療保険データベース(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/database/index.html)では、「医療費の地域差分析」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/database/iryomap/index.html)、「市町村国民健康保険における保険料の地域差分析」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/database/iryomap/hoken.html)が出ているほか、日医総研「医療費の地域差について (都道府県別データ)」(http://www.jmari.med.or.jp/research/research/wr_644.html)(http://www.jmari.med.or.jp/download/WP405.pdf)も参考になる。介護費の地域差については、「地域包括ケア「見える化」システム」(http://mieruka.mhlw.go.jp/)で、地域別の要介護認定率、介護費用額、保険料額が公表されていることは常識である。「全国高齢者医療主管課(部)長及び国民健康保険主管課(部)長並びに後期高齢者医療広域連合事務局長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=252919)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000192093.pdf)p4「保険者努力支援制度」は今年度から本格化する。また、今年度から介護保険の「保険者機能強化推進交付金制度」(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/hoken/kaigo_lib/info/saishin/saishinkako580_625.files/jouhou_622-1.pdf)(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/khf/ki/ki_v622.pdf)もスタートする。保健福祉関係者は、最低限、国保データベース(KDB)システム(https://www.kokuho.or.jp/hoken/kdb.html)と地域包括ケア「見える化」システム(http://mieruka.mhlw.go.jp/)を使いこなせなければならないように感じる。保険者の取り組みの見える化と業績評価とのリンクも全くあり得ない話ではないかもしれない。
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医師確保計画の評価指標に注目

2018年08月28日 | Weblog
医療法改正(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000203213.pdf)に関して、先月、「「医療法及び医師法の一部を改正する法律」の公布について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/16_20180725_01.pdf)、「「医療法及び医師法の一部を改正する法律」の一部施行について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20180725_02.pdf)、「地域医療対策協議会運営指針について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20180725_03.pdf)、「キャリア形成プログラム運用指針について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20180725_04.pdf)が発出されているが、それぞれの都道府県で取り組まれなければ意味がない。まずは、医療部会(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_126719.html)の資料(https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000339988.pdf)p3「医療法及び医師法の一部を改正する法律施行スケジュール」にある「医師確保計画の策定(H31.4.1施行)」にかかる指標策定は今年度中であり、指標の見える化が不可欠と感じる。医師の偏在対策・適正配置には透明性が重要である。平成29年度全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000197363.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000197362.pdf)p40「地域枠の導入状況(都道府県別)」、p41「各医学部の地元出身者(地域枠を含む。)の割合」、p43「(参考) 秋田県地域枠の状況」が出ており、「これまで地域枠で秋田大学医学部に入学した者全員が、卒業後に秋田県内に勤務している。」とあるが、各都道府県ごとに、これまでの年度別の「自治医大・地域枠出身医師の勤務先(診療科、地域)」「派遣ルール」「キャリア形成プログラム」が公表されるべきであろう。医師の養成に積極的に公費が投入されている自治医大・地域枠出身医師に関する情報公開すらできないようではいけない。自治医大出身医師(義務年限内)の派遣は知事権限ではあるが、地元大学、都道府県医師会、病院団体等とスクラムを組んだ都道府県ガバナンスの強化が欠かせないであろう。これからの「医療計画」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)、「地域医療構想」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)、「公的医療機関等2025プラン」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20170804_01.pdf)、「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)の推進は、意外に情報公開とも絡むような気がしないでもない。
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画像診断報告書の確認不足

2018年08月28日 | Weblog
