保健福祉の現場から

感じるままに

地域ケア整備構想

2006年12月31日 | Weblog
平成19年は、計画の年になるに違いない。地域ケア整備構想、医療計画、健康増進計画、医療費適正化計画、特定健康診査等実施計画等の様々な計画が策定・改定されることになっている。その中でも最も注目されるのが「地域ケア整備構想」である。「地域ケア整備構想」は法律には規定されていないが、各都道府県が策定する構想は、第1期医療費適正化計画(H20~24)、医療計画(H20~24)、第4期介護保険事業支援計画(H21~23)に反映されることになっているからである。先般、「地域ケア整備に関する研究班」中間とりまとめが公表されている(http://www.wic-net.com/search/search.cgi?mode=search&linktype=index&issue=499&No=7)。この中では、平成47年までの長期将来推計と平成23年度までの短期ワークシートの考え方と構想に盛り込むべき事項が示されている。まず、長期将来推計では、平成47年までの、①人口及び高齢者数の見通し、②要介護(支援)認定者数の見通し、③施設・居住系サービス(主に中重度者用)需要の見通しを推定するとされている。人口推計については、国の推計が5年ごとに大きく変わっている(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/s1220-9.html)(http://www.ipss.go.jp/pp-newest/j/newest02/newest02.html)(http://www.ipss.go.jp/pp-newest/j/newest/newesti91.html)。また、要介護(支援)の認定者数については、国の「要介護認定調査検討会」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/other.html#rouken)において、認定調査の見直し作業が始まっているが、あくまで、現時点での見通しをもとに、活発な議論を期待したいということなのであろう。とはいえ、将来構想の核は、平成47年までの「長期」よりも、平成23年度までの「短期」であるに違いない。ここでは、①療養病床転換計画シート、②高齢者の「住まい」の短期推計シート、③介護サービス見込み量シート、④保険料ワークシートの4つのシートがある。今後の検討資料として注目されるのは、各都道府県から12月4日までに医療経済研究機構に提出された「療養病床アンケート調査」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/tdfk-01m.pdf)であろう。国からの地域ケア整備指針・モデルプランの提示は平成19年3月とされるが、ワークシートの国への提出期限は5月・ヒアリングは6月(予定)であり、都道府県の作業は相当急ピッチなものにならざるを得ないであろう。今後、医療機関の意向、患者のニーズ、介護保険の参酌標準等を踏まえて、療養病床の転換策が検討されるというが、活発な議論が展開されるには、何とも慌しい、と感じる方が少なくないかもしれない。果たして、半年後、一年後はどのような状況になっているであろうか。
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後期高齢者

2006年12月30日 | Weblog
厚生労働省が、後期高齢者の外来診療について「定額制」を導入する方針を固めたとの報道があった(http://www.asahi.com/politics/update/1229/004.html)。平成20年度からの後期高齢者医療制度に向けて、国の「後期高齢者医療の在り方に関する特別部会」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/hosho.html#kourei)において審議されているところであるが、既に結論が出ているようである。先日、国民健康保険中央会からも「高齢社会における医療報酬体系のあり方に関する研究会報告書」(http://www.kokuho.or.jp/intra/html/shiryou/index.html#ippan)が出されており、この中で、かかりつけ医に係る報酬体系を新設し、登録された後期高齢者の人数に応じた定額払い報酬の導入(出来高払いとの併用)が提案されている(http://www.kokuho.or.jp/intra/html/shiryou/lib/kenkyuu_houkoku1_20061226_2.pdf)。来年夏~秋までに各都道府県において療養病床の転換プランを盛り込んだ「地域ケア整備構想」が策定されることになっており、今後、後期高齢者の医療が大きな話題になるはずである。先般、NHKスペシャル「もう医者にかかれない~ゆきづまる国民健康保険~」(http://www.nhk.or.jp/special/onair/061203.html)で、全国で国民健康保険料が大幅にアップし、高齢者を中心に混乱が広がっている状況が放映されていたが、後期高齢者医療制度に焦点をあてたスペシャル番組を通じて、国民的な議論の展開を期待したいものである。ところで、高齢者の医療の確保に関する法律(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/hoken83b.pdf)第125条に基づく後期高齢者医療広域連合による保健事業はどうなるのであろうか。全国で75歳以上の基本健診受診者は270万人以上で、男女とも6割以上が「要医療」と判定されている(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/04/r2.html)。後期高齢者では、まさに保健・医療・福祉が密接に絡んでくるはずであるが、その割には「保健」の話題は聞こえてこないように感じるところである。
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ノロウイルス

