保健福祉の現場から

感じるままに

えびすユッケ事件とリスクコミュニケーション

2011年12月31日 | Weblog
地域保健関係者にとって、今年のえびすユッケ事件は印象に残るであろう。興味深いのは、この店が事件直前の4月18日に全国放送されている(http://limo.jp/0007956/diary-905322)(http://www.j-cast.com/tv/2011/05/06094832.html)ことである。値段が非常に安く、店も綺麗であることがアピールされていた。10月から生食用食肉(牛肉)の規格基準が設定(http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/110928_01.pdf)(http://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/141113.pdf)されてから、ユッケの提供は激減し、提供店でも価格が高いであろう。考えてみれば、「安全」「安心」のためには、それなりの価格が必要なのは当然である。これは何も食品衛生に限らない。例えば、人命がかかる「がん検診」でも、検査機器、スタッフ、情報管理等に一定のコストがかかる。「安ければよい、見た目が良ければよい、マスコミPRされてるからよい」というのではいけない。えびすユッケ事件によって、リスクコミュニケーションが強調されるようになった感じがする。しかし、リスクコミュニケーションには、情報公開(業者、行政)の徹底と住民の理解力向上が不可欠であろう。マスコミの役割も大きい。
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健康危機管理

2011年12月31日 | Weblog
「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会 中間報告書」(http://icanps.go.jp/post-1.html)(http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_366026)は健康危機管理を担う保健所関係者もぜひ目を通しておきたい。今からふり返れば、反省すべき点が少なくないようである。報告書(http://icanps.go.jp/111226Honbun7Shou.pdf)では、緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)の機能不全、関係組織の連携不十分、現場の誤認・不手際、避難計画の不備・混乱、事前の津波対策及びシビアアクシデント対策の不備等が指摘されている。さて、健康危機管理はどうか。以前の映画「感染列島」(http://cinematoday.jp/page/N0013505)の情景が全く「想定外」ではいけない。例えば、アジアを中心に世界各国で高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)のヒト感染例が確認(http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/en/)されており、警戒が必要である。国内でも鳥インフルエンザ発生による膨大な殺処分(http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/pdf/hpai_jokyo_tate_0415.pdf)が繰り返されており、ヒト感染例が国内初発であってもおかしくないであろう。そして、やはり、気になるのが、テロである。今年のノルウェーのテロ(http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201107/23message.html)は衝撃的であった。今年6月29日に内閣官房から「主なテロの未然防止対策の現状」(http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2011/110629tero-mizenbousi.pdf)が出ていたが、気になるのは、NBC(核・生物・化学)テロである。国民保護(http://www.kokuminhogo.go.jp/pc-index.html)は武力攻撃事態だけではない。例えば、痘瘡は1975年までわが国で種痘が行われていたが、1980年5月にWHOが「天然痘世界根絶宣言」が出されている。その後、平成15年11月の感染症法改正で、一類感染症に位置づけられるとともに、予防接種法の政令改正で法に基づく臨時接種がされることになっている。世界根絶宣言されている天然痘が法律で規定されるのは、起こりうる可能性が否定できないからである。 既に天然痘対応指針は第5版(http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/j-terr/2004/0514-1/index.html)が出されているが、普及しているようには感じられない。厚生労働省の「国内の緊急テロ対策関係」ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/j-terr.html)が、最近全く更新されていないのが気になる。この際、天然痘研修会資料(http://idsc.nih.go.jp/disease/smallpox/index.html)はみておきたい。①空気感染すること、②潜伏期間がやや長いこと(7~16日)、③全く免疫がない方が多いこと、④致命率が高いこと(20~50%)、⑤テロ実行者はワクチン接種でリスクが小さいこと等から、最も警戒したい感染症テロである。以前、ウイルス学者から聞いたところでは、テロとして使用するには乾燥凍結で扱いやすい感染症とのことである。まさに、世界で一例でも発生すれば、アウトブレイクである。以前の保健師国家試験問題(http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/04/tp0419-3.html)では天然痘(問69)が出題されたこともある。SARSが出てきた時も突然であった。天然痘も警戒しておくべきと感じる。感染症指定医療機関(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou15/02-02.html)について、今年4月1日現在の特定感染症指定医療機関は3医療機関(8床)、第一種感染症指定医療機関は37医療機関(71床)であるが、平成18年7月の総務省勧告(http://www.soumu.go.jp/kanku/okinawa/pdf/060905_02.pdf)では、第一種感染症指定医療機関の整備が進んでいないことが問題視されていた。しかし、ある程度の患者が発生すれば、専用病床だけでは対応できないであろう。患者移送の問題もある。感染症法(http://www.ron.gr.jp/law/law/kansensy.htm)第三十二条による建物封鎖、第三十三条による交通遮断も必要になるはずである。最近、国内では一類感染症を経験していないからといって「想定外」ではいけない。
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特定健診・保健指導の研修

2011年12月28日 | Weblog
キャリアブレイン「特定健診・保健指導で喫煙などにも対応を- 厚労省検討会」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36310.html)。<以下一部引用>
<委員からは、特定健診(メタボ健診)・保健指導の見直しで、引き続き肥満者を指導対象とした上で、高血圧や喫煙などのリスクにも対応すべきとの意見が出た。(中略) このほか、国立国際医療研究センターで糖尿病・代謝症候群診療部長を務める野田光彦氏からもヒアリングを実施。メタボと診断する際、日本の基準では、腹囲が一定以上であることが必須なのに対し、暫定的な国際基準では、腹囲や中性脂肪高値など5項目のうち3項目に当てはまることが条件で、腹囲は判断材料の一つに過ぎないと説明した。>

