保健福祉の現場から

感じるままに

看護職員需給と訪問看護

2015年04月30日 | Weblog
看護職員需給見通しに関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=231904)で将来の看護職員需給見通しが検討されており、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000081306.pdf)における将来の医療需要、必要量を踏まえる必要があることが、論点(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000067078_1.pdf)にも挙がっている。全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=180575)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000077058.pdf)p94「地域医療計画との整合性等の観点から、平成30年からの需給見通しを地域医療計画と開始時期等を合わせて策定することとし、次期需給見通しは、平成28年及び29年の2カ年について策定することとなった。第7次の需給見通しの策定においては、各都道府県が病院等の対象施設に調査票を送付し、その結果を集計する方法をとっていたが、今回は対象施設に調査票を送付する方法はとらず、より簡易な方法により都道府県において推計していただくこととしている。具体的な推計方法については、今後検討会で検討し、平成27年4月以降、都道府県に作業をお願いすることになるので、引き続きご協力をお願いする。」とあった。地域医療構想は看護職員需給見通しに影響する。そして、公立病院改革(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)も小さくないように感じる。間違いなく需要が大きくなるのは、訪問看護であろう。3月31日付の医政局長通知「「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」の一部の施行について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20150331_02.pdf)p7にあるように、地域医療構想に定める事項として、「構想区域における将来の居宅等における医療の必要量」があり、①慢性期入院患者のうち医療区分Ⅰの70%相当数、②慢性期入院受療率の地域差解消による需要、③医療資源投入量175点未満の入院患者、④訪問診療患者推計、⑤介護老人保健施設入所者推計の合計数とすることが示されている。昨年度、国立保健医療科学院では医療計画PDCA研修(http://www.niph.go.jp/entrance/h26/course/short/short_iryo02.html)が2回行われ、医政局「医療計画作成支援データブック」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036854.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036855.pdf)のNDB分析データの活用に関する研修もなされている。但し、訪問看護は医療保険だけではない。保健所が行っている「医療施設静態調査」の調査票(http://www.mhlw.go.jp/toukei/oshirase/dl/rei02.pdf)では、各医療機関の訪問看護の実施状況(医療保険、介護保険)が把握でき、評価指標にも使えるであろう。また、訪問看護療養費実態調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/houmonkango_ryouyouhi.html)、介護給付費実態調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/45-1.html)の評価指標も活用したいところかもしれない。平成24年3月30日厚生労働省医政局指導課長通知で、医療体制構築に係る現状把握のための指標例(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_taisei2.pdf)が示され、在宅医療の推奨指標に「訪問看護利用者数(二次医療圏別、都道府県別)【NDB、訪問看護療養費調査、介護給付費実態調査】」とある。
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次世代医療ICT

2015年04月29日 | Weblog
NHK「医療情報を一元的管理 新番号制度検討へ」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150428/k10010064401000.html)。<以下引用>
<政府の産業競争力会議の作業部会が開かれ、厚生労働省は、医療や介護サービスの質の向上や効率化に向けて、診察や処方薬などの医療情報を一元的に管理する必要があるとして、国民一人一人に新たな番号を割りふる制度の導入を検討する方針を示しました。政府の産業競争力会議は、28日IT技術の利活用に関する作業部会を開き、甘利経済再生担当大臣や永岡厚生労働副大臣、それに有識者議員らが出席しました。この中で、永岡厚生労働副大臣は、「診察や処方薬、検査データなどの医療情報を一元的に管理することで、医療機関や介護施設間の連携が円滑になり、医療や介護サービスの質の向上や、効率化・適正化につながる」などとして、国民一人一人に新たな番号を割りふる制度の導入を、検討する方針を示しました。さらに、有識者議員は、こうした制度を導入することで、民間企業が医療情報を活用して新薬の開発などにつなげられるよう、ルールや環境を整備すべきだと提言しました。これを受けて、甘利大臣は、来年1月から運用が始まる、マイナンバー制度と、医療情報の新たな番号とを連携させる仕組みについても検討すべきだという考えを示しました。産業競争力会議の作業部会では、今後、制度の導入に向けた課題についてさらに検討することにしています。 >

新陳代謝・イノベーションWG資料(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/wg/innovation/dai8/siryou.html)には目を通しておきたい。「医療等分野におけるICT化の推進」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/wg/innovation/dai8/siryou5.pdf)をみれば時代が大きく変わる感じがする。この資料(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/wg/innovation/dai8/siryou4.pdf)では2025年までに、レセプトデータ+検査結果、服薬等のアウトカムデータ+手術成績等のアウトカムデータ+生活環境におけるバイタルデータ+母子健康手帳、死亡診断書等のデータ等が予定されている。全国健康関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000078305.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000078281.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000078282.pdf)で「社会保障分野における番号制度」が出ており、正確に理解しておきたい。平成28年1月から個人番号利用スタートの割には、保健福祉関係者の認識が低いように感じる。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000078281.pdf)p2のスケジュールでは「平成29年7月目途~ 地方公共団体・医療保険者等との情報連携も開始」とある。「全国高齢者医療主管課(部)長及び国民健康保険主管課(部)長並びに後期高齢者医療広域連合事務局長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000077878.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000077884.pdf)「医療等分野におけるマイナンバーの利用拡充」で「健康保険組合等の行う特定健康診査情報の管理等における利用;被保険者が転居や就職・退職により保険者を異動した場合でも、マイナンバーを活用して特定健診等の情報を保険者間で円滑に引き継ぐことにより、過去の健診情報等の管理を効率的に行うことが可能となり、効果的な保健事業を推進できる。」「地方公共団体間における予防接種履歴に関する情報連携;予防接種法に基づく予防接種の実施は、有効性・安全性等を考慮し、過去の接種回数、接種の間隔などが定められている。このため、転居者については、転居前の予防接種履歴を正確に把握することにより、より一層の有効性・安全性を確保することができる。」は地域保健従事者はぜひ知っておきたい。医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-jyouhouseisaku.html?tid=197584)の昨年12月の中間まとめ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000067915.html)はみておきたい。
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後発医薬品の普及

2015年04月29日 | Weblog
朝日新聞「後発医薬品の普及「8割に」 社会保障費抑制へ提言 財務省」(http://apital.asahi.com/article/news/2015042800002.html)。<以下一部引用>
<財務省は27日、予算の3分の1を占める社会保障費を抑制するための提言をまとめた。後発医薬品(ジェネリック)の普及目標引き上げや、75歳以上の医療費の窓口負担の引き上げなどが柱。少子高齢化に伴い、内閣府は社会保障費は毎年1兆円弱の伸びを見込んでいるが、同省はこうした改革で伸びを年0・5兆円程度に抑えられる、とする。この日開かれた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に示した。財務省は、政権が夏にまとめる2020年度までの財政健全化計画に今回の提言を盛り込みたい考えだが、自民党や業界団体の反発は必至で、議論は難航が予想される。提言では、現在「17年度に6割」としている政府のジェネリック普及目標を8割に引き上げる。さらに、先発医薬品を使っても、保険の給付額はジェネリックの価格を基準に支払うようにすることで、国費を4千億円節約できる、とした。医療費では、75歳以上の窓口負担を2割へ引き上げるべきだとしている。>

全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=180575)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000077059.pdf)p419~427「後発医薬品の使用促進」はみておきたい。p424の都道府県別後発医薬品割合をみれば大きな格差があることがわかる。p423「後発医薬品の安心使用促進のための協議会」は平成20年度から予算計上されている。「平成25年度:47都道府県中37都道府県で委託事業を実施」とあるが、全県で実施されるべきである。厚労省の「後発医薬品の使用促進」での1兆円の医療費抑制目標(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401250-Hokenkyoku-Iryouhitekiseikataisakusuishinshitsu/0000019922.pdf)には、後発医薬品割合の都道府県格差の是正が急務と感じる。そういえば、後期高齢者医療資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000077876.pdf)p5では、後期高齢者支援金(若年者の保険料) 6.2兆円(協会けんぽ2.0兆円、健保組合1.9兆円、共済組合0.6兆円、市町村国保等1.7兆円)とあり、p19「後期高齢者支援金の加算・減算制度について、予防・健康づくり等に取り組む保険者に対するインセンティブをより重視するため、多くの保険者に広く薄く加算し、指標の達成状況に応じて段階的に減算(最大10%の範囲内)する仕組みへと見直し、平成30年度から開始する(政省令事項)。特定健診・保健指導実施率のみによる評価を見直し、後発医薬品の使用割合等の指標を追加し、複数の指標により総合的に評価する仕組みとする。保険者の種別・規模等の違いに配慮して対象保険者を選定する仕組みとするとともに、国保、協会けんぽ、後期高齢者医療について、別のインセンティブ制度を設ける。」とあったように、保険者サイドからの後発医薬品普及が図られる。しかし、まずは生活保護医療扶助での後発医薬品徹底を図りたい。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000077381.pdf)p14「生活保護法第34条第3項;医師が医学的知見に基づき後発医薬品を使用することができるものと認めたものについては、被保護者に対し、可能な限り後発医薬品の使用を促すことにより医療の給付を行うよう努めるものとする。」とあるが、p12の生活保護における後発医薬品の数量シェアでは都道府県・政令市・中核市ごとの生活保護における後発医薬品の使用割合(数量シェア)が出ており、「最大78.9%(那覇市)~最低45.6%(和歌山県)まで、その差は約2倍。」である。p13「後発医薬品の数量シェアが75.0%以下である市町村(都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村)においては、後発医薬品の使用促進の取組に関する計画を策定。」、p14「後発医薬品の数量シェアが75.0%以下の医療機関については、都道府県等から状況の説明を行い、後発医薬品の使用促進について要請。」とあり、p51~「平成27年度から、後発医薬品の数量シェアが75.0%に達していない地方自治体については、更なる取組として、後発医薬品の使用促進にかかる計画を策定する取組を開始するとともに、後発医薬品の使用割合について一定の基準を達成した地方自治体については、医療扶助の適正化にかかる補助金において、補助率を引き上げることにより、取組の評価を行うことを予定している。」「平成27年度より、院内処方について、医師等が後発医薬品を使用することができるものと認めた場合については、生活保護受給者は、原則として後発医薬品を使用することとするとともに、後発医薬品の数量シェアが75.0%に達していない医療機関等に対し、後発医薬品の使用促進に関する働きかけを行う取組を開始する」と下線で強調されている。p54「一部の福祉事務所では電子レセプトシステムを活用できていないとの回答も見られたほか、都道府県等本庁においては、電子レセプトシステムにより得ることができるデータを指導対象医療機関の選定の一要素として使用し、実際に指導検査を行った事例がある都道府県等は31.2%、請求に特徴が見られる医療機関の把握に活用している都道府県等は19.3%であるなど、活用状況は低調であった。」とあるが、これではいけない。p57「電子レセプトシステムを活用することにより、長期にわたり入院している者や、入退院を繰り返し行っている者、複数の医療機関から向精神薬を重複して処方されている者、受診日数が過度に多い等不適切な受診行動が疑われる者等の把握は容易にできるものであり、受給者に対する適正受診の徹底や退院促進に向けた支援等について確実に実施するようお願いする。」を各自治体においてしっかり踏まえて取り組みたいものである。「後発医薬品の使用割合について一定の基準を達成した地方自治体については、医療扶助の適正化にかかる補助金において、補助率を引き上げる」は少々魅力的かもしれない。薬剤師の活用が期待される。とにかく、生活保護医療扶助で後発医薬品8割ができなければ、財務省提言は厳しい。
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TPPの情報公開の行方