2006年12月29日 | Weblog
厚生労働省のノロウイルスに関するQ&A(http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html)から牡蠣の写真が削除された(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061227-00000164-jij-soci)。牡蠣の風評被害を懸念したのであろうか。牡蠣については、国内産生食用カキのノロウイルス汚染状況(http://idsc.nih.go.jp/iasr/26/310/dj3109.html)をみれば、「生でも安全」とは、現場では言いにくいであろう。しかし、「加熱した牡蠣も危険」とは誰もいっていない。中国政府は、日本への旅行者に「生もの食べるな」と注意喚起しているとの報道(http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20061226i403.htm)もあるが、まさに煽られている感じがする。今年、管内の保育所でO157集団感染があったが、その際、良からぬ風評がたった。マスコミの報道にもかなり影響されることを感じたところである。今後、新型インフルエンザの場合は、果たしてどうなるであろうか。ところで、感染性胃腸炎の全国的な流行は続いている(http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/weeklygraph/04gastro.html)が、本県では3週連続減少し、平年並みになっている。先月から現場では大変であったが、ようやく落ち着いてきたところである。大幅に減ったのは感染予防の指導が行き届いたためであろうか。いや、ある程度流行して、集団としての免疫がついてきたのかもしれない。あるいは、「大したことない」と医療機関に受診しなくなったのかもしれない、とも感じるところである。
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特定健診・保健指導

2006年12月28日 | Weblog
「労働安全衛生法における定期健康診断等に関する検討会」報告たたき台が公表されている(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/dl/s1221-11b.pdf)。事業所にとっての関心は、まず、労働安全衛生法による定期健康診断の健診項目がどうなるかである。標準的な健診・保健指導プログラム(暫定版)に示された健診項目とは異なっている(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/dl/s1221-11c.pdf)が、たたき台の文面からは、腹囲測定、LDL等が追加されるのであろうか。次に、保健指導については、「医療保険者においては、労働安全衛生法に基づく保健指導を行う際に、特定保健指導の実施を希望する事業者に対して、特定保健指導の委託ができるようにすることが望ましい。」とされている。つまり、当然のことであるが、保健指導は2回受ける必要がないように調整すべきとしている。さて、不思議に感じるのは、健診・保健指導にかかる費用について、あまり論じられていないように思えることである。労働安全衛生法による定期健診項目が追加されれば、その分、事業所の健診にかかる負担が増える。また、これまで義務ではなかった保健指導を実施するとなれば、そのためのマンパワー又は委託予算が必要となる。労使折半とはいえ、特定保健指導については積極的支援4回の実施で2万円~6万円(保健指導室のK室長)ともいわれており、事業所にとってはかなりの負担になるであろう。それでも、このたたき台で論じられているのは、あくまで被保険者、即ち労働者についてである。医療保険者は被保険者ばかりではなく、被扶養者(40~74歳)についても特定健診・保健指導を実施しなければならないのである。従来、この対象は、老人保健事業(基本健康診査、健康教育、訪問指導等)でカバーされ、費用は老人保健法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S57/S57HO080.html)49条・50条に基づき、国や都道府県の負担金が出されていたが、平成20年度からは変わる。少なくとも特定保健指導については、特定健診等に関するQ&A(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/tdfk-01j.pdf)の問20で、原則保険料財源であることが示されており、事業所にとっても、莫大な負担になるはずである。管内の地域・職域連携推進協議会でもこれについて懸念する発言が出ていたところである。これまで、事業所においては、保険料財源によって様々な保健事業が実施されてきたが、果たして、平成20年度以降、その余裕があるかどうかである。オプションで実施されてきた「がん検診」等にも影響が出ないとも限らない。今のところ、まだどうなるかわからないが、労働安全衛生法の健診項目が確定され、標準的な健診・保健指導プログラム(http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/koroshoshiryo/kenshin/index.htm)の確定版が出されれば、いろいろみえてくるはずである。特定健診等に関するQ&A(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/tdfk-01j.pdf)の問18及び問23で、「健診・保健指導の単価については保険者と健診・保健指導実施機関における契約で決定されるもの」とされているように、今後、委託機関の選定にも過敏になるかもしれない。いずれにしても、平成19年は大変な一年になるのではないか、と感じるこの頃である。
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介護予防

