12.20NHK「病床ひっ迫「ステージ4」指標超」(https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20201220/1000057799.html)。<以下引用>
<新型コロナウイルスの感染拡大で、病床のひっ迫がさらに深刻化しています。政府の分科会が示す感染状況のうち、今月15日の時点で最も深刻な「ステージ4」の指標を超えたのはあわせて7都道府県で、前の週から2県増えました。政府の分科会は4段階の感染状況のうち最も深刻なステージ4では、爆発的な感染の拡大で医療の提供体制が機能不全に陥るおそれがあるとして目安となる指標を示しています。このうち病床のひっ迫具合では、7つの都道府県が今月15日の時点でステージ4の指標を超えたことが厚生労働省のまとめで分かりました。最大で確保できる病床に占める入院患者の使用率は兵庫県が最も高く63.6%、次いで大阪府が60.4%、高知県が57%、愛知県が54.9%、北海道が54.8%、三重県が51.6%でいずれも指標の50%を超えました。今月8日からの1週間で、愛知県と三重県が新たに指標を超えています。また、重症患者に限った病床の使用率は、東京都が全国で最も高い66.4%で、ステージ4の指標の50%を上回りました。このほか、あわせて22府県で医療提供体制に大きな支障が出るおそれがある「ステージ4」の指標を超えています。すぐに使える病床に限って計算すると、使用率がさらに上昇する地域もあり、実態はより深刻と見られます。>
12.21朝日新聞「福島西部病院、コロナ感染32人に 県内最大クラスター」(https://www.asahi.com/articles/ASNDN6RP5NDNUGTB003.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<福島市の福島西部病院で新型コロナウイルスの感染者が多数確認されたことを受け、市と市医師会は20日会見し、院内感染によるクラスター(感染者集団)と断定した。感染者は5人増えて32人となり、クラスターの規模として県内最大。市は同日、相次ぐクラスターの発生を受けて「緊急警報」を出し、できる限り不要不急の外出を控えるよう市民に呼びかけた。市によると、同病院はベッド数が99床あり、43人の患者が入院し、医師14人、看護師ら46人を含む約160人の職員がいる。介護度が高い慢性期の患者が入院する病棟2階を担当する職員1人が18日、勤務中に倦怠(けんたい)感を訴えた。発熱もあり、PCR検査で陽性と判明。19日に2階を優先して53人を検査した結果、ほかに患者13人と職員11人、出入り業者2人の計26人の感染がわかった。20日に3階の急性期の患者や残りの職員ら136人の検査を終え、同日、さらに患者4人、出入り業者1人の感染が判明した。医師の感染者はいない。重症者数や症状については「もともと症状が重い患者が入院しており、整理ができていない」という。感染が確認されていない入院患者は今後、病院内の安全が確認された場所で治療を続け、医療態勢は県立医科大の派遣チームの指示を受けて調整する。木幡浩市長は「高齢で介護が必要な患者が多い病院で、職員と触れる機会が多く、感染が広まる確率が高くなってしまった。18日以前から感染が拡大していたと推測される」と述べた。同病院は福島市内に10ある二次救急医療機関の一つ。市内では、同病院と、感染者が出た福島赤十字病院の二つが重症救急患者の受け入れができない状態になり、市医師会の岡野誠会長は「県立医科大にお願いして穴埋めをするが、救急医療は切迫した状態。通常の診療も非常に圧迫されている」との認識を示した。>
12.21NHK「県“医療非常事態宣言”」(https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20201221/4020007455.html)。<以下引用>
<新型コロナウイルスは20日、岡山県内での感染者の合計が1000人を超えました。これを受けて臨時で記者会見した伊原木知事は「感染しても入院できるとは限らない状況だ」などとして「医療非常事態宣言」を発表しました。岡山県内では今月に入って感染が急拡大し、感染者の合計はき20日に1000人を超えました。県によりますと、感染者向けに確保した病床の使用率は50%前後に達していると見られ、21日午前、伊原木知事が臨時で記者会見し「医療非常事態宣言」を発表しました。1人ひとりが最大限の対策をとらない限り、感染は止まらないとして、高齢者と接する人は特に気を付けることや、高齢者は無防備に人と接することは避けること、対策が不十分な宴会や飲食カラオケはやめること、体調不良の人は仕事を休ませることなどを求めています。伊原木知事は「予想を超えるスピードで感染者が増え衝撃を受けている。感染しても入院できるとは限らないところまで追い込まれていて、年末年始はさらに厳しくなると予測される。県民にぜひ協力をお願いしたい」と訴えました。また、会見に同席した県医師会の松山正春会長は「非常に厳しい状況だ。