産経新聞「画像診断ミス、ベテラン医師も見落とし 情報過多、経験関係なく 「追いつけぬ目」進むAI開発」(http://www.sankei.com/life/news/180823/lif1808230002-n1.html)。<以下引用>
<画像診断でがんなど病変の見落としが続発している問題で、見落としは医師の経験年数に関係なく発生していることが22日、医療事故情報を収集する日本医療機能評価機構の調べで分かった。背景には、画像診断技術が高度化したことで医師が扱う情報量が著しく増加し、ベテラン医師でも追いつけていない現状がある。人の目に全面的に頼らず、人工知能(AI)による診断開発も進んでおり、厚生労働省は抜本的な再発防止対策に乗り出した。検診年420万人 同機構は、平成27~29年の3年間に発生した32件の画像診断による病変見落としを調査。医師に職種経験年数を聞いたところ(複数人介在を含む)、1~5年=7人▽6~10年=6人▽11~15年=7人▽16~20年=4人▽21~25年=4人▽26~30年=7人と、ほとんど偏りはなかった。32件のうち「撮影目的の部位のみ確認した」が27件で、「医師の目が広範囲に届いていなかった」と指摘する。こうした病変の見落としは近年、相次いでいる。東京都杉並区では40代女性が肺がん検診でがんを見落とされ、6月に死亡した。市区町村が公的資金で行う肺がんの検診は40歳以上が対象で年1回行われる。厚労省によると、肺がん検診は27年度に全国約420万人が受診している。1回で数百枚撮影 「画像診断の検査数が増加し、診断書の中に記載されている情報量が多く、主治医自身がその結果を消化しきれなくなっている」 日本医学放射線学会は7月19日、異例の見解を出した。見落としの要因は画像診断を担う放射線科医と主治医の連携不足などに加え、医療の高度化に伴う情報量の増加もあるというのだ。特に画像診断の検査では息を1回止める間に数百枚以上の撮影が可能となったが、主治医が自分の担当領域を見ることに腐心し、十分な知識のない他の領域に映った病変の発見に及ばない恐れも出ている。東京慈恵医大病院では病変見落としで患者が死亡したケースを踏まえ、診断報告書を主治医が確認し、必要な対応をしたかスタッフが2回、医師に確認する仕組みを導入した。今春からさらに診断報告書を全患者に手渡すことも始めた。ただ、同病院だけで年間約8万5千件の画像診断があり、情報処理には時間がかかる。名古屋大病院の長尾能雅(よしまさ)教授(医療安全)は「技術向上で異常が見つかりやすくなった半面、フォローするシステムが追いついていない」と指摘する。0.004秒判断 理化学研究所と国立がん研究センターの研究グループは7月20日、米ハワイの学会で、AIを使って早期胃がんを発見することに成功したと発表した。理研光量子工学研究センターの横田秀夫チームリーダーによると、早期胃がんは炎症との判別が難しく、画像では専門医でも発見しにくいというが、「熟練医に迫るところまで精度を高めた」。がんの80%を見つけ、かかった時間はわずか0.004秒だった。医療系IT企業「エムスリー」(東京)などは医療機関のニーズが増えているとして、今秋までにAI診断の支援システムの構築を目指している。ただ、将来的にAIが導入されても、AIが指摘したことを患者に伝えるのは医師だ。人為的なミスを見逃さない包括的なシステムが求められている。同機構や厚労省は24年から複数回、病変見落としを注意喚起する文書を発布。それでも続発していることから、厚労省は適切なシステムの構築に向けて今後2年間の研究調査を専門家に依頼している。>

朝日新聞「がん検診で3度見落とし、40代女性が死亡 杉並」(https://www.asahi.com/articles/ASL7K3CGTL7KUTIL00M.html?iref=com_apitop)を受けて、先月、通知「がん検診の適切な実施について」(http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/uploads/2018/08/osirase_iryoukikan_gankensinjisitaisei.pdf)が発出されているが、昨年も同様の通知が出ていることを認識したい。医療部会(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_126719.html)の「画像診断報告書等の確認不足に関する医療安全対策について」(https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000340006.pdf)、「画像診断報告書等の確認不足に関する医療安全対策について(再周知のお願い)」(https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000340014.pdf)が毎年発出されているようではいけない。朝日新聞「乳がんの見落とし、人工知能で防ぐ 大阪市立大が開発」(https://www.asahi.com/articles/ASL4C22S8L4CUBQU003.html?iref=com_apitop)、朝日新聞「大腸ポリープ、AIが自動判別 内視鏡検査の見逃し防げ」(https://www.asahi.com/articles/ASL887TNTL88UBQU020.html?iref=com_apitop)、朝日新聞「心筋梗塞、AIで発見 2万件の検査画像活用、開発へ」(https://www.asahi.com/articles/ASL9M5J9FL9MTIPE01W.html?iref=com_apitop)が出ていたように、画像診断はAIの導入によって飛躍するかもしれない。しかし、日本医学放射線学会「画像診断報告書の確認不足等に関する医療安全対策についての見解」(http://www.radiology.jp/jrs_about/message.html)をみるとシステム上のチェック体制の強化が必要といえるであろう。
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介護施設の安全管理の検証

2018年08月24日 | Weblog
