保健福祉の現場から

感じるままに

各種行政計画におけるがん対策

2016年12月28日 | Weblog
メディウォッチ「新がん対策の全体目標、新たに「がんになる国民を減らす」との柱を加えてはどうか―がん対策推進協議会」(http://www.medwatch.jp/?p=11798)。<以下引用>
<2017年度からの第3期がん対策推進基本計画においては、全体目標として現在の(1)がんによる死亡者の減少(2)すべてのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上(3)がんになっても安心して暮らせる社会の構築―という3本柱を改善した上で、新たに「がんになる国民を減らす」という柱を加えてはどうか―。21日に開かれたがん対策推進協議会に、厚生労働省はこういった考えを提示しました。委員からは、これに賛同する意見のほか、「数値目標は個別項目に落と込み、全体目標はスローガン的なものにすべきではないか」「小児がん、希少がん、難治性がん対策を新たな柱に加えるべきではないか」といった意見も出ており、引き続き検討していくことになっています。第3期計画の全体目標、改正がん対策基本法の理念をもとに設定してはどうか 我が国のがん対策は、概ね5年を1期とする「がん対策推進基本計画」をベースに進められており(現在は第2期計画)、協議会では2017-21年度を対象とする「第3期計画」の策定に向けた議論が行われています。21日の会合では「第3期計画における全体目標をどう設定するべきか」というテーマで議論が行われました。現在の第2期計画では、(1)がんによる死亡者の減少(2)すべてのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上(3)がんになっても安心して暮らせる社会の構築―という3本柱で全体目標が構成されています。厚労省は、第3期計画においては、この3本柱を改善した上で、新たに「がんになる国民を減らす」という柱を加えてはどうかと提案しています。厚労省提案(改善と新たな柱の追加)は、計画の根本理念となる「がん対策基本法」について▼がん患者が、その状況に応じ、適切ながん医療のみならず、福祉的支援、教育的支援その他の必要な支援を受けることができるようにし、がん患者に関する国民の理解が深められ、がん患者が円滑な社会生活を営むことができる社会環境の整備を図る ▼それぞれのがんの特性に配慮したものとする ▼保健、福祉、雇用、教育その他の関連施策との有機的な連携に配慮しつつ、総合的に実施する ▼がん予防の推進や健診の質向上を図る ▼専門的な知識・技能を有する医療従事者の育成を図る ▼医療機関の整備を進める ▼研究を推進する―などといった点を追加した、議員立法による改正内容を踏まえたものです。ところで(1)の死亡者の減少について第2期計画では「75歳未満年齢調整死亡率の20%減少」という数値目標が掲げられ、これは「2005年の死亡率は92.4から、2015年に73.9まで減少させる」ことを意味します。しかし、国立がん研究センターの調査によれば、2015年の死亡率(実測値)は78.0となり、減少率は15.6%にとどまることが明確になりました(従前の推計値にも届かず)。この点について、片野田耕太参考人(国立がん研究センターがん対策情報センターがん登録センター室長)は、今後10年間の死亡率減少幅について▼現状の対策を延長した場合には15.6%減少する ▼たばこ対策の強化(2020年に男女計の喫煙率を12%まで抑える)でさらに1.7%減少する ▼がん検診の強化(受診率を男女とも50%に引き上げ、精検受診率を90%に引き上げる)でさらに3.9%減少する―という研究結果を報告。これを積算すると、今後10年間で最大21.2%の死亡率減少が期待できますが、片野田参考人は「推計には過大評価もあるので、現行の『死亡率20%減少』を維持することが妥当なのではないか」とコメントしています。委員からは「小児がん・希少がん対策」を全体目標の柱に据えてほしいとの要望も この厚労省案に対し、委員から明確な反対意見こそ出ませんでしたが、いくつかの注文が付き、引き続き検討していくことになりました。がん患者・家族でもある桜井なおみ委員(CSRプロジェクト代表理事)や若尾直子委員(がんフォーラム山梨理事長)、馬上祐子委員(小児脳腫瘍の会代表)は、「全体目標の新たな柱に、希少がん・小児がん・難治性がん対策を据えるべき」と強調しています。21日の会合に出席した塩崎恭久厚生労働大臣も「希少がん・小児がん・難治性がん対策」の重要性に言及しています。この点、婦人科系疾患の予防啓発やかかりつけ医の推進を行っている難波美智代委員(シンクパール代表理事)も、「全体目標に数値を入れると、小児がん・希少がん対策などの重要な施策が抜け落ちる可能性もある。カナダのようなスローガン的なものとすべきではないか」と提案しています。片野田参考人によれば「世界的に数値目標を全体目標から削除する傾向にある。その代わり、個別目標で数値目標を入れ、進捗状況をリアルタイムで評価し、課題があれば介入していく」という状況にあり、カナダの連邦政府は、がん対策の全体目標について▼がんになる国民を減らす ▼がんで亡くなる国民を減らす ▼がんに関わる国民がよりよい生活の質を享受する―といった目標を掲げるに止めています。個別目標の達成がより重要であり、そこに力点を置くべきとの考えが伺えます。また、我が国のがん医療の権威の1人である山口建委員(静岡県立静岡がんセンター総長)は、「75歳未満の年齢調整死亡率を全体目標とすると、高齢がん患者対策や難治がん・小児がん・希少がん対策が後手に回ってしまう可能性がある」旨を指摘し、この目標設定は見直すべきと強調しました。山口委員は、このほかにも▼未成年者の喫煙防止を目標に加える ▼学会や日本対がん協会などからの意見聴取を行う―よう求めています。緩和ケアの質を測る「指標」の研究も今後重要に 21日の会合では「緩和ケアの推進」と「がん患者の自殺防止」なども議題に上がりました。前者の緩和ケアについては、第2期計画でも重視され、第3期計画でも重要テーマの1つとなる見込みです。下部組織である「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」では同日に、▼緩和ケアの質を評価するための指標や基準を確立する ▼専門的な人材の適正配置及び緩和ケアチームを育成する ▼施設全体の緩和ケアの院内基盤として緩和ケアセンターの機能を強化する▼拠点病院は、拠点病院以外の病院を対象として、緩和ケア研修会の受講状況の把握とともに積極的な受講勧奨を行う▼国民に対する医療用麻薬の適切な啓発、がん診療に携わる医療従事者に対する適正使用の普及を図るための研修を実施する―といった方向性がまとめられました。検討会の福井次矢座長(聖路加国際大学学長、聖路加国際病院院長)は、「緩和ケアの質を評価する指標が明確でない。難しいが、患者・家族の主観面、アウトカムなどを図れるような指標の検討が必要である」とのコメントも寄せています。協議会では「がん患者以外の緩和ケアも合わせて考えていく必要がある。基礎教育に緩和ケアを盛り込むべき」(門田守人会長:堺市立病院機構理事長)、「すべての医学部に緩和ケア講座・教室を設けなければ緩和ケア体制は5年後、10年後も変わらない」(細川豊史委員:京都府立医科大学疼痛・緩和医療学講座教授)といった指摘も出ています。また後者の「自殺防止」については、内富庸介参考人(国立癌研究センター中央病院精神腫瘍科支持療法開発センター長)から、「がんと診断されてから1年以内の自殺が多い」ことが報告されました。がんは我が国の死亡原因トップを独走しており、一般国民にとって「がん」告知は極めてショッキングな出来事です。このため「がん=死」と考え、強いストレスから自殺に向かう人も決して少なくないのです。このため内富参考人は、▼最初に接する医療者に対するコミュニケーション・スキル・トレーニングを行う ▼チームによる相談支援体制を充実させる ▼長期的視点に立った(乳がんサバイバーでは慢性的ストレスによる自殺も少なくない)ケアプランを導入する―といった対策をとるべきと提言しています。この点、山口委員は「医療スタッフ全員が落ち込んでいる患者に声をかけるような病院の文化を醸成し、早期発見・早期介入をすることで相当程度、自殺は防げる」ことを強調。また、やはり我が国のがん医療の権威の1人である中釜斉委員(国立がん研究センター理事長)は「一度に告知するのではなく、なるべく時間かけて順を追って告知するような配慮が必要である。また、がんサバイバーが元気な姿を見せるなどし、正しいイメージの醸成も必要である」とコメント。さらに、がんサバイバーである若尾委員は自身の経験をもとに「医師との信頼関係の重要性」を指摘しています。>
 
改正がん対策基本計画(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T161222H0010.pdf)(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T161222H0020.pdf)(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T161222H0030.pdf)は大きい。がん対策推進協議会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-gan.html?tid=128235)の改正がん対策基本法の概要(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000146884.pdf)はわかりやすい。第10条、第12条「がん対策推進基本計画・都道府県がん対策推進計画の見直し期間を「少なくとも6年ごと」(現行は5年)に改正」とあるが、平成30年度からの第7次医療計画(6年)、第3期医療費適正化計画(6年)、第7期介護保険事業(支援)計画(3年)、第5期障害福祉計画(3年)、第1期障害児福祉計画(3年)の各種計画と整合されないであろうか。「医療計画の見直し」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)でもがん対策は大きなテーマである。「医療費適正化」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000138072.pdf)の保険者インセンティブ(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000121285.pdf)の「【指標②】特定健診・特定保健指導に加えて他の健診の実施や健診結果等に基づく受診勧奨等の取組の実施状況」にはがん検診が含まれている。介護保険の特定疾病(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html)には、末期がんも含まれており、がん対策推進計画(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000131547.pdf)は、医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)のがん、在宅医療のほか、介護保険事業(支援)計画との一体的な推進が欠かせない。厚労省「がんと診断された時からの緩和ケア」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/pdf/kanwakea.pdf)も拠点病院限定ではなく、「PDCAサイクルを推進するための指標」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000127305.pdf)では、「がん対策進捗管理指標「緩和ケア分野」」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000085024.pdf)をもっと重視すべきと感じる。「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=355813)の資料もみておきたい。そして、子どもの難病(http://www.shouman.jp/)(http://www.shouman.jp/pdf/contents/disease_list.pdf)には悪性新生物群があり、障害児福祉計画においても打ち出されるべきである。健康増進計画(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_01.pdf)においてもがん対策も柱の一つであり、セットで進めるべきであろう。
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公立病院改革と地域医療構想