2015年04月29日 | Weblog
産経新聞「TPP首席交渉官会合終了 知財など難航分野持ち越し」(http://www.sankeibiz.jp/macro/news/150428/mca1504280500001-n1.htm)。<以下引用>
<米ワシントン近郊で行われていた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の首席交渉官会合は26日、4日間の協議を終えた。投資分野で進展があった一方で、難航する知的財産は課題を持ち越した。TPP交渉の合意に不可欠とされる米国の大統領貿易促進権限(TPA)法案が成立していないため交渉の進展は限定的で、今後の協議予定について現段階では未定としている。今回の会合では、知的財産や投資、物品市場アクセスなどの分野別に少数国で論点を整理することを中心に協議を進め、並行して日米を含めた2国間協議も行った。投資分野では「(次回の)閣僚会合に向けた整理はかなり進んだ」(渋谷和久内閣審議官)と一定の成果があったという。一方で、最も難航している知的財産について、渋谷審議官は「かなり集中的に議論したが難しく、閣僚会合に向けた論点の整理はできなかった」と述べ、引き続き難しい課題が残されているとの認識を示した。政府はTPP交渉の21分野29章のうち、10章は既に交渉が終了したことを明かしており、残りの大半の分野でも「事務レベル協議で合意に持ち込める見込み」(交渉筋)としている。交渉参加12カ国は早ければ5月下旬にも大筋合意したい意向で、今後の交渉の詰めを急いでいる。ただ、米国以外の11カ国はTPA法案が成立し、米議会が持つ通商交渉の権限が大統領に一任されない限り、合意できないと主張している。>

日刊ゲンダイ「反対派の山田元農相が暴露した「TPPは日米合意済み」の“中身” 」(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159359)。

週プレニュース「極秘のはずのTPP交渉内容が米議員に全面公開! 日本はまた「不平等条約」に泣くのか」(http://wpb.shueisha.co.jp/2015/04/20/46654/)が出ているが、国内での情報公開はどうなるのであろうか。International Business Times「Leaked TPP Chapter: 5 Scary Provisions In WikiLeaks' Trans-Pacific Partnership Release」(http://www.ibtimes.com/leaked-tpp-chapter-5-scary-provisions-wikileaks-trans-pacific-partnership-release-1468856)が出ていたように「TPP=農業問題」では決してない。全国保険医団体連合会「TPPと医療の特集ページ」(http://hodanren.doc-net.or.jp/tpp/index.html)での「TPP協定交渉と医療制度」(http://hodanren.doc-net.or.jp/tpp/130627TPP-iryo.pdf)にも出ているように、もっと、知的財産権(http://thinktppip.jp/)等の非関税措置にも焦点があてられるべきである。TPP知財条項(http://thinktppip.jp/?p=519&lang=ja)に関心を持ちたい。
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総合診療専門医と主治医機能

2015年04月28日 | Weblog
日経ヘルスケア「総合診療専門医の研修カリキュラム案が明らかに 介護サービスへの理解や保健活動への協力などの経験も求める」(http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/report/t221/201504/541817.html)。<以下引用>
<日本専門医機構は4月21日、2017年から研修が始まる総合診療専門医の専門研修カリキュラム案を公表した。カリキュラムは、習得すべき知識や態度、技能をまとめた「到達目標」と、経験すべき症候・疾患や診療手技、業務などを定めた「経験目標」で構成される。さらに、総合診療専門医を養成する指導医やプログラム統括責任者の要件も明らかになった。資料は日本専門医機構のウェブサイトに公開されている。到達目標は、(1)患者や家族を医療の中心に据える「人間中心の医療・ケア」、(2)初期診療から慢性疾患の管理、予防医療まで提供する「包括的統合アプローチ」、(3)地域の多職種をまとめる「連携重視のマネジメント」、(4)地域特有のニーズに対応する「地域志向アプローチ」、(5)教育や学術活動に携わる「公益に資する職業規範」、(6)救急や在宅など様々な場所で診療に当たる「診療の場の多様性」――の6つのカテゴリーからなる。機構はこれのカテゴリーを「コアコンピテンシー」と位置付け、それぞれに具体的な必須目標と努力目標を定めた。例えば包括的統合アプローチでは、「患者の年齢、性別にかかわらず、早期で未分化な問題を含む大部分の健康問題の相談に乗る」ことや、「地域での有病率や発生率を考慮した適切な鑑別診断を挙げる」といったことが目標として設定された。地域志向アプローチでは、地域全体の健康増進に寄与する観点から「地域の保健・医療・介護・福祉に関する事業や社会資源・サービスの実態と特徴を理解し、評価できる」ことなども盛り込まれた。経験目標としては、経験すべき症候・疾患や診療手技、業務などを具体的に挙げた。症候ではショックや急性中毒、意識障害、心肺停止など59の症候が示され、これらに対して臨床推論に基づく鑑別診断、他の専門医へのコンサルテーションを含めた初期対応を適切に行うことを求めている。疾患としては、神経系、皮膚系、循環器系、感染症、小児疾患や悪性腫瘍など19領域で病態を明示し、他の専門医や医療職と連携しながらマネジメントを経験することを求めている。このほか、介護サービスへの理解や保健活動への協力など、果たすべき業務も盛り込まれた。総合診療専門医は2017年に始まる新しい専門医制度で、内科や外科、小児科などと並ぶ基本領域の専門医資格の一つとして新設される。領域別専門医の特徴が「深さ」であるのに対し、総合診療専門医は「扱う問題の広さと多様性」が特徴だ。総合診療専門医には、地域の医療や介護、保健などの分野でリーダーシップを発揮しつつ、在宅医療や緩和ケア、高齢者ケアなどを包括的に提供し、地域全体の健康増進に貢献することが期待されている。総合診療専門医の研修期間は他の専門医と同じく3年以上とされ、2020年には初の総合診療専門医が誕生する。プライマリ・ケア認定医や家庭医療専門医が指導医に 日本専門医機構は総合診療専門医の指導医やプログラム統括責任者の要件も明らかにした。新しい専門医制度では、指導医は「専門医資格を1度以上更新した専門医」としている。だが、総合診療専門医は新しい専門医資格のため、既存の専門医資格を持つ医師が1泊2日程度の指導医講習会と試験を受けた上で指導医になる見込みだ。指導医の候補としては、(1)日本プライマリ・ケア連合学会が認定したプライマリ・ケア認定医や家庭医療専門医、(2)全国自治体病院協議会・全国国民健康保険診療施設協議会が認定した地域包括医療・ケア認定医、(3)日本病院総合診療医学会認定医、(4)大学病院または初期臨床研修病院の総合診療部門で総合診療を行う臨床経験7年以上の医師――などが挙げられた。プログラム統括責任者の要件としては、総合診療専門医の指導医で、かつ(1)日本プライマリ・ケア連合学会認定指導医、(2)全自病協・国診協認定の地域包括医療・ケア認定施設の教育責任者、(3)日本病院総合診療医学会の認定医養成施設の教育責任者、(4)大学病院または臨床研修指定病院の総合診療部門の責任者――のいずれかであることなどが挙げられた。>

総合診療専門医の勤務は診療所だけではない。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000081306.pdf)ともセットで進めるべきと感じる。高度急性期・急性期病院と連携する回復期・慢性期病院においても必要であろう。また、多職種協働は施設内・同一経営グループ内だけではなく、地域での経営母体の異なる施設間連携が問われるように感じる。さて、中央社会保険医療協議会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000081548.pdf)p74「地域包括診療料を届け出た施設数」、p75地域包括診療加算を届け出た施設数」が都道府県別に出ていた。それぞれ、全国で122施設、6536施設であり、低調といわざるを得ない。総合診療専門医の専門研修を行う医療機関はぜひ算定すべきであろう。日本医師会から「かかりつけ医機能と在宅医療を中心とした診療所調査結果」(http://www.med.or.jp/shirokuma/no1831.html)(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20141217_3.pdf)が出ていたが、主治医機能の評価として導入された「地域包括診療料/加算」は2014年9月末時点で診療料を算定した診療所0.1%、同加算6.5%にとどまる(医事新報1月10日号)と報道されていた。平成26年度診療報酬改定資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039891.pdf)のp51~「主治医機能の評価」(糖尿病、高血圧症、脂質異常症、認知症の4疾病のうち2つ以上を有する患者が対象)について、資料(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20141217_3.pdf)p7「地域包括診療料・加算は、院内処方を原則」であるが、p6「院内処方の診療所の割合は全体で37.5%」である。これもネックの一つであろう。平成26年度診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000032996.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000037464.pdf)p49~「紹介率・逆紹介率の低い(紹介率40%未満かつ逆紹介率30%未満)500床以上の病院における初診料・外来診療料・処方料の適正化」は今年4月から実施されている。また、「医療保険制度改革」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/pdf/kettei_h270113_1.pdf)では、平成28年度から紹介状なしで大病院を受診した際の負担金の新設が予定されている。かかりつけ医療機関を中心に医療連携を本当に推進するのであれば、主治医機能の評価を限定的にすべきではないであろう。また、かかりつけ医における、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、認知症等の診療の質の確保・向上が不可欠であるのはいうまでもない。総合診療専門医への期待は大きい。
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DPCデータと医療計画