病床を増やしたいが看護師などが確保できない。コロナ対応で人を割くと、外来診療を縮小するなど一般の医療にも影響が出る。日常の医療を守るためにも、県民のみなさんに行動の自粛をお願いしたい」と述べました。県内では12月に入って、感染者の集団=クラスターの発生が相次ぎ、感染者の合計はこの1か月で倍増しています。県内で感染者が500人を超えたのは11月23日でした。12月1日の時点で600人を超え、その後も感染の拡大に歯止めがかかっていません。20日には、1日の感染の発表が初めて100人を上回り、合計も1000人を超えてのべ1082人となりました。この1か月で感染者の合計は倍増しています。大きな要因となっているのが、各地で相次いでいるクラスターの発生です。カラオケのできる飲食店や病院、高齢者施設など県内でのクラスターは、20日までに28件にのぼり、岡山市東区の工場では寮で暮らす従業員など70人以上の感染が明らかになっています。>
12.22朝日新聞「院内クラスター発生、抑え込みに苦闘 旭川の現場で何が」(https://www.asahi.com/articles/ASNDP775XNDPIIPE00R.html)。<以下一部引用>
<新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が医療機関などで発生し、院内感染で感染者数が急増した北海道旭川市。コロナ患者の治療で人手が足りなくなり、自衛隊が災害派遣される事態にもなった。医療現場で何が起きているのか。治療にあたった関係者の話から、現状と課題を探った。旭川市で医療体制が逼迫(ひっぱく)したきっかけとなったのが、11月初めの吉田病院でのクラスター発生だった。寝たきりの高齢者らが多く入院し、院内では感染対応に忙殺されるなか、患者だけでなく職員への感染も急速に拡大した。医療支援のため、旭川市には厚生労働省の災害派遣医療チーム(DMAT)が派遣され、11月下旬から活動を始めた。DMAT事務局の松田宏樹さんによると、吉田病院では活動当初、病棟の1~7階すべてが感染者のいる「レッドゾーン(感染エリア)だった」という。陽性者の一部を市内の他の病院へ転院させ、陽性者や濃厚接触者を院内の一部に集める作業を進め、少しずつグリーンゾーン(非感染エリア)を増やした。同院では計210人が感染したが、現在院内に残された陽性者は20人を切り、新規感染者がゼロの日もある。「一時の大きな山は越えた。下火になった火を再炎上させず、徹底的に抑え込むことが必要」という。吉田病院に続き、11月下旬にクラスターが発生した旭川厚生病院。感染者は計300人を超え、国内の医療機関では最大規模のクラスターとなった。同院では当初から3階と5階にコロナ病棟をつくり、患者の陽性者や濃厚接触者を移動させてきた。陽性者が出た場合、同室の患者が濃厚接触者なのかどうかを確認しながら対応。さらに職員の動線についても、国立感染症研究所の専門家が助言した。現在、新規感染者は減り、「医療機関としての機能回復をどう図るか、を考える時期に来ている」と話す。最近の感染者は、「ほとんどの人が陽性者の濃厚接触者で、健康観察中の発症。想定の範囲内」という。同院は地域の基幹病院の一つだが、クラスター発生で一般診療や入院を一時停止、地域医療に大きな影響が出た。「病院の建物が大きく、職員も多いので、グリーンゾーンを完全に切り離すことができる」といい、現在、国立感染症研究所の助言のもと、一部診療再開が検討されている。>
12.21NHK「“兵庫方式”で病床使用率高く」(https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20201221/2020011235.html)。<以下引用>
<兵庫県は、家庭内で新型コロナウイルスの感染が拡大することを防ぐため、「自宅療養ゼロ」を対応の基本方針とする、「兵庫方式」を堅持しています。感染者は、原則としていったん入院させるため、軽症や無症状の場合でも、ホテルなどの宿泊施設に移して療養してもらうため、自宅療養を認めている東京や大阪などに比べて、病床の使用率は高くなる傾向にあります。このため、厚生労働省がまとめた、今月15日現在の最大で確保できる病床に占める入院患者の使用率は63.6%と全国で最も高くなっていて、病床のひっ迫具合では政府の分科会が示す、4段階の感染状況のうち最も深刻なステージ4の指標を超えたとされました。ただ、重症患者に限った病床の使用率で見ると39%と、東京の66%、大阪の55%を大きく下回っていて、県は「まだ医療体制がひっ迫している状況ではない」としています。一方で、兵庫県内でも患者が増加傾向にある中、県は、先月以降、65歳以下で基礎疾患がなく、軽症か無症状の患者などについては、医師が許可をすれば入院を経ずに、直接、ホテルなどの宿泊療養を認める方針を示しています。今後、爆発的に患者が増える事態になれば「自宅療養ゼロ」を維持できなくなるおそれもあることから、県は、引き続き県民に対してマスクの着用や手洗いの徹底、飲食点での会食は4人以下で行うなど、厳重に警戒するよう呼びかけています。>
