保健福祉の現場から

感じるままに

在宅医療の行方

2011年09月29日 | Weblog
「在宅医療の拠点整備などに238億円を要望- 特別枠で厚労省医政局」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35640.html)。<以下一部引用>
<特別枠では、在宅医療の拠点となる基盤整備を目的とした医療機関などの連携推進に31億4700万円を要望。また、在宅チーム医療を担う人材育成のための研修に8億6700万円を盛り込んだほか、▽在宅医療での看護業務の安全性検証事業に9200万円 ▽がんや精神疾患など在宅患者の個別の疾患に応じた在宅医療を推進するための研究事業に16億1000万円 ▽各都道府県での口腔保健支援センターの整備に4億5700万円―を求める。>

「小児がん拠点病院の整備に5億円- 健康局概算要求」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35641.html)。<以下一部引用>
<厚労省が主要事業の一つに位置付ける在宅医療・介護の推進では、「在宅緩和ケア地域連携事業」(3億6400万円)を盛り込んだ。がん診療連携拠点病院と都道府県が連携し、二次医療圏ごとに在宅療養支援を行う医療機関のリストを作成。また、在宅緩和ケアに関する研修も推進する。ほかに、▽管理栄養士などを確保し、在宅療養者の栄養ケアの支援体制を構築(2億7500万円) ▽重症神経難病患者などの緊急時受け入れ先を確保する医療機関ネットワークの作成(1億5200万円) ▽HIV感染者やエイズ患者を在宅支援する医療・介護従事者の育成(1億3200万円)-などを盛り込んだ。>

そういえば、以前の社会保障審議会医療部会資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000012qn3-att/2r98520000012qxh.pdf)p12の「在宅医療連携拠点事業」(厚労省予算額108,594千円)は平成23年度新規事業で、1月の部局長会議資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2011/01/dl/tp0119-1_01.pdf)p6では「在宅医療連携拠点(在宅療養支援診療所等を予定)に看護師やケアマネージャーなどを配置し病院・診療所・訪問看護ステーション・薬局等がチームとして在宅医療を提供するためのネットワーク構築を支援」とされていた。また、この資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000012qn3-att/2r98520000012qxh.pdf)では、「多職種連携の課題に対する解決策の抽出」(地域の医療福祉従事者が、一堂に会する場を定期的に設定。在宅医療における連携上の課題抽出し、その対応策の検討等を行う。)、「在宅医療従事者の負担軽減の支援」(地域の在宅医療をより効率的に提供するための仕組みを構築。・24時間体制を構築するための地域医療資源のネットワーク化 ・チーム医療を提供するための情報共有体制)、「効率的な医療提供のための多職種連携」(医療・福祉分野の経験豊富なスタッフを配置。地域の医療・福祉資源の量・質に関する最適化に向けての活動等を通じて、地域のハブ機関としての機能を担う。)が示されていた。24年度厚労省予算で在宅医療関連事業が拡充されるようであるが、在宅医療連携拠点事業の23年度状況はどうなっているだろうか。既に、「在宅医療体制構築に係る指針案」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001jlr7-att/2r9852000001jlw3.pdf)も出ているが、日本慢性期医療協会「在宅医療の推進に向けた意見」(http://jamcf.jp/chairman/110228zaitaku_iken.pdf)では、在宅医療を推進するにあたっての問題点として、1)在宅医療に対する国民の意識が不足、2)急性期医療側の在宅医療に対する理解不足、3)中重度者の在宅ケアプランにおける医療系サービスの不足、4)在宅看取り数だけで在宅医療を評価することの見直し、5)在宅医療の現状は医療の中でも特に地域差が大きい、の5点が挙げられており、これらが克服されなければならない。「訪問看護の伸び悩みに関するデータ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001jlr7-att/2r9852000001jlv6.pdf)、「開局薬剤師が関わる在宅医療の現状と今後の医療計画について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001jlr7-att/2r9852000001jlvh.pdf)、日医総研ワーキングペーパー「在宅医療を担う診療所の現状と課題」(http://www.jmari.med.or.jp/research/dl.php?no=455)もみておきたい。在宅医療を進めるには、a.医師のグループ化(主治医、副主治医)、b.多職種によるチーム化(医師、ケアマネ、訪問看護、訪問介護、薬局、訪問リハビリ、歯科医等)、c.バックアップする病院・施設、d.情報と方針共有のための連携パスというシステムが不可欠で、例えば、①関係機関相互の調整、②研修、勉強会、③関係資料の収集整理・分析、④地域住民に対する啓発など、行政側に期待される役割は小さくはないであろう。全国保健所長会「保健所行政の施策及び予算に関する要望書」(http://www.phcd.jp/kuni/H24_youbou_teishutsu.pdf)でも在宅医療、医療介護連携について要望されている。さて、10月に管内K町で「在宅医療と地域包括ケア」の住民向けのシンポジウムがあり、シンポジストとして参加することになっている。また、10月には、圏域内のがん診療連携拠点病院と協働で「在宅緩和ケアに関する事例検討会」を開催するとともに、圏域内に3つあるケアマネ協議会の合同研修会において、認知症疾患医療センターとともに、「在宅医療と地域包括ケア」について講義することになっている。いずれも基盤づくりのためである。すでに全国各地で、在宅医療に関して様々な取り組みがなされているであろう。在宅医療に関しては、予算がなければ始まらないというものではない感じがする。
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生活保護の医療扶助