2015年04月28日 | Weblog
厚労省「DPC導入の影響評価に関する調査」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/database/dpc.html)の集計結果(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049343.html)は病院別に詳細なデータが出ている。平成24年3月30日厚生労働省医政局指導課長通知で、医療体制構築に係る現状把握のための指標例(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_taisei2.pdf)が示されているが、特に急性期病院の評価指標にはDPCデータが活用されるべきと感じる。医療機能情報HP(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)で公表されている項目も多いが、どれほど活用されているであろうか。「医療給付実態調査」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/iryouhoken/database/zenpan/iryoukyufu.html)や「医療施設調査」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/79-1.html)も医療計画の評価に活用されるようにすべきであろう。
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負担増ラッシュと医療費適正化

2015年04月28日 | Weblog
M3「医療保険制度改革関連法案:医療費負担増ズラリ 衆院委が可決」(http://www.m3.com/news/general/315636?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150426&dcf_doctor=true&mc.l=99154929)。<以下引用>
<医療保険制度改革関連法案:医療費負担増ズラリ 衆院委が可決 衆院厚生労働委員会は24日、医療保険制度改革関連法案を与党などの賛成多数で可決した。28日にも衆院を通過する見通しで、今国会での成立は確実だ。市町村の国民健康保険(国保)の再編とともに、「能力に応じた負担」を打ち出しているのが特徴で、所得の高い人を中心に保険料や医療機関での窓口負担を引き上げる項目が並んでいる。現在、サラリーマンの保険料は、1~47等級の「みなし月収」を基に計算されている。上限の47等級(ボーナスの12分の1を含む月収が117万5000円以上)の人のみなし月収は121万円で、保険料は一律だ。だが、2016年度以降は、48等級(月収123万5000円以上)から50等級(月収135万5000円以上)まで区分が増える。このため月収123万5000円以上の人(約30万人)は等級が上がって負担が増え、その総額は約500億円に上る。例えば、月収が136万円の場合は47等級から50等級になり、保険料率の基準となる「みなし月収」が121万円から139万円に引き上げられる。保険料率が9%で労使折半とすると、天引き額は5万4450円から、8100円増の6万2550円となる。さらに16年度からは健保が設定できる保険料率の上限(現在12%)も13%に引き上げられる。保険料が上がるのは現役世代ばかりではない。後期医療で約865万人を対象に保険料を最大9割軽減している特例措置について、一部の低所得者を除いて17年度から段階的に廃止し、本来の「最大7割減」に戻す。夫婦とも年間の年金収入が80万円の世帯の場合、月の負担は今の740円から2240円と3倍にアップする。患者の窓口負担も増える。低所得者を除いて1食260円の入院食の自己負担を16年度に360円、18年度に460円に引き上げる。1カ月の入院で1万8000円の負担増だ。このほか同法案には、開業医の紹介状なく500床以上の大病院などの外来を受診する患者から5000円以上を徴収する方針も盛り込まれている。◇医療保険制度改革関連法案による負担増と実施時期 ▽2015年度・給与総額が高い健保組合の高齢者医療への支援金を段階的に増額・国民健康保険料(介護分含む)の年額上限額を4万円増の85万円に(条例で定めた自治体のみ) ▽16年度・低所得者を除き、入院食の自己負担を1食260円から360円に・紹介状なく大病院を受診する患者に5000円以上の定額負担・月収123万5000円以上の人の保険料を引き上げ・健保の保険料率上限を12%から13%に・医師らの国保組合への国庫補助の段階的削減 ▽17年度・75歳以上の保険料の特例軽減措置の段階的廃止 ▽18年度・健康作りへの取り組みの有無で健保の高齢者医療費を10%増減・入院食の自己負担を1食460円に再値上げ>

全国保険医団体連合会「【政策解説】負担増のオンパレード ―医療保険制度改革関連法案とは①―」(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/iryounews/150315_sisk.html)、「【政策解説】医療の安全揺るがす―医療保険制度改革関連法案とは②患者申出療養―」(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/iryounews/150325_sisk.html)、「【政策解説】都道府県単位で医療費抑制―医療保険制度改革関連法案とは③医療費目標値の設定―」(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/iryounews/150405_sisk.html)、「【政策解説】医療費抑制と保険料値上げ―医療保険制度改革関連法案とは④国保広域化―」(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/iryounews/150415_sisk.html)がシリーズで出ている。「医療保険制度改革」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/pdf/kettei_h270113_1.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000076639.pdf)について、全国厚生労働部局長会議資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2015/02/dl/tp0219-16-01p.pdf)、「全国高齢者医療主管課(部)長及び国民健康保険主管課(部)長並びに後期高齢者医療広域連合事務局長会議」資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000077878.html)で詳細に出ているが、バラバラに報道されるためか、社会的関心度があまり高くないように感じる。資料(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/h240806_4-2-1.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/h240806_4-2-2.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/h240806_4-2-3.pdf)では、都道府県別の市町村国保と後期高齢者医療の実態に関する詳細なデータが順位付で公表されているように、医療提供実態の都道府県格差は大きい。こうした実態が地元マスコミでも積極的に情報公開されるべきであろう。「当面の検討課題 (案)」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/syakaihosyou_kaikaku/dai4/siryou3.pdf)では、「人口の「高齢化」に対応する社会保障」「「経済・財政」と両立する社会保障」「「地域に相応しいサービス提供体制の構築」や「地域づくり・まちづくり」に資する社会保障」が挙がっているが、これらのためには、それぞれの地域が、「地域のデータ・資料に基づき、地域で考える」ようにしなければならないように感じる。
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薬剤の医療費適正化

2015年04月28日 | Weblog
読売新聞「飲み残しの薬減らし、医療費29億円削減」(http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150426-OYT1T50014.html)。<以下引用>
<全国の薬局で処方する薬の量を調整し、患者が飲み残す「残薬」を減らした結果、推計で約29億円の医療費削減効果があったことが日本薬剤師会の調査でわかった。厚生労働省はさらに残薬を減らすことは可能と見ており、残薬の削減は2016年度の診療報酬改定に向けて、大きな争点となりそうだ。日本薬剤師会の調査は13年7月に全国の薬局5410軒を対象に行われた。薬局の処方箋約18万枚のうち、患者に残薬があるかを確認して薬の量を調整した処方箋が420枚あったことなどから、全薬局の年間の医療費削減効果を推計した。厚労省が13年に実施した別の調査では、残薬が生じた患者がいると答えた薬局は約9割に上った。残薬が生じた理由(複数回答)では、患者の7割近くが「飲み忘れが重なった」と回答し、「新たに別の医薬品を処方された」と答えた患者も約2割いた。>

厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000081548.pdf)p76「重複投薬や残薬を減らす方策」には薬局機能強化が不可欠と感じる。平成25年社会医療診療行為別調査の概況(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/sinryo/tyosa13/index.html)の薬剤の使用状況(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/sinryo/tyosa13/dl/yakuzai.pdf)で、p19「薬剤種類数の状況;後期医療の1件当たり薬剤10種類以上は院内処方9.4%、院外処方11.3%」、p22「後発医薬品の使用状況;薬剤点数に占める後発医薬品の点数の割合で総数11.1%、入院9.1%、院内処方11.9%、院外処方10.9%、薬剤種類数に占める後発医薬品の種類数の割合で総数44.8%、入院42.6%、院内処方44.9%、院外処方44.8%」とあるが、適正化の余地は小さくないように感じる。資料(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/h240806_4-2-1.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/h240806_4-2-2.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/h240806_4-2-3.pdf)では、都道府県別の市町村国保と後期高齢者医療の実態に関する詳細なデータが順位付で公表されているように、医療提供実態の都道府県格差は大きい。こうした実態が地元マスコミでも積極的に情報公開されるべきであろう。厚労省の「後発医薬品の使用促進」での1兆円の医療費抑制目標(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401250-Hokenkyoku-Iryouhitekiseikataisakusuishinshitsu/0000019922.pdf)も夢物語ではない。
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医学部の2023年問題

2015年04月28日 | Weblog
dot. Asahi「医学部を揺るがす「2023年問題」 問われる医師の人間力」(http://dot.asahi.com/aera/2015042300110.html)。<以下引用>
<ヒエラルキーが根強く残るとされる医療の世界。「治してやるのだから患者は言うことを聞け」という医師はまだ多い。しかし、もうそれでは通用しない。「2023年問題」を前に、医学部は揺れている。少子化で受験生が減っているのに、医学部医学科志願者は増加傾向が続く。地方を中心に、これまでは東大をはじめとする東京の大学に進学していた高校生が、経済的なことを理由に地元国立大の医学部を目指すケースが増えているという。一方、最難関の医学部受験や医師国家試験をくぐり抜けた医師たちが、世間を驚かせる事件を起こす事態も絶えることがない。最近も、群馬大学医学部附属病院で肝臓手術を巡り、1人の医師が診療の過失で8人の患者を死亡させた事件が明らかになった。下村博文・文部科学大臣は、アエラ本誌3月16日号に掲載した鼎談でこう述べた。「東大理Ⅲに行く学生の中には一定の割合で、医者になりたいのではなく日本最難関だから東大理Ⅲを選ぶという人がいると聞きます。それで、患者から信頼される医者になれますか」 外圧も強まっている。医学部の「2023年問題」と言われるものだ。米国・カナダ以外の医学部出身者が米国で医業を行う資格を審査する機関(ECFMG)が10年に、「23年以降は国際的な認証評価を受けた医学部の出身者しか申請を受け付けない」と宣言した。多様な国の医学部出身者が集まる米国で、医師の質を担保するためだ。欧米諸国や韓国、台湾などは国際的な基準にもとづく自国の医学教育の認証評価制度を持っているが、日本にはまだない。このままでは日本の医学部を卒業しても世界では働けない。国際基準に合わせ、臨床実習を増やす、実技を評価する、教育の質を評価するなどの仕組みづくりが、急ピッチで進む。筑波大は04年から、体験実習とディスカッションを増やした。外来エスコート実習のほか、福祉施設や付属病院、地域医療の現場での体験実習を義務づけている。卒業前の臨床実習も全国で一番長い78週間。大原教授によると、1年次から体験実習を多く経験することで、自分で考えて行動できる学生が増え、国家試験の合格率は上がったという。>