12月27日の「健診・保健指導の在り方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000ahdf.html#shingi43)資料が出ればみておきたい。特定健診については、保険局の「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000amvy.html#shingi4)、「保険者による健診・保健指導の円滑な実施方策に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000amvy.html#shingi5)、「実務担当者による特定健診・特定保健指導に関するワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000amvy.html#shingi6)にも注目する必要がある。平成25年度からの新たな制度について、①HbA1c表記見直しへの対応(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001reju-att/2r9852000001reob.pdf)、②保健指導の腹囲基準(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001reju-att/2r9852000001reom.pdf)、③治療中の者に対する保健指導(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001reju-att/2r9852000001reox.pdf)、④後期高齢者支援金の加算・減算(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001nacy-att/2r9852000001nahp.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000utuj-att/2r9852000000uu0a.pdf)のほか、健診対象、健診項目、保健指導対象選定基準、保健指導内容等が見直しされるのかどうか、注目されるところである。さて、特定健診・保健指導制度が平成20年度からスタートして4年経とうとしている。これまで、①被扶養者の健診受診率を低下させた、②併せて実施してきたがん検診受診率を低下させた、③クレアチン検査がなくなった、④腹囲の基準がおかしい、⑤電子データ処理しなければならなくなった、⑥市町村保健センターは国保以外の関心が低下した等、いろいろ評判が悪かったのは確かである(今でもそうかもしれない)。各地で円滑な実施に向けて、当初から様々な研修が実施されてきたであろう。また、2月3日の「市町村国保における特定健診・保健指導に関する検討会資料」(http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226502959300)p42~48で、特定保健指導の実施効果がはっきりでているように、事業評価の研修もなされてきたであろう。厚労省で「特定健診・保健指導の効果の検証」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001y23e-att/2r9852000001y288.pdf)が実施されることになっており、その動向に注目したいところである。そういえば、5月19日の「市町村国保における特定健診・保健指導に関する検討会」(http://www.kokuho.or.jp/statistics/an_hoken.html)では、特定健診・保健指導を効果的に推進するための提言として、①市町村国保の特徴を活かした取組み、②保険者努力が認められる評価の仕組み、③限られた財源の中で最大限の効果が得られる実施と評価方法、④医療費適正化効果の見込まれる保健指導の拡充、⑤地域の多様な関係者が連携する仕組み、⑥活動情報の紹介やデータを活用した分析が打ち出されている(保健衛生ニュース5月30日号)。今後、研修で重要になってくるのは、電子レセプトの保健事業への活用かもしれない。平成20年3月大臣告示の「医療費適正化に関する施策についての基本的な方針」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info02_21.pdf)p17で保険者における健診結果データ等の活用の推進として「健診結果から医療機関の受診が必要であるものの、未受診あるいは長期中断となっている者をレセプト情報により把握し、これらの者への受診勧奨を強く行うこと等の活用が考えられる」と明記され、6月8日の政府の「社会保障改革の具体策、工程及び費用試算説明資料」(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/kentohonbu/kettei1/siryou4.pdf)p10でも、「電子化したデータを用いて市町村などの保険者が、適正な受診の指導などを実施」と示されている。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001u6qr-att/2r9852000001u6u0.pdf)p26~では「保険者による電子レセプトの保健事業への活用例」が示されているが、市町村の取組姿勢に格差がある、というよりも、保健と保険が連携し、保健事業を医療費適正化の一環として捉える認識が非常に乏しい感じがする(保健サイドも保険サイドも)。そういえば、2月3日の「市町村国保における特定健診・保健指導に関する検討会資料」(http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226502959300)p90~では、「健診データ等とレセプトデータの突合分析」について、「現在は行っていないが今後行う予定」52.2%、「行う予定はない」29.3%となっている。実際に行われている突合分析は、「個人の健診データと疾病の発生状況(レセプトデータより)の突合分析」64.2%、「健診データと疾患の発生状況と医療費の突合分析」37.5%、「集団の健診データと疾病の発生状況の突合分析」36.8%、「保健指導と健診データと疾病の発生状況との突合分析」27.1%とされている。平成23年度からの原則レセプト電子化によって、個人レベルの詳細な突合分析がしやすくなったが、集団レベルの地区診断や保健事業評価としてのレセプト分析のノウハウとともに、現場で定着させなければならない。それは「保険者による疾病管理」の一環である。例えば、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000015v0b-att/2r98520000015v4o.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/0/22487f2561e33a4c4925784f001eb3b2/$FILE/20110310_7shiryou3_2.pdf)では、Ⅲ度(重症)高血圧者とHbAlc8%以上の者に対する優先的な保健指導によって、レセプト分析で医療費適正の結果がみられた事例が紹介されている。また、この厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001w361-att/2r9852000001w3ai.pdf)では、「保健事業の展開=医療費適正化対策」として戦略的に取り組んだ事例が紹介されている。国民健康保険法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S33/S33HO192.html)第八十二条では、「保険者は、特定健康診査等を行うものとするほか、これらの事業以外の事業であって、健康教育、健康相談、健康診査その他の被保険者の健康の保持増進のために必要な事業を行うように努めなければならない。」と規定されているのであり、市町村国保として、保健分野と連携し、保健事業に積極的に取り組みたいところである。昨日、担当保健師(保健所、町)とともに、国保連合会、地元大学と今年度の圏域研修会の事前打ち合わせをした。糖尿病対策事業や医療計画等も含めた幅広い観点から、「保健と保険の連携、医療費適正化」をテーマに研修会を開催する予定で、当然、市町村保健サイドも国保サイドも参加し、勉強会のような手作り研修会である。
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協会けんぽの保険料率10%