2006年12月27日 | Weblog
「介護予防基準を4月から緩和、対象者集まらず」(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061227it08.htm?from=top)の報道について、地域保健 福祉の現場ではどのような思いであろうか。介護保険制度改革(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/topics/0603/index.html)で、予防重視型システムの確立は柱の一つ である。第三期介護保険事業計画では、要支援・要介護状態に陥るおそれのある者(高齢者人口の5%)を対象と して地域支援事業を実施し、実施した高 齢者の20%について要支援・要介護状態になることを防止、また、要支援者を対象として新予防給付を実施し要支援・要介護1の10%について要介護2以上 への移行防止ということになっている(経過数値有)。しかし、実態は計画とは大きくかけ離れているであろう。報道(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061227it08.htm?from=top)によると、基本チェックリ スト等による生活機能評価で特定高齢者と判定されるのは、高齢者人口の0.21%に留まっているという。実際に特定高齢者介護予防事業を受けていただいた 高齢者はもっと少ないはずである。確かに、一般高齢者施策も含めて評価されなければならないが、従来の老人保健事業による機能訓練や訪問指導の時に比べ て、むしろサービス低下しているのではないか、と感じないではない。しかし、これは以前に戻った方がよいということではない。地域包括支援センター (http://www.nenrin.or.jp/center/event/index.html)と保健センターが密接に連携し、マニュアルを活用 して適切に事業展開されれば、すばらしい事業になるであろう。そういえば、厚生労働省から、今年度からの医療リハビリ日数制限に関して、一律の打ち切りは 不適切との通達が出されたとの報道があった(http://www.47news.jp/CN/200612/CN2006122601000751.html)(http://www.pref.mie.jp/chojus/gyousei/H18kaisei/061225riha.pdf)。医療リハビリの後、いかに介護予防事業に引き 継がれるべきかが、現場で問われているように感じる。最近、地域保健福祉の現場では、大きな改革の波が続いている。ともかく、前向きな気持ちだけは持ち続 けたいものである。
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療養病床