2016年12月28日 | Weblog
日経メディカル「経営効率化、地域再編への圧力高まる公立病院」(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/inoue/201612/549480.html)。<以下引用>
<各地で医療提供体制の見直しが進む中、焦点の1つとなっているのが公立病院の経営改革や地域再編の行方です。今年9月21日、総務省が「新公立病院改革プランの策定状況」という資料を公表しました。今年3月31日時点で「新公立病院改革プラン」を策定済みの病院は76施設(全体の8.8%)、「2016年度に策定予定」の病院は769施設(88.7%)とのことで、今年度中に大半の公立病院が改革プランを策定し、実施に向けて動く必要に迫られています。再編・ネットワーク化の計画作りが進む 地方では公立病院が果たす役割が大きく、交付金や補助金を繰り入れ、何とか経営を成り立たせてきたというのが実情です。しかし、医療提供体制の効率化が進む中、公立病院だけが「聖域」というわけにはいきません。総務省は2015年3月に「新公立病院改革ガイドライン」を策定。これに基づき、新公立病院改革プランが作られ、各病院において経営の効率化や院内の病棟再編、地域単位での再編・ネットワーク化などに向けた計画作りが進むことになりました。改革の実効性を上げるための国レベルでの取り組みも始まっています。総務省は今年9月に「地域医療の確保と公立病院改革の推進に関する調査研究会」を創設。最終報告書の取りまとめは2017年9月に予定されており、2018年4月の診療報酬改定までに、公立病院の改革を推し進めるための政策が打ち出されることになりそうです。この検討会で論点案として示されているのが、「医療圏域内での公立病院の役割明確化」「持続可能性のある病院経営の検討」といった項目です。持続可能性に関しては、補助金によって支えられている公的病院の運営改革をいかに支援し、持続させるかが焦点になるでしょう。地方自治体の財政悪化の問題もあり、特に入院医療に関して、より効率的な病床運用を求めるような政策が講じられるものと思われます。注目されるのは、これらの改革が、各都道府県が定める「地域医療構想」と連動して進められるということです。こちらについては、厚生労働省医政局が最新のデータを報告しています。それによると、今年8月30日までに策定済みが20都道府県(43%)、残りの27都道府県については「2016年度半ばの策定予定」が13、「2016年度中の策定予定」が14と、今年度中に全ての都道府県が地域医療構想をまとめる見通しです。地域医療構想では、2025年時点における各二次医療圏の医療の需給バランスを検証し、地域ごとの役割分担と連携に向け合意形成を図ることになります。公立病院に関しては、その地域で過剰とされた医療機能に転換しようとした場合に都道府県知事が病床転換の中止命令を出したり、正当な理由なく病床が稼働していない場合に病床削減の命令を出すことも可能です。今後、地域によっては、病床の再編や削減に関する圧力が強まることも十分考えられます。医療職の働き方にも影響 地域単位での病院の再編に関しては、「地域医療連携推進法人」制度の動向も見逃せません。地域医療連携推進法人とは、異なる法人立の病院や介護施設を一体的に運営する法人のことで、医療法改正により創設された制度です。地域医療構想の実現に向け、病院の機能分化・連携を進める狙いがあり、地域医療連携推進法人の傘下の法人がそれぞれの特色を生かして機能分担を図ることが期待されています。これは公立病院も無縁ではなく、例えば山形県では山形県・酒田市病院機構や医療法人などが設立準備に動いており、他にも幾つかの地域で具体的な動きが出ています。地域の病院が再編されると、住民の受療行動だけではなく、医療職の働き方にも大きな影響が出る可能性があります。都道府県のウェブサイトに掲載されている地域医療構想などを注視していると、自分自身の勤務地における将来の姿がある程度見えてくると思います。>
 
医療法に基づく病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)では、一般病床・療養病床を有する医療機関それぞれの「許可病床数・稼動病床数」が報告され、また、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)では、医療機関の病床種別の許可病床及び前年度1日平均患者数が出ており、各医療機関の病床利用率がわかり、病床稼働率が高くても病床利用率が低い医療機関が少なくない状況にある(特に一般病床)。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)と並行する「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)は今年度までの策定である。総務省「公営企業の経営戦略及び新公立病院改革プランの策定状況」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000439913.pdf)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000149.html)で、都道府県別の策定状況(http://www.soumu.go.jp/main_content/000439915.pdf)も出ていたが、「新公立病院改革プラン」http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)が具体的に進まないのに、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)は進まない。経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の厚労相資料「経済・財政一体改革 (社会保障改革)の取組状況」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2016/1021/shiryo_04.pdf)p2「「地域医療構想」の策定状況と取組状況;公的病院が中心的役割を担い、地域医療構想において個々の病院の再編の記載がある場合は、記載内容に基づき協議を開始(青森県、岐阜県など)Ø地域医療構想において個々の病院の再編の記載が無い場合は、今後、次のステップで、各都道府県での協議を促進 ①救急医療や小児、周産期医療等の政策医療を担う中心的な医療機関の役割の明確化を図る ②その他の医療機関について、中心的な医療機関が担わない機能や、中心的な医療機関との連携等を踏まえた役割の明確化を図る」とあった。総務省通知(http://www.soumu.go.jp/main_content/000350493.pdf)p8では、「過去3年間連続して病床利用率が70%未満」である病院に対して、抜本的な検討が要請されている。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000135118.pdf)p13「地域医療構想の実現に向けた都道府県知事の権限一覧」にあるように、公的医療機関に対しては法的に命令・指示(公的以外は要請)であることから、まずは公的病院の「稼働していない病床」の検討を先行すべきであろう。それは施設の有効活用であり、地域医療介護総合確保基金(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000068065.html)を優先的に手当てすべきと感じる。もはや、どの病院も医師・看護師を確保して病床利用率を上げる時代ではない。それは「地域住民にもっと病気になってくれ」と要請することにもつながりかねない面もあることは認識したい。総務省「地域医療の確保と公立病院改革の推進に関する調査研究会」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/chiikiiryou_kakuho/index.html)の資料もみておきたい。
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子宮頸がんワクチンと規制改革

2016年12月28日 | Weblog
毎日新聞「子宮頸がんワクチン 研究班、追加分析へ 非接種で症状、年齢別など」(http://mainichi.jp/articles/20161227/ddm/012/040/089000c)。<以下引用>
<子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に運動障害などが生じた問題で、厚生労働省研究班(代表・祖父江友孝大阪大教授)は26日、厚労省の有識者検討部会で、接種していない人にも副作用とされる症状と同様の症状が出ているとする全国調査の結果を報告した。委員から「さらに詳細なデータが必要」と意見が出され、症状が出るまでの期間や、年齢による症状の傾向について研究班が追加で分析することになった。接種の呼びかけ再開に関しては、部会長の桃井真里子国際医療福祉大副学長が会合後の取材に「現段階で、どういう方向とは申し上げられない。病態と頻度について、ある程度の確からしさを持って説明できる状態が必要だと思う」と述べ、追加の解析を踏まえて検討する方針を示した。厚労省は2013年4月からワクチンを公費負担による定期接種としたが、副作用報告が相次いだため、同年6月に接種の呼びかけを中止している。調査は、全国の約1万8000の診療科を対象に、昨年7~12月に受診した12~18歳の患者のうち、感覚や運動の障害などが続き、通学などに支障があった患者について聞いた。症状があった365人を分析すると、接種者で症状があった人は人口10万人当たり27・8人、非接種者で症状のある人は同20・4人だった。研究班は、接種した人の方が症状を訴えやすい傾向があるとして、接種の有無と症状の関係は「比較できない」と説明した。ワクチン接種で健康被害が生じたとして国と製薬会社に損害賠償を求めている薬害訴訟の被害者弁護団は東京都内で記者会見し、「明らかに恣意(しい)的なまとめで、結論に問題がある。調査結果を接種勧奨再開の議論の基礎として使うことは科学的ではなく、断固反対だ」と批判した。次女が被害を受けたとして提訴している埼玉県の酒井秀郎さん(58)は「実態を全く反映していない調査結果だと感じた。憤りを感じている」と話した。>
 
予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=284075)の「全国疫学調査(子宮頸がんワクチンの有効性と安全性の評価に関する疫学研究)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000147016.pdf)について報道されているが、薬害オンブズパースン会議「子宮頸がんワクチンに関する本当のQ&A」(http://www.yakugai.gr.jp/cc_vaccine_qa/)では「ワクチンの評価に関与している専門家とワクチンメーカーとの関係」が指摘されているのが少々気になる。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000137719.html)に出ているように様々なワクチンで副反応が報告されていることは認識したい。さて、子宮頸がんワクチン議論で非常に不思議に感じるのは、子宮頸がん検診についてあまり触れられないことである。「がん検診のあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128563)の資料「全国健康保険協会におけるがん検診について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000127256.pdf)p8「がん検診の受診率(被保険者)」では、26年度の子宮頸がん検診16.0%に留まっている。がん検診は労働安全衛生法に義務付けられていないため、実施されていない事業所が多い。この際、勤務世代での罹患率が高い、子宮頸がんについて、女性勤務者のがん検診を優先的に推進できないものであろうか。例えば、子宮頸がん検診に従事する産婦人科医の負担を少しでも軽減するために、特定行為に係る看護師の研修制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077077.html)を踏まえて、看護職が子宮頸がん検診(検体採取)にも従事できるようにすべきと感じる。以前の看護業務実態調査結果概要(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000sk2r-att/2r9852000000sk5k.pdf)では、子宮頸がん検診(検体採取)について、医師回答では「看護師が実施可能」の割合が高い結果が出され、平成23年9月29日の子宮頸がん検診セミナーで、「専門看護師による細胞採取の実施」が提案(保健衛生ニュース平成23年10月24日号)されていたことについて、行政施策として前向きに考慮すべきであろう。女性による検体採取が普及し、かつ、がん検診単価も引下げられる可能性が高い。全国各地で不足しているといわれる産婦人科医の負担も軽減できるではないか。政府の規制改革(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/)では議論されないのであろうか。
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警戒したい高病原性鳥インフルエンザのヒト感染

2016年12月28日 | Weblog
NHK「新潟県 鳥インフル予防徹底へ」(http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20161228/5629341.html)。<以下引用>
<新潟県内の2つの養鶏場で鳥インフルエンザウイルスが検出されてから1か月がたった28日、新潟県は、養鶏場周辺に出していたニワトリなどの出荷禁止の措置をすべて解除しました。米山知事は、野生動物の鶏舎への侵入防止など、感染予防を徹底する考えを示しました。新潟県では、先月、関川村と上越市の2つの養鶏場で鳥インフルエンザウイルスが検出され、県は、これらの養鶏場のニワトリ合わせて55万羽を処分しました。その後の詳しい検査で新たな感染が確認されなかったため、最初の検出から1か月がたった28日午前0時、県は、養鶏場周辺の半径3キロの範囲に出していたニワトリや卵の出荷禁止の措置をすべて解除しました。一方、農林水産省は、2つの養鶏場では、金網などの破損箇所から進入した小動物によってウイルスが持ち込まれた可能性があるとしています。米山知事は28日朝、NHKの取材に対し「ひと安心、ほっとした気持ちだ。現在、県内のすべての養鶏業者を対象に、鶏舎への野生動物の侵入対策が適切に行われているかを確認しているが、問題のあるところにはしっかり改善を指導し、次の発生がないよう感染予防を徹底したい」と述べました。>
 