朝日新聞「特養や老健での事故 厚労省、初の全国調査へ」(https://www.asahi.com/articles/ASL8S3CPNL8SUBQU00B.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)で起きる事故の実態を把握するため、厚生労働省は初の全国調査を行う。今年度中に調査結果をまとめ、施設における事故防止対策を検討する。事故を防ぐために必要な体制や職員が身につけるべき知識などを盛り込む方針だ。入居者が転んだり、食べ物以外のものをのみ込んだりした事故が起きた場合、国の運営基準で施設には自治体への報告義務がある。ただ、自治体から国には報告する必要がない。死亡事故も含めた事故件数や内容に関する全国的な統計はないのが実情だ。厚労省の審議会で委員から「介護現場でのリスクマネジメントの状況はどうなっているのか」と問題提起があったが、現状では国として実態把握ができておらず、対策がとれないことから、調査の実施を決めた。調査は9月以降、全国の特養約9700施設(16年時点)から2千施設以上、老健約4200施設(同)は全施設を対象に、事故の内容や自治体への報告状況を尋ねる。また、施設から自治体に報告する内容については運営基準に詳細な規定がないことから、今回の調査では全自治体に対し、施設にどの程度の事故について報告を求めているのかなどを尋ねる方針だ。>

今年1月、官庁通信社「介護施設での事故、全国規模の調査を実施へ 再発防止策を検討 厚労省」(http://www.joint-kaigo.com/article-5/pg137.html)が報道されていたが、その後。どうなっているであろうか。以前「介護保険施設における介護事故の発生状況に関する分析」(http://jssm.umin.jp/report/no30-2/30-2-13.pdf)の論文も出ているが、「医療事故情報収集等事業」(http://www.med-safe.jp/index.html)のような仕組みが期待される。また、三菱総研「特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン」(https://www.mri.co.jp/project_related/hansen/uploadfiles/h24_05c.pdf)、全老健共済会「誤飲・誤嚥を防止するために」「転倒・転落等の事故を防止するために」「入浴時の事故を防止するために」(https://www.roken.co.jp/business/)などが出ているが、医療安全支援センター(http://www.anzen-shien.jp/center/index.html)のような、介護事故防止に関する専用サイト・対応窓口の設置が必要であろう。また、医療機関への立入検査(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20180730_02.pdf)と同様に、「介護医療院」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196478.html)も含めて、介護施設に対する立入検査も重要であろう。そういえば、5年前、総務省「医療安全対策に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000245532.pdf)が出ていたが、介護施設に対しても必要であろう。医療と介護の連携が強調される割には、安全管理の取組格差を感じるのは気のせいであろうか。
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保険外併用療養費制度の推進を

2018年08月24日 | Weblog
メディウォッチ「「非代償性肝硬変へのハーボニー投与」、5種類目の患者申出療養に―患者申出療養評価会議」(https://www.medwatch.jp/?p=22126)。<以下引用>
<非代償性肝硬変疾患の患者に対し、大阪大学医学部附属病院において、適応外薬であるハーボニー配合錠(一般名:レジパスビル アセトン付加物、ソホスブビル)を12週間投与する― 8月23日に開催された「患者申出療養評価会議」(以下、評価会議)で、こうした技術が5種類目の患者申出療養として認められました。保険診療と保険外診療との併用が認められます。進行した非代償性肝硬変治療に、C型肝炎治療薬のハーボニー投与は有効か 患者申出療養は、一昨年(2016年)4月1日からスタートした新たな保険外併用療養制度(保険診療と、未承認の抗がん剤などの保険外診療との併用を認める仕組み)です。「海外で開発された未承認(保険外)の医薬品や医療機器を使用したい」などの患者からの申し出を起点として、安全性・有効性を評価会議で確認した上で、保険診療との併用を可能とするものです。これまでに、次の4種類の患者申出療養が認められています。(1)腹膜播種・進行性胃がん患者への「パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法」(2016年10月14日告示、東京大学医学部附属病院ほか18の協力医療機関で、121名に実施予定)(2)心移植不適応な重症心不全患者への「耳介後部コネクターを用いた植込み型補助人工心臓による療法」(2017年3月3日告示、大阪大学医学部附属病院で6名に実施予定)(3)難治性天疱瘡患者への「リツキシマブ静脈内投与療法」(2017年5月2日告示、慶應義塾大学病院で10名に実施予定)(4)髄芽腫、原始神経外胚葉性腫瘍または非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍患者への「チオテパ静脈内投与、カルボプラチン静脈内投与及びエトポシド静脈内投与並びに自家末梢血幹細胞移植術の併用療法」(2017年5月2日告示、名古屋大学医学部附属病院で5名に実施予定) 今般、5種類目の患者申出療養として、冒頭の「非代償性肝硬変疾患の患者に対するハーボニー投与」が認められました。ハーボニーは、現在、セログループ1(ジェノタイプ1)またはセログループ2(ジェノタイプ2)の▼C型慢性肝炎▼C型代償性肝硬変—治療に適用が認められていますが、さらに進行した「C型非代償性肝硬変」治療には、本剤を保険診療で用いることができません(あえて使用する場合には、全額患者負担の自由診療となる)。現時点では、我が国において「抗ウイルス剤によるC型非代償性肝硬変治療」は承認されておらず(次に述べるように承認申請中)、「対症療法」や「肝移植」を待つよりありません。もっとも、ハーボニーの開発メーカーであるギリアド・サイエンシズ社では、ハーボニーとは異なる「ソホスブビル・ベルパタスビル配合錠」(欧州での販売名はエプクルサ)を、C型非代償性肝硬変治療薬として承認申請中です。