2011年09月28日 | Weblog
福祉行政報告例(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/38-1a.html)によると、生活保護の被保護世帯数は伸び続けている。厚労省から、生活保護制度の見直し(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb16GS70.nsf/0/a24a627a1e204d7f49257849000fceac/$FILE/20110303_2shiryou2_1_1.pdf)と不正受給対策の推進(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb16GS70.nsf/0/a24a627a1e204d7f49257849000fceac/$FILE/20110303_2shiryou2_1_2.pdf)が出ていたが、どの程度進んでいるであろうか。昨年明らかになった医療扶助の不正(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000gmbj.html)を防ぐために、例えば、生活保護では、「おくすり手帳」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%8F%E3%81%99%E3%82%8A%E6%89%8B%E5%B8%B3)の使用を原則としてはどうであろうか。それによって、重複投与、過剰投与、不適切投与等がチェックできるはずである。また、特別な事情がない限り、後発医薬品があるものはそれに切り替える仕組みを推進するとともに、医師からの要否意見書には概算医療費見込を記入してもらうことを判定の原則とすべきと感じる。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/syakai/z-fukushi/gyosei/gyousei05.html)では、「精神入院患者の2割が生活保護受給」とされ、生活保護者の精神病床長期入院ケースが少なくない。「精神障害者地域移行・地域定着支援事業」(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb15GS60.nsf/0/2c116f8976613f4a4925783f00016cba/$FILE/20110222_1shiryou4_1_3.pdf)は、生活保護受給者を積極的に対象にすべきと感じる。これらの対策は、医療扶助の不正防止・適切化というだけではない。お薬手帳による重複投与、過剰投与、不適切投与の防止は健康管理の面から、また、長期入院の防止は人権尊重の面からも推進される必要がある。医療扶助実態調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/67-16.html)は、都道府県別や福祉事務所別に毎年公表されるべきであろう。ところで、経済産業省からの社会保障改革に関する意見(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/syutyukento/dai9/kaieda.pdf)では、「リバースモーゲージ制度(自宅を担保として一定金額を毎年借り入れ、死亡時に自宅売却し負債返済)の利用促進」も提案されているが、生活保護の現場ではどの程度活用されているであろうか。実際、不動産(土地、建物、田畑、山林等)を有する生活保護受給者が少なくないが、まずは本人のために財産の活用が徹底されるべきである。それらが、受給者の面倒をみない子や兄弟に相続されることに、少々釈然としないものを感じるのである。
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精神保健医療福祉の行方