警戒されている中で、熊本県(http://www.pref.kumamoto.jp/hpkiji/pub/List.aspx?c_id=3&class_set_id=1&class_id=6551)、宮崎県(http://www.pref.miyazaki.lg.jp/shinsei-kachikuboeki/shigoto/chikusangyo/20161219211521.html)、北海道(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/tss/kachikueisei/aviflu.htm)、新潟県(http://www.pref.niigata.lg.jp/kikitaisaku/2016toriinflu.html)の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発生していることを認識したい。国立環境研究所が「国立環境研究所における高病原性鳥インフルエンザウイルスの全国調査」(https://www.nies.go.jp/kanko/news/34/34-4/34-4-05.html)、「日本における鳥インフルエンザウイルスの侵入リスクマップ」(https://www.nies.go.jp/whatsnew/2012/20121115/20121115.html)を発表しており、警戒は怠れない(特に侵入リスクが高い地域)。環境省「高病原性鳥インフルエンザに関する情報」(http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/)、農林水産省「鳥インフルエンザに関する情報」(http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/)、官邸「鳥インフルエンザ関係閣僚会議」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/influenza/)の資料はチェックしておく必要がある。農林水産省「高病原性鳥インフルエンザ及び低病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針」(http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/pdf/150909_hpai_guide.pdf)p33~にある、患畜又は疑似患畜は、病性の判定後「24時間以内に」と殺完了、「72時間以内に」焼却又は埋却の規定について、各自治体で円滑に対応できるかどうか、至急検証したい。「鳥インフルエンザA(H5N1)」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/)、「鳥インフルエンザA(H7N9)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/h7n9.html)は感染症法二類感染症であるが、それ以外の鳥インフルエンザ(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-04-21.html)は四類感染症であり、今回のH5N6によるヒト感染がないか、警戒が必要であろう。通常インフルエンザの流行時期と重なって少々厄介かもしれないが、疑われる鳥との接触歴などがあるインフルエンザケースでは、検体検査体制構築が必要と感じる。そういえば、厚生労働省FORTH(http://www.forth.go.jp/topics/fragment1.html)では鳥インフルエンザの更新(http://www.forth.go.jp/topics/fragment2.html)が続いており、鳥インフルエンザA(H5N6)のヒト感染も何度も報告されている(http://www.forth.go.jp/topics/2016/12080950.html)(http://www.forth.go.jp/topics/2016/06101419.html)(http://www.forth.go.jp/topics/2016/05111001.html)(http://www.forth.go.jp/topics/2016/01271052.html)(http://www.forth.go.jp/topics/2016/01121103.html)(http://www.forth.go.jp/topics/2015/07151030.html)。将来、ヒト-ヒト感染の度合いによっては、新型インフルエンザ(http://www.cas.go.jp/jp/influenza/index.html)まで進まないとも限らない。交叉予防として、通常インフルエンザの予防接種を徹底しておくべきであるが、殺処分従事予定者はどうなっているであろうか。中国での鳥インフルエンザA(H5N6)のヒト感染が続くようであれば、四類感染症から二類感染症相当の指定感染症に昇格させてもよいように感じる。厚生科学審議会感染症部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=127717)では何か議論されているであろうか。今年10月に一部改正された「新型インフルエンザ等発生時等における初動対処要領」(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/keikaku/pdf/syodoutaisyo2810.pdf)も確認しておきたい。
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気になる子どもの甲状腺がん

2016年12月28日 | Weblog
朝日新聞「18歳以下の甲状腺がん、計145人に 福島県検査」(http://www.asahi.com/articles/ASJDW5KC9JDWUGTB00N.html?iref=com_apitop)<以下引用>
<福島県は27日、東京電力福島第一原発事故時に18歳以下だった約38万人に対する甲状腺検査で、7~9月に新たに10人ががんと診断され、計145人になったと発表した。県の検討委員会は「これまでのところ被曝(ひばく)の影響は考えにくい」との立場を変えていない。甲状腺検査は、2011年秋から13年度までの1巡目(先行検査)、14~15年度の2巡目(本格検査)が終わり、今年度から3巡目(本格検査の2回目)に入っている。9月末現在、がんかがんの疑いがあるとされたのは、6月末時点から9人増の計184人。うち116人は1巡目で、68人は2巡目で見つかり、3巡目ではまだ報告されていない。1巡目では102人が手術を受け101人ががんと確定、1人は良性腫瘍(しゅよう)だった。2巡目では手術を受けた44人でがんが確定した。6月の発表では、事故当時5歳だった1人ががんと診断されたが、新たにがんと診断された10人に5歳以下はいなかった。県の検討委員会は、被曝の影響が考えにくい理由として、チェルノブイリ原発事故に比べ福島県民の被曝線量が少ないとみられることや、がんが多発した5歳以下にほとんど発生していないことを挙げている。県では3カ月おきに最新の検査結果を発表している。>
 
福島県県民健康調査(https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/list279-884.html)が更新されている。首相官邸災害対策ページ「世界の甲状腺癌の現状」(http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g78.html)が出ているように、世界的に甲状腺がんが増加傾向にあるが、診断技術の向上による面も小さくないであろう。甲状腺がんはPET検査等の特殊検査でかなり発見されやすいがんである(http://www.pet-toyama.jp/seiseki.htm)。厚労省「がん検診のあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128563)の資料「平成27年度市区町村におけるがん検診の実施状況調査集計結果」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000112904.pdf)p13「その他のがんの検診の実施状況」では「甲状腺がんの検診(エコー)」が全国 36市町村で実施されており、検診結果をみておきたい。ところで、朝日新聞「小泉元首相、トモダチ作戦の元米軍兵を支援する基金検討」(http://www.asahi.com/articles/ASJ5V5WS0J5VUTFK00N.html)、朝日新聞「「病に苦しむ人たちに支援を」小泉氏、会見の主な発言」(http://www.asahi.com/articles/ASJ5L5FQFJ5LPTIL02F.html)、朝日新聞「小泉氏が涙 トモダチ作戦の健康被害「見過ごせない」」(http://www.asahi.com/articles/ASJ5K354LJ5KPTIL00B.html)、朝日新聞「トモダチ作戦、称賛の陰で 元空母乗組員ら健康被害訴え」(http://www.asahi.com/articles/ASH9W4TZ7H9WPTIL008.html)と続けて報道されているが、現在進行形である「トモダチ作戦の放射能健康被害」に関する詳細な疫学調査は、わが国の被ばく対策としても不可欠と感じる。それすらできないようであれば、わが国の被ばく医療対策は全くお粗末といわざるを得ないであろう。東京新聞「福島第一 水素爆発前 テルル漏出」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2011060502100004.html)に出ていたように、周辺地域ではかなり早い段階から放射能汚染が起きていたようである。NHK「放射性テルルと銀の拡散状況判明」(http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20111101/0820_terurutogin.html)の報道もあった。子どもの難病(http://www.shouman.jp/)(http://www.shouman.jp/pdf/contents/disease_list.pdf)には悪性新生物群があり、地域比較もほしいところかもしれない。厚労省通知「がん登録等の推進に関する法律施行令及びがん登録等の推進に関する法律施行規則の施行について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000101538.pdf)p10の全国がん登録情報等の提供対象者には放射線影響協会、放射線影響研究所、福島県が行う健康管理調査の委託を受けた者が位置づけられており、今年1月スタートした全国がん登録(http://ganjoho.jp/reg_stat/index.html)との比較検討もなされてもよいかもしれない。
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経済財政諮問会議での診療報酬改定議論

2016年12月28日 | Weblog
毎日新聞「診療報酬改定も議論へ 医師会は猛反発」(http://mainichi.jp/articles/20161228/k00/00m/020/057000c)。<以下引用>
<政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は、医療の公定価格である診療報酬の改定について今後議論する。診療費などの在り方を見直し、国民負担の軽減を進める意向だ。だが、薬価制度改革に続き医療にさらなる「メス」を入れる動きに、日本医師会などは反発を強めている。「院内、院外処方や技術料の在り方についてもしっかり議論したい」。27日公開された諮問会議(21日開催分)の議事要旨によると、民間議員の高橋進氏(日本総合研究所理事長)が診療報酬を今後、議題とするよう提言。石原伸晃経済再生担当相は会議終了後、「検討する」と前向きな意向を示した。高齢化の進展で、高騰を続ける医療費の抑制は大きな課題となっている。医薬品の公定価格を決める薬価改定については、官邸の主導で2年に1回の改定を毎年改定に見直すことが決定。政府内では、診療報酬についても人工透析の医療費が年間2兆円に上るなど「高額すぎる」(首相周辺)と問題視する声が出ている。諮問会議では、費用対効果を考慮するなどして各種医療行為の診療報酬の見直しを議論する意向だ。一方、日本医師会は、諮問会議が診療報酬の見直しに踏み込んだことに反発している。医師会の横倉義武会長は、高橋氏の提言を「大それた発言」としたうえで、「医療に対する経済の論理を強めてはいけない」などと猛反発するコメントを出した。診療報酬や薬価の改定などはこれまで、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)で議論しており、医師会側は、官邸主導で「医療改革」が急速に進むことに警戒感を強めている。ただ、中医協は医師会や製薬業界など関係者が中心で、「業界に甘い」などとの批判も多い。2018年度には診療報酬の改定が予定されており、諮問会議の今後の議論が注目される。>
 
経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の「経済・財政再生計画改革工程表2016改定版」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2016/1221_2/shiryo_03-1-2.pdf)では「医療・介護提供体制の適正化」の項目が多い。しかし、日本医師会「経済財政諮問会議における民間議員の発言について」(http://www.med.or.jp/nichiionline/article/004845.html)が出ているように、中医協(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)が形骸化してはならない。そういえば、全国保険医団体連合会談話(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/161215_danwa_tpp_kogi.html)では、我が国の「公的医療保険制度の切り崩し」が警戒されている。経済財政諮問会議での診療報酬改定議論の行方に注目である。朝日新聞「進次郎氏ら「自助」前面の提言 一部薬は全額自己負担に」(http://www.asahi.com/articles/ASJDN3RNPJDNUTFK004.html?iref=com_apitop)も本格的に議論されるのであろうか。
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糖尿病重症化予防と特別調整交付金