2011年12月27日 | Weblog
NHK「協会けんぽ 保険料率10%へ」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111226/k10014923821000.html)。<以下引用>
<中小企業のサラリーマンなどが加入する健康保険の「協会けんぽ」は、26日の運営委員会で、高齢化が進み、財政状況が悪化していることなどから、現在、全国平均で9.5%の保険料率を来年度10%まで引き上げる必要があるという見通しを示しました。中小企業のサラリーマンやその家族ら3400万人が加入する健康保険の「協会けんぽ」は、国の来年度予算案が決定されたことなどから、26日の運営委員会で来年度の保険料率の見通しを示しました。それによりますと、来年度は、高齢者の医療費を賄うための「協会けんぽ」からの拠出金が今年度より3000億円余り増えることや、医療費が増えるのに伴い、保険給付費も1500億円余り増える見通しで、現在、全国平均で9.5%の保険料率を0.5ポイント引き上げ、10%にする必要があるとしています。「協会けんぽ」の保険料率が10%台となるのは初めてで、これにより、「協会けんぽ」の平均的な加入者である月収28万円のサラリーマンの場合、来年度は月額で780円、年額で9300円余り、負担が増えることになります。「協会けんぽ」は、全国の都道府県支部での意見を聞くなどしたうえで、来月、保険料率を正式に決めることにしています。>

11月9日の全国健康保険協会運営委員会資料(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/news/detail.1.86856.html)では24年度の保険料は10.20%と推計されていた(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/resources/content/86856/20111110-095013.pdf)。しかし、気になるのは都道府県格差である。平成23年度は9.50%;北海道、佐賀9.60%~長野9.39%(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/news/detail.1.62757.html)(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/8,62764,131,675.html)で、都道府県間の差は、昨年度の0.16ポイントから0.21ポイントに拡大している。平成25年9月までは、激変緩和措置を講じた上で、保険料率が設定され、実際の保険料率と全国平均の保険料率との差が調整(http: //www.kyoukaikenpo.or.jp/8,12467,131.html)されているが、格差が拡大するのであろうか。ところで、医療費適正化の一環で、各地域において、電子レセプトが活用されてきている(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/resources/content/86856/20111110-095249.pdf)ことは注目である。医療保険財政の改善策は「保険料率引き上げ」や「税金投入」だけではない。被保険者一人ひとりの役割も重要である。
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保健医療の情報公開

2011年12月27日 | Weblog
厚労省から「医療の成果に関する指標(アウトカム指標)及び過程に関する指標(プロセス指標)の取扱い」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001ywey-att/2r9852000001ywla.pdf)が出ている。平成22年度からの医療の質に関する評価・公表等推進事業も解説されているのでみておきたい。医療は情報公開が進んでいることを感じる。個別の医療機関・団体だけではない。例えば、次期医療計画について、厚労省資料(http//www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001xhqa-att/2r9852000001xhrr.pdf)p23では、急性心筋梗塞について「来院から心臓カテーテル検査までに要した平均時間」、「退院患者平均在院日数」等が、p24では、糖尿病について「初期・安定期治療」で、治療中断率(医師の判断によらないものに限る)、「慢性合併症治療」では、糖尿病に合併する脳卒中・心筋梗塞の発症数 糖尿病による失明発症率、糖尿病腎症による新規透析導入率、「専門治療」では、退院患者平均在院日数などが収集・公表すべき指標例として例示されている。これらの指標が各都道府県で共通化されれば、地域間の比較検討も可能になるであろう。そして、情報公開は保健分野でも進んでいる。例えば、特定健康診査機関・特定保健指導機関データベース(http://kenshin-db.niph.go.jp/kenshin/)では、特定保健指導の前年度の参加率(参加者/案内者)・脱落率(終了者/参加者)が公表されている。そういえば、特定健診・保健指導の効果の検証(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001y23e-att/2r9852000001y288.pdf)が実施されるらしいが、健診・保健指導機関によって成績がかなり異なるであろう。この際、成果検証の指標が確立されることを期待したい。また、昨年10月の全国がん対策関係主管課長会議(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/vAdmPBigcategory40/55B8BBAD23EFE2AA492577BA00268F95?OpenDocument)では、都道府県が行うべき精度管理として、①県の水準を著しく下げる自治体への具体的指導。②項目毎に、実施できていない自治体を特定し、その原因をヒアリングする。③生活習慣病検診等管理指導協議会などで、チェックリスト実施率改善のための検討を継続的に行う。④検討結果を定期的に自治体ヘフィードバックする。⑤都道府県のホームページヘ掲載など、が示されていた(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/0/55b8bbad23efe2aa492577ba00268f95/$FILE/20101012_1shiryou4.pdf)。がん対策推進協議会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008fcb.html#shingi1)でも議論されるであろうが、「安かろう、悪かろう」のがん検診を排除するため、がん検診機関の情報公開が不可欠と感じる。厚労省「がん検診事業の評価に関する委員会報告書」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/dl/s0301-4c.pdf)p37に示されている各がん検診の許容値(要精検率、精検受診率、がん発見率、陽性反応適中度等)がどれほどクリアされているかどうか、都道府県別あるいは二次医療圏別に明らかにされるべきであろう。地域保健・健康増進事業報告では、市町村がん検診事業に関して、各市町村から厚労省に詳細な報告があがっており、活用しない手はない。
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在宅療養支援を行う医療機関リスト

2011年12月26日 | Weblog
キャリアブレイン「難病、がん対策の予算増額- 厚労省健康局予算案」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36293.html)。<以下一部引用>
<がん対策では、小児がん対策の推進に4億円を新たに計上。小児がん拠点病院の指定に向けた体制整備に2.5億円、拠点病院を改修して家族の宿泊室や相談室などを設置する事業に1億円を充てる。このほか、「在宅緩和ケア地域連携事業」(1.1億円)を盛り込んだ。がん診療連携拠点病院と都道府県が連携し、二次医療圏ごとに在宅療養支援を行う医療機関のリストの作成などを行う。>
 