このため、「進行した非代償性肝硬変」患者が、新薬(ソホスブビル・ベルパタスビル配合錠)による治療を希望しましたが、残念なことに▼治験はすでに終了し、今後の予定もない▼薬事承認の申請中であり、保険診療の対象とならない▼先進医療としての実施も困難である(薬剤が高額で、多くの患者も見込めない)―という状況でした(つまり、当該新薬による治療は困難)。このため、今般、「適応外薬であるハーボニーを患者申出療養として使用したい」との要望を行ったものです。評価会議の成川衛構成員(北里大学大学院薬学研究科医薬開発学教授)は、「ハーボニーによってC型肝炎ウイルスが激減すれば、肝機能の向上も期待できる」とコメントしています。なお米国では、「ハーボニー+リバビリン」の併用療法が、非代償性肝硬変治療に有効であるとして2016年に承認されていますが、我が国では「リバビリンは重度の肝機能障害のある患者荷は禁忌」とされていることなどを踏まえ、阪大病院では「ハーボニーの単剤投与」を選択しています。保険給付されない「患者申出療養に係る費用」は487万6000円と、非常に高額です(ハーボニー錠は高額であり、保険給付の対象とならないため)(保険給付される費用は35万円)。当該技術の対象患者は「1名」、2人目以降の希望者が現れた場合には、都度、検討 ところで、患者申出療養は、「病魔と闘う患者が、早期に『最新の医療技術』にアクセスできるようにする」仕組みですが、いわゆる混合診療を認めるものではなく、「当該技術の保険収載」を目指し、臨床研究として実施することとされています。そこで、臨床研究中核病院で「実施計画書」を作成する必要がありますが、あまりに厳密な計画書作成を求めれば、患者の当該医療技術へのアクセスが、それだけ遅くなります。非代償性肝硬変は、肝機能が維持できなくなる重度の肝硬変であり、腹腔鏡により「非代償性」と診断された肝硬変の50%生存期間は2.1か月という研究論文もあります。このため、まさに「一刻も早い医療技術へのアクセス」が必要とされ、今般、わずか「1症例」のみ(つまり当該申し出を行った患者のみ)を対象として、患者申出療養が認められることとなりました。1症例の治療成績をもって、当該技術の「有効性」「安全性」を判断することは困難ですが、阪大病院では3年間の追跡を行い、▼重篤な有害事象の発生状況(安全性)▼有害事象発生状況(同)▼早期死亡状況(同)▼治療関連死亡の発生状況(同)▼治療終了後のC型肝炎ウイルス排除率(有効性)▼肝予備能改善効果(同)▼肝発がん抑制効果(同)—などを評価指標として、有効性・安全性を探索する考えであり、「患者へ迅速に最新技術を提供する」ことと「保険収載を目指す」こととのバランスを無視したものとは言えないようです。なお、前述のように非代償性肝硬変治療の新薬が薬事承認待ちの状況であることなども踏まえ、今後、同様に「非代償性肝硬変治療にハーボニーを用いたい」との要望が出てきた場合には、都度、厚労省・企業・評価会議で「どのような手法が最適か」を探っていく(新薬が承認されれば保険診療が可能となるが、そうでない場合には、今般の患者申出療養に組み入れるのか、あるいは未承認薬の提供を依頼するなど別の手法をとるのか、などを検討)ことになります。本技術を患者申出療養として認めることに評価会議で異論は出ませんでしたが、委員からは「企業等に対し、患者申出療養の趣旨や仕組みなどを、これまで以上に周知していく必要があるのではないか」との指摘が多数出ています。未承認・適応外の医療技術を用いた治療を受けるためには、「先進医療」や「治験」「拡大治験」(人道的見地からの治験)などをまず検討し(対象患者の拡大など)、そこに該当しない患者を「患者申出療養」で救済するという順序が決まっています。評価会議の石川広己構成員(日本医師会常任理事)は、医師会内で「まず拡大治験の実施などを企業側に要請するべきではないか」といった意見が出たことを紹介(拡大治験などの対象となれば、患者の費用負担はごくわずかで済み、医療保険財政への影響も微々たるものとなる)。さらに企業側に「医薬品の無償提供協力などを求めてはどうか」といった見解も述べました。しかし、治験の拡大などは企業にとって極めて大きな負担(費用や時間、計画の見直しなど)となるため、「医薬品を無償提供せよ、それをしないのは非協力的だ」と単純に批判することはできません。この点に関連して、福井次矢座長(聖路加国際病院院長)や上村尚人構成員(大分大学医学部臨床薬理学講座教授、当該技術については利益相反の関係で決議には参加せず)は「薬事承認の申請中に、別ルート(例えば患者申出療養など)で有害事象が生じた場合、審査に影響が出る可能性があることなども企業は懸念していると思う。その点についてプロテクトしてあげるような仕組みも必要かもしれない」との考えを述べています。1種類目の患者申出療養、一部施設では実施・追跡調査が終了 また、上記(1)(1種類目)の患者申出療養である「腹膜播種・進行性胃がん患者への「パクリタキセル腹腔内投与及び静脈内投与並びにS-1内服併用療法」については、一部の協力施設(▼大阪警察病院▼斗南病院▼自治医科大学附属病院▼坪井病院▼福井大学医学部附属病院▼愛知県がんセンター中央病院▼北野病院▼九州医療センター▼福島県立医科大学附属病院▼国立国際医療研究センター▼群馬大学医学部附属病院―)で追跡調査を含めた実施が終了し、協力施設の取り下げがなされたことが報告されました(他施設では実施中)。他の協力施設も含めた全121症例での実施・追跡調査が終了した後に、「総括報告」が臨床研究中核病院である東京大学医学部附属病院からなされます。ただし、全症例の終了時期は不明なため、天野慎介構成員(全国がん患者団体連合会理事長)から「中間報告を求めてはどうか」との提案がなされています。なお、天野構成員は、病魔と闘う患者が、より迅速に最新医療技術へアクセスできるよう「患者申出療養の手続き簡素化」も提案しています。この点、5種類の技術の運用状況などを十分に踏まえる必要があり、厚労省保険局医療課の森光敬子課長は「検討する」との答弁にとどめています。>

