保健福祉の現場から

感じるままに

社会保障制度改革の行方

2014年05月31日 | Weblog
NHK「日本の財政「現状では持続不可能」」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140530/k10014857811000.html)。<以下引用>
<財務大臣の諮問機関、財政制度等審議会は、日本の財政について「現状のままでは持続不可能」と指摘し、今後、税収が想定より増えた場合でも、歳出の増加や減税には充てずに財政再建を急ぐべきだとする報告書をまとめました。財政制度等審議会は30日、財政の健全化に向けた報告書を麻生副総理兼財務大臣に提出しました。この中では、日本の財政について「歳入の半分近くを借金に依存し、将来世代に負担をつけ回している。政府の債務が増え続ける現状のままでは持続不可能と言わざるをえない」と厳しく指摘しています。そのうえで報告書は、今後、景気の回復で税収が想定より増えた場合でも、歳出の増加や減税には充てずに財政再建を早急に進めるべきだと提言しています。さらに、財政健全化の指標としている「基礎的財政収支」を2020年度までに黒字化する目標の先送りは許されないとして、来年夏までに具体的な工程を示すよう求めています。また、報告書では「高齢化による社会保障給付の増加が今後50年間にわたり財政の脅威となり続ける」と社会保障費の増加に懸念を示し、都道府県ごとに医療費の「支出目標」を設けるなど、いわゆる「団塊の世代」が75歳以上となる「超高齢化」時代を前に、社会保障の改革を急ぐよう提言しています。>

財政制度等審議会「財政健全化に向けた基本的考え方」(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia260530/index.htm) が出ている。資料(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia260530/02.pdf)p31「社会保障制度改革の基本的方向性」では、給付115兆円(2014年度)は「医療・介護分野を中心に社会保障給付は財源調達のベースとなる名目成長率を上回って伸びている。」とし、必要な改革(特に医療・介護分野で重要)「イ 公的給付範囲の見直し、ロ 給付(サービス)提供体制の効率化、ハ 診療報酬・介護報酬の抑制とあり方の抜本的見直し、ニ 保険者機能の発揮・強化」、保険料負担(64兆円、2014年度)は「保険料負担は主として勤労世代が負担。基本的に現世代で負担は賄われているものの、勤労世代の負担が過重になりがち。」とし、必要な改革「保険料による支え合いの維持・強化;負担能力に応じた負担、支え手の増加」、公費負担(43兆円、2014年度)は「公費負担を賄う税負担は、勤労世代に負担が偏らないもの(主として消費税収)が望ましい。現世代で負担が賄いきれておらず、将来世代への負担の先送りが続いている。」とし、必要な改革「社会保障公費負担と消費税収の差額の解消(消費税率引上げ)」とある。資料(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia260530/02.pdf)p34~「給付面で必要な改革(②医療・介護)」、p48~「負担面で必要な改革」は是非みておきたい。p35「受診時定額負担」「70歳以上の高額療養費制度における外来特例の廃止(患者負担上限の特例;一般所得者の場合12,000円を見直す必要。)」「市販類似薬品の更なる保険適用除外;湿布、漢方薬など」、p36「逆評価療養(一旦保険適用とされた医療技術等についても費用対効果が低いものは保険適用から外し保険外併用療養の対象とする)」「柔道整復師の数の急増の抑制・保険適用(多部位請求など)の厳格化」「混合介護の普及・促進」、p40「レセプトデータを活用した「支出目標」の導入(費用面を含め、人口・年齢構成や疾病構造等に対応する合理的かつ妥当なあるべき水準の医療需要を地域ごとに算定)」、p45「後期高齢者支援金加算・減算率0.23%から大幅に引き上げ」、p48「介護納付金への総報酬割の導入」「後期高齢者医療の保険料軽減特例措置の廃止」「低所得者の定義の見直し」「介護保険被保険者年齢の引下げ」などが目にとまった。これらを本当に進めるのであれば、まずは地域住民の理解を得るための徹底した仕組みづくりが必要であろう。ところで、Sankeibiz「日本、23年連続「世界一の債権国」 対外純資産9.7%増325兆円」(http://www.sankeibiz.jp/macro/news/140528/mca1405280500004-n1.htm)と報道されているが、財政再建に対外資産は全く活用されないのであろうか。
コメント

多剤耐性結核

2014年05月31日 | Weblog
厚生科学審議会結核部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f2q.html#shingi176318)で、「新規抗結核薬について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000046629.pdf)が出ている。平成24年のHR両剤耐性は60人/8,347人(0.72%)で、MDR結核治療に使用する新薬について、デラマニド(大塚製薬)が平成26年4月30日薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において承認を可とされたところであり、デラマニドが承認された場合は、結核医療の基準の改正の是非について審議予定、とある。そういえば、平成26年度診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000032996.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000037464.pdf)p175で「E3として、既に保険収載され、現在準用点数で行われている19の検査について、新たに検査実施料を新設する。また、技術革新等により臨床的意義、利便性の向上等を伴う体外診断用医薬品について保険適用を行う際の申請区分を見直し、適切な評価を行う。 (検査の例)結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出 850点」とあり、告示(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000041345.pdf)D023 微生物核酸同定・定量検査で、「12結核菌群リファンピシン耐性遺伝子検出、結核菌群ピラジナミド耐性遺伝子検出、結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出850点」、通知(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000041235.pdf)p208「(16) 結核菌群リファンピシン耐性遺伝子検出、結核菌群ピラジナミド耐性遺伝子検出、結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出;ア「12」の結核菌群リファンピシン耐性遺伝子検出、結核菌群ピラジナミド耐性遺伝子検出及び結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出は、同時に結核菌を検出した場合に限り算定する。イ「12」の結核菌群リファンピシン耐性遺伝子検出、結核菌群ピラジナミド耐性遺伝子検出及び結核菌群イソニアジド耐性遺伝子検出と「8」の結核菌群核酸検出を併用した場合は、主たるもののみ算定する。ウ 当該検査は、薬剤耐性結核菌感染が疑われる患者を対象として測定した場合のみ算定できる。」とある。培養による薬剤感受性検査では判定までに時間がかかるため、耐性遺伝子検査の普及を図るべきではないか。なお、結核統計(http://www.jata.or.jp/rit/ekigaku/toukei/nenpou/)によると、平成24年の菌喀痰塗抹陽性肺結核患者数8,237人であるが、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000046629.pdf)では「薬剤感受性検査結果(HR両剤実施)の報告があった者は8,347人」とある。菌喀痰塗抹陰性・培養陽性患者も多く、結核管理指標値(http://www.jata.or.jp/rit/ekigaku/toukei/control_chart/)では、平成24年の新登録肺結核中菌陽性割合は84.73%とある。結核統計(http://www.jata.or.jp/rit/ekigaku/toukei/nenpou/)では平成24年の新登録結核患者数は21,283人であることから、菌陽性患者でも薬剤感受性検査が行われていないケースが多いことがわかる。
コメント

麻しん、風しん

2014年05月30日 | Weblog
NHK「はしか アメリカで過去10年で最多に」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140530/k10014851701000.html)。<以下引用>
<中国や東南アジアを中心に感染が広がる「はしか」の患者数が、アメリカでもことしに入って300人近くと過去10年余りで最も多くなり、CDC=疾病対策センターは、ワクチンを接種するよう呼びかけています。「はしか」は発熱やせきなどインフルエンザとよく似た症状から、全身に発疹が出るウイルス性の感染症で、脳炎などを起こして重症化して死に至ることもあります。アメリカのCDCによりますと、ことしに入って今月23日までに報告された「はしか」の患者は288人で、過去10年余りで最も多かった2011年の220人を5か月ですでに上回りました。患者は全国の18州にまたがり、特にオハイオ州とカリフォルニア州で多く、そのほとんどは海外に滞在中に感染したとみられます。また患者の90%はワクチンを接種していないか接種歴が不明で、そのほとんどは宗教上の理由などでワクチンを接種していない人たちでした。「はしか」は、ことし中国や東南アジアを中心に感染が広がり、フィリピンでは先月20日までにおよそ6000人の患者が確認され、41人が亡くなりました。CDCは感染を防ぐためワクチンを接種するよう呼びかけています。>