2016年12月27日 | Weblog
4月の「保険者努力支援制度における評価指標の候補」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000121285.pdf)(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/5211/00220405/83%20sankou_hokenjyadoryokusien2.pdf)に続く、12月22日付の通知「平成28年度特別調整交付金(その他特別の事情がある場合)のうち保険者努力支援制度の前倒し分について」では、「糖尿病性腎症重症化予防の取組(平成28年度の実施状況を評価)」の加点が最も高いことは認識したい。大きな病院では、糖尿病透析予防指導管理料(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_2_1_27/b001_27.html)で、透析予防診療チームによる指導が行われ、eGFR (ml/分/1.73㎡)が 30未満では腎不全期患者指導加算が算定されているが、大半の診療所では、透析予防診療チームの設置は厳しい。保険者による「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121935.html)では、受診勧奨の抽出基準、保健指導の抽出基準を示して、医療連携による糖尿病透析予防指導管理料(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_2_1_27/b001_27.html)で対応すべき対象を明確にした方がよいであろう。さて、第1回NDBオープンデータ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html)では、特定健診結果について都道府県別の性・年齢階級別のデータが出ており、各都道府県において、40代、50代の男性で血糖コントロール不良者がかなり多いことがわかる。日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況」(http://docs.jsdt.or.jp/overview/)の「導入患者の主要原疾患の割合推移」(http://docs.jsdt.or.jp/overview/pdf2015/p011.pdf)では「糖尿病性腎症」が圧倒的で、2014年の糖尿病性腎症による透析導入の平均年齢は67.2歳である(http://docs.jsdt.or.jp/overview/pdf2015/p012.pdf)。これはまさに現役世代の健康管理の悪さが反映しているのは間違いない。「保険者インセンティブ」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000121285.pdf)はまさに現役世代こそ急務と感じる。定年退職後からの取り組みでは遅い。例えば、大企業が多い「健康保険組合」(http://www.kenporen.com/)や公務員の「共済組合」(http://www.kkr.or.jp/)(http://www.chikyoren.or.jp/)が率先して、「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121935.html)に取り組むべきであろう。今年は「糖尿病性腎症重症化予防に係る連携協定の締結」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000117513.html)、「糖尿病性腎症重症化予防プログラムの策定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121935.html)、「国保・後期高齢者医療制度における糖尿病性腎症重症化予防プログラムに関する説明会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000125442.html)と進められてきたが、「医療計画の見直し」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)では、糖尿病の医療連携体制と保険医療連携体制の構築が急務と感じる。市町村国保の保険者努力支援制度前倒しにおける糖尿病重症化予防はその先鞭といえるかもしれない。
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レセプト審査の地域差解消が不可欠

2016年12月27日 | Weblog
M3「レセプト審査、「コンピュータチェックルール公開を」厚労省検討会が報告書、医療機関の事前確認も可能に」(https://www.m3.com/news/iryoishin/489544)。<以下引用>
<厚生労働省の「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」(座長:西村周三・医療経済研究機構所長)は12月26日、レセプトの審査支払機関における審査業務の効率化・審査基準の統一化、ビックデータを活用した保険者機能の強化・医療の質の向上、支払基金の組織・体制の在り方――の3つの柱について提言した報告書(案)を議論、同日の意見を踏まえて修正、取りまとめを行うことを了承した。年明けに最終版の報告書が公表される予定。医療機関にとって注目されるのは、レセプトの審査支払機関が実施しているコンピュータチェックルールを公開し、医療機関がレセプト提出前にチェックするなどして、レセプト返戻に伴う負担を軽減するなど、審査支払業務の効率化が打ち出された点だ。審査支払業務を効率化するため、レセプトの形式を見直し、詳細記述項目については「選択式」を導入することなども提言。コンピュータチェックルールの「見える化」も進め、診療報酬点数表の解釈や地域の差異の明確化も進める。ビックデータ活用については、医療等IDを活用するなどして、健康・医療・介護の各種データベースを連結し、個人のヒストリーを追跡、分析できるプラットフォームの構築を進めるべきとしている。保険者に対しては、ガバナンス強化を求め、データを活用したデータヘルス等の推進を求めている。これら二つの柱についての構成員の意見はほぼ一致したが、支払基金の組織・体制に関しては意見が分かれ、両論併記となった。支払基金には、47都道府県に支部があり、「縮小」方針では一致したものの、「支払基金の支部の集約化・一元化」を求める意見の一方、日本医師会をはじめ三師会は、「地域の顔が見える関係を土台として、医療機関に対するきめ細かなやり取りを通じた適切な審査」を実現するため、「支部を都道府県に残すべき」と求めた。支払基金の改革は、2016年2月の規制改革会議健康・医療ワーキンググループの「論点整理」で、「現行の支払基金を前提とした組織・体制の見直しではなく、診療報酬の審査の在り方をゼロベースで見直す」とされていた。今後、支払基金と厚労省は同基金の業務効率化計画の基本方針、さらに国保中央会も加わり、ビックデータ活用計画の基本方針を、それぞれ2017年春を目途にまとめる。それらを基に具体的計画や工程表の作成を進め、2017年夏を目途に規制改革会議をはじめ、政府の方針として方向性を示し、2018年の通常国会に社会保険診療報酬支払基金等について改革の内容に沿った法整備を行うスケジュールが想定されている。支払基金は2020年1月に審査・支払システムを刷新する予定だった。本検討会報告書は、「刷新計画を見直した上で、2020年度中に、新システムを実施できるようにすべきである」とした。医療機関が、コンピュータルールに基づき、事前チェックが可能になるのは、それと併せたタイミングになる見通しだ。レセプト査定の「地域差」は解消か レセプト審査・支払については、以前から「地域差」があり、審査支払機関のコンピュータルールの公開を求める声が、医療者の間で上がっていた。ルールの公開で透明性が担保され、レセプト提出前に事前にチェックできれば、返戻が減少し、医療機関および審査支払機関の負担は軽減される。一方で、コンピュータルールをどこまで公開するかは今後の検討課題であり、同時にルール公開で審査が画一的になる懸念も生じる。「報告書」(案)では、「審査委員の利益相反の禁止」も求めている。審査される立場の医師が、同時に審査する立場にもなるからだ。(1)審査委員が自ら関連する医療機関の審査は行わない、(2)審査委員が担当する医療機関を定期的に変更していく――という現行では運用上行っている取り組みを、規則として明確化するよう求めている。26日の会議でも、この点が議論になった。副座長で、国立社会保障・人口問題研究所所長の森田朗氏は、「審査には、中立性、第三者性が求められ、医療現場の感覚といかに両立させるかが重要であり、今の状態では、利益相反となる可能性があり得る」と指摘。森田氏は以前の会議で、「審査委員を専任にしたり、審査委員の都道府県間での相互乗り入れを行うべき」との意見を述べていた。一方、日本医師会副会長の松原謙二氏は、「一番重要なのは、医療の現場が分かっている人が審査をすること」と指摘、審査委員は各自が独立して判断しており、自身のレセプトを審査しているわけではないので、利益相反という指摘は当たらないと反論した。「報告書」(案)にはほかにも、さまざまな項目が盛り込まれている。情報処理推進機構 CIO 補佐官の葛西重雄氏からは、「45個くらいのアクションが書かれているが、誰が実施するかが分からない」との指摘も上がった。前述のように、厚労省ら3者が責任を持って進めることになるが、業務効率化とビックデータ活用の計画(工程表)がどんなに内容になるか、それを基にどんなスピードで具体化が進むかが今後の注目点だ。>