厚生労働省の平成24年度予算概算要求では、新規で「在宅緩和ケア地域連携事業(3.6億円)」が打ち出されていた(保健衛生ニュース10月17日号)。予算額は減額されているが、実施されるようである。在宅医療リストには、ケアマネジャー、訪問看護、訪問薬局、訪問歯科、訪問リハビリなど、実践している様々な機関が掲載されることを期待したい。新たな医療計画では在宅医療が柱の一つ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001yj85-att/2r9852000001yje7.pdf)になり、「在宅医療の体制構築に係る指針」の骨子(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001yj85-att/2r9852000001yjdf.pdf)が出ている。二次医療圏ごとのリスト作成となれば、保健所の役割が小さくないように感じる。骨子(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001yj85-att/2r9852000001yjdf.pdf)p7では、「保健所は、「地域保健法第4条第1項の規定に基づく地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(平成6年12月1日厚生省告示第374号)の規定に基づき、また、「医療計画の作成及び推進における保健所の役割について」(平成19年7月20日健総発第0720001号健康局総務課長通知)を参考に、医療連携の円滑な実施に向けて、地域医師会等関係団体と連携して医療機関相互の調整を行うなど、積極的な役割を果たすこと。」とされている。しかし、リストは名ばかりであってはいけない。実際には、施設側のホームページ等とリンクしてあるようなものが必要かもしれない。なお、以前の厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001rbxs-att/2r9852000001sdvr.pdf)p26では、在宅への移行に必要な準備期間として1~2週間が最多であることが示されている。在宅移行を円滑に進めるためには、やはり、普段から、多職種による信頼関係に基づく顔の見えるヒューマンネットワークが欠かせない。そういえば、10月18日付で厚労省老健局老人保健課から「末期がん等の方への迅速な要介護認定等の実施について」(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/dl/terminal-cancer_5.pdf)が発出されている。個別申請者の調査の結果、申請から二次判定までの平均日数は28.9日であり、19.4%の方が二次判定前に亡くなっていたというが、医療介護連携はタイムリーでなければならない。 さて、当圏域内ではがん診療連携拠点病院と保健所の協働で、定期的に緩和ケアの事例検討会を開催し、ケアマネジャーや訪問看護師等にも多数参加していただいている。医療介護連携は、介護スタッフが医療側を理解するだけではなく、医療スタッフが介護側を理解することも重要である。在宅医療のリスト作成はあくまでツールの一つであろう。ところで、中央社会保険医療協議会総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001uo3f.html)で、訪問看護(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001uo3f-att/2r9852000001uo71.pdf)、在宅歯科医療(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001uo3f-att/2r9852000001uo7c.pdf)、在宅薬剤師業務(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001uo3f-att/2r9852000001uo7n.pdf)に関する資料が出ているように、診療報酬の動向も注目である。
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生活保護制度の行方

2011年12月26日 | Weblog
「橋下市長、戦略会議で生活保護見直し迫る」(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20111224-880784.html)。<以下引用>
<大阪市の橋下徹市長は24日、市の最高意思決定機関「戦略会議」を続行し、生活保護行政を見直す必要性を指摘、国に制度改正を迫る考えを示した。生活保護受給者が全国一多い大阪市の財政負担は重く、地方負担の軽減などを求める意向とみられる。健康福祉局との協議で市長は生活保護に関し「国の制度の言いなりになっていたら、とんでもないことになる」と強調。国が制度改正の呼び掛けに応じなければ「受給認定業務はいざとなったら国に返上だ」と述べた。こども青少年局に対し、市長選公約に掲げた市立幼稚園の民営化の検討を進めるよう指示。局側は「民営化しても経営の安定性に欠ける」などの課題を指摘した。乳幼児医療費助成の対象拡大に伴う所得制限の導入についても検討を求めた。戦略会議2日目の同日は、環境局など計13部局との協議を予定。東日本大震災のがれき受け入れ基準を話し合うほか、市の組織体制や予算編成など市政運営の基本方針も決める見通し。市の事業を3分類し(1)大阪府と市で新設する「府市統合本部」(2)大阪市(3)市内24区-のいずれの組織が事業を担うか仕分けするのが今回の会議の目的だ。>

福祉行政報告例(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/38-1a.html)によると、生活保護の被保護世帯数は伸び続けている。先般の財務省資料(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia231128/05.pdf)p5では「高齢者単身世帯の生活扶助基準額は8万820円で、国民年金の月額6万3000円よりも多い。わずかな年金のなかから住宅費や医療費を捻出しなければならない国民年金受給者と比較すると、年金保険料を払ってこなかった生活保護受給者のほうがずっと優遇されているように見える。」という意見もあるが、生活扶助基準額は地域によって異なる(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000019mog-att/2r98520000019ms5.pdf)。さて、政府の提言型仕分け(http://sasshin.go.jp/)において、生活保護(http://sasshin.go.jp/shiwake/detail/2011-11-23.html#B5-6)について、生活保護費の急増の要因は、その半分を占める医療扶助であるとし、①指定医療機関に対する指導強化、②後発医薬品の利用促進やその義務付けの検討、③翌月償還を前提とした一部自己負担の検討、さらに、「医療機関のモラルハザードが大きいことから、実態調査の仕組みを構築し、不適切な診療を行っている機関は指定を外すなどの厳格な対応を行うべき」とされている。厚労省から、生活保護制度の見直し(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb16GS70.nsf/0/a24a627a1e204d7f49257849000fceac/$FILE/20110303_2shiryou2_1_1.pdf)と不正受給対策の推進(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb16GS70.nsf/0/a24a627a1e204d7f49257849000fceac/$FILE/20110303_2shiryou2_1_2.pdf)が出ていたが、生活保護の適正化については自治体レベルで実施できるものが少なくないであろう。例えば、昨年明らかになった医療扶助の不正(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000gmbj.html)を防ぐために、医療扶助での「生活保護版レセプト管理システムソフトウェアによるレセプト点検の実態(緊急サンプル調査による重複投薬、後発医薬品利用率等)はどうなっているであろうか。少なくとも医療扶助実態調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/67-16.html)は、都道府県別や福祉事務所別に毎年公表されるべきであろう。また、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/syakai/z-fukushi/gyosei/gyousei05.html)では、「精神入院患者の2割が生活保護受給」とされ、生活保護者の精神病床長期入院ケースが少なくない。「精神障害者地域移行・地域定着支援事業」(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb15GS60.nsf/0/2c116f8976613f4a4925783f00016cba/$FILE/20110222_1shiryou4_1_3.pdf)は、生活保護受給者を積極的に対象にすべきと感じる。そして、経済産業省からの社会保障改革に関する意見(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/syutyukento/dai9/kaieda.pdf)では、「リバースモーゲージ制度(自宅を担保として一定金額を毎年借り入れ、死亡時に自宅売却し負債返済)の利用促進」も提案されているが、生活保護の現場ではどの程度活用されているであろうか。実際、不動産(土地、建物、田畑、山林等)を有する生活保護受給者が少なくないが、まずは本人のために財産の活用が徹底されるべきである。それらが、受給者の面倒を全くみない子や兄弟に相続されることに、釈然としないものを感じる。この制度はあまり活用されていないらしいが、各自治体における高齢者でのリバースモーゲージ制度の利用実態を調査・公表すべきかもしれない。ネットでは、生活保護は「本籍のある出生地で取り扱う事にすればいい」(http://shadow-city.blogzine.jp/net/2011/12/post_b006.html#more)という意見も見られているが、まずは、生活保護制度の概要(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000019mog-att/2r98520000019ms5.pdf)を周知徹底し、自治体レベルでの対応を推進したいものである。
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病床利用率70%未満の病院の行方