IDWR速報(http://www.nih.go.jp/niid/ja/data/1613-sokuho-rireki.html)の20週(5月12日~5月18日)までの報告(http://www.nih.go.jp/niid/images/idwr/sokuho/idwr-2014/201420/2014-20-zensu.pdf)では、今年は国内で338例の麻しんの報告がある。今年は2月(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/130214_1.pdf)、4月(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/140415_1.pdf)に麻しん注意喚起が出されている。「フィリピン渡航者からのD9型麻しんウイルスの検出―福岡市」(http://www.nih.go.jp/niid/ja/2014-02-19-09-27-24/658-disease-based/ma/measles/idsc/iasr-news/4531-pr4111.html)、「フィリピンからのB3型麻疹ウイルスによる輸入症例―沖縄県 」(http://www.nih.go.jp/niid/ja/2014-02-19-09-27-24/658-disease-based/ma/measles/idsc/iasr-news/4520-pr4104.html)、「スリランカから輸入されたB3型麻しんの集団発生―京都府」(http://www.nih.go.jp/niid/ja/2014-02-19-09-27-24/658-disease-based/ma/measles/idsc/iasr-news/4494-pr4101.html)が相次いで出ており、海外からの入り込みによる麻しんの流行は警戒しなければならない。昨年、国立感染症研究所から麻しんに関する様々なガイドライン(http://www.nih.go.jp/niid/ja/guidelines.html)が出ており、念のため周知徹底しておきたい。「麻しん発生時対応ガイドライン」(http://www.nih.go.jp/niid/images/idsc/disease/measles/pdf/30130315-04html-pdf/20130315pdf02.pdf)では、「麻しん発生時には「1例出たら即対応」する。」「麻しんサーベイランスの強化、接触者調査を行い、麻しん患者を迅速かつ確実に把握する。」とあるが、従事する保健所スタッフの抗体価測定とその結果を踏まえたワクチン接種が必要と感じる。各地の保健所では行われているであろうか。ところで、全国健康関係主管課長会議資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/03/tp140313-01.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/03/dl/140313-01_01.pdf)p65に出ているように、国庫補助事業として、風しん抗体価検査が行われ、これについては、平成26年2月7日厚労省事務連絡「風しん抗体検査事業の実施について」(http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/uploads/2014/03/oshirase_iryoukikan_tokuteikannsen.pdf)が出ており、既に実施されているところが少なくないであろう。この際、麻しん、風しんのセット対応は考えられないであろうか。診療報酬(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/14kaitei/bessi.html)にかかる感染防止対策地域連携加算チェック項目表(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/14kaitei/yosiki/b24.pdf)では、「麻疹,風疹,ムンプス,水痘に関する職員の抗体価を把握し,必要に応じてワクチン接種を勧奨している」があるように、少なくとも医療機関従事者は対応しておきたい。
コメント

診療所の安全管理

2014年05月30日 | Weblog
読売新聞「歯削る機器 7割使い回し…院内感染懸念 」(http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=98456)。<以下引用>
<歯を削る医療機器を滅菌せず使い回している歯科医療機関が約7割に上る可能性のあることが、国立感染症研究所などの研究班の調査でわかった。患者がウイルスや細菌に感染する恐れがあり、研究班は患者ごとに清潔な機器と交換するよう呼びかけている。調査対象は、歯を削るドリルを取り付けた柄の部分。歯には直接触れないが、治療の際には口に入れるため、唾液や血液が付着しやすい。標準的な院内感染対策を示した日本歯科医学会の指針は、使用後は高温で滅菌した機器と交換するよう定めている。調査は、特定の県の歯科医療機関3152施設に対して実施した。2014年1月までに891施設(28%)から回答を得た。滅菌した機器に交換しているか聞いたところ、「患者ごとに必ず交換」との回答は34%だった。一方、「交換していない」は17%、「時々交換」は14%、「感染症にかかっている患者の場合は交換」は35%で、計66%で適切に交換しておらず、指針を逸脱していた。別の県でも同じ調査を07~13年に4回行い、使い回しは平均71%だった。研究班の泉福英信・国立感染症研究所室長によると、多くの歯科では、人手や費用がかかり、簡単な消毒や洗浄をしただけで繰り返し使っているとみられる。
 厚生労働省によると、歯科での院内感染は原因の特定が難しく、国内で明らかになった例はない。感染症に詳しい浜松医療センターの矢野邦夫副院長は「簡単な消毒では、機器を介して患者に感染する恐れのあるウイルスもある。十分な院内感染対策を取ってほしい」と話している。>

全国保険医団体連合から「5月18日付「読売新聞」報道に関して」(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/140529yomiuri.pdf)が出ているが、行政側もしっかり受け止める必要があるように感じる。今年3月3日の全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000039688.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000039685.pdf)p95で「平成26年度は、全ての病院に対して少なくとも年1回は立入検査ができるよう、100%となっていない自治体は特に計画的に実施されるようお願いする。また、診療所・助産所への立入検査についても、3年に1回程度の立入検査を実施するようお願いする。」「立入検査の結果、不適合・指導事項を確認したときは、関係部局間の連携に留意しつつ、不適合・指導事項、根拠法令及び不適合・指導理由を文書で速やかに立入検査を行った医療機関へ通知するとともに、その改善の時期、方法等を具体的に記した改善計画書を期限を定めて当該医療機関から提出させるなど、その改善状況を逐次把握するようお願いする。また、特に悪質な事案に対しては、必要に応じ、厚生労働省による技術的助言を得た上で、違法事実を確認した場合は、司法当局へ連絡するなど法令に照らし厳正に対処するようお願いする。」「特に、院内感染対策については、一部の医療機関で管轄保健所への報告や対策実施の遅れが見受けられることから、引き続き医療機関に対する適切な助言と支援をお願いしたい。先般、管轄保健所から県市本庁への報告が十分行われていなかった旨を指摘された院内感染事案があったことから、日頃より行政内部での連携も密にするようお願いする。また、医療安全面では、医師等により患者等への適切な説明がなされているか等、インフォームド・コンセントの状況を確認し、必要に応じて指導方お願いする。」とあった。医療法(http://www.ron.gr.jp/law/law/iryouhou.htm)第二十五条に基づく立入検査;医療監視(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20130610_02.pdf)は病院に限定したものではない。一口に医療機関といっても、有床・無床、医科・歯科、院内処方の有無、各種医療機器の有無などによって、医療事故の発生リスクは異なるが、「職員の健康管理」「院内感染対策」「医療廃棄物管理」「放射線管理」「薬剤管理」等の定期的チェックは必要と感じる。医療法(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/164-4c1.pdf)第6条の九~十二に医療安全の確保が規定され、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002woxm-att/2r9852000002wp5m.pdf)p172に出ているように、平成19年4月からは無床診療所、歯科診療所も医療安全確保のための措置を講じなければならなくなった(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/0/0cd4ce2884154a78492572a3000c1073/$FILE/20070319_3shiryou1.pdf)。「総務省「医療安全対策に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000245532.pdf)p34で「診療所に対する立入検査の実施頻度については、特段の規定がないことから、都道府県等によって区々となっている。調査した37都道府県等(診療所を立入検査の対象としていない1都道府県等を除く。)のうち、有床診療所に対しては、3年に1回としているところが21都道府県等、無床診療所に対しては、特に規定していないところが15都道府県等、5年に1回としているところが14都道府県等となっている。」とあるように、自治体における立入検査の実施状況は異なっている。各自治体において、「マスコミで報道されるような大きな事故が起こらない限り対応しない」というのではなく、医療機関の立入検査を進めたいものである。法と経済のジャーナル「看護師2人が保健所を訪問して院長への指導を要請」(http://judiciary.asahi.com/fukabori/2013102800001.html?ref=comtop_btm)のような内部告発を待つだけではいけない。
コメント