2011年09月27日 | Weblog
6月30日の厚労省会議資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/dl/20110630-02-03.pdf)で、精神保健医療福祉の動向が解説されており、理解しておきたい。「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」(平成22年6月29日閣議決定)において、①「社会的入院」を解消するため、精神障害者に対する退院支援や地域生活における医療、生活面の支援に係る体制の整備について、平成23年内に結論を得ること、②精神障害者に対する強制入院等について、保護者制度の見直し等も含め、平成24年内を目途に結論を得ること、③精神科医療現場における医師や看護師等の人員体制の充実のための具体的方策について、平成24年内に結論を得ること等とされている。先般8月30日の「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言案」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/sougoufukusi/2011/08/dl/0830-1a01_03_01.pdf)では、「精神障害者が調子を崩したとき、家族との関係が一時的に悪化したとき等に、入所・入院ではなく精神障害者自身の選択及び医学的判断で利用可能なドロップインセンター(自立訓練等の提供とともに、安心して駆け込み、身をおける居場所としての機能も併せ持つシェルター)として、必要時にすぐに使えるレスパイトやショートステイが必要である。その際、障害程度区分に依らず使える仕組みとすることが必要である。」、「非自発的な入院や入院中の行動制限については、人権制約を伴うものであることから、本人の意に反した又は本人の意思を確認することができない状況下での適正な手続に係る規定とともに、医療内容に踏み込んだ人権保障の観点から第三者機関による監視及び個人救済を含む適切な運用がなされることを担保する規定を整備すること」、「精神科病院における権利擁護については、総合福祉法における第三者の訪問による権利擁護制度と連携協力する観点から、精神保健福祉法の見直しの課題として、入院中の精神障害者も含む精神科病院における権利擁護を定着させるための制度(例えばオンブズパーソン制度)を位置づける必要がある。」、「精神障害者の入院ニーズを精査し、国並びに都道府県は精神科病床の削減計画を立て、入院に代わる地域医療の体制を構築することが必要である。」、「医師や看護師等の精神医療に充てる人員の標準並びに診療報酬を一般医療より尐なく設定している現行の基準を改め、適正な病床数と必要な人員を配置し、精神医療の質を向上するための根拠となる規定を設ける必要がある。」、「保護者制度の問題点を解消するために、扶養義務者等に代わる公的制度の確立を検討するべきである。」、「障害者、特に精神障害者の身体疾患合併症に対しては、一般病院において入院治療は可能であるにもかかわらず、実際の医療現場では障害者、特に精神障害者であるとの理由で身体的治療を拒否されることが多い。よって、全ての障害者を対象とした「障害を理由とした医療提供の拒否」を禁止するよう制度を改正し、医療法施行規則第10条3項についても廃止を検討する。」などとされている。これらをみると、精神保健医療福祉は、今後、大きく変わる感じがする。とにかく、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/dl/20110630-02-03.pdf)p10に出ているように、我が国の精神病床は諸外国に比べて際だって多い。精神病床の平均在院日数は短縮傾向にあるものの、平成20年で313日である。数年、数十年の入院患者も少なくないであろう。以前の厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/syakai/z-fukushi/gyosei/gyousei05.html)では、「精神入院患者の2割が生活保護受給」とされ、生活保護者の精神病床長期入院ケースが少なくないであろう。長期入院(特に生活保護による医療扶助)は、家族、医療機関、行政にとって、ある意味「楽」かもしれない。しかし、最近の精神保健医療福祉の動向を鑑みると、そんな時代ではないことがわかる。さて、昨日、管内精神障害者地域共生推進事業のケースカンファレンスに参加した。この事業は「地域移行・地域定着支援事業」(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb15GS60.nsf/0/2c116f8976613f4a4925783f00016cba/$FILE/20110222_1shiryou4_1_3.pdf)の一環であり、退院可能精神障害者の地域移行の着実な達成を目指すものである。住居、日中活動の場(必要な場合は送迎も)、相談支援、訪問看護、ピアサポート等を確保できれば、退院可能な精神障害者は少なくないのではないか、と改めて実感したところである。
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在宅医療システム化のプロセス

2011年09月26日 | Weblog
昨日、県医師会主催の在宅医療研修会に参加した。現場での在宅医療には、地域の実情に応じて、様々な形態がある。昨年、休日・夜間の看取り代行からスタートしたグループは、登録制の看取り代行、さらには、多職種も巻き込んだチーム診療へと発展しつつあるという。また、ケアミックス病院が中心になって、在宅医療を担っているところもある。そういえば、以前、開業診療所が個別に往診対応して何が問題か、聞かれたことがあるが、例えば、①急変時の対応が円滑にできるか、②バックアップする病院・施設との調整が円滑にできるか、③在宅麻薬管理や胃ろうの管理が適切に行えるか、④多職種と情報共有したチームケアを円滑に提供できるか、⑤診療材料を効率的に購入・提供できるか、などを勘案した場合、地域の実情に応じた在宅医療システム(主治医・副主治医、多職種チーム、バックアップ病院・施設)の構築が必要と感じる。さて、平成23年版厚生労働白書(http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/11/)で、「情報共有化で在宅医療従事者の負担軽減」(http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/11/dl/02-04.pdf)として、在宅医療チームが紹介されている。SharePoint Workspace(http://office.microsoft.com/ja-jp/sharepoint-workspace/)の旧モデル Microsoft Office Groove(http://www.sophia-it.com/content/Microsoft+Office+Groove)で在宅IT連携が行われているが、このチームは、当初、開業医8人のグループでスタートし、ターミナルと胃ろうケースのみ対応し、紙の連携パスが使用されていた。現在は、すべての症例に対応し、IT連携パスのためのMicrosoft Office Grooveは、50ヵ所以上で導入され、ホームページ(http://www.niikawa-zaitaku.net/)も出ている。そこに至るまで、多数の会合、研修、住民PR等が重ねられている。やはり、在宅医療システム化にはプロセスを感じるところである。また、「信頼関係に基づく顔のみえるヒューマンネットワーク」が基本であることを改めて感じるところである。
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医療機能情報提供制度の行方