「患者申出療養評価会議」(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken_348199.html)の「保険外併用療養費制度について」(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000346504.pdf)と「患者申出療養の制度設計」(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000346503.pdf)は地域保健関係者も理解しておきたい。中医協資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000183841.pdf)p114「紹介状なしの大病院受診時に係る選定療養 (200床以上の選定療養取扱い)」は「保険外併用療養費制度」(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000346504.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/heiyou.html)の中では馴染みがあるが、「評価療養(保険導入のための評価を行うもの)」として、「先進医療制度」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/sensiniryo/index.html)を知っておく必要がある。また、「患者申出療養制度」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000114800.html)も「将来的に保険適用につなげるためのデータ、科学的根拠を集積すること」を目的としていることを知っておきたい。報道の「未承認・適応外の医療技術を用いた治療を受けるためには、「先進医療」や「治験」「拡大治験」(人道的見地からの治験)などをまず検討し(対象患者の拡大など)、そこに該当しない患者を「患者申出療養」で救済するという順序」について、資料(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000118805.pdf)をしっかり理解しておきたい。単純な「混合診療の賛成・反対論」はいけない。そういえば、財政制度分科会(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/index.html)の「社会保障について」(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia300411/01.pdf)p54「医薬品の高額化(抗がん剤の例)」、p55「PD-1/PD-L1阻害剤の開発状況」が出ていたが、無制限に公的医療保険で対応できないように感じる。「保険外併用療養費制度」(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000346504.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/heiyou.html)を進めるためには、公的医療保険と民間医療保険のセットが欠かせないであろう。
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介護人材確保

2018年08月24日 | Weblog
朝日新聞「兵庫県立総合衛生学院に介護福祉学科 来春、人材確保へ」(https://www.asahi.com/articles/ASL8S3WMGL8SUBQU00F.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<兵庫県は不足する介護人材を育成しようと、来年4月に県立総合衛生学院に介護福祉学科を新設する。民間の介護福祉士養成校では定員割れが続いているなか、県は年間の授業料を民間の半分以下に抑えるなどして介護現場のリーダーとなる人材を養成し、人材確保を狙う。新学科は2年制で、定員は1学年40人。同学院(神戸市長田区)の分校として、県福祉人材研修センター(同市中央区)に設置する。授業料は月額3万2500円で、年間計39万円。県によると、民間では学費が年100万円程度かかるという。同学院には約半世紀の歴史のある看護学科があり、医療に精通した教員が一部の授業を受け持つ。県社会福祉課の庄宏哉・企画調整参事は「授業料の安さと充実した授業内容が売り。高校などへのPRを続けて入学者を確保したい」と話す。介護の担い手不足は深刻だ。厚生労働省が5月に発表した推計によると、団塊の世代が75歳以上になる2025年度には、全国で約245万人の介護人材が必要になる。しかし、現状の供給ペースでは約33万6千人が不足する。県内では25年度は約10万9千人が必要だが、約2万人が不足する。県は今年度から3年間、毎年6千人の人材確保を目標に設定。高校・大学生らを対象に介護施設での職場体験や、親も参加できる施設見学のバスツアーを開催している。県内では6月末現在、7万人余りの介護福祉士が登録しているが、「報酬の低さなどからかなりの人が介護現場では働いていないとみられる」と県担当者。県は資格を持つ人の現場復帰を後押ししようと、無料の講習会を16年度から開き、17年度までに114人が参加し、38人が現場に復帰した。県が新たな養成に乗り出す一方、県内に11ある介護福祉士を養成する専門学校や大学・短大では、昨年度の入学者数が計192人と、定員(計505人)の4割に満たなかった。全国的にも同じ傾向で、日本介護福祉士養成施設協会によると、専門学校などの昨年度の定員の充足率は45・7%にとどまった。協会によると、介護は仕事がきついというイメージが背景にあるという。介護人材、外国人も 介護人材を海外に求める動きもある。西宮市で特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人「ウエルライフ」は昨年9月、介護福祉士養成学校「篠山学園」(兵庫県篠山市)を開校した。16年に出入国管理及び難民認定法が改正され、介護を学ぶ留学生が介護福祉士の資格を取得すれば、在留資格が得られるようになった。現在、同学園ではベトナムや中国、ネパールなどの20~30代の女性約50人が学び、10月には新たに約40人が入学する予定だ。同学園の担当者は「国内の若者で介護を地方で学ぼうという人は少ない。外国人に門戸を開くには生活の支援など、受け入れる側の準備が大切」と話す。一方、県は今年度、県社会福祉協議会による「ひょうご外国人介護実習支援センター」の立ち上げを支援し、海外の送り出し機関との調整や実習施設のサポートをする予定にしている。>