医療保険制度改革の行方

2014年05月30日 | Weblog
キャリアブレイン「市町村国保運営の役割分担が焦点に- 社保審医療保険部会」(http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=42844)。<以下引用>
<社会保障審議会医療保険部会は28日に会合を開き、高齢者医療制度の見直しについての議論を続けた。この中で、社会保障制度改革の全体像を示したプログラム法により、その運営を基本的に都道府県が担うよう方向性が示された、国民健康保険(国保)について、保険料徴収や保健事業などの市町村の業務を、どのように都道府県と分担していくかが焦点の一つになった。分担を検討する際には、地域包括ケアで市町村が介護サービスの中心的な役割を担っていくことも考慮すべきとの指摘もあった。国保を都道府県に移行する方向性は、昨年8月に取りまとめられた社会保障制度改革国民会議の報告書にも盛り込まれた。国保の運営についてプログラム法には、財政運営をはじめ基本的に業務は都道府県が担い、業務を分担する際には、「市町村の役割が積極的に果たされるよう、都道府県と市町村において適切に役割分担するために必要な方策を講ずる」などと明記された。これらの方向性を踏まえ、厚生労働省はこの日の部会に、業務分担を検討するに当たり、▽都道府県が地域医療の提供水準と標準的な保険料の住民負担の在り方を総合的に検討することを可能とする体制 ▽市町村の保険料収納や医療費適正化へのインセンティブを損なうことのない分権的な仕組みーなどを留意すべきポイントとして示した。委員からは、国保事業の都道府県と市町村の役割分担について、「国保保険者の都道府県への移行で懸念していたのは、介護保険との連携の問題。地域包括ケアを推進して医療・介護が一体的に供給されるので、医療保険給付の観点から、市町村には重要な役割を担っていただきたい」(岩村正彦・東大大学院教授)などの意見が聞かれた。■高齢者医療への拠出金に不満の声;同日の部会では、高齢者医療への拠出金が医療保険者の運営を圧迫していると不満の声が相次いだ。望月篤委員(日本経団連社会保障委員会医療改革部会長)は、「2015年度には団塊世代がすべて前期高齢者になることを踏まえ、早急に高齢者医療制度の見直しに向けた議論をすべき」と強調した。また、白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)は、「国保側に、前期高齢者とそれ以外の財政区分が設けられていないため、被用者保険からの納付金の使途が前期高齢者の医療給付に特定されているか不明確となっている」などと問題提起した。>

社会保障審議会医療保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f07.html#shingi126706)の28日資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000047034.html)が出ているのでみておきたい。主な意見(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000047038.pdf)では、国保、協会けんぽ、高齢者医療について出ているが、当面、国保が最大の注目で、中でも「都道府県と市町村の役割分担」がポイントであろう。都道府県は医療計画・地域医療ビジョン及び医療費適正化計画を前面に出す必要があるかもしれない。今年3月3日の全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000039688.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000039685.pdf)p3に出ているように、地域医療ビジョンに係る「協議の場」に医療保険者が参画する意義は小さくない。また、今年度からの保健事業指針改正(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000044053.pdf)によるデータヘルスは市町村の役割としても大きい。基本的に、「医療は都道府県、保健・福祉は市町村」の枠組みで「都道府県と市町村の役割分担」が検討されるであろうが、市町村はピンキリで、地域によって医療・介護資源が大きく異なることが考慮される必要がある。都道府県の計画は二次医療圏単位で、市町村との役割分担と連携を推進すべきで、その際、役割が期待されるのは、やはり「保健所」であろう。その戦略を進めるためには、保健所職員に対して、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000039685.pdf)p64に出ていた医療計画作成支援データブックと、地域包括ケア「見える化」システム(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/sankou5_1.pdf)の活用研修を徹底する必要があるように感じる。都道府県庁に留まっているだけではダメである。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-11-01p.pdf)p5の「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律による社会保障制度改革の工程表」では医療保険について「必要な法律案の27年通常国会への提出を目指す」とあり、目が離せない。経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の先月22日会議資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0422/agenda.html)にある、「社会保障給付の適正化・効率化に向けて」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0422/shiryo_04_1.pdf)、「医療・介護費の適正化に向けた取組について」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0422/shiryo_05.pdf)、「レセプトデータの活用による医療の効率化」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0422/shiryo_06.pdf)には目を通しておきたい。但し、長期的にみて、今回の医療保険制度改革は始まりにすぎないようにも感じないではない。以前の政府行政刷新会議ライフイノベーションワーキンググループ会議資料(http://www.cao.go.jp/sasshin/kisei-seido/meeting/2010/life/1222/agenda.html)では、「地域主権の医療への転換」の一つとして、保険医療機関の指定業務・指導監督の都道府県移管が掲げられていた(http://www.cao.go.jp/sasshin/kisei-seido/meeting/2010/life/1222/item_101222_03.pdf)からである。高齢者医療確保法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S57/S57HO080.html)第13条、14条で医療費適正化の評価によって、都道府県では、診療報酬特例ができることはどれほど知られているであろうか。
コメント

精神科病床大幅削減の行方

2014年05月29日 | Weblog
キャリアブレイン「病床削減後の建物など「居住の場」に- 厚労省が提案」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42861.html)。<以下引用>
<厚生労働省の「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」の作業チームが29日、4回目の会合を開いた。この日は、厚労省が精神病床を削減した後の建物や敷地を、「居住の場」として活用する案を提示。また、一部の精神病床を「地域移行を支援する病床」とし、生活能力の向上を目指した訓練などを充実させる案も示した。厚労省は、病床削減を進めた結果、使わなくなった建物や敷地について、「居住の場」とすることを念頭に、作業チームでの議論を進めることを提案。「居住の場」として活用するための条件案としては、利用者の外出の自由の確保やプライバシーの尊重などが示された。■精神病床での地域移行支援の機能強化も提案 また厚労省は、精神病床の一部を、患者の地域移行を支援するための病床と位置づけ、そのための機能を強化する案も提示。具体的には、重度かつ慢性の疾患がないのに、入院期間が一年を超える患者が利用する精神病床を、地域移行を支援するための病床とし、生活能力の向上を目指した各種訓練を充実するとしている。さらに地域生活に近い環境を整えるため、病院外部との交流は原則自由とする案も示された。訓練を実施する具体的な場所や給付の在り方、必要な人員などは、今後の検討課題としている。委員からは、「病床削減後の建物や敷地は居住以外の場として活用することを前提に、その条件などを検討すべき」など、病床削減後の建物や敷地を「居住の場」とする案に反対の声が上がった。また、病床削減後の建物や敷地の有効活用を検討するため、モデル事業を実施すべきとする意見も出た。>