2011年12月25日 | Weblog
総務省が「公立病院改革プラン実施状況等の調査結果」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000139455.pdf)(http://www.soumu.go.jp/main_content/000139459.pdf)を出しているので見ておきたい。先般、総務省から「公立病院改革プラン実施状況の調査結果(経営の効率化に係るもの)」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000133864.pdf)として、全国の905公立病院ごとの状況が出ていたが、どれだけ知られているであろうか。平成19年12月に策定された「公立病院改革ガイドライン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/guidline.html)に基づき、病院事業を設置する地方公共団体は平成20年度内に公立病院改革プランを策定しているが、経営効率化に係る部分については3年程度、再編・ネットワーク化及び経営形態の見直しに係る実施計画に係る部分については5年程度の期間であり、期限が迫っている。ガイドライン(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/pdf/071224_zenbun.pdf)p8では「一般病床及び療養病床の病床利用率がおおむね過去3年間連続して70%未満となっている病院については、本改革プランにおいて、病床数の削減、診療所化等の抜本的な見直しを行うことが適当である。」とされていることは知っておきたい。各病院の病床利用率(http://www.mhlw.go.jp/toukei/kaisetu/index-hw.html)(http://kotobank.jp/word/%E7%97%85%E5%BA%8A%E5%88%A9%E7%94%A8%E7%8E%87)は医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/index.html)をみればわかるが、70%を下回る公立病院の行方が注目される。そういえば、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001qd1o-att/2r9852000001qd6n.pdf)p9で医療・介護サービスの需要と供給(必要ベッド数)の見込みが示されており、平成23年度の一般病床107万床(75%程度、19~20日程度)が、改革シナリオで地域一般病床を創設した場合、平成37年度には、高度急性期18万床(70%程度、15~16日程度)、一般急性期35万床(70%程度、9日程度)、地域一般病床24万床(77%程度、19~20日程度)、亜急性期等26万床(90%程度、60日程度)とされている。一般病棟の長期入院を減らそうとすれば、病床利用率が下がるばかりでなく、受け皿となる療養病床・施設や在宅医療が問題となるであろう。やはり、それぞれの地域全体で、医療計画と介護保険事業計画を一体的に考える必要があるかもしれない。さて、中医協資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001vpkq-att/2r9852000001vpok.pdf)p115では、「長期療養患者が比較的多い一般病棟については、将来的には、長期療養病棟へ移行することが現実的ではないか。その観点からは24年改定においては13対1病棟と15対1病棟に限り90日を超えて入院する患者を対象として、療養病棟入院基本料と同じ報酬体系(医療区分及びADL区分を用いた包括評価)を導入することとしてはどうか。」「長期療養患者が比較的少ない一般病棟については、将来的には、急性期・亜急性期病棟へ移行することが現実的ではないか。その観点から、24年改定においては、13対1病棟と15対1病棟に限り、90日を超えて入院する患者を対象として、平均在院日数の計算対象とすることとしてはどうか。」が提案されている。これらは経営上大きな影響が及ぼす可能性がある。長期入院が多い公立病院は、さらに経営が厳しくなるのは間違いない。
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医療機能情報提供制度による医療機関データベースを構築すべき