「都道府県の医療提供体制等の状況(医療提供体制・監視体制・感染の状況)について(6指標)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00035.html)では都道府県の、①病床のひっ迫具合(全入院者と重症患者それぞれの確保病床利用率と確保想定病床使用率)、②療養者数、③陽性者数/PCR検査件数(直近1週間)、④直近1週間の陽性者数、⑤直近1週間とその前1週間の比、⑥感染経路不明な者の割合が1週間ごとに評価されているが、日本集中治療医学会(https://www.jsicm.org/covid-19.html)の「COVID-19 重症患者状況」(https://covid.jsicm.org/)の都道府県別「人工呼吸器装着数、ECMO装着数」の推移も気になる。病床ひっ迫は、要介護感染者数の推移や病院クラスターの発生状況も評価に加えた方が良いかもしれない。医療のひっ迫に対応するため、「緊急性低い手術の延期」等も検討されるが、12.7NHK「神奈川NEWS WEB 入院人数抑制へ判断基準を見直し」(https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20201207/1050012272.html)、12.6朝日新聞「重症病床、人工呼吸器が必要な患者に限定 大阪府が要請」(https://www.asahi.com/articles/ASND66R8FND5PTIL010.html?iref=com_apitop)のような「病床利用基準の見直し」、10.14「新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令の一部を改正する政令等について(施行通知)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000683018.pdf)や11.13「新型コロナウイルス感染症に係る感染症法上の入院措置の対象者について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000695027.pdf)を踏まえた「無症状・軽症に対する宿泊療養や自宅療養の推進」なども含めて、通常診療への影響に配慮したいものである。さて、12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p28「抗ウイルス薬の投与が考慮される」は「中等症」からで「軽症」にない点はこれまでと変わっていないが、医療体制ひっ迫にあたって、「重症化リスクのある患者には確定診断後早期からウイルスの増殖を抑制する治療が望ましい」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200512_10.pdf)のような意見は出ないのであろうか。10.27Web医事新報「緊急寄稿(4)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアビガン承認に向けて(白木公康)」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15763)の「急性ウイルス性疾患の治療においては,抗ウイルス薬の治療開始時期は,水痘では24時間以内,インフルエンザでは48時間以内,帯状疱疹では72時間以内というように,早期に薬剤投与による治療が開始されている。この点を考慮すると,COVID-19は,発症3~5日後までに治療を開始して,肺炎や神経系・循環器系合併症を防ぎ,後遺症を残さない治療が理想であるように思う。」、11.27Web医事新報「[緊急寄稿]これからの新型コロナ対策はどうあるべきか─universal masking,PCR検査,そしてアビガン 菅谷憲夫」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15981)の「日本で期待されるのは,ファビピラビルを高齢者のSARS-CoV-2感染に出来るだけ早期に使用することである。」に賛同する方が少なくないかもしれない。日本政府は、早期診断・早期治療を推進しないのであろうか。それとも「重症症例に対する治療」(https://www.ajmc.jp/pdf/20200910_02.pdf)に固執するのであろうか。5.27東洋経済「夏以降にコロナ「ワクチン」の成否は見えてくる 専門家会議キーマン・西浦教授が描く展望」(https://toyokeizai.net/articles/-/352744)の「日本の治療薬「アビガン」なども期待されたが、早期投与の効果で目覚ましいものはいまのところはなく、今後1年で出てくるメドは立っていない。部分的な効果かもしれないが、ワクチンの登場のほうが早いだろう。」とあり、このグループからは、4.15時事「新型コロナ、42万人死亡も 対策ない場合の試算公表―重篤85万人・厚労省班」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020041500281&g=soc)が出ていた。