2006年12月27日 | Weblog
厚生労働省の予定では、現在38万床(医療保険適用25万、介護保険適用13万)ある療養病床は、平成23年度末までに、医療保険適用のみの15万床となる。削減の23万床分は、15~17万床分が老人保健施設に転換され、6~8万床分はケアハウス・有料老人ホーム等の特定施設や在宅療養に移行し、これによって平成24年には3000億円の給付費削減が示されている(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/09/dl/s0927-8c.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/ryouyou01h.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/ryouyou02.html)
。国が示す療養病床の再編成に関する全体スケジュール(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/tdfk02-05-01.pdf)によれば、国の「地域ケア整備指針」を踏まえ、来年夏~秋までに都道府県が療養病床の転換プランを盛り込んだ「地域ケア整備構想」を策定することになっている。この具体的な作業については、先月の医療構造改革に係る都道府県会議(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/tdfk-01m.pdf)において、厚生労働省から来年早々にソフト(短期・長期ワークシート)が都道府県に配布され、それを活用して将来推計が算出された後、平成19年9月頃までに平成23年度末までの年次別・圏域別の療養病床の転換見込みと財政影響額が算出されることが説明されている。これに向けて、都道府県では療養病床を有する医療機関の意向調査が既に実施されているが、今後の検討資料として大きな参考になるのは、各都道府県から12月4日までに医療経済研究機構に提出された「療養病床アンケート調査」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/tdfk-01m.pdf)であろう。この調査では、療養病床の概況と療養病床の転換意向を問う施設票だけではなく、10月1日現在の入院患者に関する「患者票」もある。既に都道府県では結果が把握されているはずであるが、集計結果について公表が待たれるところである。さて、療養病床に関しては、本年7月から医療区分・ADL区分等に基づく患者分類を用いた診療報酬評価(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/ryouyou02.html)が導入されて以降、医療機関の経営に大きな影響が出ているようである。医療機関の立入検査ではこの話題になることが少なくないが、医療関係者にとっては最大の懸案事項なのかもしれない。これまで、日本医師会「療養病床の再編に関する緊急調査」(http://www.med.or.jp/nichikara/kaigo/index.html)、同「平成18年度緊急レセプト調査報告6~9月診療分」 (http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/11/dl/s1129-6e.pdf)、日本療養病床協会「2006年7月改定による医療保険療養病床の影響度調査」(http://www.ryouyo.jp/enquete.html#0609eikyou)等が行われ、厳しい状況が明らかになっている。特に日本医師会調査(http://www.med.or.jp/nichikara/kaigo/index.html)では、医療区分1の患者の約4割は、病状面からは退院可能ではあるが、現実には在宅・施設での介護サービスが未整備なための「介護難民」であり、また、医療区分1の患者の約2割には、医師の指示のもと看護師の業務独占である対応が行われており、現状の介護保険施設における医療対応からして退院を迫ることで「医療難民」となるとされている。「介護難民」「医療難民」には少なからずのインパクトがあったように感じる。さて、先日、全国保険医団体連合会から、「医療療養病床入院患者に関する実態調査」報告(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/tyousa/0612ryouyou/matome.html)が公表されている。それによると、①病院は、医療区分1の割合が大幅に減少し、区分2・3の割合が大幅に増加していること、②有床診の医療区分は、ほとんど変化なく、大幅減収になっていること、③医療区分1の患者の半数は、施設や在宅では対応できないこと、④福祉施設や在宅で対応可能な患者の5割が、行き先が決まっていないこと、⑤行き先が決まらない理由として、入所施設の少なさと、在宅における看護・介護力不足が挙げられること、⑥医療療養病床を今後どうするか「迷っている」医療機関が少なくないこと(病院27.8%、有床診38.7%)、等が明らかにされている。入院患者の医療区分割合の変化は国資料(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/0/ee4a7d7fa82a942d492572370005243b/$FILE/shiryou3-2.pdf)と比較してかなり進んでいるようである。また、先般の国資料(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/09/dl/s0927-8d.pdf)において、介護療養型医療施設内では、経管栄養18.7%、喀痰吸引13.6%、膀胱カテーテル8.3%、点滴7.5%等の医療処置が行われているとされていることから、療養病床入院患者について施設や在宅で対応するには相応の医療の確保が求められるのは予想される。そして、平成17年受療行動調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/05/index.html)では、療養病床有する病院に入院している患者について、「在宅療養できる」と答えているのは30.5%に留まり、在宅療養を可能にするための条件の第一位は「家族の協力」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/05/kekka5.html)となっており、今般の全国保険医団体連合会の調査結果(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/tyousa/0612ryouyou/matome.html)は、十分理解できるところである。おそらく、12月4日までに医療経済研究機構に提出された「療養病床アンケート調査」でも同様な結果になっているのではないかと想像されるところである。いずれにしても、療養病床問題は、年明け早々から、ますます大きな話題になるであろう。国の「三つ巴の審議」といわれる、①後期高齢者医療の在り方に関する特別部会(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/s1212-6.html)、②介護施設等の在り方に関する委員会(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05Kaig.nsf/vAdmPBigcategory20/C501D7AE0F4001E449257249001CA290?OpenDocument)、③終末期医療の決定プロセスのあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/01/s0111-1.html)から、来年3月末にそれぞれ中間取りまとめが行われる予定とされ、療養病床の議論にも絡んでくるかもしれない。ぜひ、身近な問題として、マスコミでも報道していただき、国民的な議論を期待したいものである。
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医師不足

2006年12月26日 | Weblog
第1回地域医療支援中央会議資料が公開されている(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/vAdmPBigcategory30/74F1764A95B3FA934925724F0007373B?OpenDocument)。興味深いのは、各都道府県の医療対策協議会の実績(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/74f1764a95b3fa934925724f0007373b/$FILE/20061225shiryou4.pdf)と取り組み一覧である(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/74f1764a95b3fa934925724f0007373b/$FILE/20061225sankou1_1.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/74f1764a95b3fa934925724f0007373b/$FILE/20061225sankou1_2.pdf)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/74f1764a95b3fa934925724f0007373b/$FILE/20061225sankou1_3.pdf)。今後、ますます各都道府県の取り組み格差がでてくるのであろう。これも地方分権の一面なのかもしれない。問題は、これらの資料をみた住民サイドの受け留め方であろう。その際、地元メディアの報道が大きな影響を与えるかもしれない、と感じるところである。ところで、最近は、国会議の資料公開が早くなったものである(そうでないものも少なくないが)。
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介護保険事業計画