東京新聞「精神科病床を大幅削減へ 長期入院解消で厚労省」(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014052901000973.html)。<以下引用>
<厚生労働省は29日、全国に約34万床ある精神科病床を今後、大幅に削減する方針を固めた。医療上の必要性は低いのに地域で受け皿がないため長期入院する「社会的入院」の解消に向け、新たに「地域移行支援病床」という区分を設定。2016年度以降の診療報酬改定などで病床削減と患者の退院を誘導し、先進国の中で突出して多い精神科の入院患者を減らす考えだ。精神障害者の長期入院問題に関する有識者検討会に同日、構造改革案として示した。検討会は地域移行に向けた対策を6月中にも報告書にまとめる。>

厚労省「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000almx.html#shingi141270)の資料が出ればみておきたい。平成24年10月に医療計画に係る「精神疾患の医療体制の構築に係る指針」(http://www.c-yaku.or.jp/post/di-center_rmlo/121024_204.pdf)が出た後、今年3月、「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shougai/shougai_shisaku/houritsushikou.files/daijinkokuji.pdf)(http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenko/syofuku/files/2014-0409-1331.pdf)が告示された。障害保健福祉関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/)の平成26年3月7日資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/dl/20140307_01_05.pdf)に出ているように、改正精神保健福祉法が今年4月施行され、その趣旨に沿った様々な事業が実施される。また、平成26年度診療報酬改定資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000037464.pdf)でp100~「精神病床の機能分化」、p104~「精神疾患患者の地域移行と地域定着の推進」等があるように、診療報酬からも誘導されている。とにかく、中医協総会資料「精神医療について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000031076.pdf)のp8「精神病床の平均在院日数」をみれば我が国の長期入院が国際的にみて際立っていることがわかるが、まずは「長期入院精神障害者をめぐる現状」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000042347.pdf)を社会全体が認識する必要があるように感じる。改革するためには、精神保健福祉資料「630調査」データ分析(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/data.html)をもとにした政策科学としての戦略的な対応が求められるであろう。資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/dl/20140307_01_01.pdf)p46~「第4期障害福祉計画に係る基本指針」でp48「平成29年度における入院後3ヶ月時点の退院率を64%以上とすることを目標」「平成29年度における入院後1年時点の退院率を91%以上とすることを目標」「平成29年6月末時点の長期在院者数を平成24年6月末時点の長期在院者数から18パーセント以上減少することを目標」とあり、各自治体が平成26年度に策定する障害福祉計画の行方が注目である。また、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/syakai/z-fukushi/gyosei/gyousei05.html)では、「精神入院患者の2割が生活保護受給」とされているが、精神障害者対策は生活困窮者自立支援の面からも取り組みが必要と感じる。資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-12-01d.pdf)p24~「新たな生活困窮者自立支援制度について」を理解したい。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000046438.pdf)p198に出ているように、生活困窮者自立支援法は平成27年4月1日施行であり、生活困窮者自立支援法(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000046438.pdf)の関心をもっと高める必要があるように感じる。必須事業である「自立相談支援事業」(就労その他の自立に関する相談支援、事業利用のためのプラン作成等)、「住居確保給付金」(有期)支給、任意事業である「就労準備支援事業」、「一時生活支援事業」、「家計相談支援事業」、「学習支援事業」、さらには「中間的就労」認定などについて、今年度中に準備を進めなければならない。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000046438.pdf)p213~「生活困窮者自立支援制度の構築に向けたポイント」が出ており、p226「6割弱の自治体で庁外の関係機関等との協議の場が設置されており、福祉事務所、ハローワークだけでなく、保健所や地域包括支援センター、民生委員・児童委員など様々な分野との連携が進められている。」とある。今年1月の厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-12-02d.pdf)p37「今後、「生活困窮者自立支援方策(仮称)」を地域福祉計画に盛り込むべき事項としてお示しする方針であるので、ご承知おき願いたい。」とあったが、どうなっているであろうか。「国が~」といっているだけではなく、それぞれの自治体が自立して取り組まれなければならない。そして、厚生労働省「健康づくり推進本部」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkoudukuri_sokusin/index.html)の4月11日「工程表及び目標案」(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000043526.pdf)では、p7「市町村国保において、 ・KDB等を活用し、地域のこころの健康についての実態を把握 ・健康課題にかかる分析結果を衛生部門へ情報提供を行うなどの支援を実施」「保険者協議会において ・メンタルヘルスに係る医療費分析の実施 ・ 地域保険・被用者保険間で、分析結果と問題意識の共有」、p8「医療保険者が、レセプトデータ等を活用し、事業者が行うメンタルヘルス対策を支援することを推進」とあるように、メンタルヘルスにもデータヘルスが図られることは知っておきたい。この際、改正精神保健福祉法を機に、「保健所及び市町村における精神保健福祉業務運営要領」(http://www.f-renmei.or.jp/publication/oldreport/pdf/2012/0710/report02.pdf)の再改定がぜひとも必要と感じる。ところで、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所HP(http://www.ncnp.go.jp/nimh/index.html)は、行政関係者に対する最新資料が出てもよいのではないか。
コメント

感染症危機管理

2014年05月29日 | Weblog
中日新聞「西アフリカのエボラ熱、依然深刻 WHO専門家が指摘」(http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014052901000814.html)。<以下引用>
<世界保健機関(WHO)の感染症の専門家フォルメンティ博士は28日、ジュネーブで記者会見し、ギニアなど西アフリカで3月以降流行したエボラ出血熱について「依然として深刻な状況だ」と指摘、今も終息に向かっていないとの見解を示した。フォルメンティ氏は最近ギニアからジュネーブに戻ってきたばかり。「地理的に感染が広がっており、憂慮すべきだ」と警告、地元住民にエボラ出血熱の危険性を周知させることが最優先課題だと強調した。WHOによると、感染が確認されているのはギニア、リベリア、シエラレオネ。現段階で死者はギニアに集中している。>

WHO「Global Alert and Response」(http://www.who.int/csr/don/archive/year/2014/en/)では、MERS-CoV、Ebola virus disease、avian influenza A(H7N9)の更新が続いており、国際化社会では要警戒である。平成18年7月の総務省勧告(http://www.soumu.go.jp/kanku/okinawa/pdf/060905_02.pdf)で、第一種感染症指定医療機関の整備が進んでいないことが問題視されていたが、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/03/dl/140313-01_01.pdf)p75に感染症指定医療機関の指定状況が出ており、p74では平成25年4月1日現在、第一種感染症指定医療機関は12県で未指定、p76では「これまでの一類感染症等予防・診断・治療研修事業への参加は31都道府県」に留まっている。感染症法(http://www.ron.gr.jp/law/law/kansensy.htm)第十九条一項、第二十条一項に基づく対応ができないわけではないが、未指定の自治体では、実際にエボラ患者(疑い)が発生した場合は、どうするか、確認が必要であろう。また、厚生科学審議会感染症部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f2q.html#shingi127717)の3月14日会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000040512.html)で、「感染症対応における地方衛生研究所の現状と課題」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000040510.pdf)p5「平成15~20年の5年間で職員数13%減、予算30%減、研究費47%減」「原因– 地方財政の悪化– 団塊世代の退職– 地方分権の流れ」、p8「特に県型地研の一部は著しい人員・予算の削減→ 許容レベルを下回る機能低下(県型数ヵ所?)」、p14「微生物技術研修(実習3週間)に3年間不参加の都道府県地方衛生研究所(17ヶ所;北海道、秋田、山形、神奈川、静岡、富山、愛知、岐阜、京都、奈良、和歌山、徳島、愛媛、高知、福岡、鹿児島、沖縄)、新興再興感染症技術研修(実習1週間)にも、3年間6回すべて不参加の地方衛生研究所(13ヶ所;秋田、静岡、富山、愛知、岐阜、京都、奈良、和歌山、徳島、愛媛、高知、福岡)」とあった。仮に、MERS -CoV、Ebola haemorrhagic fever、influenza A(H7N9)などで国内発生が疑われた場合の初動対応はどうなるのであろうか。一つの自治体の対応の影響が波及しないとも限らない。
コメント