2011年09月24日 | Weblog
22日の社会保障審議会医療部会資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001p9ka.html)が出ているのでみておきたい。「医療情報の提供のあり方等に関する検討会」が再開され、①医療機能情報提供制度や医療広告規制のあるべき姿、②医療の質に関する指標の公表のあり方、③医療機能情報提供制度の対象項目や運用のあり方、④病院のホームページの取扱い等が検討されるという(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001p9ka-att/2r9852000001pexh.pdf)。厚労省の行政事業レビューシート(http://www.mhlw.go.jp/seisaku/jigyo_siwake/rv3.html)では、医療機能情報集約システム経費(http://www.mhlw.go.jp/seisaku/jigyo_siwake/dl_rv3/039a.pdf)があがっており、病院等から各都道府県に提出された医療機能情報について、各都道府県から厚生労働省に電子媒体で提出させ、当該情報を集約し、データベース化するとされるが、どこまで進んでいるであろうか。医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/index.html)も介護サービス情報公表制度(http://www.espa-shiencenter.org/preflist.html)と同様に、国家レベルで、少なくとも、①Webによる公表情報の直接入力、②厚労省による公表サーバーの一元管理、③公表期日の統一化、④利用しやすい画面表示、は進められるべきと感じる。一応、各都道府県ではWebによる公表情報の直接入力ができるようになっているのであるが、あまり進んでいない。「介護サービス情報」(http://www.espa-shiencenter.org/preflist.html)と「医療機能情報」(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/index.html)は、「レセプト情報・特定健診等情報」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000013uoy-att/2r98520000013uxb.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001bxyg.html)のような国家レベルのデータベースは構築されないのであろうか。医療機関データベースが構築されれば、全国比較による各地域の医療機能の過不足評価に役立つはずである。ところで、自治医大卒医や今後の地域枠の医師の配置(義務年限内)は公立病院・診療所に対して行われるであろうが、その派遣ルールに関して、特別に公費が投入されているからには、客観的評価と情報公開が必要になるのではないか、と感じないではない。医師の配置自体は病院経営に決定的な影響を与える。
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鳥インフルエンザ発生時の対応

2011年09月23日 | Weblog
9月20日に新型インフルエンザ対策行動計画が改定されている(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/kettei/110920keikaku.pdf)。別添で国内で鳥インフルエンザが人に感染した場合の対策が出ているが、それ以前の家きんでの鳥インフルエンザ発生時の対応が喫緊の課題であろう。既に、国内の自治体で何度も発生しており、いつ、また国内で発生してもおかしくないからである。これに関して、「国内の鳥類における鳥インフルエンザ(H5N1)発生時の調査等について」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/01-13_061227.html)、「野鳥等における鳥インフルエンザ(H5N1)の発生への対応について」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/01-21.html)、「鳥インフルエンザ(H5N1)に係る積極的疫学調査の実施等について」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/01-14_061122.html)の通知が出ている。しかし、現状の国通知では、①防疫作業従事の際の健康調査や作業除外基準がない、②防疫作業における感染防御指導、作業管理がない、③不活化ワクチン接種がない、④予防投薬方法が明確でない(開始時期、投与期間等)、⑤検体採取・検査がない、⑥健康相談対応がない、などの課題がある。各自治体では対応マニュアルが整備されているが、これまでの事例を踏まえて、公衆衛生的な対応の標準化を図る必要性を感じる。
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経団連規制改革要望