メディウォッチ「審査支払改革で報告書まとまるが、支払基金の組織体制で禍根残る―質の高い医療実現に向けた有識者検討会」(http://www.medwatch.jp/?p=11771)。<以下引用>
<「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」が26日、報告書を座長一任で取りまとめました。今後、厚生労働省や社会保険診療報酬支払基金、国民健康保険中央会で▼業務効率化に向けた工程表 ▼ビッグデータ活用に向けた工程表―について練り、基本方針を来春(2017年4-5月頃)に固める予定です。また支払基金のシステム刷新計画を全面的に見直し、2020年度中に稼働するスケジュール感が示されていますが、この点について厚労省保険局保険課の宮本直樹課長は「医療機関における事前のレセプトチェックも同時に実施したい」旨の考えを示しています。レセプト審査体制、現場感覚と「公正性」確保の双方が必要 診療報酬の請求内容は、被用者保険加入者については支払基金で、国保加入者については国民健康保険団体連合会(国保連)で審査され、請求内容に誤りがあれば、査定(減額)や返戻(差し戻し)が行われます。規制改革会議は、この体制について「効率性」と「統一性」を確保する必要があるとし、▼医師の関与の下で、全国統一的かつ明確な判断基準を策定する ▼支払基金が行っている「職員による点検」「説明・指導」などの要否を検討し、不要・非効率な業務を削減する ▼民間企業を含めた支払基金以外の者を保険者が活用することが適切な業務がないかを検討し、それらがある場合の具体的な活用の仕組みを構築する ▼なお「支払基金が担うことが適切な業務」がある場合には、その具体的な組織・体制等の在り方(業務拠点も含めた職員およびシステムなどの体制、業務範囲、法人形態、ガバナンス体制、事務費負担の在り方など)を検討する―ことを求めました。厚労省はこれを受けて有識者検討会を今年(2016年)4月に設置。支払基金や国保連、保険者からのヒアリングなどを精力的に行ったほか、検討会の下に「審査業務の効率化」と「ビッグデータ活用」に関するワーキンググループを設け専門的な議論を行い、今般、報告書取りまとめに至ったものです。報告書は、21日の前回会合で示された「議論の整理」をベースにしており、大幅な変更はありません。おさらいすると、次のような点がポイントと言えます。【審査業務の効率化・審査基準の統一化】▼支払基金内に専任のCIO(Chief Information Officer)と、それを支援するICTの専門家によるタスクフォースを設置し、コストパフォーマンスが高く最適な設計思想に基づく業務・システムを実現する、現在の『システム刷新計画』は全面的に見直す ▼審査支払機関(支払基金と国保連)のコンピュータチェックルールを公開し、レセプト請求前に医療機関でのチェックを可能とする ▼コンピュータチェックルールやチェック結果の差異の把握・分析や統一化などについて、厚労省・医師会など・支払基金・国保連に加え、関連政府機関、ICT関連の有識者などが集い、具体的に点数表の解釈や地域の差異を明確化していくなど、定期的にPDCAを回して継続的に検討していく場を設ける 【ビッグデータ活用】▼保健・医療・介護のデータベース間で連携が行えるよう、支払基金・国民健康保険中央会が医療等 IDの発行を行うとともに、該IDを利用して保健医療に関するビッグデータを活用していくことを検討する ▼健康・医療・介護のデータベースを連結しプラットフォーム化していくことで、個人の保健医療に関するヒストリーをビッグデータとして民間を含めた専門家が分析することを可能にし、医療の質向上につなげる。その際、既存インフラを最大限活用する観点から、支払基金・国保連で管理・運営・分析などを行う 【支払基金の組織・体制の在り方】▼2021年1月に実現予定であった審査・支払システム刷新計画を全面的に見直し、ビッグデータ活用のためのシステムの実装時期も踏まえ2020年度中に新システムを実施できるようにする ▼システム刷新による業務効率化を踏まえ、47都道府県における支部の職員体制・規模を必要最小限のものに縮小していくが、「集約化・一元化など抜本的な見直しを求める意見」「現行の47都道府県における支部の継続を求める意見」「業務効率化の後に支部の体制を検討すべきとの意見」があった ▼審査の一元化については、積極的に進めるべきとの意見と困難であるとの意見と両論があった ▼支払基金で業務改革が進まない場合には、民間事業者の活用を含め、どのような組織・体制が適しているかをゼロベースで検討すべき このうち「支払基金の組織・体制」について、この日の会合でも激論が交わされました。森田朗座長代理(国立社会保障・人口問題研究所長)は、このテーマについて「本来であれば『審査支払機関に専従の医師』を配置することが望ましく、それが難しいのであれば『審査委員の相互乗り入れ』(利益相反を禁止するために、A県の医師がB県で審査委員を行うなど)を行うべきと以前に指摘した。審査の客観性を担保することが極めて重要である」と指摘。また林いづみ構成員(桜坂法律事務所弁護士)も、審査支払機関専従の医師について記述すべきとしたほか、「再審査を同じ審査体制で行っていることは理解が得られない」と強調しました。いずれも「審査の公正性」の確保をこれまで以上に確保すべきとの見解です。これに対し松原謙二構成員(日本医師会副会長)は、「審査業務はハードで、専従者を確保することは非常に難しい。再審査も、実際は別の審査委員が担当している。『現場を分かっている医師が審査している』という信頼感が、現在の円滑な審査体制のベースとなっている。現場も分からず改革案を作ったのでは、審査体制が崩壊してしまう」と反論しました。なお森田座長代理は「現場感覚の重要性は言うまでもない。ただし、今のままでは利益相反を疑われても仕方がない」とし、より透明で公正な審査体制の確保が必要と理解を求めています。また規制改革会議のメンバーでもある林構成員は、「有識者検討会においては支払基金の組織・体制に関する議論が極めて不十分であった。今後、規制改革会議でもフォローアップをしていく」との見解を強調しました。後述するように、厚労省や支払基金、国保中央会で改革工程表を来春までに作成することになりますが、林構成員の発言からは、その間にも規制改革会議から注文がつくことが予想されます。「支払基金の組織・体制」については、場を変えて、さらなる議論が行われる可能性もありそうです。このほか、「特に介護分野についてデータの充実が必要である。例えば郵便番号のレセプトへの記載を求めるだけで、分析が大きく進む」((山本雄士構成員:ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチャー)、「未コード化傷病名を解消し、データの質向上を目指すべきである」(山本隆一構成員:自治医科大学客員教授)、「報告書には、『支払基金に個々の保険者への支援が期待されている』とあるが、被用者保険側はそこまで望んでいない」(白川修二参考人:健康保険組合連合会副会長)といった意見も出されています。こうした意見を踏まえて、西村周三座長(医療経済研究所長)、森田座長代理、厚労省の三者で修正されます。宮本保険課長は「確定版を年明けに公表することになるのではないか」と見通しています。医療機関におけるレセプト事前チェック、2020年度中に実施へ ところで報告書では、今後の予定について(1)業務効率化(2)ビッグデータ活用―のそれぞれについて工程表の基本方針を来春(2017年4-5月)にも固める方針を明確にしています。(1)の業務効率化については厚労省と支払基金で、(2)のビッグデータ活用については厚労省、支払基金に国保中央会が加わって基本方針をまとめることになります。工程表は順次アップデート・精緻化していくものであるため、基本方針は「工程表の大枠」や「工程表のバージョン1.0やβ版」などと考えることができるでしょう。さらに宮本保険課長は、「(1)の業務効率化の工程表には、支払基金の新システム刷新計画(全面見直し版)も盛り込まれ、そのほかに組織体制の見直しなども含まれる」ことを明らかにしています。また、新システム刷新計画について、報告書では「2020年度中に実施すべき」としていますが、ここには前述の「審査支払機関(支払基金と国保連)のコンピュータチェックルールを公開し、レセプト請求前に医療機関でのチェックを可能とする」という改革内容も含めたいとの考えを宮本保険課長は明らかにしています。事前レセプトチェックが導入されるとなれば、医療機関のレセコンなどのシステムや医事課業務などにも影響が出てきます。事前チェックシステムどのような仕組みとなるのか、注目が集まります。>
 
「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=350947)の報告書案(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000147070.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000147069.pdf)が出ているが、p9「審査・支払効率化ワーキンググループにおける検討においても、審査の地域差についての具体的な内容までは吟味できていなかった」では話にならない。「医療費適正化基本方針」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000138072.pdf)で医療費地域格差半減を目指すのであれば、審査の地域差解消は優先されなければならない。審査の地域差解消がなければ、「医療費の地域差分析」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/database/iryomap/index.html)は色あせてしまう、報告書案(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000147070.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000147069.pdf)p9「支部の審査委員会については、各地域の審査委員が当該地域の診療機関で診療を行っている医師等が選任され、審査される立場の医師等が同時に審査する立場にもなることから、利益相反を禁止する必要」はいうまでもない。p9「レセプトからわかる情報以外にも地域の医療提供体制や環境、家族の状況、生活習慣等の状況を踏まえて都道府県単位で審査を行う必要」に疑問を感じる方が少なくないかもしれない。これでは「データヘルス時代の質の高い医療」には程遠い。そもそも審査に従事する高齢医師は日進月歩の医療に対応できているのであろうか。社会保険診療報酬支払基金資料(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/iryou/20161024/161024iryou02.pdf)p6「統一的、客観的な判断が可能なコンピュータチェック項目は公表 (例)統計的に70%以上査定されている項目」とあるが、もっと情報公開は徹底すべきで、「統計的に70%以上査定されている項目」に限定する必要はない。厚労省(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/iryou/20161024/161024iryou01.pdf)p3「審査結果等のデータ蓄積を自動化し、統計的な分析結果の参照や過去事例の検索や人工知能の活用などにより、医学的判断を要する審査手続きの効率化、高度化を行うこと」に期待したい。
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措置入院対応の標準化が必要

2016年12月27日 | Weblog
キャリアブレイン「精神科病院医師らに措置入院研修義務付けを- 精神保健福祉士協会が厚労省に要望書」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50272.html)。<以下引用>
<日本精神保健福祉士協会は、措置入院制度に関する要望書を厚生労働省に提出した。神奈川県相模原市の障害者施設の殺傷事件を踏まえたもので、措置入院を受け入れる精神科病院の医師などの職員に措置入院制度の研修の受講を義務付けることや、国が措置入院制度の実施要綱を制定することを求めている。要望書では、相模原市の殺傷事件の再発防止策検討チームが今月8日に公表した報告書を取り上げ、「容疑者の措置入院歴と今回の事件との因果関係が明らかにされない中で、措置入院制度等の見直しをもって同様の事件の再発防止策にしている」と指摘。こうした再発防止策は「精神障害者に対する偏った認識と保安的な思想形成の助長につながる」としている。また、現在の措置入院制度の運用は、通報の受理から措置診察の実施、措置解除の手続きまでの行政の対応と入院先の精神科病院の支援内容に都道府県(指定都市を含む)で格差が生じていると指摘。具体的には、警察官の通報に対して診察が必要ないとされた人の割合は「約100倍の格差」があるなどとし、国が制度の実施要綱を制定して運用を厳格化するよう求めている。さらに、措置入院制度に特化した医療従事者向けの研修を義務付け、全国どこでも標準的な医療や支援を受けられる環境を整えることを要望。措置入院を受け入れる病院では、精神保健指定医や看護師、作業療法士、精神保健福祉士などが多職種協働で支援に関与することを原則化する必要性を挙げている。こうした多職種協働による支援などを行う財源を確保するため、算定が入院の初日に限定されている「精神科措置入院診療加算」を、措置入院中は継続して算定できるようにする必要があるとしている。>
 
「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム」の報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000145268.html)では再発防止策に重点が置かれている。「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syougai.html?tid=321418)、「社会保障審議会障害者部会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126730)で、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」が打ち出されており、この視点で措置入院の対応をしっかり進めなければならないように感じる。但し、今回の報道でも大きな都道府県格差が指摘されており、精神保健福祉法(http://www.ron.gr.jp/law/law/seisin_h.htm)24条の警察官通報、27条の指定医の診察、29条の入院措置、29条の5の措置解除などの実態がどうか、検証が必要であろう。
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社会医学系専門医の行方