2006年12月26日 | Weblog
現在の第三期介護保険事業計画では国の指針(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/kaigi/050627/dl/10-1a.pdf)により、要支援・要介護状態に陥るおそれのある者(高齢者人口の5%)を対象として地域支援事業を実施し、実施した高齢者の20%について要支援・要介護状態になることを防止、また、要支援者を対象として新予防給付を実施し要支援・要介護1の10%について要介護2以上への移行防止ということになっている(経過数値有)。果たして、計画通りに進行しているかであろうか。マスコミ(http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=KCH&PG=STORY&NGID=soci&NWID=2006122101000710)(http://www.kankyo-news.co.jp/ps/qn/guest/news/showbody.cgi?CCODE=12&NCODE=940#silver061215-3)(http://www.janjan.jp/living/0611/0611170876/1.php)でかなり厳しい状況が報道されているように、大きく見込みからズレている地域が少なくないであろう。生活機能評価では、特定高齢者のハードルが高すぎる印象があり、スクリーニング率は5%を大きく下回っている。介護予防新メニューの普及もまだまだであり、利用者の理解も進まない。地域包括支援センターは業務マニュアル(http://www.nenrin.or.jp/center/event/index.html)通りの活動ができているであろうか。国の介護予防継続的評価分析等検討会(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05Kaig.nsf/vAdmPBigcategory20/07B8A377E9CEBBB34925724A0017015A?OpenDocument)で検証されることになっているが、地域保健福祉の現場では、複雑な思いかもしれない。とはいえ、まだ始まったばかりである。来年に向けて前向きに考えたいものである。
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食育

2006年12月25日 | Weblog
先日、管内食育推進連絡会を開催した。昨年7月、食育基本法(http://www.ron.gr.jp/law/law/shokuiku.htm)が施行され、法16条に基づき、本年3月、食育推進基本計画(http://www8.cao.go.jp/syokuiku/suisin/kihonmokuji.html)が策定され、タウンミーティング(http://www8.cao.go.jp/town/nigatamyoko180730/index.html)、全国大会(http://www8.cao.go.jp/syokuiku/suisin/index_zenkoku.html)、食育フェア(http://www8.cao.go.jp/syokuiku/suisin/fair/sogoten_3rd.html)などが開催されている。本県では今年8月、法17条に基づき、食育推進計画が策定され、食育の推進目標が設定されている。さて、連絡会では、生産者、消費者、食品関係企業、ボランティア、保育所・学校など、「食」に関係する様々な機関や団体から参画いただいた。それぞれの機関・団体が取り組んでいる活動を紹介いただいたいのであるが、これまでの会議にはないほど、活発に発言いただき、予定時間を大幅にオーバーしてしまった。参加者には、互いに知らない活動が少なくなかったようであるが、「連携は互いの認識から」と、改めて感じたところである。ところで、食育基本計画により、毎月19日は「食育の日」と定められている(http://www.gov-online.go.jp/publicity/spot/theme/syokuikunohi.html)が、どの程度認識されているであろうか。むしろ、第三日曜日の「家庭の日」(http://www.seisyonen.city.nagoya.jp/katei/)(http://www.pref.miyagi.jp/seisyo/kenminkaigi/kateinohi/kateinohi.htm)(http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/siminseikatu/seisyonen/seisyonen_17_kateinohi_p_boshu.htm)の方が知られているようにも感じる。食育の育(イク)の19日と家庭の日が重なる日はまれであるが、その日を特に大切にしたいものである。そして、食育推進基本計画により、毎年6月は「食育月間」と定められている(http://www8.cao.go.jp/syokuiku/gekkan.pdf)。一方、平成15年から、年の始めで家族などが集まる機会が多い1月を「食を考える月間」とし、食を考える国民運動が展開されている(http://www.gov-online.go.jp/week/backnumber/theme_20060115/syoku_wo_kangaeru_gekkan.html)。やはり、四季が美しい我が国では○○月間、○○週間、○○の日は案外好まれているのかもしれない。そのうち、健康カレンダー(http://ww2.ctt.ne.jp/%7Ehopo/calendar.html)は連日の記念日で埋め尽くされるかもしれない、と感じるこの頃である。
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三つ巴の審議