保健師研修の行方

2014年05月29日 | Weblog
厚労省「保健師に係る研修のあり方等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000ahdf.html#shingi197262)が26日スタートしているので資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000046958.html)をみておきたい。「保健師の配置や研修をめぐる現状」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000046946.pdf)で、p2「地域で包括的なケア体制の構築は必須」とされる中で、p16「保健師が認識している現状の課題・問題」で「分散配置による連携の悪化」がトップなのは問題であろう。昨年3月の「地域における保健師の保健活動に関する検討会報告書」(http://www.jpha.or.jp/sub/pdf/menu04_2_h24_02.pdf)をもとに、4月19日付で通知「地域における保健師の保健活動について」(健発0419第1号)・改定「地域における保健師の保健活動に関する指針」(http://www.jnapc.co.jp/material/pdf/news/no108.pdf?PHPSESSID=158b15556ef437d9291c676369ab7995)が出され、先般、日本看護協会「保健師活動指針活用ガイド」(http://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/2014/hokenshikatudo-01.pdf)が出ていたが、その中でも地域包括ケアは重視されている。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/siryou1_1.pdf)p6~にあるように、在宅医療・介護連携は、平成27年度から介護保険法の地域支援事業に位置づけ、市町村が主体となり、地区医師会等と連携しつつ取り組み、➀地域の医療・福祉資源の把握及び活用、➁在宅医療・介護連携に関する会議への参加又は関係者の出席の仲介、➂在宅医療・介護連携に関する研修の実施、➃24時間365日の在宅医療・介護提供体制の構築、➄地域包括支援センター・介護支援専門員等への支援、➅退院支援に資する医療・介護サービス提供施設間の連携体制を構築するための支援、➆在宅医療・介護サービスに関する地域住民への普及啓発の7事業が例示されているが、保健所も大きく関わる。昨年12月27日の社会保障審議会医療部会の「医療法等改正に関する意見」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000033983.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000033981.pdf)p9では、医療と介護の連携の推進で、「都道府県は広域的に対応する必要がある調整等について保健所を通じて市町村の支援を行うことも重要である。」とされ、昨年10月発行された厚労省「平成24年度 在宅医療連携拠点事業 総括報告書」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/seika/dl/h24soukatsu.pdf)p60で、「保健所は、これまでに医療計画を通じた在宅医療の推進に留まらず、難病対策、地域リハビリテーション対策、がん緩和ケア対策、認知症対策、介護予防対策等の実績があり、地域の関係機関・団体に働きかけやすく、これらの技術的なノウハウがある等の強みがある。これまで取り組みの経験がない市町村に対して市町村どうしの情報交換を促し、市町村を越えた広域での調整を行うなど、積極的な支援が期待される。」と記述されていることは理解したい。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/siryou1_1.pdf)p11~にある「都道府県医療介護連携調整実証事業」も期待される。これら地域包括ケアシステムに係る事業を進めるにあたって、保健、医療、福祉の様々な部署に保健師が配置されていることはむしろ強みにならなければいけないであろう。この際、日本看護協会「保健師活動指針活用ガイド」(http://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/2014/hokenshikatudo-01.pdf)にある「地域のケアシステムの構築」「各種保健医療福祉計画の策定及び実施」にかかる人材確保・育成が急務と感じる。3月20日の新たな財政支援制度にかかる都道府県担当者会議(http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226651633445)で例示された54事業の中で、10番「在宅医療の人材育成基盤を整備するための研修の実施」で「地域包括ケア体制の構築・推進を担う保健師(市町村主管部門、保健所等)に対する研修」とあることに注目したい。例えば、多職種連携研修のノウハウ(http://chcm.umin.jp/education/ipw/)、医療介護改革の概要(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000039685.pdf)、診療報酬(http://www.nurse.or.jp/nursing/practice/housyu/26kaitei.html)や介護関係通知(http://www.nurse.or.jp/home/zaitaku/tuchi/index.html)、KDBと地域包括ケア「見える化」システム(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/sankou5_1.pdf)の活用、医療計画作成支援データブック、緩和ケア指標(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000044636.pdf)等に関するある程度の理解も必要であろう。以前の地域保健対策検討会資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000oj33-att/2r9852000000oj5w.pdf)で示された「教育保健所構想」はどうなっているであろうか。
コメント

公立病院改革の行方

2014年05月28日 | Weblog
産経新聞「公立病院の健全化促す 経財諮問会議、地方財政など議論」(http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140527/plc14052721040018-n1.htm)。<以下引用>
<政府は27日、経済財政諮問会議を開き、地方財政や教育、社会資本整備などの歳出効率化、重点化について議論した。地方自治体の財政健全化を促すため、都道府県や市町村が運営する公立病院や下水道などの公営企業の赤字削減策へ具体的な対応を求めた。議論の成果は平成27年度予算編成に反映させる。公立病院の経営健全化を促すための現行の指針は、19年度に策定。各自治体は指針に基づき、人件費の削減などに取り組んでいるが、総務省の調査では、24年度は全国約900の公立病院のうち約半分が赤字だった。民間議員は、同様の形態の民間病院と経費を比較し、経営の効率化を図るべきだと指摘。これを受けて新藤義孝総務相は、新たな公立病院改革の指針を今年度中に策定する考えを表明した。地方財政については、このほかに地方税収の安定化や自治体間の財政力格差を是正するため、地方法人税の改革に取り組むことも提案された。また、人口減少を見越した行政サービスの集約と地域活性化に積極的に取り組む自治体への支援を手厚くすることなども引き続き議論すべきだとした。社会資本整備では、民間議員が「見合いの財源確保なくして増やす経済財政状況にはない」と指摘。災害に強い国土を造る国土強靱(きょうじん)化関連予算についても選択と集中を徹底することやPFI(民間資金活用による社会資本整備)や官民連携(PPP)を公共事業において積極的に活用するように求めた。安倍晋三首相は「27年度予算編成においては、歳出の無駄を徹底して省き、政策効果の高い分野にしっかりと重点化していく」として、経済再生と財政健全化を両立させるよう閣僚に指示した。>

経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0527/agenda.html)の資料「地方行財政制度について」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0527/shiryo_06_2.pdf)p2「赤字を抱えている公営企業、特に下水道、公立病院の収支改善を進めるべき。下水道については、応益負担の拡大、公立病院については、同様の形態の官民経費比較による効率化の推進を図るべき。」とある。昨年11月15日の経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2013/1115/agenda.html)の資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2013/1115/shiryo_01-1.pdf)p2では、「自治体設置の公立病院は、毎年7千億円の補助金等を投入しても、2兆円程度の累積欠損状態にある。現在の公立病院改革プラン(5か年計画)について、総務省・厚生労働省が徹底した成果評価を行い、地域医療ビジョンの策定に合わせ、新たな公立病院改革ガイドラインを来年度中に策定すべき。」とあった。地域医療ビジョンは公立病院改革(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)とセットになるのかもしれない。
コメント

MERS-CoV

2014年05月28日 | Weblog
朝日新聞「MERS、危険度2番目に高い感染症に 厚労省指定」(http://apital.asahi.com/article/news/2014052800010.html)。