2016年12月27日 | Weblog
M3「社会医学系専門医協会、700人超す医師登録 2017年4月から専門医制度開始、厚労省も後押し」(https://www.m3.com/news/iryoishin/489364)。<以下引用>
<社会医学系専門医協会は12月5日の一般社団法人化後、初めての理事会を12月25日に開催し、専門医・指導医の登録者数は700人に上ると発表した(12月22日時点)。既に登録料払込済みは750人、今後も増え、1200~1300人に上ると見込んでいる。同協会が運営する「社会医学系専門医制度」は、予定通り2017年4月からスタート、認定済み研修プログラムは6つあり、他に5、6のプログラムが申請中だという。同協会理事長の宇田英典氏(全国保健所長会会長)は、「15~20の研修プログラム数くらいになれば」と期待を込める。厚生労働省健康局健康課は12月16日、都道府県等宛てに、『公衆衛生医師の確保と資質向上に向けた「社会医学系専門医制度」の活用について』と題する「事務連絡」を発出。「社会医学系専門医制度を積極的に活用して、公衆衛生医師の確保と資質の向上を図り、地域の公衆衛生水準の向上の一助にする」ことを求める内容だ。認定済み研修プログラムのうち、島根県と兵庫県の二つは行政主体のプログラム。この事務連絡を受け、他の自治体でも、研修プログラムの作成を検討する動きが出ているという。「専門医取得が可能」というメリットを打ち出し、医師確保につなげる狙いからだ。この「事務連絡」について、宇田氏は、「臨床系の専門医制度は、プロフェッショナルオートノミーとして運営され、個人の資質の認定という意味合いが強い。しかし、行政の責務として進めなければいけない分野で仕事をするのが社会医学系専門医であり、少し立ち位置が違う」と前置きした上で、次のように語る。「われわれの目的は、公衆衛生医師の確保と、公衆衛生に従事している現職の医師の資質向上、住民だけでなく、医療者の公衆衛生への認知度と信頼度を上げること。厚労省もこれら3つの観点から、以前は適当な距離感を持って支援するというスタンスだったが、少しその距離が近づいたのではないか」。12の学会・団体で構成、日医も参加 社会医学系専門医協会は、関係学会・団体が集まり協議を重ね、2015年9月に任意団体として発足、共通の専門医制度の確立を目指し、活動してきた。12月5日の法人化を機に、日本医師会が社員として加わり、現在は社会医学系7学会と公衆衛生関連4団体、計12学会・団体で組織する。社会医学系専門医の研修プログラムは、「行政・地域」「産業・環境」「医療」の3分野を学ぶため、行政、職域、医療現場、教育・研究機関の4つを実践現場とする。最近の厚労行政では、地域医療構想をはじめ、地域単位の取り組みの重要性が増す中、その核となる人材養成が急務となっている。研修プログラムとして認定したのは、「産業医科大学社会医学系専門医研修プログラム」、「ご縁の国しまねプログラム」(島根県)、「京都プログラム」(京都府・京都市・京都府立医科大学・京都大学)、「兵庫県(神戸市・尼崎市・西宮市・姫路市)社会医学系専門医研修プログラム」、「慶應義塾大学・東邦大学連合プログラム」、「名古屋大学プログラム」の6つだ(2016年11月29日時点)。大学主体のプログラムは2017年4月スタートが多いが、行政主体の島根県と兵庫県のプログラムは4月には限らず、職員の中途採用も多いので、研修希望者が出た時点で随時開始。研修プログラムも今後、申請に基づき、随時認定していく。いずれも研修期間は3年で、専門医試験は年1回の予定だ。専攻医を指導する立場として、経過措置として一定の要件を満たす専門医・指導医を募集、その登録者数が12月22日時点で700人。1月21日に第1回の専門医・指導医認定委員会を開催、認定作業を行う。その後も、随時、募集・認定を続ける。20番目の基本領域専門医か、別の立ち位置か? 日本専門医機構では、19の専門医を基本領域として新専門医制度をスタートさせる方針。宇田氏は、「任意団体の段階から、われわれは『密接な関係性を持って』という方針で取り組んできた」と述べ、20番目の基本領域とするか、あるいは別の立ち位置にするかは、今後の検討課題とした。臨床系専門医と同様に、「2階建て」の専門医制度にする予定であり、社会医学系専門医の上に、サブスペシャルティを置くが、その分野については決まっていない。「一番近いのは、(既に専門医制度を持つ)産業衛生専門医だが、そのままサブスペシャルティとするのか、それ以外の分野についても、学会別に専門医を作るのか、あるいは何らかのグルーピングをするのかなどは決まっていない。ベースとなる社会医学系専門医に魂を入れるのが先であり、希望する若手が夢を持ってこの制度を活用できるようにしていきたい」(宇田氏)。初回の理事会、3つの委員会を設置 法人化後の最初の25日の理事会は、定款等の確認、業務執行理事の選任、委員会の設置と委員長の専任、2016年度(2016年7月から2017年6月まで)の事業計画と収支予算など、法人としての運営体制が議題だった。副理事長は2017年3月開催予定の次回理事会で決定する。業務執行理事は、総務担当が今中雄一氏(日本医療・病院管理学会理事)、会計担当理事が大久保靖司氏(日本産業衛生学会理事)。委員会は、法人化前を引き継ぎ、研修プログラム認定委員会、企画調整委員会、専門医・指導医認定委員会の3つを置くことが決まった。>
 
社会医学系専門医協会(http://shakai-senmon-i.umin.jp/)に出ている「研修プログラム」(http://shakai-senmon-i.umin.jp/program.html)を参考に、全国各地で動きが広まるであろうが、研修プログラム統括責任者如何による感じがしないでもない。
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がん以外のPET検査

2016年12月27日 | Weblog
日本メジフィジックス「PET検査用放射性医薬品の製造拠点を富山県(小矢部市)に開設決定」(http://www.nmp.co.jp/corpo/press/pdf/20161222.pdf)が目にとまった。PET検査の保険適用(http://www.nmp.co.jp/member/fdg2/insurance/)はがんだけではなく、従来から、てんかんや心疾患も対象であることは常識である。日本核医学会「PET検査Q&A」(http://www.jsnm.org/kensa/20020816)(http://www.jsnm.org/system/files/petkensa%20q_and_a_2015.pdf)Q8、症例4に示す心筋梗塞の検査需要は少なくないであろう。虚血性心疾患はMDCTの普及によって、画像診断が飛躍的に向上しており、既に9年前から、MDCTを搭載したPET/CT(http://www.innervision.co.jp/041products/2008/p0801_12xctpet.html)も使用されている。また、日本核医学会「PET検査Q&A」(http://www.jsnm.org/kensa/20020816)(http://www.jsnm.org/system/files/petkensa%20q_and_a_2015.pdf)のQ7、症例4に示すように認知症の検査としても行われている。認知症の診断にはSPECT検査・PET検査(http://medical-checkup.info/article/46902511.html)も重視されるが、さらに普及するであろう。平成16年8月1日の通知;医政発第0801001号(http://www.jrias.or.jp/statute/pdf/koseirodo20040801-0801001.pdf)p6~7に記されているように、以前から「PET-CTによるCT単独撮影」も認められ、全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=180575)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000077058.pdf)p45「PET-MRI複合装置の陽電子断層撮影用放射性同位元素使用室における使用に関し、MRI単独目的での撮影を行う場合を含め、当該装置を使用する場合の適切な防護措置や安全管理体制について明らかにした」とあった。なお、病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)に関して、地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000088510.pdf)p50~55「公表しなければならない項目」の中で、PET、PET-CT、PET-MRIがあり、各医療機関(一般病床、療養病床を有する施設)の設置状況がわかる。医療介護情報局(http://caremap.jp/)の「医療機関届出情報(地方厚生局)」(http://caremap.jp/cities/search/facility)では、(ポ断)PET、(ポ断コ複)PET-CT、(ポ断磁複)PET-MRI、(乳ポ断)乳房用PETがあり、PET検査実施医療機関が容易にわかるようになっている。また、医療法に基づく医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)の「一定の情報」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1031-6a.pdf)に「PET又はPET-CTの件数」があり、稼動実態がわかることは常識としたい。「FDGスキャン®注納入施設」(http://www.nmp.co.jp/CGI/member/fdg2/facilities/top.cgi)にあるように、デリバリーPET(http://www.nmp.co.jp/member/fdg2/clinical/index.html)の施設が増えているようである。拠点病院でのPET-CT、PET-MRIの導入は医療連携の推進とセットで図りたいものである。そういえば、「医療計画の見直し等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)のとりまとめ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000146913.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000146953.pdf)p3「医療機器の安全管理等に関する事項として、高度な医療機器について、配置状況に加え、稼働状況等も確認し、保守点検を含めた評価を行うこととする。CT・MRI等の医療機器を有する診療所については、都道府県において、それらの機器の保守点検を含めた医療安全の取組み状況について、定期的に報告を求めることとする。なお、限られた医療資源を有効活用することは重要であることから、今後も、医療機器等の配置のあり方等については、研究を行うことが必要である。」とあったが、高度な医療機器にはPET検査も含まれるのは間違いない。
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退院支援加算と同時改定

2016年12月26日 | Weblog
中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の資料「平成28年度定例報告について(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000137948.pdf)で。DPC地域医療指数にかかる定例報告で、B005-2 地域連携診療計画管理料、B005-3 地域連携診療計画退院時指導料(Ⅰ)がなくなり、A246 地域連携診療計画加算(退院支援加算)の報告が求められる。「平成28年度診療報酬改定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html)説明会(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000112857.html)医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)p44の「地域連携診療計画加算」について、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335811&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114867.pdf)A246 退院支援加算「地域連携診療計画は、疾患ごとに作成され、一連の治療を担う複数の保険医療機関又は介護保険法に定める居宅サービス事業者、地域密着型サービス事業者、居宅介護支援事業者若しくは施設サービス事業者等(以下「A246」において「連携保険医療機関等」という。)との間であらかじめ共有して活用されるものであり、病名、入院時の症状、予定されている診療内容、標準的な転院までの期間、転院後の診療内容、連携する保険医療機関を退院するまでの標準的な期間、退院に当たり予想される患者の状態に関する退院基準、その他必要な事項が記載されたものであること。」、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335825&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114881.pdf)p54「連携保険医療機関等の職員と当該保険医療機関の職員が、地域連携診療計画に係る情報交換のために、年3回以上の頻度で面会し、情報の共有、地域連携診療計画の評価と見直しが適切に行われていること。」とされたが、以前の地域連携診療計画管理料と異なるのは、疾患限定(脳卒中、大腿骨頚部骨折)ではないこと、「急性期・回復期 ⇒ 慢性期・介護事業所」が評価されていることが挙げられる。但し、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335825&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114881.pdf)p54「地域連携診療計画加算に関する施設基準」には「退院支援加算1又は退院支援加算3に係る施設基準の届出を行っている保険医療機関であること。」の要件がある。そして、「平成28年度診療報酬改定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html)説明会(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000112857.html)医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)p42~43「退院支援加算1」では、「3日以内に退院困難な患者を抽出」「7日以内に患者・家族と面談、カンファレンスを実施」、「介護支援連携指導料の算定回数」、「20ヵ所以上の医療機関・介護サービス事業所(特別の関係があるものを除く)との年3回以上の定期的な面会要件」等の要件がある。この要件は、急性期病院が念頭に置かれているように感じる。維持期・生活器・慢性期との連携を推進するのであれば、地域連携診療計画加算、退院支援加算1はそうした病院が算定しやすい基準を示すべきであろう。「退院支援加算1」について、通知「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335825&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114881.pdf)第26の5「退院支援加算1に関する施設基準」では「連携する保険医療機関又は介護保険法に定める居宅サービス事業者、地域密着型サービス事業者、居宅介護支援事業者若しくは施設サービス事業者等(以下「連携保険医療機関等」という。)(特別の関係にあるものを除く。)の数が20以上であること」とされている。事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その2)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=352020&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000122794.pdf)問8「退院支援加算1の施設基準において、当該医療機関の退院支援・地域連携担当者と、20以上の連携保険医療機関等の職員が年3回以上面会することとされているが、他の20以上の連携保険医療機関等の職員と、会合や研修等で一同に会すれば、当該要件を満たすこととなるか。」は「(答)それぞれの連携保険医療機関等の職員と、直接に対面して業務上の意思疎通を行うことが必要であり、会合や研修で一同に会することでは、当該要件を満たすことにならない。なお、退院支援において数か所連携保険医療機関等と退院調整の打ち合わせを行う等の場合には、全ての連携保険医療機関等の職員と相互に十分な意思疎通を図ることができれば、それぞれの連携保険医療機関等の職員と面会したものと扱うことができる。」も踏まえたい。ところで、医療介護連携に関する介護報酬には、入院時情報連携加算(http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/242/447/02-11-14nyuuinnjijyouhourennkei.pdf)、退院退所加算(http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/345/867/02-15-21taiinntaisho.pdf)、地域連携診療計画情報提供加算(http://rehatora.net/%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E9%80%A3%E6%90%BA%E8%A8%BA%E7%99%82%E8%A8%88%E7%94%BB%E6%83%85%E5%A0%B1%E6%8F%90%E4%BE%9B%E5%8A%A0%E7%AE%97%E3%81%AE%E7%AE%97%E5%AE%9A%E8%A6%81%E4%BB%B6%EF%BC%88%E8%80%81%E5%81%A5/)等がある。「平成30年度診療報酬改定に向けた検討項目と進め方について(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000146536.pdf)が出ているが、平成30年度の同時改定では、医療介護連携に関する評価が注目されるのは間違いない。
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医師偏在と都道府県のガバナンス