<新型コロナウイルスの感染拡大で、病床のひっ迫がさらに深刻化しています。政府の分科会が示す感染状況のうち、今月15日の時点で最も深刻な「ステージ4」の指標を超えたのはあわせて7都道府県で、前の週から2県増えました。政府の分科会は4段階の感染状況のうち最も深刻なステージ4では、爆発的な感染の拡大で医療の提供体制が機能不全に陥るおそれがあるとして目安となる指標を示しています。このうち病床のひっ迫具合では、7つの都道府県が今月15日の時点でステージ4の指標を超えたことが厚生労働省のまとめで分かりました。最大で確保できる病床に占める入院患者の使用率は兵庫県が最も高く63.6%、次いで大阪府が60.4%、高知県が57%、愛知県が54.9%、北海道が54.8%、三重県が51.6%でいずれも指標の50%を超えました。今月8日からの1週間で、愛知県と三重県が新たに指標を超えています。また、重症患者に限った病床の使用率は、東京都が全国で最も高い66.4%で、ステージ4の指標の50%を上回りました。このほか、あわせて22府県で医療提供体制に大きな支障が出るおそれがある「ステージ4」の指標を超えています。すぐに使える病床に限って計算すると、使用率がさらに上昇する地域もあり、実態はより深刻と見られます。>
12.21朝日新聞「福島西部病院、コロナ感染32人に 県内最大クラスター」(https://www.asahi.com/articles/ASNDN6RP5NDNUGTB003.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<福島市の福島西部病院で新型コロナウイルスの感染者が多数確認されたことを受け、市と市医師会は20日会見し、院内感染によるクラスター(感染者集団)と断定した。感染者は5人増えて32人となり、クラスターの規模として県内最大。市は同日、相次ぐクラスターの発生を受けて「緊急警報」を出し、できる限り不要不急の外出を控えるよう市民に呼びかけた。市によると、同病院はベッド数が99床あり、43人の患者が入院し、医師14人、看護師ら46人を含む約160人の職員がいる。介護度が高い慢性期の患者が入院する病棟2階を担当する職員1人が18日、勤務中に倦怠(けんたい)感を訴えた。発熱もあり、PCR検査で陽性と判明。19日に2階を優先して53人を検査した結果、ほかに患者13人と職員11人、出入り業者2人の計26人の感染がわかった。20日に3階の急性期の患者や残りの職員ら136人の検査を終え、同日、さらに患者4人、出入り業者1人の感染が判明した。医師の感染者はいない。重症者数や症状については「もともと症状が重い患者が入院しており、整理ができていない」という。感染が確認されていない入院患者は今後、病院内の安全が確認された場所で治療を続け、医療態勢は県立医科大の派遣チームの指示を受けて調整する。木幡浩市長は「高齢で介護が必要な患者が多い病院で、職員と触れる機会が多く、感染が広まる確率が高くなってしまった。18日以前から感染が拡大していたと推測される」と述べた。同病院は福島市内に10ある二次救急医療機関の一つ。市内では、同病院と、感染者が出た福島赤十字病院の二つが重症救急患者の受け入れができない状態になり、市医師会の岡野誠会長は「県立医科大にお願いして穴埋めをするが、救急医療は切迫した状態。通常の診療も非常に圧迫されている」との認識を示した。>
12.21NHK「県“医療非常事態宣言”」(https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20201221/4020007455.html)。<以下引用>
<新型コロナウイルスは20日、岡山県内での感染者の合計が1000人を超えました。これを受けて臨時で記者会見した伊原木知事は「感染しても入院できるとは限らない状況だ」などとして「医療非常事態宣言」を発表しました。岡山県内では今月に入って感染が急拡大し、感染者の合計はき20日に1000人を超えました。県によりますと、感染者向けに確保した病床の使用率は50%前後に達していると見られ、21日午前、伊原木知事が臨時で記者会見し「医療非常事態宣言」を発表しました。1人ひとりが最大限の対策をとらない限り、感染は止まらないとして、高齢者と接する人は特に気を付けることや、高齢者は無防備に人と接することは避けること、対策が不十分な宴会や飲食カラオケはやめること、体調不良の人は仕事を休ませることなどを求めています。伊原木知事は「予想を超えるスピードで感染者が増え衝撃を受けている。感染しても入院できるとは限らないところまで追い込まれていて、年末年始はさらに厳しくなると予測される。県民にぜひ協力をお願いしたい」と訴えました。また、会見に同席した県医師会の松山正春会長は「非常に厳しい状況だ。病床を増やしたいが看護師などが確保できない。コロナ対応で人を割くと、外来診療を縮小するなど一般の医療にも影響が出る。