NHK「「中東呼吸器症候群」 強制措置可能に」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140528/k10014798791000.html)。<以下引用>
<中東を中心に感染が拡大している「中東呼吸器症候群」について、厚生労働省は、国内で感染者が確認された場合、法律に基づいて入院させたりするなどの強制的な措置が取れるようにする方針を決めました。これは、28日開かれた厚生労働省の専門家会議で決まりました。WHO=世界保健機関によりますと、おととし発見された「MERSコロナウイルス」によって引き起こされる中東呼吸器症候群は、これまでに635人の患者が確認され、このうち30%に当たる193人が死亡しています。特にことし4月以降、中東で患者が急増しているほか、中東への渡航歴のある人の感染がアメリカやギリシャ、マレーシアなどでも報告されていて、厚生労働省は、今後、国内でも感染者が確認される可能性があるとして、法律に基づいて感染拡大を防ぐための医療や検疫の態勢を強化する方針を決めました。具体的には、中東呼吸器症候群を感染症法の「指定感染症」と検疫法の「検疫感染症」に指定する方針で、国内で感染者が確認された場合、都道府県知事が患者を医療機関に強制的に入院させることができるほか、空港などの検疫所でも法律に基づいて検査や診察を行えるようになります。厚生労働省は、この夏に政令を改正し態勢を整えたうえで、早ければ秋の臨時国会に感染症法の改正案を提出し、中東呼吸器症候群と、去年以降中国で感染者が相次いでいるH7N9型の鳥インフルエンザを同じ二類感染症に位置づけたいとしています。ラクダが感染源の1つ;MERSコロナウイルスは、11年前に中国などで感染が拡大し800人近くが死亡した新型肺炎「SARS」の原因と同じ、コロナウイルスの仲間です。おととし6月にサウジアラビアの病院に入院した患者から初めて検出され、その後、今月26日までに、中東やヨーロッパ各地、それにアメリカなど18か国で635人が感染、うち193人が死亡しています。特に先月からは患者が急増していて、サウジアラビアでは感染防止対策が十分取られていなかったために、医療機関で院内感染が起きたケースも報告されています。発症すると発熱やせきといった症状が出て、急速に肺炎を起こすのが特徴で、糖尿病や心臓病など慢性的な病気を抱えている人や高齢者で重症化しやすいということです。詳しい感染経路は分かっていませんが、中東地域では、ラクダの世話をしたり乳を飲んだりした人が感染していることなどから、ラクダが感染源の1つと考えられています。今のところ、ヒトからヒトへの感染は医療機関の中や家族の間などに限られていて、感染力は強くないと考えられています。国立感染症研究所の松山州徳室長は、「今のところ感染力を強める遺伝子の変異は起きていないと言われているが、コロナウイルスは、変異が起きやすい特徴があるため、感染者やウイルスの動向を注意深く見ていく必要がある」と話しています。>

感染症部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f2q.html#shingi127717)の資料が出ればみておきたい。16日に「中東呼吸器症候群(MERS)に関する対応について(協力依頼)」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/20140516-01.pdf)が出ていたが、WHO「Global Alert and Response」(http://www.who.int/csr/don/archive/year/2014/en/)では、MERS-CoVの更新が続いており、国際化社会では要警戒である。MERS(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/dai51/sankou2.pdf)は、過去にも通知(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/20120927-01.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/20120930-01.pdf)が出ているが、感染症法に基づく医師の届出(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01.html)として正式に位置づけられるのは当然であろう。
コメント

医療保険制度改革の行方

2014年05月28日 | Weblog
NHK「財政審 医療費「支出目標」設定を提言へ」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140528/k10014778031000.html)。<以下引用>
<財務大臣の諮問機関の財政制度等審議会は今月まとめる報告書で、高齢化で増え続ける社会保障費を抑えるため、診療報酬の請求データを基に都道府県ごとに医療費のあるべき水準を算出し「支出目標」として設定するよう提言することになりました。社会保障費は今年度予算で初めて30兆円を突破し、今後も高齢化で膨らみ続け極めて厳しい状況にある財政をさらに圧迫していく最大の要因となっています。このため財務大臣の諮問機関の財政制度等審議会は30日まとめる報告書で、社会保障費を抑えるため医療費の「支出目標」を設けるよう提言することになりました。具体的には都道府県ごとに診療報酬の請求データを基に医療の実態を把握したうえで、価格の安い後発医薬品をさらに利用できる余地はないかなどを検証して医療費のあるべき水準を算出し「支出目標」として示すよう求めることにしています。財政審では75歳以上の1人当たりの医療費が最も少ない岩手県と最も多い福岡県で、およそ1.6倍の差がある地域間の格差を問題視していて、格差是正にもつながる「支出目標」を都道府県ごとに早期に導入できるよう必要な法改正を求めることにしています。>

経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の先月22日会議資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0422/agenda.html)にある、「社会保障給付の適正化・効率化に向けて」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0422/shiryo_04_1.pdf)、「医療・介護費の適正化に向けた取組について」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0422/shiryo_05.pdf)、「レセプトデータの活用による医療の効率化」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0422/shiryo_06.pdf)には目を通しておきたい。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-11-01p.pdf)p5の「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律による社会保障制度改革の工程表」では医療保険について「必要な法律案の27年通常国会への提出を目指す」とあり、医療保険制度改革は現場の保健事業関係者にとっても、大きな転機が訪れる感じがする。医療保険部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f07.html#shingi126706)での医療保険制度改革スケジュール(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000044082.pdf)も注目である。
コメント

DPAT、DHEAT

2014年05月28日 | Weblog
朝日新聞「兵庫)災害派遣の精神医療チームを整備へ」(http://digital.asahi.com/articles/CMTW1405262900001.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_CMTW1405262900001)。<以下引用>
<災害時に、被災した精神科病院の患者対応や、地元で保健医療に携わる人のサポートなどを担う「災害派遣精神医療チーム」(DPAT)を、県が整備する。国の施策に連動した取り組み。今年度中に態勢を整え、研修を通していざという時の派遣に備える。県障害福祉課によると、チームは精神科医や看護師、臨床心理士ら5人ほどで構成。被災した都道府県の要請で派遣、数チームが1週間程度で交代しながら数週間~数カ月活動する。精神科病院の患者の移送や、精神科医療機関の被災で受診できなくなった患者への対応、被災者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の予防など、活動は幅広い。東日本大震災では、全国の自治体や大学などから派遣された多くの「こころのケアチーム」が被災地に入った。厚生労働省が主にコーディネート役を担ったが、質のばらつきや、支援先の偏りなど、課題もあった。精神科病院の入院患者を移送する際、混乱のなかで、移動中に症状が悪化するケースもあった。DPATはこうした反省から、国で検討されてきた。阪神大震災を経験した兵庫では、医療者のこころのケアへの関心も高い。東日本大震災でも即席で組んだ混成チームを派遣したが、スムーズに対応できるよう、今年度はあらかじめ県内40カ所の精神科病院に呼びかけて登録してもらう。秋以降に研修も実施し、より質の高い活動を目指す。「ひょうごDPAT」の統括役になる加藤寛・県こころのケアセンター長は「被災地の人たちが最も頼るのは、地元の保健師やヘルパーら。彼らが疲れすぎないように、支援者を支援することも活動の大きな柱になる」と話している。>