2011年12月24日 | Weblog
22日の医療情報の提供のあり方等に関する検討会資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001ywey.html)が出ているのでみておきたい。資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001ywey-att/2r9852000001ywk2.pdf)p7~の各都道府県へのアンケート調査によると、各都道府県の医療機能情報提供HP(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001ywey-att/2r9852000001ywlw.pdf)へのアクセス件数にはかなりの開きがある。また、ホームページの機能(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001ywey-att/2r9852000001ywm7.pdf)もまちまちである。とにかく、まずは、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/index.html)の項目(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/191113-d00.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_1.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_2.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_3.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_4.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_5.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/7872efb1ae67adc0492573e9001fe2b7/$FILE/20080208_7sankou1_6.pdf)が、少なくとも診療報酬改定の届出項目に合わせて更新され、都道府県で最低収集すべき標準項目を設定し、共通様式で電子データ管理されるべきと感じる。介護サービス情報(http://www.espa-shiencenter.org/preflist.html)と同様に、①Webによる公表情報の直接入力、②厚労省による公表サーバーの一元管理、③公表期日の統一化も併せて進められれば、医療と介護の国家的データベースが比較的容易に構築できるであろう。医療機能情報は、新たな医療計画に位置づけられる指標(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001xhqa-att/2r9852000001xhrr.pdf)にも不可欠なものである。厚労省「医療機能情報集約システム経費」(http://www.mhlw.go.jp/seisaku/jigyo_siwake/dl_rv3/039a.pdf)では、「病院等から各都道府県に提出された医療機能情報について、各都道府県から厚生労働省に電子媒体で提出させ、当該情報を集約し、データベース化する」とされるが、どこまで進んでいるであろうか。Webによる公表情報の直接入力は医療機関の負担軽減やタイムリーな情報更新のためにも不可欠であり、もっと推進される必要がある。そういえば、「National Databaseを用いた医療計画策定のための基盤資料の作成に関する研究」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001g288-att/2r9852000001g2d4.pdf)が出ていたが、今後の医療計画の推進には、国家的データベースの分析評価が不可欠と感じる。おそらく、「DPCデータベース」や「医療の質に関する評価・公表等推進事業」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001u0or-att/2r9852000001u0vl.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001u0or.html)による医療機能情報もそうかもしれない。医療機能情報は広告の側面があるが、それ以上に、医療計画の一環と認識したいものである。医療機能情報提供制度による医療機関のナショナルデータベースを構築すべきである。既に「レセプト情報・特定健診等情報の提供におけるガイドライン」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000016v8d.html)に基づく、レセプト情報・特定健診等データベースの提供がスタートしている(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001uecr-att/2r9852000001uegd.pdf)。今後、医療機能情報提供制度による医療機関データベースとレセプト情報・特定健診等データベースのセットが期待されるところである。
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平成24年度からの介護保険料

2011年12月23日 | Weblog
21日、厚労省から、「診療報酬・介護報酬改定等について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001yvtf-att/2r9852000001yvwy.pdf)が出た。診療報酬の重点項目は、急性期医療、在宅医療、がん治療、認知症治療が掲げられている。また、介護報酬改定の方向について、施設から在宅介護への移行、在宅サービスやリハビリテーションなど自立支援型サービスの強化、介護予防・重度化予防の効率化・重点化、介護職員の処遇改善のための加算が示されている。さて、介護報酬改定率 +1.2%(在宅 +1.0%、施設 +0.2%)が出たことによって、各市町村における第5期介護保険事業計画の平成24年度からの1号(65歳以上)保険料の設定がしやすくなった。果たして、県内市町村はそれぞれいくらの基準額になっているであろうか。管内の2つの保険者では第四期から今回の第五期にかけての1号(65歳以上)保険料大幅アップは必至のようである。おそらく、全国同様であろう。要介護高齢者数の増加もあるが、①1号(65歳以上)被保険者の負担割合が20%から21%に引き上げられたこと、②介護職員処遇改善交付金(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/10/tp1023-1.html)について、介護報酬の加算で「税対応から保険対応への振り替え」が行われること、③低所得段階の保険料負担の軽減(従来の第三段階のうち所得合計120万円以下の者の保険料率引き下げ)の影響が大きいらしい。また、介護給付費準備基金の取り崩しは第四期計画のようにはいかないようである。①と②については各保険者ではどうしようもない。来年度分から年金減額の中で、高齢者の介護保険料のアップは少々目立つかもしれない。しかし、介護保険料を無理に抑制し、赤字が出て財政安定化基金から借り入れ(http://www.tmnf.net/kourei9.html)すれば、次回以降計画で65歳以上の保険料に上乗せされる仕組みになっていることは理解したい。とにかく、介護保険料はサービスと一体である(サービスが少なければ保険料が下がり、サービスが多ければ保険料が上がる)。介護保険料を抑えるためには、施設から在宅への移行、そして、介護予防が進められなければならない。介護予防・日常生活支援総合事業(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/hokenjigyou/05/dl/kaigokentou.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/hokenjigyou/05/dl/yoboukouka.pdf)はもっと関心が持たれるべきと感じる。そういえば、昨年10月の平成21年度介護予防事業の実施状況に関する調査結果(http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/10/tp1029-1.html )では、高齢者人口に占める参加率は0.5%に留まり、制度開始当初目標としていた5%(20年度)に遠く及ばない。平成22年度の65歳以上高齢者のうちの二次予防事業施策参加者は0.6%と報じられている(保健衛生ニュース12月5日号)。 各市町村ではどういう状況か、果たして知られているであろうか。今年度までに各市町村で実施された「日常生活圏域ニーズ調査」(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/hokenjigyou/05/dl/niizucyousa.pdf)の結果をみれば、介護保険予備群のあまりの多さにビックリする方が少なくないかもしれない。もはや、国が~、県が~、市町村が~、といっているばかりではいけない。平成22年の国民生活基礎調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/index.html)では、介護が必要となった主な原因の構成割合(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/4-2.html)をみると、脳卒中が21.5%を占め、第一位である。特に要介護4、5では脳卒中が3割以上を占めていることは知っておきたい。来年度からの第5期介護保険事業計画の社会的注目度は今一と感じるのは気のせいであろうか。
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がん晴れ