2006年12月24日 | Weblog
①後期高齢者医療の在り方に関する特別部会(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/s1212-6.html)、②介護施設等の在り方に関する委員会(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05Kaig.nsf/vAdmPBigcategory20/C501D7AE0F4001E449257249001CA290?OpenDocument)、③終末期医療の決定プロセスのあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/01/s0111-1.html)について、「三つ巴の審議」との報道があった。それぞれ来年3月末にそれぞれ中間取りまとめが行われる予定とのことである。これらは、第一に平成20年度からの後期高齢者医療制度のためのものであろう。審議自体も慌しいが、行政サイドの準備も慌しい(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/01.html)。しかし、どうも現場では、この制度についてあまり知られていないように感じる。再び「いつの間に決まったか」といわれるかもしれない、と感じるところである。
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タバコ

2006年12月24日 | Weblog
「喫煙率の数値目標また断念」(http://www.asahi.com/life/update/1224/003.html)の報道をみて、驚かれた方が少なくないかもしれない。健康日本21中間評価報告書案(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/vAdmPBigcategory10/08A2FEF8E18568554925724900053F82?OpenDocument)では、たばこの新規目標項目として「成人の喫煙を減らす」が設定され(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/0/08a2fef8e18568554925724900053f82/$FILE/shiryou2-1_2.pdf)、「やめたい人」が全員やめた場合(案1)、「やめたい人」の一部がやめた場合(案2)、成人の喫煙率を健康日本21が策定された当時のベースラインから半減させた場合(案3)の三案が示されていた。パブリックコメントではたばこに関する意見が大半であったようである(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/0/08a2fef8e18568554925724900053f82/$FILE/shiryou2-2_1.pdf)。数値目標の断念は、「行政が一方的に数値目標を設定し国民を誘導することは憲法の趣旨から問題」「たばこは財政物資として国や地方の財政に大きく貢献している」等との10月の自民党決議やたばこ業界の抵抗によるとされ、厚生労働省は「数字ばかり躍っても達成できなければ意味はない」とし、数値目標の代わりに「スローガン」を掲げることにしたと報道されている(http://www.asahi.com/life/update/1224/003.html)。しかし、健康増進施策の目標として、喫煙率減少の目標は、エビデンスや実現可能性の観点等からも、「生活習慣病の25%減少」よりも筋が良いのではないかと思う方が少なくないかもしれない、と感じるところである。
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一例

2006年12月23日 | Weblog
地域保健福祉の現場でも「PDCAサイクル;Plan、Do、Check、Act」(http://ja.wikipedia.org/wiki/PDCA%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB)が求められている。様々な事業について、計画、実行し、点検、改善を図るというものである。今年度から私の所属事務所においても業績評価がスタートした。惰性的な仕事はできないであろう。とはいえ、○○事業では割り切れないことも少なくない。休日・夜間にも様々な相談がある。一例だけとはいえ、関係機関との調整にかなりの労力と忍耐を要することもある。「誰かにまかせればいい」というわけにもいかない。ケースを抱える担当者は幾度も悩むが、それを支えるのは、担当者の使命感と現場のチーム力であるように思える。実績は一例なれど、されど「一例」なのである。最近、そんなケースが多くなっているように感じるこの頃である。
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メタボリックシンドローム