実際の大規模災害においては「災害派遣精神医療チーム(DPAT)」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kokoro/ptsd/dpat_130410.html)の活躍場面が非常に大きい。大規模災害では、被災地域の自治体の対応だけでは困難になるため、 DMAT(災害派遣医療チーム)、JMAT(日本医師会災害医療チーム)等と同様に、DPAT(災害派遣精神医療チーム)が位置づけられている。「災害派遣精神医療チーム(DPAT)活動要領」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kokoro/ptsd/dpat_130410.html)では「DPATの整備は都道府県及び政令指定都市で行う。 」とされているように、平素から組織・訓練される必要がある。「今後、各都道府県において地域防災計画を策定する際には、DPATの運用についても記述していただきますようお願いいたします。」と要請されているが、都道府県の改訂防災計画には記載されているであろうか。ところで、昨年6月21日、改正災害対策基本法(http://www.bousai.go.jp/taisaku/hourei/kaisei_hourei.html)(http://www.bousai.go.jp/taisaku/hourei/pdf/hourei_gaiyou.pdf)が公布され、市町村が要援護者名簿を作成することになったが、名簿作成だけではいけないのはいうまでもない。東日本大震災を契機にして、一昨年3月21日付厚労省「災害時における医療体制の充実強化について 医政発0321第2号」通知が発出(http://www1.qq.pref.tochigi.lg.jp/file/info/%E5%B9%B3%E6%88%9024%E5%B9%B43%E6%9C%8821%E6%97%A5%E5%B1%80%E9%95%B7%E9%80%9A%E7%9F%A5.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/shiryou_a-4.pdf)され、発災時の初期段階で災害現場に最も近い保健所が医療チームの配置調整や情報の提供など、地域災害医療対策会議を迅速に設置できるよう事前に計画策定するよう、通知されたが、果たして、どういう状況であろうか。そもそも阪神淡路大震災を契機に出された、平成8年5月10日通知;健政発第451号(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001q8my-att/2r9852000001q8sr.pdf)に示された事項はそれぞれの自治体において、どれほど取り組まれてきたか、検証が必要かもしれない。そういえば、以前、47news「災害派遣医療、改善へ動き 精神科は研修スタート 「公衆衛生版」も検討」(http://www.47news.jp/feature/medical/2014/03/post-1046.html)の報道があったが、災害時の健康危機管理支援チーム(DHEAT)が機能するためには、それぞれの地域において、平常時からの医療連携・医療介護連携の推進が不可欠と感じる。
コメント

混合診療の行方

2014年05月28日 | Weblog
キャリアブレイン「規制改革会議、選択療養制度の創設を提言- 四病協などは反対」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/42848.html)。<以下引用>
<政府の規制改革会議(議長=岡素之・住友商事相談役)は28日、「選択療養制度」(仮称)の創設を求める意見をまとめた。治療の安全性や有効性を確保するため、医師が「診療計画」を提示して説明するなど、患者に直接情報を提供する仕組みを設けるとした。しかし、医療団体からは、安全性などを疑問視する意見も出ており、四病院団体協議会(四病協)も同日開かれた総合部会で、この制度に反対することを決めた。規制改革会議は、保険外併用療養費制度の評価療養と選定療養といった現行の制度では救済できない患者が、保険診療と保険外療養とを併用できる選択療養を提案した。国内で未承認の医療技術や医薬品などについて、現行の評価療養では、実際に治療を行うまで平均6―7か月かかるため、「患者の切実なニーズに十分には応えられない」と指摘。選択療養では、患者からの申し出を起点とするため、「患者が必要とする保険外診療を迅速に受けられる」としている。評価療養では、実施計画(プロトコル)が求める条件を満たすことが必要なことから、年齢制限や他の病気に罹患していないといった一定の基準に当てはまる患者に限られることを挙げ、「対象外の患者にも希望する治療を受けられるようにする必要がある」と明記。「選択肢の拡大は、先進医療の開発をうながす効果が期待される」としている。また、治療の安全性や有効性の確保のための手続きについては、▽医師は一定の要件を満たす「診療計画」をエビデンスとともに患者に書面で提示して説明する▽医師と患者の間の大きな情報格差を考慮し、患者に直接情報を提供する―などの仕組みを設ける必要性も提示した。■安全性や有効性、医療団体が問題点言及も 28日の四病協総合部会の終了後に記者会見した日本精神科病院協会の山崎學会長は、四病協を構成する各病院団体が同制度に関する意見を取りまとめたことなどを踏まえ、「すべての団体が選択療養制度については、反対することを総合部会で決定した」と述べた。日本医師会(日医)などの医療・介護関連40団体で構成する国民医療推進協議会(会長=横倉義武・日医会長)も14日に総会を開き、選択療養制度に反対する決議を採択。医療の内容を患者が理解することが難しいことや、安全性や有効性などを客観的に判断するプロセスがないといった問題点を挙げていた。>

日本経済新聞「混合診療「患者同意で解禁」 規制改革会議が提言」(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS26024_W4A520C1MM8000/)。<以下引用>
<政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は公的保険が使える診療と利かない診療を組み合わせる「混合診療」について、患者と医師の同意を前提に拡大するよう提言する。診療の安全が確保できることを条件に、専門医や設備が整っている全国の医療機関に広げる。日本の患者が最先端の医療を受けられる選択肢を増やす。28日に開く会議で提案し近くまとめる規制改革実施計画に盛り込む。ただ、厚生労働省や日本医師会は「安全性を保てない」と慎重姿勢を堅持しており、6月にまとめる成長戦略でどこまで踏み込むかは安倍晋三首相の判断に委ねられそうだ。規制会議が提案するのは、「選択療養」と呼ぶ仕組み。医師が患者に治療の安全性や有効性を説明したうえで両者が合意すれば、保険外の治療を受けながら保険がきく薬も使えるようにする。日本の今の制度では、厚生労働省が安全性などをチェックした上で混合診療を実施できる医療機関を指定してきた。ただ医療機関の指定には時間がかかるうえ、症例によっては全国で1つの医療機関でしか治療を受けられないこともある。規制会議の提案では、医師と患者が同意すれば原則として混合診療を受けられるようにする。規制会議は選択療養の実施機関として全国に数百ある「地域医療支援病院」などを想定している。治療の安全を確保するため、(1)選択療養を実施する医療機関に専門医が勤務し、診療後の患者の状態を観察できる(2)必要に応じほかの医療機関と連携できること――などを要件とする。治療する前に、副作用や費用などを明記した診療計画の作成も医療機関に義務づける。診療計画などは中立の立場にある専門家が見て、患者に不利益がないかを調べる。安倍首相は混合診療について4月の政府会議で「仕組みを大きく変える制度改革を関係閣僚で協力してまとめてもらいたい」と発言。混合診療の拡大に前向きな姿勢を示しており、安全を確保したり乱用を防いだりする仕組みで折り合えるかが残る焦点になる。>

規制改革会議「「選択療養(仮称)」への懸念に応える」(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/committee2/140423/item1-3.pdf)、国民医療推進協議会(http://dl.med.or.jp/dl-med/etc/kokumin/2012/kokuikyou.pdf)「選択療養制度(仮称)に対する反対決議」(http://dl.med.or.jp/dl-med/etc/kokumin/2014/20140514_1.pdf)、日本難病・疾病団体協議会(JPA)「選択療養制度(仮称)の導入は事実上の「混合診療解禁」であり、 多くの患者にとっては最先端の医療が受けられなくなる恐れがあり、患者団体の声を聴いていただけるよう要望します」(http://www.nanbyo.jp/appeal/140403yobo.pdf)、全国保険医団体連合会「「患者ごとに自己責任で混合診療を認める」仕組みを導入しないことを求める要請書」(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/140325kongousin.pdf)をセットでみる必要がある。以前の日米投資イニシアティブ報告書(http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/n_america/us/data/0606nitibei1.pdf)p10では「米国政府は、いわゆる「混合診療」(日本の公的保険制度の下で、保険から支払が行われる医療行為と、支払が認められていない医療行為の両方を含む診療)の導入について関心を表明した。米国政府の見解では、これらは医療支出を減らし、効率化を促し、さらに医療保険制度の財政上の困難を緩和しうるものである。米国政府はまた、現行制度は極めて限定的であるとの見解を持っている。日本政府は、公的医療保険制度は基本的に、全ての必要な医療を被保険者に対して保障するとの原則を保持しており、それ故、日本政府は、そのような米国政府の見解を共有していない。」とあったが、日刊ゲンダイ「TPPで“裏取引” 米国だけが得する「混合診療」の拡大」(http://nikkangendai.com/articles/view/newsx/149591)の報道は非常に気になるところである。先月、「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会における審議参加の取扱い等について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000044757.html)が出ていたが、利益相反は、規制改革会議資料(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/committee2/140423/item1-3.pdf)にある、選択療養(仮称)における「全国統一的な中立の専門家による確認」でも注目されるような気がしないでもない。
コメント