ネット記事(http://yoshiko-sakurai.jp/2013/05/09/4677)では「2023年までに日本の医学教育が国際標準に改められない限り、日本の医学部の学生は米国の医師国家試験を受けられなくなる」とあったが、医学部の「2023年問題」は認識したい。「国際基準に合わせ、臨床実習を増やす、実技を評価する、教育の質を評価するなどの仕組みづくり」は、何も米国で医業を行わなくても重要と感じる。東京圏国家戦略特別区域会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/tokyoken/dai2/shiryou.html)では成田市における「国際的な医療人材の育成のための医学部等の新設に関する検討について「極めて重要かつ緊急性が高い」とされているが、筑波大の取り組みを他大学に拡充するとともに、国際的な認証評価を受けるようにすべきである。東京圏国家戦略特区における医学部新設問題について、全国医学部長病院長会議の反対声明(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20141224_g2.pdf)、日本医師会の記者会見資料(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20141224_g1.pdf)はみておきたい。歯科医師過剰(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%AF%E7%A7%91%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E9%81%8E%E5%89%B0%E5%95%8F%E9%A1%8C)や法科大学院定員割れ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E7%A7%91%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2%E5%AE%9A%E5%93%A1%E5%89%B2%E3%82%8C%E5%95%8F%E9%A1%8C)と同じ轍を踏んではいけないであろう。
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急性期→慢性期の連携

2015年04月27日 | Weblog
キャリアブレイン「在宅復帰率の影響で「施設がライバル」-地域密着型病院の患者獲得策」(http://www.cabrain.net/management/article.do?newsId=45528)。<以下一部引用>
<2014年度の診療報酬改定では、在宅復帰を促進する姿勢が今まで以上に色濃く打ち出された。一般病棟7対1入院基本料(7対1)の施設基準に「自宅等退院患者の割合75%以上」という要件が導入されたのもその表れだ。今、この要件の「自宅等」にカウントされるかどうかで、病院の患者獲得力に差が出始めている。実際、「自宅等」に含まれる地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟、在宅復帰機能強化加算を算定している療養病棟、居住系介護施設、いわゆる在宅強化型老健施設などで、7対1からの引き合いが増えているという。大阪府枚方市にある松谷病院(医療療養40床)も、在宅復帰機能強化加算を算定している、「自宅等」に含まれる病院の一つ。この在宅復帰機能強化加算も14年度の診療報酬改定で新設されたもので、療養病棟入院基本料1を算定している病棟で「在宅復帰率5割以上」「病棟回転率10%以上」などの要件を満たせば、1日につき10点の加算が付く。点数自体は高くはないものの、患者獲得という側面では有利に働く。松谷病院を経営する医療法人松徳会の松谷之義理事長(日本慢性期医療協会副会長)は、「7対1の受け皿としての患者がそこそこ出てきています」と、7対1の要件変更による影響について話す。>

キャリアブレイン「通所リハ、急性期病院退院後の患者受入れを-理学療法士協会の調査報告書」(http://www.cabrain.net/management/article.do?newsId=45551)。<以下一部引用>
<通所リハビリテーション事業所と通所介護事業所における利用者の自立支援の在り方を検討しようと、日本理学療法士協会(半田一登会長)では全国調査を実施し、このほど結果を公表した。報告書には、今後の通所サービスにおける取り組みの方向性も示されており、2015年度介護報酬改定でも強調された「活動」と「参加」に焦点を当てたリハを推進するほか、回復段階にある急性期病院からの退院患者の受け皿になる必要性も挙げている。リハ職専従配置で日常生活自立度に改善傾向-通所介護事業所、理学療法士協会が調査 調査は14年度の老人保健健康増進等事業として行われた。対象は全国の通所リハ事業所1500施設(623施設が回答、有効回答率41.5%)、通所介護事業所3000施設(1082施設が回答、同36.1%)で、調査期間は14年7月25日-8月10日。■活動や社会参加を目指したリハ推進が必要 事業所で実施されている個別リハや個別機能訓練で提供されているプログラムを見ると、関節可動域や筋力増強訓練などの機能訓練が約45%を占めていた=グラフ1=。それらの機能訓練は、活動・参加を見据えたものと、それ以外のものにほぼ二分された。報告書では、活動や社会参加に向けた個別リハ・個別機能訓練の取り組みを評価し、さらに推進していく必要があるとしている。>

診療報酬改定資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039891.pdf)p30「7対1入院基本料における自宅等退院割合75%要件」があり、急性期医療機関と介護施設との連携強化が欠かせない。この際、診療報酬での地域連携診療計画は、急性期⇒慢性期も評価すべきである。また、介護報酬の「地域連携診療計画情報提供加算」(http://kaigokeiei.net/index.php?%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E9%80%A3%E6%90%BA%E8%A8%BA%E7%99%82%E8%A8%88%E7%94%BB%E6%83%85%E5%A0%B1%E6%8F%90%E4%BE%9B%E5%8A%A0%E7%AE%97%E3%81%A8%E3%81%AF)を普及させる必要がある。都道府県医療介護連携調整実証事業(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/jitu.pdf)では、二次医療圏単位で、保健所保健師が中心的な役割を果たして、病院ネットワーク+ケアマネネットワーク+病院・ケアマネ協議によって、退院調整ルールが策定されている。病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)の報告項目(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000058910.pdf)として、担う役割「急性期後の支援・在宅復帰への支援」の項目で診療報酬の「退院調整加算」「介護支援連携指導料」「退院時共同指導料」「地域連携診療計画退院時指導料」等がある。それらの指標は、すでに医政局「医療計画作成支援データブック」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036854.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036855.pdf)のNDB分析でも医療圏別に出ており、活用したい。
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胃がんリスク層別化検診

2015年04月27日 | Weblog
キャリアブレイン「胃がん対策型検診でのABC分類に慎重論」(http://www.cabrain.net/management/article.do?newsId=45535)。<以下一部引用>
<厚生労働省のは23日、公共サービスとして実施する胃がんの対策型検診に、ピロリ菌に感染しているかどうかを調べるヘリコバクター・ピロリ(Hp)抗体とペプシノゲン(PG)法、それぞれの検査を組み合わせたABC分類の導入の是非を議論したが、精度管理の難しさなどが指摘され、慎重論が多く聞かれた。乳がん検診の検査項目の見直しについては、最新データが示されたが、本格的な議論は次回に持ち越した。>

「がん検診のあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128563)の23日会合(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000083702.html)で、乳がん検診(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000083742.pdf)、胃がんリスク層別化検診(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000083700.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000083701.pdf)の資料が出ている。「平成25年度市区町村におけるがん検診の実施状況調査集計結果」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=147922&name=0000013913.pdf)p6をみれば、厚労省指針以外のがん検診は普遍化していることがわかる。国立がん研究センター がん予防・検診研究センター「「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン」2014年度版発行 対策型・任意型検診に新たに胃内視鏡検査を推奨」(http://www.ncc.go.jp/jp/information/press_release_20150420.html)(http://www.ncc.go.jp/jp/information/pdf/press_release_20150420.pdf)が出ていたが、厚労省の指針(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000059985.pdf)以外は不可というわけではない。新たな「がん対策推進基本計画」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/dl/setsumeikai03.pdf)p23で感染症対策からのがん予防が打ち出されており、既に、がんを防ぐための新12ヵ条(http://www.fpcr.or.jp/pdf/12kajou.pdf)では、「ウイルスや細菌の感染予防と治療」が柱の一つである。一昨年のヘリコバクター・ピロリ感染の診断・治療の保険適用拡大(http://www.hospital.or.jp/pdf/14_20130221_01.pdf)は、今後の胃がん対策の柱になる感じがする。
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医療事故調査制度の行方