2011年12月22日 | Weblog
原発事故担当相が「福島を日本で最もガン発生の少ない県にする」といったらしい(http://tanakaryusaku.jp/2011/12/0003364)。その発言は荒唐無稽と思われるであろうが、あながち夢物語とはいえないかもしれない。そのためには、がんを防ぐための新12ヵ条(http://www.fpcr.or.jp/pdf/12kajou.pdf)を徹底したいところである。新12ヵ条の中で比較的短期間に効果がみられるのはp10、11の感染症対策によるがんの予防であり、予算の制限がなければ、大々的に打ち出したい。第一に肝炎ウイルスであるが、肝炎ウイルス検査(B型、C型)の受検を徹底し、陽性者のフォローとインターフェロン治療を徹底すれば、肝がんの罹患を抑制できる。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2011/01/dl/tp0119-1_02.pdf)p15、資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2011/01/dl/tp0119-1_03.pdf)p23~24、資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2011/01/dl/tp0119-1_04.pdf)p121~122に出ているように、平成23年度厚労省予算で、国民の安心を守る肝炎対策強化推進事業として、健康増進事業の肝炎ウイルス検診に個別勧奨メニューの追加(①40歳以上の5歳刻みの者を対象とした個別勧奨;市町村が実施主体となって行う健康増進事業の肝炎ウイルス検診において、受検に関する通知を対象者に直接送付、②検査費用に係る自己負担分の負担軽減;個別勧奨対象者の肝炎ウイルス検査の自己負担分を軽減;無料も可)とともに、特定感染症検査等事業の肝炎ウイルス検査に出張型検査の追加による受検促進の強化が図られており、各自治体で積極的に採用したい。また、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会における「これまでの主な議論の中間的な状況の整理等について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001k585-att/2r9852000001k59m.pdf)が出ているようにB型肝炎ワクチンも事業化したいところかもしれない。第二にヒトパピローマウイルスであるが、平成22年度補正予算でスタートした「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」によるHPVワクチン接種と子宮頸がん検診を徹底することである。子宮頸がん検診は異型上皮の段階で対応でき、がん罹患の抑制が図れる。がん検診推進事業」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan10/index.html)による子宮頸がん検診の無料クーポンも積極的に推進したい。日本産婦人科医会「子宮頸がん検診リコメンデーション- 細胞診・HPV-DNA検査併用子宮頸がん検診-」(http://www.jaog.or.jp/know/kisyakon/47_110914.pdf)にあるHPV検査併用ができれば、リスクの高い方に効果的に対応できるであろう。第三にピロリ菌であるが、「胃がんリスク検診」(http://www.kenzou.org/column/column10.html)(http: //www.kensin-kensa.com/archives/cat48/abc/)は今年3月7日の参議院予算委員会(http: //kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/177/0014/17703070014003a.html)で積極的な答弁がされている。9月の日本臨床内科医学会では、「日本の胃がんの95%がピロリ菌感染由来で、バリウム検診のみの対策は非科学的でピロリ菌抗体とペプシノゲン測定による胃がんリスク検診を推奨する」(医事新報9月24日号)とされ、ピロリ菌除菌も併せて推進できれば、胃がんの罹患抑制を図れるであろう。しかし、「がん発生の少ない県」よりも「がん死亡の少ない県」と発言された方が現実的だったかもしれない。がん検診の推進によるがん死亡の低下が図れるからである(特に大腸がん、乳がん)。今年度から厚労省が1/2補助している「働く世代への大腸がん検診推進事業」(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/0/58c8f0962c0df3724925782d00210475/$FILE/20110204_2shiryou2_3.pdf)p20が、全市町村で実施される必要がある。こうした予防策の徹底により、がん罹患・がん死亡の低下が証明できれば、日本の先導モデルになれるかもしれない。とはいえ、政府資料(http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/twg/dai4/siryou1.pdf)p5に出ている「チェルノブイリでの小児甲状腺がんの増加(4000人発症、15人死亡)」のようなことがないとはいえない。しかし、某施設の成績(http://www.pet-toyama.jp/seiseki.htm)をみればわかるように、甲状腺がんは特殊検診でよく見つかるがんであることは理解したい。そういえば、その昔、県庁勤務時代に「家族がん晴れ」のポスターでがん予防の普及啓発をやっていたことがある。今はまさに「福島がん晴れ」である。
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介護支援専門員試験合格率15.3%

2011年12月22日 | Weblog
今年の介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/hoken/jukensha/14-2.html)が公表されている。この試験がスタートした頃は、合格率が4割を超えていたが、昨年は15.3%で過去最低である。都道府県別の合格率はどうなのであろうか。なお、職種別には介護福祉士が圧倒的に多くなっている。そういえば、厚労省在宅医療関係資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001t7j0-att/2r9852000001t7o9.pdf)p4で、在宅医療推進の課題として、1)在宅医療サービス供給量の拡充、2)家族支援、3)在宅療養者の後方ベッドの確保、4)24時間在宅医療提供体制の構築、5)在宅医療の質の向上・効率化、医療・介護の連携、が挙げられていたが、医療介護連携、地域包括ケアを進めるには、介護支援専門員のレベルアップを図る必要があるかもしれない。以前、同じ介護支援専門員でも看護系と介護系では質が違うという話を聞いたことがある。
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医療材料の共同購入と在宅医療

2011年12月22日 | Weblog
そういえば、昨年1月の厚労省からの通知;都道府県に対する技術的助言(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/saiseikikin/dl/100129-4.pdf)p4で、「在宅医療では様々な病気を対象とすることから、医療材料購入にあたりコストが割高になるため、共同購入等を行っている所もあるので、支援が重要ではないか。」とされている。全国厚生労働関係部局長会議資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2011/01/dl/tp0119-1_25.pdf)p102~の「訪問看護支援事業に係る検討会中間とりまとめ」でも「医療材料等の供給体制についてもケアマネジメントプロセスの一環として、関係者間における理解の徹底を図るべきであり、医療機関、保険薬局と訪問看護事業所が連携し、地域で安定的に供給できる体制を構築する必要がある。」の一文がある。実際には、①医師会が高度管理医療機器等販売業・賃貸業の許可(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kenkou/iyaku/sonota/sale_leas/kyoka/index.html)をとる方法、②訪問看護ステーションが調整する方法(但し、取扱える医療材料は限定)、③薬局(http://www.horon-suzuran.co.jp/docs/20100925.pdf)を含め、医療材料取扱い業者が調整する方法などがある。日本訪問看護振興財団からの要望書(http://www.jvnf.or.jp/newinfo/youbou0531.pdf)では「在宅療養が安全に安心して継続できるように、医療器材・衛生材料等のタイムリーな入手・在宅療養者の負担軽減を図ること。」とし、具体的な提案がなされているが、どうなるであろうか。とにかく、診療所や訪問看護ステーションにおける在宅医療材料の不良在庫を減らせるような仕組みが不可欠と感じる。在宅麻薬管理もそうだが、ここにも個別の往診での限界を感じる。
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気になる低線量被ばく