東京オリンピックまでの麻しん・風しんの排除

2014年05月27日 | Weblog
「風しんに関する特定感染症予防指針」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000045749.pdf)p3で「我が国が属する西太平洋地域では、いまだ風しんの予防接種を公的に実施していない国が存在し、周期的に大規模な流行が見られている。」、p4では「平成32年度までに風しんの排除を達成することを目標とする。」とされた。すなわち、「東京オリンピックまでの風しん排除」である。全国健康関係主管課長会議資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/03/tp140313-01.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/03/dl/140313-01_01.pdf)p65に出ているように、国庫補助事業として、風しん抗体価検査が行われ、これについては、平成26年2月7日厚労省事務連絡「風しん抗体検査事業の実施について」(http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/uploads/2014/03/oshirase_iryoukikan_tokuteikannsen.pdf)が出ており、既に実施されているところが少なくないであろう。全国厚生労働関係部局長会議(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/tp0120-1.html)の健康局資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2014/01/dl/tp0120-03-04p.pdf)p49の風しんについて、「患者は定期予防接種の機会がなかった現在35~51歳の男性、予防接種の実施率が低かった26~34歳の男女に多い。」とあり、特に妊婦周辺(今後の予定含む)のこれら年代は抗体検査を受けた方がよいかもしれない。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000024999.pdf)では、風しんに関して、「近年、複数のウイルス株がわが国に入り込んできている。少なくとも3種類のウイルス株による感染が2012-2013年の風疹の流行の原因となっている。」とあったように、海外からの輸入例に警戒が必要である。そして、風しんのほかに警戒すべきは麻しんである。今年は2月(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/130214_1.pdf)、4月(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/140415_1.pdf)に麻しん注意喚起が出されている。「フィリピン渡航者からのD9型麻しんウイルスの検出―福岡市」(http://www.nih.go.jp/niid/ja/2014-02-19-09-27-24/658-disease-based/ma/measles/idsc/iasr-news/4531-pr4111.html)、「フィリピンからのB3型麻疹ウイルスによる輸入症例―沖縄県 」(http://www.nih.go.jp/niid/ja/2014-02-19-09-27-24/658-disease-based/ma/measles/idsc/iasr-news/4520-pr4104.html)、「スリランカから輸入されたB3型麻しんの集団発生―京都府」(http://www.nih.go.jp/niid/ja/2014-02-19-09-27-24/658-disease-based/ma/measles/idsc/iasr-news/4494-pr4101.html)が相次いで出ている。国立感染症研究所のIDWR速報(http://www.nih.go.jp/niid/ja/data/1613-sokuho-rireki.html)をみれば、風しん、麻しんはやや新規発生が鈍化しているが、警戒は怠れない。「東京オリンピックまでの風しん排除」は「東京オリンピックまでの麻しん・風しんの排除」の方がよいかもしれない。
コメント

診療報酬改定、地域医療ビジョンと保健所

2014年05月26日 | Weblog
平成26年度診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000032996.html)について、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039378.pdf)のp22「7対1入院基本料の見直し」、p24「地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)」、p25「療養病棟の在宅復帰機能強化加算」が注目であるが、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000039891.pdf)のp19「一般病棟における長期療養の適正化」p22「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の見直し」、p30「7対1入院基本料における自宅等退院割合75%要件」、p39「地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)1の在宅復帰率70%要件」は平成26年10月1日施行である。今年3月3日の全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000039688.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000039685.pdf)p9に出ているように、医療法による病床機能報告制度の創設は平成26年10月1日施行であるが、まさに病床機能を意識した診療報酬改定になっているようである。医療法による地域医療構想の策定とその実現のために必要な措置は平成27年4月1日施行で、資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000039685.pdf)p12「地域医療構想(ビジョン)を実現する仕組み」の行方が注目されるが、今回の診療報酬改定を受けて、各病院が今後の病床機能について考慮しているのは間違いない。当面、厚労省「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008zaj.html#shingi127371)の動向が注目であるが、自治体において進めなければならないことがある。厚労省「PDCAサイクルを通じた医療計画の実効性の向上のための研究会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008zaj.html#shingi127275)の報告書(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000043204.pdf)に目を通し、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000039685.pdf)p64に出ていた「3月26日の都道府県担当者に向けた、医療計画作成支援データブックの活用方法等に関する研修会」の復命研修である。法案要綱(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/186-07.pdf)の「第三 医療法の一部改正 3 地域医療構想を実現するために必要な措置」で「都道府県は、構想区域等ごとに、診療に関する学識経験者の団体その他の医療関係者、医療保険者等の関係者との協議の場を設け、地域医療構想の達成の推進に必要な事項について、協議を行うものとすること。(第三十条の十四第一項関係)」とあり、圏域ごとの協議体制が構築される。医療計画に関する厚労省医政局通知(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_keikaku.pdf)p36「圏域連携会議は、各医療機能を担う関係者が、相互の信頼を醸成し、円滑な連携が推進されるよう実施するものである。その際保健所は、地域医師会等と連携して当会議を主催し、医療機関相互または医療機関と介護サービス事業所との調整を行うなど、積極的な役割を果たすものとする。」とあることから、保健所が重要な役割を担うのは間違いない。保健所職員への医療計画作成支援データブックの復命研修が急がれる。また、昨年12月27日の社会保障審議会医療部会の「医療法等改正に関する意見」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000033983.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000033981.pdf)p9では、医療と介護の連携の推進で、「都道府県は広域的に対応する必要がある調整等について保健所を通じて市町村の支援を行うことも重要である。」とされ、昨年10月発行された厚労省「平成24年度 在宅医療連携拠点事業 総括報告書」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/seika/dl/h24soukatsu.pdf)p60で、「保健所は、これまでに医療計画を通じた在宅医療の推進に留まらず、難病対策、地域リハビリテーション対策、がん緩和ケア対策、認知症対策、介護予防対策等の実績があり、地域の関係機関・団体に働きかけやすく、これらの技術的なノウハウがある等の強みがある。これまで取り組みの経験がない市町村に対して市町村どうしの情報交換を促し、市町村を越えた広域での調整を行うなど、積極的な支援が期待される。」と記述されている。医療計画・地域医療ビジョンは当然、今年度策定の第6期介護保険事業計画と密接に絡む。第6期介護保険事業計画策定委員会への保健所の参画が不可欠である。老健局「地域包括ケア「見える化」システム」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/sankou5_1.pdf)は保健所職員も活用できるようになる必要がある。地域包括ケア「見える化」 システム利用マニュアル(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/sankou5_1.pdf)p10で、保健所でもアカウント情報管理がなされることになっているが、各自治体ではどうなっているであろうか。
コメント