そういえば、日本医師会「平成30年医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成所調査」(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20180801_2.pdf)p28「看護系大学、看護師・准看護師養成所の入学状況の推移」では、2011年~2017年にかけて、看護系大学+67校、3年課程養成所+42校の一方で、2年課程養成所-40校、准看護師養成所-20校であったように看護師は高学歴化が進み、また、病院での地位・報酬の向上が図られてきている。おそらく、介護福祉士も同様の取り組みが必要であろう。介護プロフェッショナルキャリア段位制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=301107)も注目される。さて、介護福祉士(http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi4.html)の資格取得方法(http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi5.html)で受検資格は4パターンがある。また、経済連携協定(EPA)介護福祉士候補者に配慮した国家試験(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002caut.html)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213380.html)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000025247.html)がなされている。厚労省「第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000207323.html)の「第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数(都道府県別)」(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12004000-Shakaiengokyoku-Shakai-Fukushikibanka/0000207322.pdf)をみればどの都道府県も需要が供給を大きく上回っているが、WAM「平成 29 年度「介護人材」に関するアンケート調査の結果について 」(http://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/180727_no.3.pdf)は自治体レベルでの実態把握が必要であろう。「保険者機能強化推進交付金」(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/hoken/kaigo_lib/info/saishin/saishinkako580_625.files/jouhou_622-1.pdf)(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/khf/ki/ki_v622.pdf)の都道府県評価指標がやはり注目され、地域包括ケア「見える化」システム(http://mieruka.mhlw.go.jp/)で、都道府県の介護人材確保策の「見える化」が期待される。厚労省から、通知「「介護員養成研修の取扱細則について(介護職員初任者研修関係)の一部改正について」(http://www.pref.kumamoto.jp/kiji_23189.html?type=new&pg=1&nw_id=1)、通知「介護に関する入門的研修の実施について」(http://www.roken.or.jp/wp/archives/14257)が発出されており、介護に関する入門的研修や生活援助従事者研修がそれぞれの自治体でどうなっているか、情報公開を徹底すべきと感じる。例えば、「平成30年度地域医療介護総合確保基金(介護分)の内示(1回目)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000175407_00001.html)の介護従事者確保分(https://www.mhlw.go.jp/content/12304250/000339694.pdf)の具体的内容は知られているであろうか。
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オプジーボ薬価見直し

2018年08月23日 | Weblog
朝日新聞「がん治療薬オプジーボ、4割値下げ 薬価の新ルール適用」(https://www.asahi.com/articles/ASL8R2442L8RUBQU001.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<厚生労働省は22日、がん治療薬「オプジーボ」の薬価を約4割値下げすることを決めた。医療費の伸びの抑制を狙って今年度から導入した薬価見直しの新ルールを初めて適用した。薬価は通常2年に一度見直されるが、今年度から効能の追加や使い方に変更があった場合は年4回見直せる新ルールが加わった。今回は、治療に必要とされるオプジーボの投与量が増えたことに伴うもの。現在の100ミリグラムあたり約28万円が、11月から約17万円になる。この日あった中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で報告された。オプジーボは2015年に肺がん治療で公的保険適用になり販売額が急増。政府は保険財政への影響を抑えるため、これまでにも特例などでオプジーボの薬価を下げてきた経緯がある。>

中医協総会(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo_128154.html)の「用法用量変化再算定品目について」(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000345683.pdf)では「○ 平成30年度の薬価制度の抜本改革において、効能追加等がなされた医薬品について、一定規模以上の市場拡大のあった場合、新薬収載の機会(年4回)を最大限活用して、薬価を見直すこととされた。あわせて、用法用量変化再算定についても、新薬収載の機会(年4回)を活用することとされた。○ 今般、オプジーボ点滴静注について、主たる効能・効果である「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対して、平成30年8月21日に用法・用量に係る承認事項一部変更承認がされたので、用法用量変化再算定を適用し、新薬収載の機会を活用して薬価を見直すこととする。」とある。財政制度分科会(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/index.html)の「社会保障について」(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia300411/01.pdf)p54「医薬品の高額化(抗がん剤の例)」、p55「PD-1/PD-L1阻害剤の開発状況」が出ているが、革新的な高額医薬品の登場が続くのは間違いない。