2011年09月23日 | Weblog
2011年度経団連規制改革要望(http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/088/index.html)では、「レセプト情報・特定健診情報データベースの提供範囲の拡大」「後期高齢者支援金の加減算制度の評価内容の柔軟化」が項目に挙げられているのが目に付いた。そういえば、健康保険組合連合会「平成22年度健保組合決算見込の概要」(http://www.kenporen.com/include/press/2011/201109082.pdf)によると、赤字組合は全組合の8割、全体の昨年度の赤字額が4154億円に上る見込みとされていた。各健保組合での医療費適正化策がどの程度講じられているのか、気になるところである。
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人間ドックの超音波検査

2011年09月23日 | Weblog
以前、検診機関の臨床検査技師から、こんな話を聞いた。メタボの方が、保健指導によって痩せたため、人間ドックの超音波検査が観察しやすくなり、早期の腎臓がんが見つかったそうである。超音波検査だけではなく、乳房X線検査、胃X線検査等でも、受診者側の要因が小さくないのは確かである。しかし、それだけではなく、大きな要因が2つある。一つは検査スタッフの資質である。特に超音波検査では技師の能力が大きく、能力向上のためには研修と経験が欠かせない。そして、もう一つは検査機器の性能である。そういえば、このホームページ(http://www.innervision.co.jp/041products/03son_top.html)では新製品情報が出ている。検査スタッフや検査機器を勘案すれば、精度のためには、それなりのコストがかかるのは当然といえるかもしれない。
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糖尿病の保健医療連携

2011年09月22日 | Weblog
昨夜、管内の保健医療関係者が集まって、糖尿病連絡会を開催した。今回は、県のマニュアル策定の動きを踏まえて、糖尿病の保健医療連携がテーマである。市町村では特定健診でHbA1c6.1以上の未受診者を受診勧奨し、その後の受診の有無は、従来は電話や訪問で確認していたが、今年度から3ヵ月後にレセプトで確認するようになっている。T町では、未受診で優先度が高い方(HbA1c7以上)には訪問指導を行い、医療につなげるという。しかし、HbA1c7以上でも医療機関では要治療とならない場合が少なくない。とはいえ、食事指導、生活指導が必要なのはいうまでもない。医療機関でも指導を行っているものの、時間をかけた丁寧な指導には限界があり、診療所では管理栄養士や保健師がいるわけでもない。従来から、N市では、医療機関から、食事指導、生活指導が必要なケースを紹介してもらうシステムが運用されているが、今年度からK町でも同様な取り組みが実施され、T町も前向きに考えたいという。その他、市町村では糖尿病関連の様々な事業が行われており、医療関係者に知ってもらうことが必要である。また、一方で、保健関係者は医療機関の動きを理解しなければならない。K病院では糖尿病地域連携パスの運用に向けて準備が進められるとともに、教育入院も複数のコースが設けられ、メニューも変わるらしい。とにかく、連携にはコミュニケーションが不可欠である。昨夜のような連絡会だけではなく、研修会、勉強会のほか、保健所からの病院連携室や診療所への訪問も役立っているように感じる。そして、行政側は事業を実施するだけではなく、レセプト分析、健診結果分析、統計分析等をもとにした戦略的な取り組みと評価が必要であることを改めて感じたところである。
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新たな母子健康手帳

2011年09月22日 | Weblog
「母子健康手帳に関する検討会」資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001oujo.html)が出ているのでみておきたい。来年度から新たな手帳がでるらしい。
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在宅医療、医療介護連携