2006年12月22日 | Weblog
先日、尼崎市健康管理戦略について聞く機会があった。HP(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/08/s0804-3c.html)にも詳しく紹介されている。ポイントとして、①集団として健康課題を明確化、②集団全体を対象とした合理的・効果的な対策、③自らが気づき自らが生活習慣を変える支援の3点を挙げているが、これらは、今後の特定健診・保健指導にも参考になる。10年以上にわたる健診検査数値の分析から、脳・心臓疾患を起こしている職員のほとんどが肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病、肝疾患を合併していること(多重リスク重複)、レセプト分析から、高額医療費が循環器疾患によるものが中心であること等を明らかにし、市長をはじめ、職員全体で取り組んでいる。特に参考になるのは、予防の優先順位に応じて健康教育・相談の時期や方法を選定していることで、多重リスク重複者には研修会を通じて自分の状態を確認してもらうとともに、研修会不参加の方には直接働きかけている。また、糖尿病合併症疑い、心房細動、重症高血圧等がみられる方には緊急的な重点保健指導を実施している。そして、実際に、現職死亡・休職者数の減少や医療費削減などの成果に結びついているのである。現在、各保険者では平成20年度に向けての検討が始まっているであろうが、どうも現場では不安の声ばかりが聞こえてくるように感じる。標準的な健診・保健指導プログラム(http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/koroshoshiryo/kenshin/index.htm)に基づき、保健指導対象者の選定と階層化(http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/koroshoshiryo/kenshin/data/2_3.pdf)が行われ、動機付け支援や積極的支援が適切に行えるのか、不安に感じるのである。千葉県九十九里町における準備事業の判定結果(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/11/dl/s1109-5b.pdf)では、基本健診受診者(40~64歳)の26.8% が動機付け支援レベル、28.8%が積極的支援レベルと判定されており、現場ではとても対応できないという声が少なくない。しかし、尼崎市職員の場合がそうであったように、まずは、集団として健康課題を明確化し、集団に対して、取り組みが必要との意識啓発を徹底することが最も重要であるように思える。プログラム(http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/koroshoshiryo/kenshin/data/2_3.pdf)によって、動機付け支援や積極的支援が必要と判定される方はかなり多いであろうが、保健指導未実施者や緊急度の高い方には重点的に対応してもよいであろう。特定健診・保健指導の受診率や実施率等に基づく後期高齢者支援金の加算・減算措置(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/tdfk-01d.pdf)は確かに気になるところであるが、保健指導の原点に立ち返るべきなのかもしれない。アウトソーシングが流行とはいえ、それでカバーできないところ(特に地域で)にこそ、専門職としての重要な役割があるように感じるところである。さて、保険者による健診・保健指導の円滑な実施方策に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/s1215-8.html)の資料 (http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/dl/s1215-8b.pdf)では、保険者における健診データ保存期間の義務付けは5年が妥当とされ、退職・転居等により加入する医療保険者が変わった場合の健診データの保険者間の移動は「例外規定」とされているが、必ずしもこれにとらわれる必要はないのではないか、と思える。
ところで、N保健師はメタボリックシンドロームでなさそうである。最近、自分ができない・していないことを講演される方が目に付いていたところである。
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国保ヘルスアップ事業

2006年12月21日 | Weblog
管内で国保ヘルスアップ事業を実施している町が少し悩んでいるようである。保健センターとの連携だけでなく、民間機関に委託して積極的な取り組みをしているが、慣れていないのかもしれない。さて、平成18年度の国保ヘルスアップ事業は、被保険者に個別健康支援プログラムを作成して生活習慣病対策を進める2年次目の国保ヘルスアップ事業には345保険者・24億8617万円が内定されている(http://www.kokuho.or.jp/intra/owa/KNWP00_10?PRA_FIND=&PRA_ENTRYDAY=200608200000&PRA_MPG=1)。ハイリスク者に個別健康支援プログラム(http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/07/tp0703-1.html)を行い、介入群の数に応じて5年間助成(100人未満800万円、100~500人未満1500万円、500~1000人未満2500万円、1000人以上3500万円)されるのであるが、先般、全国ヘルスアップサミット(http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/12/tp1205-1.html)が開催され、各地の取り組み状況が報告されている。「国保ヘルスアップ事業個別健康支援プログラム実施マニュアル」ver.2(http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/07/tp0703-1.html)は、老人保健事業の個別健康教育のイメージを持たれる方が少なくないであろう。国保サイドには、保健師や管理栄養士が少ないが、活発に実施されているのは、その潤沢な予算にあるといえるかもしれない。市町村にとっては、老人保健事業として実施するよりも有利なのであるが、潤沢な予算で民間機関も活用しやすいのである。しかし、先般の特定健診等に関するQ&A(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/tdfk-01j.pdf)問37では、「平成20年度以降は、実施が義務づけされ、法律上助成することとされている特定健診・保健指導部分については、助成が重複することとなるので、見直しが必要。平成20年度以降の助成のあり方を踏まえ、19年度以降どのように助成するかは、今年度(平成18年度)中に検討し、今後の方針をお示ししたいと考えている。」とされている。国保サイドは、平成20年度からの特定健診・保健指導の実施に向けて、その実施体制を確立させる必要がある。老人保健事業の基本健診や事後指導が全面的に移行してくるのであるが、予算は従来と違って、保険料財源が主となるであろう。来年度はまさに真価が問われるように感じる。果たして、特定健診等実施計画の策定は円滑に進むであろうか。注目である。
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特定健診・保健指導