2015年04月25日 | Weblog
日経メディカル「遺族に報告書が渡れば民事訴訟は避けられない 弁護士の長谷部圭司氏に聞く」(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t232/201504/541787.html?myselect=20150424)。<以下引用>
<予期しない死亡事故が発生した際に第三者機関に報告し、院内での医療事故調査を義務づける法律が今年10月から施行される(参考記事)。今年3月には医療事故調査制度の運用指針を議論してきた「医療事故調査制度の施行に係る検討会」が具体的な運用指針案を公表。先日まで、パブリックコメントを募集していた。制度施行を前に、医療事故に関する訴訟を数多く手掛けてきた北浜法律事務所の長谷部圭司氏に医療事故調査制度のあり方について聞いた。――長谷部先生と医療事故調査制度との関わりについて、お教えいただけますでしょうか。 私自身は、現在の医療事故調査制度設計自体に、直接関わりを持っていませんが、この制度に期待と不安を抱いています。特に不安に関しては、以下に述べるように数々の問題が予想されていますので、講演会やシンポジウム、さらには各病院での講習などを通じて啓発を行っています。――今年3月には医療事故調査制度の省令・通知案が示されています。遺族側が求めた場合にはこの報告書を渡すことを事実上、努力義務にしているほか、第三者機関が調査した場合は遺族に報告書を交付することになっています。報告書が遺族の手元に渡ることで民事訴訟は増えると考えられます。それだけではなく、刑事訴訟を誘発するのではないかと感じています。最も問題なのは、報告書が刑事訴訟に使用される恐れがあるという点です。もちろん民事に使用されるのも困るわけですが、最悪、民事訴訟は保険で補填されます。一方、刑事事件で有罪となった場合、損害保険では補填することはできず、有罪となった医師は医道審議会にかけられ、医師免許が取消しになる可能性が出てくることになります。このようなことになれば、通常の医師は過失がないようにと、過度に防衛医療に走ることになり、医療費の増大と萎縮医療を引き起こしかねません。報告書が刑事事件の資料として扱われないという保証は全くありません。刑事事件の資料として使わないとする、努力目標があるにすぎないのです。法律上の制限もないのに、警察官や検察官が捜査の手を緩めることは考えられません。そうなると、医療事故調査制度のために当事者が正直に話した結果、それが刑事事件の証拠として使用される可能性があるわけです。しかし、これは黙秘権の侵害となります。つまり、「何人も、自己に不利益な供述を強要されない(憲法38条1項)」「取り調べに際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない、旨を告げなければならない(刑事訴訟法198条2項)」と規定されているのに、そのような告知なく自分の不利益になるかもしれない供述をさせられてしまうのです。ですから、当事者から聞き取りをする場合には、黙秘権の告知もないと、事実上の黙秘権侵害が発生すると言えます。一方、上記の憲法上の人権の侵害を防ぐために、医療事故を起こした当事者に対し、事前に黙秘権について告知するとなれば、おそらく事故の経緯を話さない医師も出てくることでしょう。そうなると、医療事故の本質に近づけず、今回の制度の目的である「医療の安全を確保するために、医療事故の再発防止を行うこと」を達成できなくなってしまいます。これでは、医療事故調査制度の意味が全くありません。この医療事故調査制度で予想されている人権侵害に関して、今のところ弁護士会は一切動いていません。殺人事件の被疑者ですら、黙秘権が侵害されたとき、弁護士は大きな声でそれを指摘するのに、です。医師には人権は無いのでしょうか?――医療事故調査制度のために、当事者に話を聞く行為が将来的に刑事訴追の材料となる可能性が少しでもあるならば、医療者は医療事故調査に協力することをためらってしまってもおかしくはありません。どうすれば医療事故調査の目的を果たせるのでしょうか。私は、医療事故調査と医療者の黙秘権保護を両立するためには、「医療者の刑事免責」しかないと感じています。医療事故調査に協力する代わりに、刑事訴追をしないことを補償するということです。これは何も医療者が何をしても許されるべきだということを言っているのではありません。もし、誤投与など明らかに医療者に非があった場合は賠償・補償を行うなどの道はもちろんそのまま存在していますし、故意による場合については当然免責の対象となるものでもありません。もし免責を保証できないというのであれば、医療事故調査制度を行うにあたって、(1)黙秘権を告げた上で行う、(2)医療事故調査を、当事者を加えずに行う――のどちらかを選択しないとならないと考えます。(2)については、先ほどお話したとおり、今回の制度の目的を考えれば、現実的ではありません。医療事故の再発防止のため、さらに原因究明までするためには、当事者に正直に話してもらうことが不可欠です。刑事免責の議論をすると、「医療だけ特別扱いするのはおかしい」「一生懸命で済むならば警察はいらない」「特権階級を振りかざした恫喝だ」と言われることがよくありますが、果たしてそうなのでしょうか。 そもそも医師は、生命身体を取り扱っているため、ミスをすれば身体に何らかの影響がある確率が高いのです。ヒューマンエラーは必ず起こるものだということを踏まえると、普通に仕事しているだけで逮捕される職業と言えます。「業務の本質に起因するミス」で逮捕されるのであれば、「間違った品物を配達した配送員」「値段を間違えて販売した店員」「誤認逮捕した警察官」「法令解釈を誤った裁判官」も刑事手続きで裁かなければならなくなります。そもそも医師による医療行為は正当業務行為として、故意の傷害罪が違法性阻却されています。つまり、生命身体を故意に侵害してもよいと法律で規定されているのです。しかし、医療行為で過失があり、傷害が生じると業務上過失傷害に問われてしまうのです。さらに、医師には応招義務があり、「医療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない(医師法19条)」と規定されていますから、医師が危険から逃げることができないのです。これでは医療現場が萎縮してもおかしくはありません。この萎縮をなくすことこそ、医師にとっても患者にとってもメリットになると思うのです。再発防止を目的を達成し、国民全体がより安全な医療を受けることができるようになるためにも、医療事故については刑事免責することが大事だというのが私の主張です。医療事故調査制度の目的を達成するためには、当事者の刑事免責しかないと私は考えています。――現状示されてる制度に対し、指摘されているような問題への対策はないのでしょうか? ないわけではありません。ヒューマンエラーではなく、病院のシステムエラーに着眼した報告書を書ければ、「医療の安全を確保するために、医療事故の再発防止を行うこと」という法律の目的を達成でき、かつ個人責任の追及を避けられる可能性はあります。過去の医療事故に関する訴訟では、システムエラーではなく、ヒューマンエラーに着目した書き方になっていた例が多いです。しかし、ヒューマンエラーは必ずあるもので、ヒューマンエラーがあることを前提に、システムを構築することが大事なのです。ヒューマンエラーに注目しても医療安全にはつながらないのです。システムエラーに着目するというのは、例えば、使用する薬剤の取り間違いが起きた際、その原因分析として「似たような薬剤を同じ棚に置いている」「ダブルチェック体制がない」など、病院のシステム的な問題を指摘するというものです。そうすれば、結果として個人の責任追及を避けられます。――システムエラーに着目した院内調査を経験したことのない施設にとっては、とても難しいことのように感じますが……。システムエラーに着目した院内事故調査が難しければ、システムエラーを検討する必要性を十分に理解している支援団体に依頼するのがよいでしょう。そうは言っても全国で発生する医療事故調査を支援するには人手不足なのかもしれません。私自身は、システムエラーに着目した報告書の作成法を各医療施設に指導するため、支援団体に入ることを視野に入れています。今後は7月以降、医療事故調査制度に関するセミナーを開始し、院内調査や報告書作成時の注意点について指導したいと考えています。――医療事故調査制度に基づいて手続きを進めている中で、やはり遺族側に補償した方がよいと判断した場合はどうすればよいのでしょうか。そもそも今回の制度と、賠償は別問題です。賠償はこれまでも行われてきたことですし、ヒューマンエラーであってもシステムエラーであっても、和解を目指し、必要に応じて賠償することに変わりはありません。――第三者機関に提出するものは、聴き取りなどの内部資料は含まず、匿名化するよう通知案では示されていますので、責任追及には使われないのではないかという指摘も聞きます。このあたりについて、先生はどのようにお考えでしょうか。その内部資料も、警察の強制捜査では押収の対象となってしまいます。法律上、その文書は対象とならないとは書かれていませんから。そうすると、匿名化しようと問題は解決しませんよね。――最近は医療事故への刑事介入が減ってきたという声もありますが、この点についてはいかがでしょうか。大野病院事件以降、確かに社会の流れが変わり、警察・検察が謙抑的になってきたことは事実だと思います。しかし、減ってきたという事実上の話と、追及可能かどうかの法的な問題とは別個の問題です。法律家はいつも、「人権侵害となるおそれがある」だけで大騒ぎします。つまり、人権侵害は、法的に可能性があればダメなのです。ですから、刑事責任を追及可能である限り、問題は解決しません。>

M3「日本医療安全調査機構、“事故調”の準備着々 過去10年間のモデル事業239例も総括」(http://www.m3.com/news/iryoishin/314965)。<以下引用>
<日本医療安全調査機構は4月22日、2015年度の第1回運営委員会を開催、今年10月からスタートする医療事故調査制度における第三者機関である、「医療事故調査・支援センター」として手を挙げるべく、さまざまな準備を進めていることを報告した。運営委員会の座長を務める、東京大学法学部教授の樋口範雄氏は、委員会の冒頭で、「新たな制度の医療事故調査・支援センターを担うのは、他にはないという覚悟で、粛々とやっていきたい。これまで機構でやってきたモデル事業(診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業)を総括し、次につなげないといけない」と挨拶、意気込みを見せた。日本医療安全調査機構は現在は一般社団法人だが、公益法人の申請を昨秋に内閣府に対して行い、この5月には認可が下りる見込みだという。既に同機構理事会で了承された2015年度予算では、厚生労働省の医療事故調査・支援センターに対する補助金である5億3900万円を収入として見込んでいる。院内調査ガイドライン(1、2カ月以内に公表予定)、医療事故報告に関する相談体制をはじめ、医療事故調査・支援センターに必要な体制整備のほか、(1)院内調査マネージメントコース(7月以降、全国7カ所で実施予定)、(2)院内調査指導者養成コース(9月)、(3)医療事故調査制度の説明会、講演、広報資料等による周知活動――などの実施も予定している。さらに、モデル事業の在り方も見直し、9月までの半年間は、新制度に近い院内調査中心の「支援型」調査を、パイロット的に10事例程度実施する予定。「10月からの仕組みを先行してやっていきたい」(樋口氏)。モデル事業がこれまで実施してきた、第三者機関が調査する「従来型」と、第三者機関が院内調査への外部委員の派遣や報告書の検証などを行い、当該医療機関とともに調査する「協働型」についての新規受け付けは、ストップする。22日の運営委員会では、2005年度から日本内科学会で、2010年度からは日本医療安全調査機構で実施してきた、モデル事業の総括案も了承した。過去10年間に実施した計239例の実績のほか、医療事故調査制度についてさまざまな提言を盛り込んだ内容だ。調査結果の報告・遺族への説明については、「遺族と医療機関が事実を共有することが原則であり、そのためには口頭での説明だけではなく、報告書の交付が望ましい」とし、特に院内調査結果の報告書交付について、「報告書作成時における記載方法に留意し、事実と専門的評価を伝えるという原則を基本とした対応が重要である」とした。報告書交付は、厚生労働省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」で最後まで議論になった点だ(『“事故調”の説明、「遺族が希望する方法で」』を参照)。樋口氏は、「総括をできるだけ早く公表して、医療事故調査制度の中で生かしてもらいたい」と述べ、同機構理事長の高久史麿氏も、「早急にホームページで公表した方がいい」と述べ、モデル事業の経験を新制度に生かしたい意向を示した。機構には厚労省退職者が入る可能性も 運営委員会では、本機構中央事務局長の木村壮介氏が、モデル事業の総括案、2015年度の予算や事業計画などについて説明した。医療事故調査・支援センターは、厚生労働省が公募し、厚労大臣が指定する。まだ公募は始まっていないが、センターとして指定された場合に想定される運営形態として、木村氏は「日本医療機能評価機構が、委託を受けて、病院機能評価事業、医療事故情報収集等事業、産科医療補償制度運営事業をやっているのと同様になる」との見通しを説明。日本医療安全調査機構という名称は変わらず、機構の業務の一部として、センター業務を受けることを想定している。「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」代表の永井裕之氏が、「厚労省がどのくらい関与するのか。あまりにも関わってきたら問題」と質問。木村氏は、「民間の組織として存在するので、厚労省は関係ない」としつつ、類似の公益性の高い組織と同様に、厚労省を退職した人などが入ってくる可能性はあるとした。「行政とのパイプ役として機能すればいいが、管理される形になるのは問題」(木村氏)。日本医療安全調査機構の予算は、厚労省の補助のほか、同機構の社員・団体の会費(基本領域の学会20万円、サブスペシャリティの学会10万円)や助成金、寄付金などで賄う。「支援型」調査、費用は各医療機関の負担 この4月から9月まで、「支援型」の医療事故調査を行う理由について、木村氏は、「次の制度に滑らかに移行するためにも、(医療事故調査が)途絶えることはよくない」と説明、最近のモデル事業で「協働型」が増えてきたのも、新制度をにらんでのことだという。「支援型」の調査では、(1)解剖、(2)外部委員の参加、(3)院内調査の具体的な方法――について相談に応じるほか、院内調査結果報告書(案)について、中立・公正な立場で確認し、医学的妥当性等の観点からの見解を伝える。ただし、問題となるのは予算だ。従来は日本医療安全調査機構の予算で、調査費用を賄ってきた。しかし、この「支援型」についての予算は確保されていないため、各医療機関の負担で行う。調査にかかる費用は、実費で負担してもらうほか、機構への調査申請費用として、10万円を求める。「再発防止策、個別事案でも必要」 運営委員会では、10月からの医療事故調査制度についても議論になった。その一つが、センターにおける調査分析と再発防止策の検討。木村氏は、厚労省の通知案を踏まえ、「一例一例について、医療機関に返すのではなく、事例を集積し、一般化・普遍化した形で再発防止策をまとめる」と説明。これに異論を唱えたのが、弁護士の鈴木利広氏。医療法上では、「収集した情報の整理および分析を行う」となっているとし、そのあり方は省令ではなく、通知で規定され、「まだ決まっていない」と指摘。その上で、鈴木氏は、「限定的に考える必要はないのではないか。仮に通知で、集積した事例の分析に軸足を置くとしても、個別事例について分析してはいけないとなると、医療安全につながっていかないのではないか」との考えを述べ、個別事例の再発防止策も検討すべきとした。 永井氏も、鈴木氏の意見を支持したほか、(1)センターは、遺族あるいは現場の医療者からの相談を受ける、(2)解剖費用などを負担する仕組みを作る――などを求めた。これらの意見に対し、木村氏は、「内部告発もあるので、もう少し考える必要があるかもしれない。センターは、遺族から相談を受けた場合には、医療機関に伝えないといけないと個人的には思っている」との考えを示し、費用については当事者や遺族に負担がかからない配慮することが必要とした。モデル事業、「従来型」は平均11.1カ月 モデル事業の総括は、事業の概要や実績、医療事故調査制度への提言をまとめた内容。2015年3月現在、9つの地域事務局を置き、計12の都道府県で実施している。過去10年間で357事例の相談があり、うち遺族の解剖への承諾が得られなかった事例などを除き、239事例の調査を実施した。評価を終えた事例のうち、遺族の了解が得られなかった10事例以外の187事例については、評価結果概要を機構のホームページに掲載している。依頼した医療機関は比較的大規模な施設が多い。診療科別では、消化器外科(16.4%)が最も多く、死亡に至る経緯としては、手術等が48.3%で全体の約半数を占めた。モデル事業は、解剖を前提としている。2010年度から2012年度までに評価を終了した73事例では、計60事例(88%)において「死因究明、原因究明において調査解剖が大きく貢献している」と総括。申請受付から、遺族と医療機関への説明会開催までの期間は、「従来型」は平均11.1カ月、「協働型」は、協働調査委員会に加え、中央審査委員会を開催するために平均15.8カ月かかった。費用は、「従来型」が約90万円、「協同型」は約51万円だった。そのほか総括では、事例受付から、調査の在り方、評価結果説明に至るまで、モデル事業で培った経験をまとめている。>