2016年12月26日 | Weblog
メディウォッチ「地域中心で医師偏在対策などを決定すべき―厚労省・ビジョン検討会」(http://www.medwatch.jp/?p=11769)。<以下引用>
<(1)地域が主導して医療・介護・生活を支える(2)個人の能力と意欲を最大限発揮できるキャリアと働き方を実現する(3)高い生産性と付加価値を生み出す―。厚生労働省に設置された「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」は22日、中間的な議論の整理の中で、こういった3つのビジョンを示しました。また、地域・診療科の医師不足解消の前提として「医師偏在の解消」が不可欠であるとし、今後は10万人規模で行っている働き方調査の結果などを踏まえて、まず医療機能の存在状況の「見える化」を行う方針なども提示。地域単位で医師偏在対策に取り組む方向なども示しています。10万人規模の「働き方調査」などをもとに、医療機能の「見える化」をまず実施 ビジョン検討会は、「医師従事者の需給に関する検討会」による、「医師の働き方・勤務状況などの現状を把握するための全国調査を行う」「新たな医療の在り方を踏まえた医師の働き方ビジョン(仮称)の策定を行う」といった中間まとめに沿って設置されました。当初は、年内に「医師の偏在対策」をまとめる予定でしたが、ビジョン検討会が出した結論を踏まえて、改めて医師需給の推計などを行うことになりました。こうした過程やビジョン検討会が非公開で開催されている点などには、社会保障審議会・医療部会などで強い批判が出されています。ビジョン検討会は年度内に意見の取りまとめを行う予定ですが、今般、中間的な議論の整理を行っています。そこでは、(1)地域が主導して医療・介護・生活を支える(2)個人の能力と意欲を最大限発揮できるキャリアと働き方を実現する(3)高い生産性と付加価値を生み出す―という3つのビジョンを提案する考えを示しています。(1)では、「地域医療構想を踏まえ、地域(都道府県など)が中心となってリソースである医師や看護師などの医療従事者の需給・偏在対策を決定する」ことを打ち出し、地域では ▼地域での医療・介護ニーズや必要なマンパワーやリソースの定量的な調査・分析の定期 的な実施 ▼地域での医師養成や医療資源配分の主導を、専ら大学医局のみに依存しないよう、ガバナンスと政策実行能力を早急に開発すべく具体的な施策(特に、地域医療を分析し、 実効的な政策を推進できる社会医学やマネジメント能力に長けた人材の育成)を講ずる―、国では ▼必要な権限の委譲 ▼人材育成や必要な財政的支援、ミニマムスタンダードの設定、マクロ的な資源調達、都道府県間の資源配分の適正化、全国的に必要な調査・分析―などを行うよう求めています。さらに、▼プライマリ・ケアの確立 ▼医師のみならず、看護師や介護職等を含めたプライマリ・ケア人材の育成と確保 ▼看護師・薬剤師・介護人材など業務範囲拡大などによる柔軟なタスク・シフティング、タスク・シェアリング―の重要性も指摘したほか、患者・住民が予防・治療に積極的に参画していくことも求めています。(2)では、▼多様な生き方・働き方を阻害する制度的制約を取り除き、年齢・性別に依らず個々人の能力と意欲に応じた選択肢を用意し、疲弊しない体制の下でやりがいをもって切磋琢磨できる環境 ▼若手・中堅医師の本質的な動機付けとなっていると考えられる「専門性の追求」を存分に行える環境―などを整備することを掲げました。さらに(3)では、「エビデンスの蓄積・分析・活用によって更なる医学の進歩と知見の拡大・深化を促す」と同時に、「非専門的労働や情報技術で代替可能な業務を抽出して置き換えを進める」方針を打ち出しています。一方、当面の課題とされている「医師偏在」対策については、「地域・診療科の医師不足」を解消するための前提であることを強調。その上で、▼身近で広範な医療の機能は全国各地で容易にアクセスできるようにする(プライマリ・ケアの確保、情報技術の活用、チーム医療の推進、人材の重点的な育成や地域ごとの規制の特例など) ▼高度な医療の機能については、機能の集約と成果の見える化、モニタリング、情報公開―が必要と指摘し、まず「医療の機能の存在状況の『見える化』を進める」考えを明確にしています。このため、現在10万人規模で実施されている「働き方調査」の結果を踏まえるほか、▼都道府県などが、大学医局、関係団体などと協議しながら、効果的に取組を進められるよう、医師養成、確保にかかる制度的な環境整備を進める ▼グループ診療の推進等のサービス提供体制の強化 ▼情報技術の活用を促進する ▼診療報酬、地域医療総合確保基金など経済的手法や規制的手法の効果を精査した上で、どう組み合わせるべきかを検討する―などの具体的な提案も行っています。また「一律な制度設計ではなく、なぜ偏在が発生しているのかについて地域や医療機関ごとに要因を精査し、都道府県等の地方自治体が地域の状況に応じて自律的に対策を組み合わせて活用できる」ようにすることが重要と強調しています。今後は、上記の「働き方調査」結果を踏まえた上で、関係者(医療従事者や職能団体、自治体担当者、住民など)の意見も聞きながら、年度末に向けて取りまとめに向けた議論を進めていく予定です。>

M3「医師偏在、「プライマリ・ケア」と「地域」で解消 ビジョン検討会、「中間的な議論の整理」を公表」(https://www.m3.com/news/iryoishin/488875?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161223&dcf_doctor=true&mc.l=197365517)。<以下引用>
<厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(座長:渋谷健司・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)は12月22日の第7回会議で、「目指すべきビジョン」として、「地域が主導して、医療・介護と生活を支える」を掲げた上で、医師偏在の解消に向け、プライマリ・ケアの確保や、大学医局ではなく都道府県が中心となり取り組むことなどを盛り込んだ「中間的な議論の整理」を取りまとめた。「地域が主導して、医療・介護と生活を支える」というビジョンでは、地域ごとに住民と患者の「価値」は多様であることから、地域医療構想を踏まえ、都道府県等が中心となり、医師などの需給や偏在対策を決定することを提言。国は、必要な権限を委譲し、人材育成や財政的支援を行う立場になる。同ビジョン実現に向け、細分化した専門診療科では対応できない地域の多様なニーズに応えるため「国際的にそん色ない水準で我が国の医療の基本領域としてプライマリ・ケアを確立」を打ち出したことが特徴だ。現在検討されている新専門医制度では、19番目の基本領域として総合診療専門医を位置付ける方針。「中間的な議論の整理」では触れていないが、2017年度内にまとまる予定の最終報告で、同専門医と関係が打ち出されるか否かが注目される。そのほか、若手医師が「専門性の追求」を行う環境を整える際には、大学医局や都市部に偏らないようにすることも求めるなど、新専門医制を意識したと見られる記述が幾つかある。ビジョン検討会は、厚労省の「医師需給分科会」の議論のたたき台になるだけに、どんな医師の需給・偏在対策を打ち出すかが注目されている。「中間的な議論の整理」では、「たとえ医師供給数が十分であっても、医師偏在が解消しなければ、地域・診療科の医師不足は基本的には解消しない」と指摘。その上で、「経済的なインセンティブや物理的な移転の強制的手段のみに依存することなく、地域が主体となって、医師の意欲と能力を喚起し、能動的な関わりの結果として是正される方策を模索」と提言している。その際、大学医局ではなく、都道府県が主導し、偏在対策に取り組むよう求めている。もっとも、その具体的な方策までは踏み込んでいない。2017年1月末か2月初めにまとまる予定の「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」で、「見える化」し、現場の医師や職能団体の意見、行政の担当者、住民などを聞き、議論を深めるとしている。渋谷座長は、「今回は、あくまで中間的な議論の整理」と断った上で、「過去7回の検討会でかなり具体的な意見が出ている。しかし、医師偏在の解消に当たって、何が本当に障壁なのか、我々が頭で考えていることが本当に合っているのかなど、調査結果のほか、関係者や関係団体の意見などを踏まえて、具体的な内容に収れんさせていきたい」と述べ、現状を正確に把握した上で今後の議論を行い、制度設計を進める方針を示した。なお、2016年6月に閣議決定した「骨太の方針2016」では、「医療従事者の需給の見通し、地域偏在対策等について検討を進め、本年内に取りまとめを行う。特に医師については、地域医療構想等を踏まえ、実効性のある地域偏在・診療科偏在対策を検討」と記載されていた。厚労省医政局医事課長の武井貞治氏は、「今回、医師の地域偏在について議論し、検討したことは事実。中間的な形だが、今回このような形で取りまとめを行ったことは、骨太の方針が要求していることについて、一定の取り組みをしたと考えている」と説明した。3つのビジョン打ち出す 「中間的な議論の整理」は、「問題意識」「目指すべき基本哲学」「目指すべきビジョン」「ビジョンを踏まえた医師の需給・偏在対策についての考え方」「今後の進め方」の5章建て。「目指すべきビジョン」は、3つのビジョンに整理している。(1)地域が主導して、医療・介護と生活を支える、(2)個人の能力と意欲を最大限発揮できるキャリアと働き方を実現する、(3)高い生産性と付加価値を生み出す――だ。(1)では、前述の通り、地域医療構想を踏まえ、都道府県等が中心となり、医師や看護師等の医療従事者の需給や偏在対策を決定することを提案。プライマリ・ケアを基盤とする医療体制の構築を目指していることも特徴だ。看護師、薬剤師、介護人材等の業務範囲の拡大等によるタスク・シフティング、タスク・シェアリングの推進も掲げた。(2)では、「年齢、性別によらず、個々人の能力と意欲に応じた選択肢を用意し、疲弊しない体制の下でやりがいを持って切磋琢磨できる環境整備を推進」を打ち出した。その実現に向け、グループ診療、兼職、柔軟な派遣運用のほか、医療機関の管理者の意識改革や人材マネジメント、勤務時間等の労働環境の見える化・改善、診療報酬などの制度的な対応が必要だとした。医療従事者と医療機関等のマッチングを行うできるシステムの構築なども求めた。新専門医制度を意識し、若手医師らが「専門性の追求」を存分に行う環境を整えるため、「大学医局や都市部に偏らないように、それぞれの専門領域に該当する症例の多い医療施設を、複数施設での組み合わせも含めて地域で柔軟に選択できるようにする」との記述もある。(3)では、診療行為の内容と成果の「見える化」を強力に進め、エビデンスの蓄積・分析・活用によって、医学の進歩と知見の拡大・深化を促すとした。専門的な仕事に集中できる環境、AIやビックデータなどを活用し、生産性向上を図ることも提案している。>
 