2006年12月20日 | Weblog
12月15日の第3回保険者による健診・保健指導の円滑な実施方策に関する検討会資料(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/s1215-8.html)(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/vAdmPBigcategory40/5766A16CBC91CA9949257249000AD05A?OpenDocument)が公開されている。資料(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/dl/s1215-8b.pdf)によると、退職・転居等により加入する医療保険者が変わった場合の健診データの保険者間の移動は「例外規定」とされたこと、保険者におけるデータ保存期間の義務付けは5年分(加入者でなくなった場合は翌年度末まで)とされたこと、法律の「特定保健指導」は「動機付け支援及び積極的支援」を表すとされたこと、等が新たに整理されている。しかし、地域保健の現場では、資料をみて不安がどれだけ軽減されるであろうか。まず、被用者保険の被扶養者の特定健診・保健指導である。資料では、被扶養者の特定健診は健診機関の全国組織と契約するか、居住する市町村国保の枠組みを利用するか、のいずれかが可能とし、代表医療保険者による簡便な委託契約方法が提案されている。問題は、特定健診と特定保健指導が同じ機関で実施されるとは限らないことである。全国保健センター連合会の調査研究報告書39P~(http://www.zenporen.or.jp/zenporen/tyousa/17sisetu.pdf)にあるように、基本健診は医療機関等への委託の方が多いが、事後指導は直営で実施される場合が大半であり、市町村国保による特定健診・保健指導についても同様のパターンが予想される。被扶養者が、市町村国保委託の医療機関や健診機関において特定健診を受診したとして、特定保健指導がその機関で実施されるかが、問われることになる。また、その際、特定保健指導の単価についても大きな課題となるであろう。次に、特定保健指導の実施者について、資料(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/dl/s1215-8b.pdf)では「確保可能」とされていることに、不安を感じる方が少なくないかもしれない。確保可能とする計算の前提として、受診率60%、特定保健指導の利用率20%としていることに加え、健診受診者の「17.8%が動機付け支援、16.5%が積極的支援」とされている。しかし、標準的な健診・保健指導プログラム暫定版(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu/index.html)に基づく千葉県九十九里町における準備事業の判定結果(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/11/dl/s1109-5b.pdf)では、基本健診受診者(40~64歳)の26.8%が動機付け支援レベル、28.8%が積極的支援レベルと判定されており、40~74歳の特定保健指導が必要とされる割合はもっと高くなるはずである。また、所属する医師、保健師、管理栄養者の数をもとに、特定保健指導実施者の確保は可能としているが、果たしてどうであろうか。例えば、市町村には保健師22313人、管理栄養士1542人が所属しているが、このうち、老人保健事業の基本健診の事後指導に従事している人数はどれくらいであろうか。平成16年度地域保健・老人保健事業報告によると、平成16年度の個別健康教育実施人員は全国で指導開始25975人(高血圧3005、高脂血症11040、糖尿病7165、喫煙4765)、指導終了21831人(高血圧2677、高脂血症9613、糖尿病6120、喫煙3421)、平成14年度は指導開始26765人、指導終了22560人(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/02/kekka2.html#10)であり、現場の実績としては全く伸びていない。特定保健指導の積極的支援は現状の個別健康教育に近いが、市町村の保健師や管理栄養士の数が大幅に増えない限り、円滑な特定保健指導の実施にはつながらないかもしれない。そのほか、資料(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/dl/s1215-8b.pdf)に示されているように、①医療機関受診者の取り扱い、②労働安全衛生法による健診や保健指導との調整、③75歳以上の保健事業の取り扱い等も課題である。さらに、④特定健診・保健指導とがん検診や骨粗鬆症健診等との連携、⑤65歳以上における生活機能評価等との連携も大きな課題であろう。とはいえ、特定健診・保健指導の実績に基づく、各保険者に対する後期高齢者支援金の加算・減算措置は平成25年度から(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/tdfk-01d.pdf)であり、平成20年度の初めから完全な形での厳格実施を考えなくてもよいのかもしれない。それがもっとも円滑な実施につながる秘訣かもしれない、と感じるこの頃である。
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