12.5朝日新聞「死者増加の北海道・大阪、抑制の東京 鍵握るクラスター」(https://www.asahi.com/articles/ASND55SNDND3UTIL01Q.html?iref=com_apitop)。<以下一部引用>
<新型コロナウイルスの「第3波」で急増している死者。北海道や大阪では、重症化しやすい高齢者が集中する病院や高齢者施設で大規模なクラスター(感染者集団)が起き、死者数を押し上げている。東京では春の「第1波」で起きたような病院や施設でのクラスターの発生は抑えられているものの、中高年世代の感染者が増えている。北海道では11月以降、6716人が感染し、131人が死亡した。死者は年初から10月末までは110人で、その後わずか1カ月余りで、それを上回る人が亡くなったことになる。今月1日には14人の死亡が発表され、公表日ベースの1日あたりの死者数は最多を更新した。死者の増加の背景にあるのが、医療機関や高齢者施設で相次ぐクラスターだ。免疫力が弱く基礎疾患がある高齢の入院患者や入所者が感染し、死亡につながる例が増えている。>
重症者増対策として、病床確保と感染予防徹底だけでは厳しいかもしれない。例えば、9.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第3版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000668291.pdf)では「抗ウイルス薬の投与が考慮される」はp25「中等症」からで、p24「軽症」にはないが、「重症化リスクのある患者には確定診断後早期からウイルスの増殖を抑制する治療が望ましい」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200512_10.pdf)のような意見は少なくないであろう。6.30「高齢者施設における新型コロナウイルス感染症発生に備えた対応等について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000645252.pdf)p3「高齢者施設で、入所者に新型コロナウイルス感染症の感染が判明した場合は、高齢者は原則入院することとなること。ただし、介護老人保健施設又は介護医療院(以下「介護老人保健施設等」という。)においては、地域の発生及び病床等の状況によっては、入院調整までの一時的な期間について、都道府県の指示により、入所継続を行う場合があり得ること。」とあるが、7.15NHK「“崩壊”は介護現場で起きていた~コロナで12人死亡 実態は~」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200715/k10012516461000.html?utm_int=detail_contents_news-link_001)が出ているように、施設で感染者が発生しても、要介護感染者数の状況によっては、必ずしも病院での治療が受けられるとは限らないであろう。8.17「新型コロナウイルス感染症に対するファビピラビルに係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供に関する周知依頼について(その4)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000659871.pdf)の添付「新型コロナウイルス感染症に対するアビガン(一般名:ファビピラビル)に係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000659872.pdf)で「(問 10) 介護老人保健施設(老健)、重症心身障害児施設、精神科単科の病院において(転院が困難な)患者さんに対してアビガンによる治療を行いたいのですがどのようにしたらよいですか。(答) 転院が困難な症例は、医師の経過観察下で、各施設でのアビガン投与をお願いしております。」と示されているように、ファビピラビル(アビガン®)はすでに施設レベルで使用可能な薬剤であるが、観察研究である限りは制約が大きい。早期診断とともに、10.27Web医事新報「緊急寄稿(4)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアビガン承認に向けて(白木公康)」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15763)では「急性ウイルス性疾患の治療においては,抗ウイルス薬の治療開始時期は,水痘では24時間以内,インフルエンザでは48時間以内,帯状疱疹では72時間以内というように,早期に薬剤投与による治療が開始されている。この点を考慮すると,COVID-19は,発症3~5日後までに治療を開始して,肺炎や神経系・循環器系合併症を防ぎ,後遺症を残さない治療が理想であるように思う。」にできるだけ近づける必要がある。また、11.27Web医事新報「[緊急寄稿]これからの新型コロナ対策はどうあるべきか─universal masking,PCR検査,そしてアビガン 菅谷憲夫 (神奈川県警友会けいゆう病院 感染制御センター小児科,WHO重症インフルエンザ治療ガイドライン委員,日本感染症学会インフルエンザ委員,慶應義塾大学医学部客員教授)」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15981)の「ファビピラビルを院内感染,施設内感染対策にも使用することを考慮すべきである。」は、「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/tebiki25.pdf)p10「施設内感染伝播が発生している場合には、適切なリスク評価のもと、早期の抗ウイルス薬予防投薬なども考慮されうる。」、「疥癬対策マニュアル」(https://www.maruho.co.jp/medical/scabies/manual/manual04.html)の「内服薬 原則的に確定診断がついた患者に投与する。その患者と接触の機会があり、疥癬様の症状がある方に予防的投与することがある:イベルメクチン 約200μg/kgを空腹時に1回、水で内服する。」のような予防投薬が考えられるであろう。