2011年09月21日 | Weblog
「鈴木医療課長、在支診の看取り促進に言及- 来年度診療報酬改定で」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35570.html)。<以下一部引用>
<厚生労働省保険局の鈴木康裕医療課長はこのほど、国際医療福祉大大学院(東京都港区)で開かれた「医療経営セミナー」で基調講演し、患者の自宅療養をサポートする「在宅療養支援診療所」について、「1年間全く看取りをしていないところと、しているところがきれいに分かれる」と述べ、来年度の診療報酬改定では、同診療所による在宅看取り機能の促進が検討課題の一つになるとの認識を示した。在宅療養支援診療所は24時間体制で往診や訪問看護を実施する診療所で、2006年度の報酬改定に伴い新設された。在宅での患者の看取りなどが主な役割だが、同省の調べでは、1年間に全く看取りを行っていない診療所が昨年7月時点で約半数を占めたという。鈴木課長は講演で、高齢化の進展に伴って在宅医療のニーズが増えることで、既存の在宅療養支援診療所だけでは対応し切れなくなる可能性を指摘。「在宅療養支援診療所を活性化するほかに、例えば通常の診療所や一定の病院にも(看取りに)関与していただくことが大事だ」とも述べた。(中略) 来年度の報酬改定で論点となる項目としては、在宅療養支援診療所の機能促進のほかに、▽慢性期入院医療 ▽訪問看護 ▽リハビリテーション-などを列挙した。このうち慢性期入院医療に関しては、「高齢者がすぐ3次救急の窓口に行くのではなく、医療機能が整っている療養病床なり、一般病床の一部で引き受けられないか」などと述べた。セミナーでは、同省老健局老人保健課の大竹輝臣課長補佐も基調講演し、介護報酬改定の課題として、介護老人保健施設など介護施設の役割の明確化を挙げた。現行の介護保険法では、老健施設の役割として入所者への在宅復帰支援やリハビリテーションの提供を掲げている。しかし、同省の調べでは、老健施設を09年度に退所した人の行き先は「医療機関」が52%と過半数を占め、「自宅」の26%を大きく上回った。さらに、一人も自宅に退所していない老健施設が全体の19%あることも分かっており、大竹課長補佐は「老健施設の本来機能をいかに取り戻させるかが、今後の介護報酬改定の一つの論点になる」と強調。入所者へのリハビリテーションについては、「少なくとも週2回は提供していただきたい」と述べた。>

在宅医療には、診療所だけではなく、訪問看護、訪問介護、薬局、歯科診療所、バックアップする病院など、様々な機関が関わっている。在宅医療といっても幅があり、通所サービスやショートステイを利用するケースも少なくない。それらの機関が、経営母体が異なっていても、「信頼関係に基づく顔のみえるヒューマンネットワーク」が構築されていることが必要で、各地で様々な取り組み(協議会・連絡会、研修会・事例検討会、連携パス運用など)がなされている。その取り組みをどのように企画・実施し、維持・拡充するか、それぞれの地域で試行錯誤されているであろう。最近、それは、権限や予算とは次元が違うことを改めて実感している。厚労省資料「地域医療連携体制構築に関する保健所の関与について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000013jau-att/2r98520000013jni.pdf)は、保健所の医療介護連携の関与にあたっても参考になるかもしれない。ところで、報道されているように、在宅療養支援診療所であっても全く看取りを行っていないところが少なくない。逆に、在宅療養支援診療所ではない診療所が積極的に看取りを行っているところも多い。さらに、在宅ターミナルといっても、看取りは病院(数日)でも直前まで在宅のケースも多い。要するに、在宅医療は、在宅療養支援診療所や在宅看取りだけでは、正しく評価できないということである。
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DPAT構想

2011年09月20日 | Weblog
東日本大震災がこれまでの自然災害と異なるのは、①巨大地震、津波、原発事故の極めて深刻な複合的被害、②被災地域が超広域、③壊滅的破壊による被災自治体の行政機能不全とライフライン破壊、④高齢化が進んだ中小規模の自治体の被災、⑤慢性疾患を持つ被災者に対する高い医療支援ニーズ、⑥被災地での被害フェーズの混在、⑦県を越えた広域での多数の避難者受け入れ、⑧多数の患者・要介護者の広域搬送、⑨復旧・復興の長期化などがある。まさに、既存の防災マニュアルでは想定外であり、組織的な調整と広域的な支援体制が必要である。そういえば、7月27日の災害医療等のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001khc1.html)では、保健所の機能強化を求める声が続出している(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001k7mv.html)(保健衛生ニュース8月8日号)。災害医療コーディネーターに保健所が参加し、災害拠点病院、地元医師会、県・市町村と調整することが必要であるが、東日本大震災のような大災害の場合には、コーディネーターを支援する機能が不可欠であろう。こうした中で、公衆衛生版DMAT(DPAT;Disaster Public health Assistance Team)構想が提唱されている(保健衛生ニュース9月12日号)。都道府県等で事前に公衆衛生医師、保健師、管理栄養士、衛生課関係職員、事務職、運転手などを登録し、訓練しておき、災害規模に応じて、同一ブロック、全国の都道府県から派遣するものである。DPATは、被災直後から、被災地の公衆衛生責任者の意思決定を支援し、求められる支援内容や外部派遣の人数を評価し、保健医療再建計画策定まで関わるとされる。これまでの東日本大震災の取組の検証を通じて、DPAT構想が具体化することを期待したい。従来から警戒されている東海地震、東南海・南海地震、首都直下地震等の大地震に備えなければならない。ところで、NHK番組(https://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20110915-31-07556&pf=f)では、東日本大震災での巨大津波の謎が解説されているが、3.11地震の震源域で、なぜ、数多の地震研究者・専門家が全く想定できなかったのか、気になるところである。