M3「「カルテで過失の有無を判断」、保険会社が答弁 産婦人科協会設立総会、「産科医療補償制度の本音が判明」」(https://www.m3.com/news/iryoishin/313858?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD150421&dcf_doctor=true&mc.l=98387471)。<以下引用>
<一般社団法人日本産婦人科協会が発足、4月18日に設立総会が開かれ、「産科医療施設のリスク管理はどうあるべきか」をテーマに、シンポジウムが企画された。同協会は、分娩を取り扱う診療所や助産所などで構成、4月18日現在の会員数は379施設に上る。その席上、同協会事務局長の池下レディースチャイルドクリニック(東京都江戸川区)院長の池下久弥氏は、「産科医療補償制度の本音が判明した」と注目すべき発言をし、同制度が単に重度脳性麻痺の子供に対する補償だけでなく、責任追及の仕組みであるとの危機感を示した。事の発端は、池下氏が、産科医療補償制度の補償金の支払いを求め、同制度を運営している保険会社の一つである、東京海上日動火災保険株式会社を訴えた裁判。現在、控訴審中の同裁判において、東京海上は今年3月12日付の「控訴審答弁書」で、「事故の原因分析、その結果による分娩機関の過失の有無の判断のためにも、診療録および検査データ等の写しは必要なのであって、機構が補償約款によりこれらの提出を求めることには合理的な理由がある」と記載していた。池下氏が「本音」とするのは、この「過失の有無の判断」という部分だ。「機構」とは、本制度を運営する日本医療機能評価機構のこと。産科医療補償制度は、補償と原因分析報告書の作成をセットで行う。同機構は、「原因分析報告書は、医療安全の向上を目指すものであり、責任追及が目的ではない」と説明してきたが、東京海上の主張はこれと矛盾する。従来から池下氏は、原因分析報告書について、当事者の分娩機関が異議申し立てをできないほか、過失認定につながるなどの理由から、問題視してきた。報告書は、事実の認定にとどまらず、「誤っている」「劣っている」など、行為の妥当性を判断しているからだ(『産科医療補償制度で訴訟は増加するか』などを参照)。両親、原因分析報告書作成を望まず 産科医療補償制度の補償認定は、小児神経分野の医師などが作成した「診断書」を基に行われる。診療録は、主に原因分析報告書作成時に使用される(『補償や原因分析にカルテは必要 - 日本医療機能評価機構に聞く』を参照)。本裁判は、池下氏自身が担当した、重度脳性麻痺で生まれた子供の補償をめぐるもの。妊婦は経産婦で、健診では異常はなかったものの、2012年8月に第38週で陣痛を覚え、午前4時ころに急きょ入院、緊急の帝王切開手術を行った。池下氏は、院内で検討し、重度脳性麻痺の原因は、常位胎盤早期剥離と判断。妊娠や分娩の経過、自院で調査した結果などを基に、診療経過に過失はなかったことを確認した上で、2013年9月に両親に産科医療補償制度と同額の3000万円を支払った。同制度は、3000万円を20年にわたり分割して支払う。子供の両親が、仮に子供が死亡しても支払いが続くことなどを避けたいと思い、一括支払いを希望したため、池下氏が肩代わりした形だ。なお、両親との間に争いはなく、女性は2014年夏にも、池下氏のクリニックで出産している。その後、2014年3月に、日本医療機能評価機構に対して補償を申請。「診断書」などで補償対象基準を満たしていることが明らかであるため、機構には診療録を提出しなかった。両親は、原因分析報告書は匿名化されるものの、同機構のホームページで公表されるため、それを嫌がり、作成を望まなかったからだ。その結果、補償審査がたなざらしとなった。そこで池下氏は2014年8月、東京海上に3000万円を直接支払うよう求めるため、東京地裁に提訴した。しかし、同年12月の東京地裁判決は、本制度に適用される保険約款には、「日本医療機能評価機構が、補償対象として認定する場合に限り、保険金を支払う」と記載されていることを指摘し、機構の認定を経ずに東京海上が支払う理由はないとして、池下氏の請求を棄却した。池下氏は判決を不服として控訴。池下氏の代理人弁護士の井上清成氏は、本裁判の意味について、「補償と原因分析が一体化していることが、産科医療補償制度の問題。難しい裁判とは思っていたものの、診療録がなくても補償が下りれば、この点にくさびを打つことができると考えた」と説明。「補償認定に、診療録が必要か否か」を争っていた裁判の副産物として、診療録を「過失の有無の判断」に用いる、つまり産科医療補償制度が責任追及と連動した仕組みであるという、保険会社の「本音」が出てきたとも言える。控訴審判決は5月に予定されている。この10月からスタートする医療事故調査制度では、「死産」も対象になる。池下氏は、本制度について、「医療事故調査制度は、産科医療補償制度を反面教師としている。産科医療補償制度を今後、どのようにして改善するかが課題」とした。井上氏も、「産科医療補償制度は、医療事故調査制度に倣い、見直すべき」と指摘した。産科医療補償制度、大綱案の「古いスキーム」 日本産婦人科協会の会長には、大川産婦人科医院(東京都日野市)院長の大川豊氏が就任。紛争に巻き込まれた施設への支援や、産科医療をめぐる制度改正への提言などを行っていく方針。前身は、任意団体として1997年に発足した産科中小施設研究会で、出産育児一時金直接支払制度の導入撤回などの活動を展開してきた(社保審で8月末までに結論、出産育児一時金等直接支払制度』などを参照)。シンポジウムでは、池下氏と井上氏が言及したように、産科医療補償制度の問題点のほか、医療事故調査制度に対し、分娩施設がどのように対応すべきかが問題になった。井上氏は、「医療事故調査制度は、古いスキームで作られた産科医療補償制度と比べれば、いい制度になっている」と見る。「古いスキーム」とは、前自民党政権時代の2008年6月にまとめられた医療事故調査制度に関する「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」のスキームだ。産科医療補償制度のスタートは2009年1月であり、「両制度は同じようなメンバーが議論し、作成した」(井上氏)。10月からの医療事故調査制度は、「大綱案」と異なり、(1)第三者機関の調査ではなく、院内調査が基本、(2)調査結果を行政等に通知する仕組みがない、(3)原因究明ではなく、再発防止のための調査という意味合いが強い――などの相違があると、井上氏は説明。「産科医療補償制度は、無過失補償を口実にして、何もかも調査しようとしている。原因分析報告書は、当事者の意見を聞かずに作成され、子供の家族側に交付される。表面的には訴訟が増えていないと言うが、報告書を基に、水面下で損害賠償請求が行われている」(井上氏)。医療事故調査制度に倣い、産科医療補償制度を見直すべきとするゆえんだ。自然死産は報告の対象外 シンポジウムでは、医療事故調査制度への対応が議論された。特に問題になったのは、第三者機関である医療事故調査・支援センターに報告する医療事故の定義だ。報告すべき医療事故は、法律上、「当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、または起因すると疑われる死亡・死産であって、当該管理者が当該死亡・死産を予期しなかったもの」と定義されている。まず問題になるのが「死産」。厚生労働省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」では、自然死産も含まれるか否かが議論になった。同検討会に参考人として出席した池下氏は、「胎児因子から母体合併症まで、自然死産は約1%存在する。これらは全て医療行為中のものであっても、予期していたものと認めることができる」との解釈を示した。また井上氏は、「妊婦健診は医療ではなく、健診中の自然死産は報告しない」とした上で、「健診で異常が見つかり、何らかの医療行為が行われ、その行為により死産に至れば、報告対象にはなり得る」と説明。死産の説明、妊婦のストレスに 厚労省は、「予期しなかった」に該当するのは、「死産を予期していることを説明していた」など、3条件に該当しない場合と定義する方針。自然死産などをどのように妊婦に説明するかについても、議論になった。池下氏は、自院では妊婦への同意書に、「自然死産は、100人中約1人、母体死亡は2万人に約1人あります」と記載している。しかし、厚労省は統計的データではなく、当該妊婦等の個別ケースについての説明を前提とする方針。日本産婦人科協会副会長で、池川クリニック(神奈川県横浜市)院長の池川明氏からは、「自然死産には、妊婦のストレスも影響していると考えている。妊婦に安心・安全を与えるための医療と、医師を守るための医療が相反する。妊婦に自然死産や母体死亡のリスクなど厳しいことを言えば、医師は身を守れるが、妊婦のストレスになる。自然死産について、どう説明するかは悩ましい問題」と、現場の苦悩を語った。井上氏は、「3条件」の中に、口頭で説明しなくても、診療録等への記載があれば、「予期していた」と認められるとされているとし、状況に応じて医師が判断し、対応するよう提案した。>