IQVIA(https://www.ims-japan.co.jp/japanese/)から2017年の医薬品市場統計が出ており、薬効別には、抗腫瘍剤が第一位である。がんの年齢階級別罹患率を考慮すれば、団塊世代の高齢化に伴い、がん患者の急増が予想されるであろう。PRESIDENT「「留学ビザ」で日本の医療費を食う中国人 「抜け道」を作った日本が悪いのか」(http://president.jp/articles/-/25207)では「オプジーボは、点滴静脈注射100mgで28万円、患者の状態にもよるが1年間でおよそ1300万円かかる」とされる。今回、オプジーボの薬価が引き下げられたが、オプジーボ(https://www.opdivo.jp/)は肺がんだけではない。さらに「オプジーボの保険適用範囲は?」(http://kenkotai.online/?p=235)では「肝細胞がん;2019年6月に第Ⅲ相試験(フェーズⅢ)終了予定」とあることも認識したい。超高齢者への公的医療保険は無制限に拡充されるのであろうか。また、プレジデントオンライン「「留学ビザ」で日本の医療費を食う中国人」(http://president.jp/articles/-/25207)では、「医療ツーリズムは日本の病院の「下見」」(https://president.jp/articles/-/25207?page=2)、「「特定活動ビザ」などを利用して日本に呼び寄せる」「保険制度に抜け道を作ってしまった日本が悪い」(https://president.jp/articles/-/25207?page=3)は日本国民として気になるところである。国民健康保険ガイド「外国人も国民健康保険に加入しないといけない場合とその要件」(http://www.kokuho.info/334)の「在留資格が興行・技能実習・家族滞在・特定活動の場合で在留期間が3か月以下で住民登録がない外国人でも、日本での滞在期間が3か月を超えることを証明する書類がある外国人の場合は、国民健康保険に加入できます。」について、欧米各国の対応も参考に、厳格化した方が良いと感じる方が少なくないかもしれない。健康・医療戦略推進本部(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/index.html)の医療国際展開タスクフォース(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/kokusaitenkai/kaisai.html)の「訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策」(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/kokusaitenkai/pdf/h300614gaikoku_hontai.pdf)の工程表(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/kokusaitenkai/pdf/h300614gaikoku_koutei.pdf)では、今年度「不払い等経歴を持つ外国人観光客の情報の法務省へ通報体制の検討」、来年度「過去に医療費の不払い等の経歴のある外国人観光客への厳格な審査の試行的実施」、再来年度以降「過去に医療費の不払い等の経歴のある外国人観光客への厳格な審査の実施」とあるが、早められないのであろうか。
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インフルエンザ治療薬

2018年08月23日 | Weblog
メディウォッチ「インフルエンザ治療薬、異常行動に十分注意した処方を!タミフルは未成年者に解禁―厚労省」(https://www.medwatch.jp/?p=22105)。<以下引用>
<インフルエンザウイルス感染症治療薬については、因果関係は明らかでないが、種類に関わらず「小児・未成年者では異常行動が生じる可能性がある」点に留意し、患者家族に「転落等の防止」措置を講じることなどを十分に説明した上で処方することが求められる。これまで未成年者には原則として処方を控えることとしていたタミフル(オセルタミビルリン酸塩)についても、こうした留意点を踏まえて未成年者に処方することを認める(警告を削除)—。厚生労働省は8月21日に、こうした内容を盛り込んだ通知「抗インフルエンザウイルス薬の『使用上の注意』の改訂について」を発出。医療現場においては、リスクを十分に踏まえた処方を行うとともに、患児の家族に適切に情報提供を行うことが求められます。今般、使用上の注意が改訂されたのは次の6成分です。(1)アマンタジン塩酸塩」(販売名:アテネジン錠、シンメトレル錠、ほか後発品多数)[A型インフルエンザ感染症治療のほか、パーキンソン症候群の治療、脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善にも用いる](2)オセルタミビルリン酸塩(販売名:タミフルカプセル、タミフルドライシロップほか、後発品のオセルタミビル)[A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の治療、およびその予防に用いる](3)ザナミビル水和物(販売名:リレンザ)ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(販売名:イナビル吸入粉末剤)[A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の治療、およびその予防に用いる](4)バロキサビル マルボキシル(販売名:ゾフルーザ)[A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の治療に用いる](5)ファビピラビル(販売名:アビガン錠)[他の抗インフルエンザウイルス薬が無効・効果不十分な新型または再興型インフルエンザウイルス感染症の治療に用いる](6)ペラミビル水和物(販売名:ラピアクタ点滴静注液)[A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の治療に用いる] これらインフルエンザウイルス感染症治療薬については、とくに小児・未成年男性で「因果関係は不明であるものの、異常行動が報告されている」ことを踏まえ、【使用上の注意】の[重要な基本的注意]の項(アマンタジン塩酸塩では「『A型インフルエンザウイルス感染症』に本剤を用いる場合」の記載について、次のような内容に改められます。