サイエンスZERO「巨大津波の謎を探る~解き明かされる新メカニズム~」(http://www.dailymotion.com/video/xl07z7_yyyyyzero-yyyyyyyyy-yyyyyyyyyyyyy_news)。

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生活保護費で覚せい剤

2011年09月17日 | Weblog
NHK「覚醒剤逮捕 2割は生活保護受給」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110916/k10015639481000.html)。<以下引用>
<神奈川県内で、ことし6月までの半年間に覚醒剤の使用や所持の疑いで逮捕された容疑者のうち、およそ20%が生活保護費の受給者だったことが分かり、警察は、暴力団などが定期的に支給される生活保護費を狙って受給者に近づき、資金源にしているとみて実態を調べています。神奈川県警察本部は、ことし1月から6月までの半年間に神奈川県内で覚醒剤の使用や所持の疑いで逮捕した426人について、実態を調査しました。その結果、逮捕された容疑者のおよそ20%に当たる85人が生活保護費の受給者だったことが分かりました。逮捕された受給者の年齢別では、40代が33人、50代以上が27人などと、40代以上が全体の70%を占めています。覚醒剤の使用では再犯者も多く、支給される生活保護費が覚醒剤の購入代金に回っている実態があるということです。神奈川県警察本部は、暴力団などが定期的に支給される生活保護費に目を付け、受給者に近づいて覚醒剤を売りつけることで安定的な資金源の1つにしているとみて、実態の解明を進めています。>
 
福祉行政報告例(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/38-1a.html)によると、生活保護の被保護世帯数は伸び続けている。生活保護を利用した「貧困ビジネス」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A7%E5%9B%B0%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9)の実態はどうなのであろうか。しかし、こんな記事もあった。若い世代の生活保護受給者には、特に注意されなければならないということである。
 
読売新聞「組員104人が生活保護申請…愛知県、5年間で」(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110904-OYT1T00199.htm)。<以下引用>
<厚生労働省が暴力団構成員に対する生活保護不適用の徹底を求めた通知を出して以降の5年間について、愛知県内の市町村に受給を申請していた構成員の数を県警が集計したところ、計104人に上ることがわかった。いずれも各市町村から県警への照会で組員らと判明したケースで、全て申請の却下や支給停止の措置が取られている。一方、照会件数は、全体の申請者や受給者に比べ、ごく一部にとどまり、県警幹部は「発覚したのは氷山の一角とみられ、積極的に照会を」と呼びかけている。生活保護の受給者や申請者について、各自治体は個別に地元警察へ相談や確認をしていたが、愛知県と名古屋市は昨年、暴力団構成員として登録されているかどうかを照会し、情報の提供を受ける協定を県警と結んだ。岐阜県は2007年、三重県も08年に同様の協定を締結。県警への照会で構成員と判明した人数は、岐阜県は集計を始めた07年度から昨年度までで15人、三重県は昨年度までの3年間で8人だった。(2011年9月4日12時04分 読売新聞)>
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介護保険関係資料

2011年09月16日 | Weblog
12日の「介護保険サービスに関する関係団体懇談会資料」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001ogb7.html)で、論点(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001ogb7-att/2r9852000001oggt.pdf)には目を通しておきたい。指摘されている点に基づいて介護報酬改定がなされるのであろう。なお、この資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001ogb7-att/2r9852000001oghi.pdf)では、「介護療養病床はターミナルと認知症身体疾患合併症患者を中心に診る。」とされているが、もっと療養病床も含めて、医療(介護)連携を推進する必要があるように感じる。また、「在宅死が80%から20%を割り込んだこの約60年間の時計を、逆回転させて在宅死のみを50%以上にすることは本当に可能か。」とされている点については、「在宅での看取り」のみに固執している限りは不可能であろう。いざという時に、バックアップする病床があるから、安心して在宅診療・ケアができる場合が少なくないからである。