M3「医療事故、警察への届出、2割も増加」(http://mm.m3.com/r/6d6DL-16Lf-1aRI.html?dcf_doctor=true)。<以下引用>
<医療事故等の関係で、医療者や家族などからの警察への届出件数は、2014年1年間で137件に上り、2013年と比べて約2割増加したことが、このほど明らかになった。2011年は146件と多かったものの、2012年は117件、2013年は114件と2年連続で減少したものの、また増加に転じた(2013年のデータは、『医療事故、被害者からの届出は微増』を参照)。137件の内訳を見ると、最も多いのが、医療関係者等からの届出で88件で、前年比13件増、家族等からの届出は40件で、前年比6件増で、いずれも17%の増加。2014年は、今年10月からスタートする医療事故調査制度の論議が活発だったほか、東京女子医科大学病院のプロポフォール投与事故をはじめ、医療事故の報道がそれ以前よりは目立ったため、警察への届出にも影響したことが考えられる(『医療界の自発的な取り組みへの信頼が基本』を参照)。 届出数増加の一方、2014年の年別立件送致数はそれ以前の2カ年と比べて、少ない。2013年は93件、2013年は81件だったが、2014年は55件にとどまっている。過去10年では、2011年と並んで低い数値だ。この年別立件送致数には、2014年よりも前に届出があり、送致された件数も含まれる。各年の届出が立件送致された数を見ると、2013年の114件の届出のうち、2013年中に送致されたのは2件だったが、2014年末まででは15件、その差、13件が2014年に送致されたことが分かる。データが入手可能だった2005年以降では、古いものでは2006年の70件のうち、3件は2014年に送致されたものだ。2014年に増加に転じた届出が今後、どの程度、送致されるか、その動向が注目される。>

厚生労働関係部局長会議資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2015/02/tp0219-1.html)の医政局資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2015/02/dl/tp0219-03-02p.pdf)p37~p40、全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=180575)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000077058.pdf)p5~6にあるように、今年10月に医療法による医療事故調査制度が施行される。医療事故調査制度の施行に係る検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=228657)の取りまとめ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000078202.html)に目を通しておきたい。日本病院会「平成26年度 医療安全に係わる実態調査報告書(抜粋)」(http://www.hospital.or.jp/pdf/06_20150306_01.pdf)p18「全国規模への推計;「患者が死亡、あるいは重篤な後遺障害を残した医療事故の経験数」」で、「全国;2506件/年[病床規模別発生件数の合計で算出]、1施設当り;0.65件/施設/年[全国を同一規模とした場合の平均]」とある。全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000077064.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000077058.pdf)p44「管下医療機関に対し、管理上重大な事故等が発生した場合は、保健所等へ速やかに連絡を行うよう周知いただくとともに、立入検査等を通じ、必要な指導等を行うようお願いする。」とあり、重大事故の際には保健所にも連絡が入るよう、要請されている。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000077058.pdf)p5に示すように対象となる医療機関は病院・診療所・助産所であることは理解したい。なお、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000077059.pdf)p138~にあるように、産科補償制度は今年から制度改正された。
コメント

TPPの情報公開の行方

2015年04月24日 | Weblog
NHK「TPP情報公開 守秘義務踏まえ検討」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150424/k10010059741000.html)。<以下引用>
<甘利経済再生担当大臣は、衆議院の内閣委員会と農林水産委員会の連合審査会で、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉内容の情報公開が不十分だと指摘されたのに対し、「守秘義務に抵触しない範囲で、どこまで対応できるか検討している」と述べました。この中で、甘利経済再生担当大臣は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の日米2国間の交渉で焦点となっている主食用のコメの日本への輸入量について、「『アメリカにとってのコメの重要度と、日本にとっての重要度では100倍以上の開きがあることを踏まえ、交渉することが基本だ』と主張している。決着はついておらず、引き続き事務レベルで協議している」と、交渉の状況を説明しました。そのうえで甘利大臣は、野党側から「交渉内容の情報公開が不十分だ」と相次いで指摘されたのに対し、「守秘義務があるなかでどう情報を開示するか、交渉参加各国いずれも非常に悩ましいなかで模索している。守秘義務に抵触しないなかで、どこまで対応できるか検討中だ」と述べました。また、甘利大臣は「TPPの枠組みはさらに拡大していく。『直ちに参加したい』という13か国目、14か国目があり、拡大していく枠組みの中で、共通の価値観に基づく通商ルールを作っていかなければならない」と述べました。>

既に週プレニュース「極秘のはずのTPP交渉内容が米議員に全面公開! 日本はまた「不平等条約」に泣くのか」(http://wpb.shueisha.co.jp/2015/04/20/46654/)が出ているが、国内での情報公開はどうなるのであろうか。International Business Times「Leaked TPP Chapter: 5 Scary Provisions In WikiLeaks' Trans-Pacific Partnership Release」(http://www.ibtimes.com/leaked-tpp-chapter-5-scary-provisions-wikileaks-trans-pacific-partnership-release-1468856)が出ていたように「TPP=農業問題」では決してない。国別の一覧表(http://big.assets.huffingtonpost.com/1296_001.pdf)は、現在どうなっているのであろうか。医事新報平成25年10月26日号p129で「TPP参加の「今そこにある危機」は医薬品・医療機器価格規制の撤廃・緩和による医薬品・医療機器価格の上昇であり、それは患者負担の増加と医療保険財政の悪化をもたらし、保険給付範囲の縮小と診療報酬の抑制につながる」とあった。全国保険医団体連合会「TPPと医療の特集ページ」(http://hodanren.doc-net.or.jp/tpp/index.html)での「TPP協定交渉と医療制度」(http://hodanren.doc-net.or.jp/tpp/130627TPP-iryo.pdf)にも出ているように、もっと、知的財産権(http://thinktppip.jp/)等の非関税措置にも焦点があてられるべきである。TPP知財条項(http://thinktppip.jp/?p=519&lang=ja)に関心を持ちたい。条約は国内法に優先する。
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がん、脳卒中、心筋梗塞のカバー率

2015年04月24日 | Weblog
地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=216011)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000081306.pdf)p22「がん、脳卒中及び急性心筋梗塞については、医療計画を踏まえて構想区域ごとに改めて確認・検討する」、p56「医療計画においては、がん、脳卒中、急性心筋梗塞に関して、地域連携パスの作成等による医療提供体制の構築を促しているところであるが、これを更に推進するためには、各医療機関が自主的に取り組む際に参考となる主な疾病に関する情報が必要となる。」、p57「がん、脳卒中、急性心筋梗塞の3疾病について、治療を行っている医療機関までの移動時間を解析したアクセスマップを示す。これにより、入院医療へのアクセスのしやすさを検討することが可能となる。」とあることに注目したい。がん、脳卒中、心筋梗塞は糖尿病等に比べて、診療圏が広いであろう。ガイドラインp11「高度急性期は診療密度が特に高い医療を提供することが必要となるため、必ずしも当該構想区域で完結することを求めるものではない。」とあるが、高度医療機器との関連も大きく、広域的に病床の機能分化・連携を考慮すべきである。例えば、SPECT検査・PET検査(http://medical-checkup.info/article/46902511.html)は昨年10月からの病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)の報告項目(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000058910.pdf)でもあるが、地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000081306.pdf)p51にあるように、SPECT検査・PET検査(http://medical-checkup.info/article/46902511.html)は公表しなければならない項目である。がん情報サービス「がん診療連携拠点病院」(http://hospdb.ganjoho.jp/kyotendb.nsf/xpKyotenSearchTop.xsp)では「指定要件に関する情報1」の「Ⅶ患者数・診療件数の状況」で検査実施状況があり、SPECT検査やPET検査(http://medical-checkup.info/article/46902511.html)は多くの拠点病院で実施されていることがわかる。しかし、がん診療だけではない。SPECTによる脳血流の画像診断(http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/general/pamph33.html#anchor-8)、PETによる脳血流・酸素代謝の画像診断(http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/general/pamph33.html#anchor-9)、PETによる心筋代謝の画像診断(http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/general/pamph33.html#anchor-5)は臨床現場で広く行われるようになっているが、医療機関の連携がぜひ必要と感じる。病床の機能分化・連携は医療機器の面からも推進すべきであろう。さて、以前の厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_b-4.pdf)p2「領域別医療計画・実行計画の立案(例)」で「胃・肺については圏域内での自己完結率を全体で80%、手術症例で60%程度まで高めることを目標とし、他のがんについては隣接する△△医療圏の施設との連携を図ることで、手術も含めて90%以上の自己完結率をめざす。 また、化学療法と放射線治療については、圏域内での自己完結率を前者については80%、後者については60%以上を目標とする。」とあった。医政局「医療計画作成支援データブック」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=141464&name=2r98520000036flz.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036854.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000036855.pdf)の可視化ツールによる分析を使って、例えば、資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_b-4.pdf)p17「自己完結率でみると、悪性腫瘍全体で40~50%にとどまり、特に入院手術症例に関しては胃がんが50%である以外は、肺がんが35%、乳がんが40%、直腸がんに関しては全例が粕屋医療圏以外となっている。がんの化学療法、放射線治療は入院・外来ともに前者が約35%、後者が約20%の自己完結率となっている。」のような現状分析をもとに、p17「肺がん・胃がん・乳がんについては自己完結率が60%以上になるよう域内施設の機能充実を図る。化学療法及び放射線治療については、入院外来とも前者が60%、後者が40%の自己完結率となるよう域内施設の機能強化を図る。医療圏全体として隣接医療圏への依存度が高いことから、現行で対応ができている消化器系の悪性腫瘍以外は、他の悪性腫瘍については上記2医療圏を含めた広域圏での対応を考える。現行では悪性腫瘍に関する地域連携の算定がほとんどない。既存の在宅医療ネットワークを基盤として悪性腫瘍に関する地域連携の強化を図る。」のように、がん、脳卒中、心筋梗塞について、現状分析と方向を打ち出すことが考えられるであろう。平成24年の医政局長通知(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_keikaku.pdf)p6では、「人口規模が20万人未満であり、且つ、二次医療圏内の病院の療養病床及び一般病床の推計流入入院患者割合が20%未満、推計流出入院患者割合が20%以上となっている既設の二次医療圏については、入院に係る医療を提供する一体の区域として成り立っていないと考えられるため、設定の見直しについて検討することが必要である。」とあったが、がん、脳卒中、心筋梗塞のカバー率分析は非常に重要と感じる。ところで、日経メディカル「脳卒中治療ガイドライン改訂版、6月発行予定」(http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/special/dmns/report/201504/541515.html)、「今後の脳卒中治療の理念示す「広島宣言」発表」(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/dmns/report/201504/541512.html)が出ている。まさに医療は日進月歩である。
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地域医療構想は実行計画