日常の医療を守るためにも、県民のみなさんに行動の自粛をお願いしたい」と述べました。県内では12月に入って、感染者の集団=クラスターの発生が相次ぎ、感染者の合計はこの1か月で倍増しています。県内で感染者が500人を超えたのは11月23日でした。12月1日の時点で600人を超え、その後も感染の拡大に歯止めがかかっていません。20日には、1日の感染の発表が初めて100人を上回り、合計も1000人を超えてのべ1082人となりました。この1か月で感染者の合計は倍増しています。大きな要因となっているのが、各地で相次いでいるクラスターの発生です。カラオケのできる飲食店や病院、高齢者施設など県内でのクラスターは、20日までに28件にのぼり、岡山市東区の工場では寮で暮らす従業員など70人以上の感染が明らかになっています。>
12.22朝日新聞「院内クラスター発生、抑え込みに苦闘 旭川の現場で何が」(https://www.asahi.com/articles/ASNDP775XNDPIIPE00R.html)。<以下一部引用>
<新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が医療機関などで発生し、院内感染で感染者数が急増した北海道旭川市。コロナ患者の治療で人手が足りなくなり、自衛隊が災害派遣される事態にもなった。医療現場で何が起きているのか。治療にあたった関係者の話から、現状と課題を探った。旭川市で医療体制が逼迫(ひっぱく)したきっかけとなったのが、11月初めの吉田病院でのクラスター発生だった。寝たきりの高齢者らが多く入院し、院内では感染対応に忙殺されるなか、患者だけでなく職員への感染も急速に拡大した。医療支援のため、旭川市には厚生労働省の災害派遣医療チーム(DMAT)が派遣され、11月下旬から活動を始めた。DMAT事務局の松田宏樹さんによると、吉田病院では活動当初、病棟の1~7階すべてが感染者のいる「レッドゾーン(感染エリア)だった」という。陽性者の一部を市内の他の病院へ転院させ、陽性者や濃厚接触者を院内の一部に集める作業を進め、少しずつグリーンゾーン(非感染エリア)を増やした。同院では計210人が感染したが、現在院内に残された陽性者は20人を切り、新規感染者がゼロの日もある。「一時の大きな山は越えた。下火になった火を再炎上させず、徹底的に抑え込むことが必要」という。吉田病院に続き、11月下旬にクラスターが発生した旭川厚生病院。感染者は計300人を超え、国内の医療機関では最大規模のクラスターとなった。同院では当初から3階と5階にコロナ病棟をつくり、患者の陽性者や濃厚接触者を移動させてきた。陽性者が出た場合、同室の患者が濃厚接触者なのかどうかを確認しながら対応。さらに職員の動線についても、国立感染症研究所の専門家が助言した。現在、新規感染者は減り、「医療機関としての機能回復をどう図るか、を考える時期に来ている」と話す。最近の感染者は、「ほとんどの人が陽性者の濃厚接触者で、健康観察中の発症。想定の範囲内」という。同院は地域の基幹病院の一つだが、クラスター発生で一般診療や入院を一時停止、地域医療に大きな影響が出た。「病院の建物が大きく、職員も多いので、グリーンゾーンを完全に切り離すことができる」といい、現在、国立感染症研究所の助言のもと、一部診療再開が検討されている。>
12.21NHK「“兵庫方式”で病床使用率高く」(https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20201221/2020011235.html)。<以下引用>
<兵庫県は、家庭内で新型コロナウイルスの感染が拡大することを防ぐため、「自宅療養ゼロ」を対応の基本方針とする、「兵庫方式」を堅持しています。感染者は、原則としていったん入院させるため、軽症や無症状の場合でも、ホテルなどの宿泊施設に移して療養してもらうため、自宅療養を認めている東京や大阪などに比べて、病床の使用率は高くなる傾向にあります。このため、厚生労働省がまとめた、今月15日現在の最大で確保できる病床に占める入院患者の使用率は63.6%と全国で最も高くなっていて、病床のひっ迫具合では政府の分科会が示す、4段階の感染状況のうち最も深刻なステージ4の指標を超えたとされました。ただ、重症患者に限った病床の使用率で見ると39%と、東京の66%、大阪の55%を大きく下回っていて、県は「まだ医療体制がひっ迫している状況ではない」としています。一方で、兵庫県内でも患者が増加傾向にある中、県は、先月以降、65歳以下で基礎疾患がなく、軽症か無症状の患者などについては、医師が許可をすれば入院を経ずに、直接、ホテルなどの宿泊療養を認める方針を示しています。今後、爆発的に患者が増える事態になれば「自宅療養ゼロ」を維持できなくなるおそれもあることから、県は、引き続き県民に対してマスクの着用や手洗いの徹底、飲食点での会食は4人以下で行うなど、厳重に警戒するよう呼びかけています。>