▼抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無・種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている▼異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、(1)異常行動発現のおそれがある(2)自宅で療養する行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じる―ことについて患者・家族に説明する▼転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、「就学以降の小児・未成年者の男性」で報告が多く、「発熱から2日間以内の発現」が多い また新たな[重大な副作用]として、「異常行動」を追記し、「因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)が現れることがある」旨を注意喚起しています。このうち(2)のオセルタミビルリン酸塩(タミフル等)では、これまで「警告」として「10歳以上の未成年患者で、因果関係は不明であるが、異常行動を発現し、転落等の事故に至った例があるため、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除き『原則として本剤の使用を差し控える』」旨が記載されていますが、今般、削除されており、当該患者においても、上記の注意事項等に十分留意した上でタミフルを処方することが可能となります。なお、医療現場におかれては、患者の家族等に対し、事故防止のため、発熱から少なくとも2日間は、就寝中を含めて患者が容易に住居外へ飛び出さないよう、次のような対策をとるよう適切に説明することが求められます。▼玄関や全ての部屋の窓を確実に施錠する(内鍵、チェーンロック、補助鍵がある場合は、その活用を含む)▼ベランダに面していない部屋で寝かせる▼窓に格子のある部屋がある場合は、その部屋で寝かせる▼一戸建ての場合は、できる限り1階で寝かせる>

医薬品等安全対策部会安全対策調査会(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-yakuji_127869.html)で協議され、通知「抗インフルエンザウイルス薬の「使用上の注意」の改訂について」(https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T180822I0010.pdf)が発出されている。なお、中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の「ゾフルーザ錠1(バロキサビルマルボキシル);抗ウイルス剤(A型又はB型インフルエンザウイルス感染症用薬)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000196671.pdf)では「非臨床試験において、既存薬耐性ウイルスやA/H5N1、H7N9亜型等の鳥インフルエンザウイルスに対する効果が確認された」とあり、新型インフルエンザ(http://www.cas.go.jp/jp/influenza/index.html)の局面でも期待されるかもしれない。ゾフルーザ錠(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000196671.pdf)(https://for-guests.com/xofluza/)の「単回経口投与」「12歳未満の小児もOK」は魅力的に感じる。そういえば、新型インフルエンザ対策に関する小委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=263447)の「住民接種に係る接種要領作成における今後の論点について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000199162.pdf)p6「手引き(暫定版)を見直し、平成30年度中に住民接種実施要領を作成」とあり、それぞれの自治体において、新型インフルエンザの住民接種(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/jumin-sesshu.html)の具体的なシミュレーションが期待されるが、やはりネックになるのはワクチンの供給見込みであろう。「プレパンデミックワクチンの今後の備蓄方針等について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000208084.pdf)p1「1,000万人分備蓄するプレパンデミックワクチンとして、近年の鳥インフルエンザ発生の状況等から、検討時点において「危機管理上の重要性」が高いH7N9 株(A/Guangdong/17SF003/2016(IDCDC-RG56N))としてはどうか。」「平成30年度末をもって、一般財団法人化学及血清療法研究所、北里第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社において細胞培養事業の製造体制が整備される見込みであり、3社の合計として、ワクチン株の決定から6ヶ月以内に、全国民分のワクチンを製造する計画となっている。」とある。季節性インフルエンザワクチンの製造株について検討する小委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=545793)の「2017/18シーズン向けインフルエンザワクチンに関する経緯について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000203184.pdf)p8「2017/18シーズンにおける累積供給量実績/医療機関累積納入量実績」は約2643万本であるが、当初は前年に比べて供給が滞っていたように、季節性インフルエンザワクチンの製造でさえも予定どおりいかないことは認識しておきたい。やはり、インフルエンザ対策は、ワクチンと治療薬のセットで考えたいところである。
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