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TPPによる医療の市場化

2011年09月15日 | Weblog
全国保険医団体連合会「ねらいは医療の市場化……世界の潮流に逆行するTPP参加」(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/seisaku-kaisetu/110914tpp.html)。<以下一部引用>
<政府は「新成長戦略」において、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加を示し、2010年11月9日に閣議決定された「包括的経済連携に関する基本方針」で、「看護師・介護福祉士等の海外からの人の移動」と「海外の優れた経営資源を取り込む」ことを掲げている。一方、アメリカのオバマ大統領は、来年11月の次期大統領選挙に向け、TPPという枠組みを国内の雇用拡大のてこにすると報じられている。「TPPを通じて、貿易障壁を取り除き、市場を開放するようアジア諸国を説得する」(「経済報告2011年版」)として、「日米経済調和対話」(年次改革要望書 ―2008年まで日本に提示―に代わる対日要望)で、医療や保険など10分野にわたる規制緩和を要求している。(中略) 政府は「抜本的な国内改革を先行的に推進する」方針で、行政刷新会議「規制・制度改革分科会」の中間報告(10年11月)では、国民皆保険制度について、「真に国民に必要な医療を整理し、公的保険の適用範囲を再定義する」と踏み込み、①「事前規制から事後チェックへ転換し、実施する保険外併用療養費の一部を届出制に変更」して、原則禁止の混合診療をなし崩し的に拡大する、②条件付きで営利企業の役職員が医療法人の役員となることや、医療法人への剰余金配当等を認める―ことを打ち出している。(中略) 現在、世界貿易機関(WTO)の「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」では、ジェネリック医薬品企業は、既存医薬品の臨床データを使用することが認められている。 これに対し、TPP交渉でのアメリカの提案では、独自に臨床実験をやり直さなければならなくなり、実質的にジェネリック医薬品を製造できなくなると指摘している。アメリカの製薬企業の高収益構造を維持することが狙いである。 TPP参加で「ヒト、モノ、カネ」がアメリカから医療分野になだれ込む、あるいは流出するようになれば、国民皆保険の土台が崩れることになる。TPP参加は医療を守り育てようとする世界の潮流に逆行する道でしかない。>
 
朝日新聞「野田首相「TPP進めないといけない」 経団連会長に」(http://www.asahi.com/politics/update/0912/TKY201109120083.html)。<以下一部引用>
<野田佳彦首相は12日午前、日本経団連の米倉弘昌会長(住友化学会長)と首相官邸で会談した。米倉会長によると、野田首相は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加問題について「TPPも進めないといけない」と、前向きな姿勢を示したという。米倉会長がTPPのほか、東南アジア諸国連合(ASEAN)や欧州連合(EU)との経済協定の交渉促進を求めたのに対し、首相は「米国側はTPPを非常に強調しているので、TPPも同時に進めないといけない」と語ったという。>
 
報道の影響なのか、どうも社会一般には「TPP=農業問題」のイメージがあるように感じる。しかし、米国大使館「日米経済調和対話」(http://japan2.usembassy.gov/j/p/tpj-20110304-70.html)をみると、そうではないことがわかる。TPPによる医療の市場化の可能性について、大手メディアはなぜ報じないのであろうか。そういえば、医学誌Lancetが9月1日、日本の保健医療に関する特集号を発行している(http://www.thelancet.com/japan)。「海外からは「日本が保険給付の公平性を保ちながら医療費を抑制していることは驚異的」とみられている」(http://www.dm-net.co.jp/calendar/2011/015833.php)ことは知っておきたい。その観点では「TPP参加は医療を守り育てようとする世界の潮流に逆行する道」(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/seisaku-kaisetu/110914tpp.html)といえるのかもしれない。しかし、日本の首相が「米国側はTPPを非常に強調しているので、TPPも同時に進めないといけない」と語っている(http://www.asahi.com/politics/update/0912/TKY201109120083.html)ように、逆行かどうかは、立ち位置によって変わるといえるかもしれない。
 
・日本医師会「規制・制度改革の基本方針に対する日医の見解」(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110413_1.pdf)(http://www.med.or.jp/shirokuma/no1416.html)
・日本医師会「ライフイノベーションワーキンググループの検討項目に対する日医の見解」(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110216_1.pdf)。
・日本医師会「医療における規制改革とTPPについての見解」(http://www.med.or.jp/shirokuma/no1379.html)。
・日本医師会「政府のTPP参加検討に対する見解」(http://www.med.or.jp/shirokuma/no1354.html)。
・全国保険医団体連合会「国民皆保険を壊すTPP参加は容認できない」(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/110305tpp.html)。
・全国保険医団体連合会「医療の市場化拡大を狙うTPP参加は、国民皆保険制度の崩壊を招く」(http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/110131tpp.html)。
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