保健福祉の現場から

感じるままに

受診抑制、検査抑制からの転換を

2020年12月11日 | Weblog
「国内の発生状況など」(https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html#h2_1)に掲載される「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(2020年12月9日18時時点)」(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000704074.pdf)p2の死亡者数で、20代2名、30代6名、40代23名、50代67名などとあるが、時系列的にはどうなのであろうか。5月には、5.13日刊スポーツ「高田川部屋の勝武士さんがコロナ感染死 28歳」(https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/202005130000226.html)が報じられており、最近も、12.5中日新聞「診療所医師 重い役割 体制拡充も 検査受けられず」(https://www.chunichi.co.jp/article/165412?rct=k_news)で40代の死亡が出ている。いずれも診断の遅れの可能性がある。当初は、日本感染症学会(http://www.kansensho.or.jp/)と日本環境感染学会(http://www.kankyokansen.org/)の連名発出の4.2「新型コロナウイルス感染症に対する臨床対応の考え方―医療現場の混乱を回避し、重症例を救命するためにー」(http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_rinsho_200402.pdf)(http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/covid19_rinshotaio.pdf)p1「PCR検査の原則適応は、「入院治療の必要な肺炎患者で、ウイルス性肺炎を強く疑う症例」とする。軽症例には基本的にPCR 検査を推奨しない。時間の経過とともに重症化傾向がみられた場合にはPCR法の実施も考慮する。」とされ、7.21厚労省「地域で新型コロナウイルス感染症の患者が増加した場合の各対策(サーベイランス、感染拡大防止策、医療提供体制)の移行について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000651071.pdf)p5「重症化しやすい方以外の方であれば、新型コロナウイルスに感染しても症状が軽いことが多いため、通常の風邪と症状が変わらない場合は、必ずしも医療機関を受診する必要はない」の受診抑制方針であったが、受診抑制、検査抑制からの転換が必要であろう。早期診断は、感染者の重症化予防のためだけではなく、まん延防止のためでもある。12.4「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000702064.pdf)p23「外来診療の場において,確定患者と明らかな接触があった場合や,特徴的な症状(インフルエンザにおける突然の高熱,COVID-19 における嗅覚味覚障害など)がない場合,臨床症状のみで両者を鑑別することは困難である.」について、11.20「季節性インフルエンザとCOVID-19 の検査体制について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000697220.pdf)では「季節性インフルエンザの発生状況については、直近(令和2年第46週(本年11月9日~11月15日))では、全国約5,000の定点医療機関からの合計報告数は23件となっており、昨シーズンの同時期(9,107件)と比較して100分の1以下となっています。こうした状況を踏まえ、各診療・検査医療機関において、臨床所見、地域の感染状況等により、医師が季節性インフルエンザ及びCOVID-19 の検査の必要性等を判断していただくこととなりますが、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大している地域においては、発熱患者等が医療機関を受診した際に、他の疾患の疑いが強い場合を除き、積極的にCOVID-19 の検査を実施するようお願いいたします。」とある。10.16「次のインフルエンザ流行に備えた発熱患者等が医療機関を受診した場合の流れについて」(https://www.mhlw.go.jp/content/000683916.pdf)では「検査結果以外の臨床所見に基づくインフルエンザの診断及び抗インフルエンザ薬の処方も可能」であり、かかりつけ医療機関ではそうした患者に「唾液検体採取(駐車場等)による新型コロナPCR検査をオーダーしておく方法」も考えられるであろう。なお、10.5日本医師会「新型コロナウイルス感染症の検査体制並びに医療提供体制の影響等について活発に討議 令和2年度第1回都道府県医師会長会議」(http://www.med.or.jp/nichiionline/article/009611.html)では「長野県医師会からはPCR検査について、(1)民間検査の拡充とともに、(2)保健所が行う「行政検査」、県と委託契約し保険診療で検査を行ういわゆる「みなし行政検査」と「保険診療」が混同され、現場が混乱しているとして、その改善が求められた。釜萢敏常任理事は(1)について、「拡充できるようしっかり国に訴えていく」と回答。(2)に関しては、「基本的には医療機関で行う検査は全て行政検査であると整理されている」と説明。」とあるように、基本的構造(https://www.mhlw.go.jp/content/000604471.pdf)は変わっていないが、10.14「新型コロナウイルス感染症に係る行政検査の取扱いについて(一部改正)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000683025.pdf)p5「行政検査(PCR 検査及び抗原検査)に係る委託契約の効果は遡及させることができることから、ウに記載の適切な感染対策の実施等の要件を満たしていることを漏れなく表明した医療機関においては、取りまとめ機関への委任を行った後、契約締結を待たずに、行政検査(PCR 検査及び抗原検査)を実施することが可能である。」とされており、契約していなければ検査できないということはない。とにかく、「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00093.html)の12.10資料4(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000704456.pdf)p1「20−50才台の社会活動が活発な世代で移動歴のある人による2次感染がその他の世代と比べ多くなっており、こうした世代では感染しても無症状あるいは軽症のことが多いため、本人が意識しないまま感染拡大につながっていることも想定され、それが、医療機関や高齢者施設等での感染に繋がっていると考えられる。」、p2「20−50才台の社会活動が活発な世代で移動歴のある人による2次感染がその他の世代と比べ多くなっており、特に若年層や働き盛りの世代などに対し様々なチャネルを活用することで、移動や飲食の場面も含むマスクの徹底など実際の行動変容につなげることが必要。」とされるが、早期診断につなげるべきである。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 気になるCt値 | トップ | ホテル療養と低酸素血症 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事