2011年12月21日 | Weblog
NHK「福島の子ども対象に追跡調査」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111221/k10014794611000.html)。<以下引用>
<放射性物質が子どもの健康にどのような影響を与えるかを解明するため、環境省は福島県内の母親から生まれた子どもおよそ2万5000人を対象に、13歳になるまでの大規模な追跡調査を実施することを決めました。環境省は、身の回りの化学物質が子どもの健康に悪影響を及ぼしていないか確かめるために、ことし1月から全国10万人の子どもを対象に血液中の化学物質の濃度や発育状況などを胎児のときから13歳まで継続して調べる調査を行っています。調査項目に放射性物質は含まれていませんが、原発事故を受けて、子どもへの影響について関心が高まっていることから、環境省は福島県の子どもについては放射性物質の影響も調査することを決めました。具体的には、福島県内の母親から生まれたおよそ2万5000人の子どもを対象に、母親の被ばく線量と子どもの先天的な異常をはじめ、アレルギーやぜん息も含めたさまざまな疾患との関係性について、13歳になるまで追跡調査します。調査にあたっては福島県がすでに全ての県民を対象に行っている被ばく線量の調査のデータも活用する方針です。環境省は、放射性物質と子どもの健康に関係性が確認できれば、健康のリスク管理や被ばく線量を抑えるための対策につなげていくことにしています。>
 
福島県で超音波による子どもの甲状腺検査(http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/koujyou.pdf)が行われており、概要(http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/twg/dai8/sankou1.pdf)が公表されている。しかし、このネット記事「政府の緊急被ばく対応に重大な過誤」(http://www.olive-x.com/news_ex/newsdisp.php?n=120488)をみれば、あまり楽観的になってはいけないのかもしれない。実際に安定ヨウ素剤はどれほどの人数に投与されたのであろうか。政府資料(http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/twg/dai4/siryou1.pdf)p5では「チェルノブイリで小児の甲状腺がんの増加を証明するのに20年かかった(4000人発症、15人死亡)」とされ、長期的な追跡が不可欠である。そういえば、先般、日本医師会が「ネット上の書き込み「白血病患者急増 医学界で高まる不安」について」(http://www.med.or.jp/people/info/people_info/000614.html)を出していた。今年5月にがん拠点病院ごとの院内がん登録集計結果(http://ganjoho.jp/data/professional/statistics/hosp_c_registry/2008_report_0804.pdf)が出されたが、デマを防ぐためには、定期的な公表が必要であり、特に小児がんに関する統計は欠かせないであろう。また、がん登録に関する資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001scv3-att/2r9852000001sd0t.pdf)によると、地域がん登録は本年10月1日現在、45道府県が実施(東京都と宮崎県が未実施)で、平成24年度中には全都道府県実施となるらしいが、資料に出ているように、精度の高いがん登録が行われているのは一部の自治体に留まっている。がん対策推進協議会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008fcb.html#shingi1)における、がん登録(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001vv0a-att/2r9852000001vv56.pdf)の審議の行方に注目である。ところで、政府の「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」(http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/news_111110.html)は先週まで8回開催されているのであるが、あまり大手マスコミで報道されないように感じるのは気のせいであろうか。
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保健事業の臨時延長

2011年12月21日 | Weblog
厚労省から「妊婦健康診査の公費負担の状況にかかる調査結果」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001ylvj.html)が出ている。公費負担回数は、調査対象の全ての市区町村で14回以上実施されているのであるが、標準的検査項目(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001ylvj-att/2r9852000001ymao.pdf)の全ての項目を実施しているのは61.6%で、妊婦1人あたりの公費負担額は市町村・都道府県によってかなりの格差がみられる(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001ylvj-att/2r9852000001ylx0.pdf)。さて、「妊婦健診公費負担拡充」(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/03/tp0327-1.html)は平成21年10月~23年3月末までの暫定措置であったが、資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2011/01/dl/tp0119-1_30.pdf)p28~29、資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2011/01/dl/tp0119-1_31.pdf)116~117に出ているように継続され、今年度第4次補正予算案(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36250.html?freeWordSave=1)で妊婦健康診査支援基金の2012年度末までの延長に181億円が計上されるという。また、ワクチン接種緊急促進事業(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html)の臨時特例交付金が今年度いっぱいで打ち切りであったが、インフルエンザ菌b型、小児用肺炎球菌、子宮頸がん予防の3種類のワクチンの接種費用を助成する事業を2012年度末まで延長するため、第4次補正予算案(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36250.html?freeWordSave=1)で526億円があてられているらしい。そういえば、21年度の単年度事業であった「女性特有のがん検診推進事業」(乳がん検診、子宮頸がん検診の無料クーポン)も継続されている(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan10/index.html)。妊婦健診、予防接種、がん検診といえば、基本的な市町村保健事業であるが、毎年のように、補正予算で打ち出されたり、延長される。しかも期限付きで、その先がはっきりしない。こうした行政手法は最近の流行なのかもしれないが、世の中全体がはっきりしないのとダブって見えるのは気のせいであろうか。ところで、妊婦健診のオープン・セミオープンシステム(http://www.jaog.or.jp/know/kisyakon/22_090513.pdf)はどれほど進んでいるであろうか。
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