「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=384675)の中間取りまとめ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000146856.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000146855.pdf)p2「地域医療構想を踏まえ、地域(都道府県等の自治体)が中心となり、リソースたる医師や看護師等の医療従事者の需給や偏在対策を決定する。」、p3「特に、地域においては、以下を優先的に実行する。・ 地域での医療・介護ニーズや必要なマンパワーやリソースの定量的な調査・分析を定期的に実施する ・ 地域での医師養成や医療資源配分の主導を、専ら大学医局のみに依存しないよう、ガバナンスと政策実行能力を早急に開発すべく具体的な施策(特に、地域医療を分析し、実効的な政策を推進できる社会医学やマネジメント能力に長けた人材の育成)を講ずる」、p5「特に、地域医療の確保の責任を都道府県等の地方自治体が主体性をもって的確に果たすために、地域のマネジメント機能を実質的に確立することが必要である。このため、都道府県等が主導し、大学医局、関係団体等のプロフェッショナルと協議しながら、効果的に取組を進められるよう、医師養成、確保にかかる制度的な環境整備を進める。」が目にとまった。今年6月3日の「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会 中間とりまとめ」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000120207_6.pdf)では、p6「専攻医の募集定員については、診療領域ごとに、地域の人口、症例数等に応じた地域ごとの枠を設定することを検討する。」「都道府県が策定する医療計画において、医師数が不足する特定の診療科・地域等について、確保すべき医師数の目標値を設定し、専門医等の定員の調整を行えるようにする。」「将来的に、仮に医師の偏在等が続く場合には、十分ある診療科の診療所の開設については、保険医の配置・定数の設定や、自由開業・自由標榜の見直しを含めて検討する。」、p7「医籍登録番号、三師調査等の既存の仕組みの活用も念頭に置きつつ、医師の勤務状況等を把握するためのデータベース化について検討する。」「特定地域・診療科で一定期間診療に従事することを、臨床研修病院、地域医療支援病院、診療所等の管理者の要件とすることを検討する。」等とあったが、今般の中間取りまとめ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000146856.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000146855.pdf)では、都道府県の役割が前面に打ち出されているように感じる。各都道府県ごとに、これまでの年度別の自治医大・地域枠出身医師の義務年限内の勤務先(診療科、地域)と派遣ルールが公表されてもよいかもしれない。「全国医政関係主管課長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=327739)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000114071.pdf)p92~「地域医療支援センターの設置状況について」の各都道府県の医師の派遣・あっせん実績をみれば、修学資金貸与者の配置調整、自治医科大卒業生の配置調整がなされている県が多いことがわかる。自治医大・地域枠医師の配置ルールや厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000111914.pdf)p36「地域医療支援センター運営事業」による法定化されている各都道府県の地域医療支援センター(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/chiiki_iryou/index.html)に関心が高まってもよいであろう。医療従事者の需給は医療計画の見直し(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)にも影響するが、スケジュールはどうなるのであろうか。医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)に係る医療法(http://www.ron.gr.jp/law/law/iryouhou.htm)第30条の3第1項に基づく「医療提供体制の確保に関する基本方針」、第30条の8に基づく「医療計画作成指針」、「疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制構築に係る指針」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_taisei1.pdf)の改定は今年度末であるが、医療部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126719)の動向も注目される。ところで、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=384675)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000138743.pdf)p4「医師の需給推計の結果について(暫定)」では、「2024年頃に需要推計(中位)と供給推計が均衡」「2033年頃に需要推計(上位)と供給推計が均衡」とあるが、p4「供給推計においては、今後の医学部定員については、平成28年度の9,262人が維持されるとして推計。」と注釈がついており、この供給推計には来年4月からの「国際医療福祉大学医学部」(http://narita.iuhw.ac.jp/igakubu/)が勘案されておらず、医師数ではもっと早い時期に需要と供給が均衡するであろう。しかし、医師偏在(診療科、地域)対策が強力に打ち出されなければ、むしろ問題が大きくなるように感じる。
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特定健診の見直しとデータヘルス

2016年12月26日 | Weblog
朝日新聞「メタボ健診の血糖値測定、食後3時間半でも可に 厚労省」(http://www.asahi.com/articles/ASJDP4RDCJDPULBJ00H.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<生活習慣病予防対策の特定健診(メタボ健診)で、血糖値の測定は食後10時間以上たった状態でしているのを、3時間半からでも可能にすることを厚生労働省が決めた。現在は10時間未満の場合、保健指導などの判定には使えない。2018年度から始めるという。メタボ健診は40~74歳を対象に企業の健康保険組合や市町村の国民健康保険などが実施。血糖値は、食後10時間以上たった空腹時血糖を採用しており、前日の夜から飲食を控えるよう求めている。過って朝食をとるなど、10時間以内に飲食をした人は、測定して高血糖の可能性があっても参考扱いになっている。厚労省の有識者検討会は21日、血糖値は食後3時間半たっていれば10時間以上と大きな差がないとして、保健師らによる保健指導や医療機関の受診を勧める対象とする判定基準として使えると見解が一致した。基準値は3時間半からでも10時間以上と同じとした。ただし、値がより安定して正確だとして、原則は10時間以上での測定とする。厚労省は、見直しによって保健指導などの対象となる人が増え、生活習慣病の予防につながることが期待できるとしている。>
 
特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=322611)の「新たに設定が必要な受診勧奨判定値及び保健指導判定値等について(non-HDL、随時血糖、eGFRなど)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000111248_8.pdf)は健診システムにも影響するため、早急に決める必要がある。「特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=322611)、「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=129197)、「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等のあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=328053)、「健康診査等専門委員会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=311909)はセットで動向をみておきたい。ところで、「保険者間の特定健診等データの移動に係る当面の対応」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000120413.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000120414.pdf)が出ていたが、「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=350947)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000122694.pdf)p2「保険者機能強化に必要なインフラの在り方には「マイナンバー制度のインフラ活用」がどうなるか気になる。連携が必要なのは特定健診だけではない。健康診査等専門委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=311909)で「乳幼児健康診査の事後フォロー」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000104581_4.pdf)が出ていたが、妊婦健診(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001ylvj-att/2r9852000001ymao.pdf)では、肝炎ウイルス検査、風しん抗体価、子宮頸がん検診、クラミジア検査、血糖検査なども行われており、母親の継続的な健康管理にも活用されるべきと感じる。
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地域共生社会の法案提出

2016年12月26日 | Weblog
NHK「「地域共生社会」実現に向け法案提出へ 厚生労働相」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161226/k10010820051000.html?utm_int=news_contents_news-genre-new_002)。<以下引用>
<塩崎厚生労働大臣は、大阪・豊中市で地域の住民どうしが暮らしを支え合う「地域共生社会」の実現に向け、市町村に対し住民の活動を包括的に支援する体制づくりを促すための法案を来年の通常国会に提出する考えを示しました。塩崎厚生労働大臣は大阪・豊中市を訪れ、地域の住民どうしが暮らしを支え合う「地域共生社会」の先進的な事例として、定年後の男性に社会参加を促すため住宅地に農地を開いて野菜の栽培に取り組む都市型農園や、小学校の校区単位で地域の住民ボランティアが生活相談を行っている活動を視察しました。このあと塩崎大臣は、記者団に対し「住民どうしが助け合うことで、高齢社会における活力を作り直していくことが大事だ。住民が主体的に地域の課題を把握し、解決する力を持ったうえで社会福祉協議会などの専門家がサポートするという体制が重要だ」と述べました。そのうえで塩崎大臣は、住民が地域が抱える介護や生活困窮者などの課題解決に取り組むため、市町村に対し包括的に支援する体制づくりを促すことなどを盛り込んだ介護保険制度改革の関連法案を来年の通常国会に提出する考えを示しました。>
 
今年6月の「ニッポン一億総活躍プラン」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/pdf/plan1.pdf)p16「子供・高齢者・障害者など全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる「地域共生社会」を実現する。」とあった。介護保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126734)の介護保険制度の見直しに関する意見(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000145516.pdf)p22~「地域共生社会の実現の推進」に注目である。「地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会(地域力強化検討会)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syakai.html?tid=383233)の論点案(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000138879.pdf)p4「自治体の組織体制としても、高齢、障害、子ども、生活困窮等の各分野が連携できる体制を作っていく必要があるのではないか。」の推進体制を構築する必要がある。例えば、資料「地域力強化に関する検討の経緯」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000138878.pdf)p1~2「障害者総合支援法による難病患者等への対象拡大」とあるが、子どもの難病(http://www.shouman.jp/)・大人の難病(http://www.nanbyou.or.jp/)の公費助成窓口は一般の市町村ではない。難病対策は医療費助成だけではない。「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000099473.pdf)p5「難病の患者が住み慣れた地域において安心して暮らすことができるよう、難病の患者を多方面から支えるネットワークの構築を図る。」、「小児慢性特定疾病その他の疾病にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本的な方針」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000138129.pdf)に示す保健医療福祉施策が欠かせない。「市区町村の支援業務のあり方に関する検討ワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-koyou.html?tid=371971)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/03-2.pdf)にあるように、児童・母子分野の地域包括ケアは急務であるが、産科医療機関がない市町村も多く、広域的な連携体制が不可欠である。これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syougai.html?tid=321418)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000138403.pdf)p5「一億総活躍の実現に向けて精神障害に対応した地域包括ケアシステムの構築(イメージ)」が掲げられていることも認識したい。「高齢、障害、子ども、生活困窮等の各分野が連携できる体制」は市町村完結ではない。そもそも「入院・退院」を考える圏域や各種政策医療は市町村単位ではないからである。「医療抜きの地域包括支援体制」はあり得ない。市町村と県・保健所の重層的・相補的連携がなければ、新しい地域包括支援体制は厳しい感じがしてならない。「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律(医療介護総合確保促進法)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000052238.pdf)第二条「この法律において「地域包括ケアシステム」とは、地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防(要介護状態若しくは要支援状態となることの予防又は要介護状態若しくは要支援状態の軽減若しくは悪化の防止をいう。)、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制をいう。」と、地域包括ケアシステムが「高齢者」に限定されている点の見直しが必要であろう。医療介護総合確保促進会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=206852)は高齢者に限定してはならない。
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