<新型コロナウイルスの「第3波」で急増している死者。北海道や大阪では、重症化しやすい高齢者が集中する病院や高齢者施設で大規模なクラスター(感染者集団)が起き、死者数を押し上げている。東京では春の「第1波」で起きたような病院や施設でのクラスターの発生は抑えられているものの、中高年世代の感染者が増えている。北海道では11月以降、6716人が感染し、131人が死亡した。死者は年初から10月末までは110人で、その後わずか1カ月余りで、それを上回る人が亡くなったことになる。今月1日には14人の死亡が発表され、公表日ベースの1日あたりの死者数は最多を更新した。死者の増加の背景にあるのが、医療機関や高齢者施設で相次ぐクラスターだ。免疫力が弱く基礎疾患がある高齢の入院患者や入所者が感染し、死亡につながる例が増えている。>
重症者増対策として、病床確保と感染予防徹底だけでは厳しいかもしれない。例えば、9.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第3版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000668291.pdf)では「抗ウイルス薬の投与が考慮される」はp25「中等症」からで、p24「軽症」にはないが、「重症化リスクのある患者には確定診断後早期からウイルスの増殖を抑制する治療が望ましい」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200512_10.pdf)のような意見は少なくないであろう。6.30「高齢者施設における新型コロナウイルス感染症発生に備えた対応等について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000645252.pdf)p3「高齢者施設で、入所者に新型コロナウイルス感染症の感染が判明した場合は、高齢者は原則入院することとなること。ただし、介護老人保健施設又は介護医療院(以下「介護老人保健施設等」という。)においては、地域の発生及び病床等の状況によっては、入院調整までの一時的な期間について、都道府県の指示により、入所継続を行う場合があり得ること。」とあるが、7.15NHK「“崩壊”は介護現場で起きていた~コロナで12人死亡 実態は~」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200715/k10012516461000.html?utm_int=detail_contents_news-link_001)が出ているように、施設で感染者が発生しても、要介護感染者数の状況によっては、必ずしも病院での治療が受けられるとは限らないであろう。8.17「新型コロナウイルス感染症に対するファビピラビルに係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供に関する周知依頼について(その4)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000659871.pdf)の添付「新型コロナウイルス感染症に対するアビガン(一般名:ファビピラビル)に係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000659872.pdf)で「(問 10) 介護老人保健施設(老健)、重症心身障害児施設、精神科単科の病院において(転院が困難な)患者さんに対してアビガンによる治療を行いたいのですがどのようにしたらよいですか。(答) 転院が困難な症例は、医師の経過観察下で、各施設でのアビガン投与をお願いしております。」と示されているように、ファビピラビル(アビガン®)はすでに施設レベルで使用可能な薬剤であるが、観察研究である限りは制約が大きい。早期診断とともに、10.27Web医事新報「緊急寄稿(4)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアビガン承認に向けて(白木公康)」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15763)では「急性ウイルス性疾患の治療においては,抗ウイルス薬の治療開始時期は,水痘では24時間以内,インフルエンザでは48時間以内,帯状疱疹では72時間以内というように,早期に薬剤投与による治療が開始されている。この点を考慮すると,COVID-19は,発症3~5日後までに治療を開始して,肺炎や神経系・循環器系合併症を防ぎ,後遺症を残さない治療が理想であるように思う。」にできるだけ近づける必要がある。また、11.27Web医事新報「[緊急寄稿]これからの新型コロナ対策はどうあるべきか─universal masking,PCR検査,そしてアビガン 菅谷憲夫 (神奈川県警友会けいゆう病院 感染制御センター小児科,WHO重症インフルエンザ治療ガイドライン委員,日本感染症学会インフルエンザ委員,慶應義塾大学医学部客員教授)」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15981)の「ファビピラビルを院内感染,施設内感染対策にも使用することを考慮すべきである。」は、「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/tebiki25.pdf)p10「施設内感染伝播が発生している場合には、適切なリスク評価のもと、早期の抗ウイルス薬予防投薬なども考慮されうる。」、「疥癬対策マニュアル」(https://www.maruho.co.jp/medical/scabies/manual/manual04.html)の「内服薬 原則的に確定診断がついた患者に投与する。その患者と接触の機会があり、疥癬様の症状がある方に予防的投与することがある:イベルメクチン 約200μg/kgを空腹時に1回、水で内服する。」のような予防投薬が考えられるであろう。