「都道府県の医療提供体制等の状況(医療提供体制・監視体制・感染の状況)について(6指標)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00035.html)では都道府県の、①病床のひっ迫具合(全入院者と重症患者それぞれの確保病床利用率と確保想定病床使用率)、②療養者数、③陽性者数/PCR検査件数(直近1週間)、④直近1週間の陽性者数、⑤直近1週間とその前1週間の比、⑥感染経路不明な者の割合が1週間ごとに評価されているが、日本集中治療医学会(https://www.jsicm.org/covid-19.html)の「COVID-19 重症患者状況」(https://covid.jsicm.org/)の都道府県別「人工呼吸器装着数、ECMO装着数」の推移も気になる。病床ひっ迫は、要介護感染者数の推移や病院クラスターの発生状況も評価に加えた方が良いかもしれない。医療のひっ迫に対応するため、「緊急性低い手術の延期」等も検討されるが、12.7NHK「神奈川NEWS WEB 入院人数抑制へ判断基準を見直し」(https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20201207/1050012272.html)、12.6朝日新聞「重症病床、人工呼吸器が必要な患者に限定 大阪府が要請」(https://www.asahi.com/articles/ASND66R8FND5PTIL010.html?iref=com_apitop)のような「病床利用基準の見直し」、10.14「新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令の一部を改正する政令等について(施行通知)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000683018.pdf)や11.13「新型コロナウイルス感染症に係る感染症法上の入院措置の対象者について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000695027.pdf)を踏まえた「無症状・軽症に対する宿泊療養や自宅療養の推進」なども含めて、通常診療への影響に配慮したいものである。さて、12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p28「抗ウイルス薬の投与が考慮される」は「中等症」からで「軽症」にない点はこれまでと変わっていないが、医療体制ひっ迫にあたって、「重症化リスクのある患者には確定診断後早期からウイルスの増殖を抑制する治療が望ましい」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200512_10.pdf)のような意見は出ないのであろうか。10.27Web医事新報「緊急寄稿(4)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアビガン承認に向けて(白木公康)」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15763)の「急性ウイルス性疾患の治療においては,抗ウイルス薬の治療開始時期は,水痘では24時間以内,インフルエンザでは48時間以内,帯状疱疹では72時間以内というように,早期に薬剤投与による治療が開始されている。この点を考慮すると,COVID-19は,発症3~5日後までに治療を開始して,肺炎や神経系・循環器系合併症を防ぎ,後遺症を残さない治療が理想であるように思う。」、11.27Web医事新報「[緊急寄稿]これからの新型コロナ対策はどうあるべきか─universal masking,PCR検査,そしてアビガン 菅谷憲夫」(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=15981)の「日本で期待されるのは,ファビピラビルを高齢者のSARS-CoV-2感染に出来るだけ早期に使用することである。」に賛同する方が少なくないかもしれない。日本政府は、早期診断・早期治療を推進しないのであろうか。それとも「重症症例に対する治療」(https://www.ajmc.jp/pdf/20200910_02.pdf)に固執するのであろうか。5.27東洋経済「夏以降にコロナ「ワクチン」の成否は見えてくる 専門家会議キーマン・西浦教授が描く展望」(https://toyokeizai.net/articles/-/352744)の「日本の治療薬「アビガン」なども期待されたが、早期投与の効果で目覚ましいものはいまのところはなく、今後1年で出てくるメドは立っていない。部分的な効果かもしれないが、ワクチンの登場のほうが早いだろう。」とあり、このグループからは、4.15時事「新型コロナ、42万人死亡も 対策ない場合の試算公表―重篤85万人・厚労省班」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2020041500281&g=soc)が出ていた。