2015年04月24日 | Weblog
M3「地域医療構想、民間委託の流れに危機感、日医 2025年の医療提供体制、病床削減もテーマに」(http://www.m3.com/news/iryoishin/314699)。<以下引用>
<日本医学会総会において、4月12日に「2025年の医療提供体制へ向けた長期計画」と題したシンポジウムが開かれた。焦点は、地域医療構想やそのガイドラインの扱いで、地域医療構想ガイドラインを策定した専門家が、「療養病床の削減」を将来の課題に上げたのに対して、日医からは「病床削減にはならない」と指摘する場面があった。また、地域医療構想区域の設定に当たっては、民間事業者が入る動きがあり、日医は「とんでもない」と述べ、注視していく考えを示した。区域「原則2次医療圏」 講演者は、「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」で座長を務めた遠藤久夫氏(学習大学経済学部長)、日本医師会副会長の中川俊男氏、厚生労働省医政局の二川一男氏の3人。遠藤氏は「医療提供体制改革の方向と課題」と題して講演。現在の在宅医療重視の流れについて、高齢化の進展において、病院完結型の医療がある中で、「病床は増やさないで対応する流れ」と指摘した。都道府県主体の病院再編や地域医療構想については、「新しい試み」と述べた。具体的には、「診療報酬には、個々の地域に適切に対応できない問題があった。地域医療計画は、ある程度実情を反映できるが、機能の区別ができなかった」と指摘した上で、今回の地域医療構想で、機能分化と地域の特殊性の両者に対応できる点に言及。その上で、各地で提供体制だけでなく、医療需要の違いを見据えて、「需要と供給のミスマッチを防ぐ新たな試みでは」とした。地域医療構想の区域については、遠藤氏は「原則2次医療圏」と説明した。療養病床については、削減に向けた議論を踏まえて、「在宅医療と療養病床を包括的に見る」と述べ、従来の療養病床の代替として、在宅医療推進の流れがあることに理解を求めた。7対1入院基本料の病床についても、その多さを指摘して、「急性期病床の数が適正化どうかの議論はある」とした。今後の課題として、遠藤氏がまず指摘したのは、都道府県の対応能力。都道府県は、地域医療構想区域の設定や国民健康保険の主体となる流れがあり、医療費適正化計画の見直しも控えており、遠藤氏は、都道府県が国や市町村との連携が重要になっていくとの認識を示した。さらに「療養病床の削減」についても課題として言及し、在宅医療の進展に向けて、訪問看護師の不足などが考えられるとして、訪問看護師や総合診療専門医の育成に期待を示した。「誤った理解が広がっている」 中川氏は、講演の冒頭で「地域医療構想について誤った理解が広がっている」と指摘。医療機関にとって「自分の医療機関のデータを客観的に把握して、将来像を描くことができる制度」と強調した。地域医療構想に向けて、厚労省が示したガイドラインが、「参考」との位置付けになったことを、「行政として勇気がある」と述べ、地域の自主性を重んじた動きになる点を強調した。遠藤氏と認識が異なった点もあった。病床機能区分や医療需要の推計について、遠藤氏は病床の削減につながる可能性に言及したのに対して「地域で不足している機能の病床を、充足することができる」と述べた。さらに、地域医療構想区域については、「2次医療圏で決まったわけでない」として、地域の実情に合った区域を設定するように求めた。
 医療需要の推計については、診療報酬の点数が目安となっているものの、「医療資源投入量の目安。病床を規定するのでは、患者を推計するためのもの」と強調して、診療報酬とのリンクを懸念する声に反論した。また拡大する都道府県知事の権限については、丸1年稼働していないなどの病床への対応などに限定されている点を紹介し、”知事による強制的な病床削減”のイメージへ反論した。中川氏は、現状の課題について、都道府県の地域医療構想策定に向けた温度差を挙げた。2015年度予算において、20の自治体が、構想区域の策定を民間事業者に委託する動きを紹介し、「とんでもない」と指摘。地域の実情を考慮しないまま、ガイドラインの基準をそのままの区域策定に危機感を示した。この点は、ディスカッションで山口県医師会の担当者も危機感を示し、中川氏は重ねて注視していく考えを示した。外来も今後議論の対象に 二川氏は、医療資源が西高東低となっていることなどを紹介しながら、地域医療構想の狙いとして「足りない部分をどうするかを地域で、話し合ってもらう」と説明し、あくまで地域の自主性を重んじることを強調した。ただ、実際に回復期病床への転換を望む医療機関が少ない点を紹介した上で、「おおまかな話だが、回復期は足らない」とした。地域医療構想策定の中で周囲が提供する医療機能が把握できることにあることから、「転換すべきは転換してもらうことになる」と述べた。フロアからは、地域の実情に合わせて、それぞれの内容を確認する質問が相次いだ。その中で、京都大学の医学部生からは、「回復期の供給量は将来的に足りるのか」と質問。二川氏は、「(回復期の病床の)定義も悪いかと思う」と述べた。診療報酬や機能分化についての医療者の困惑に一定の理解を示した上で、「回復期=リハビリテーションとなりがちなので、(中医協で示されたデータにおけるアンケートで)急性期で届け出た可能性がある」と指摘。実際に急性期希望の中にも、厚労省の描く回復期に該当するケースがあるとの認識を示した。中川氏は、いずれの病棟も、機能が混ざるとの考え方を示し、報告病床数が即、供給量にならない点を指摘した上で、「(不足機能を調整する働きがあり)手当ては心配ない」との認識を示した。外来について「2次医療圏が変わるのでは」と、扱いを聞いたのは、岡山県医師会の担当者。地域医療構想の中で、外来は明確に位置付けられていない。中川氏は、地域医療構想調整会議の地域包括ケアシステムとの整合性も検討するため、調整会議の場面などで俎上に上るとの考えを示した上で、「外来は少し(構想より)範囲が狭いので、地域包括ケアシステムの範囲の議論に集約されるのでは」とした。二川氏も法的な位置付けがない点を認めた上で、流出入する患者などを踏まえて、調整が必要になっていくとの認識を示した。>

3月31日付の医政局長通知「「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」の一部の施行について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20150331_02.pdf)p7にあるように、地域医療構想に定める事項として、「構想区域における将来の居宅等における医療の必要量」があり、①慢性期入院患者のうち医療区分Ⅰの70%相当数、②慢性期入院受療率の地域差解消による需要、③医療資源投入量175点未満の入院患者、④訪問診療患者推計、⑤介護老人保健施設入所者推計の合計数とすることが示されている。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000078122.pdf)p8「療養病床の都道府県別の性・年齢階級調整入院受療率」で療養病床の入院受療率が高い県では、療養病床のあり方が重大なテーマになるのは間違いないであろう。既に経済産業省「将来の地域医療における保険者と企業のあり方に関する研究会」報告書(http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150318001/20150318001.html)(http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150318001/20150318001e.pdf)の地域の医療需要の推計(http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150318001/20150318001a.pdf)(http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150318001/20150318001b.pdf)(http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150318001/20150318001c.pdf)(http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150318001/20150318001d.pdf)、日医総研「地域の医療提供体制の現状と将来─都道府県別・二次医療圏別データ集─(2014年度版)」(http://www.jmari.med.or.jp/research/working/wr_553.html)、病院情報局「入院患者数の将来予測値と既存病床数とのギャップ試算」(http://hospia.jp/wp/archives/244)もネット公開されている。しかし、①~⑤の計算で在宅医療の必要量を出し、慢性期病床の必要量を示すだけではいけない。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=216011)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000081306.pdf)p28「病床の機能分化・連携に係る具体的な取組例」、p31~32「在宅医療の充実に係る具体的な取組例」のような地域における積極的な取り組みとセットでなければいけない。地域医療構想は単なるデスクワークではない実行計画である。「病床の機能分化・連携」「在宅医療の充実」に係る具体的な取組を通じて、関係機関・団体の信頼関係が醸成されなければならない。地域医療構想では行政側の「権限」強化ではなく、「役割」の強化と認識すべきであろう。さて、地域医療構想では構想区域の設定が最初の課題になる。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000081306.pdf)p11「急性期、回復期及び慢性期の機能区分については、できるだけ構想区域内で対応することが望ましい。」「設定した構想区域が現行の医療計画(多くの都道府県で平成25年度(2013年度)~平成29年度(2017年度))における二次医療圏と異なっている場合は、平成36年(2024年)3月が終期となる平成30年度(2018年度)からの次期医療計画の策定において、最終的には二次医療圏を構想区域と一致させることが適当である。」とされている。以前、二次医療圏の具体的資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_a-2.pdf)が出ており、平成24年の医政局長通知(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_keikaku.pdf)p6では、「人口規模が20万人未満であり、且つ、二次医療圏内の病院の療養病床及び一般病床の推計流入入院患者割合が20%未満、推計流出入院患者割合が20%以上となっている既設の二次医療圏については、入院に係る医療を提供する一体の区域として成り立っていないと考えられるため、設定の見直しについて検討することが必要である。」とあった。地域医療構想での構想区域の設定が二次医療圏の見直しにつながるかどうか注目される。なお、今年の全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=180575)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000077059.pdf)p181「地域医療構想作成研修会;県庁で全体を統括する者を対象に国立保健医療科学院等による研修(2回)、都道府県から委託された専門家(大学関係者、保健所長等)および都道府県担当者を対象とした研修(1回)」とあった。外部機関に業務委託が推進されているわけではないであろうが、県庁の姿勢によるであろう。
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