ミカエルの函館散策記

美しい夜景と異国情緒溢れる町・函館。
名所・旧跡・食べ処をご紹介していましたが今や万屋。
ご訪問に謝々。

第755号 いっきゅうさ~ん!

2012年10月02日 | 教会、寺院、神社、墓地、碑、像
五稜郭タワーの向かいにある「最上寺」。

 

こちらの境内に入って、珍しい工作物を発見し驚いた。
それは窓なのだが、まるで「日本昔話」に登場する味のある構造。

 

 

だから「いっきゅうさん」が出てきても、不自然さを感じさせない。
この窓「かとうまど(火灯窓)」と呼ぶ。

おもに寺社建築・城郭建築・住宅建築などに見られる。
上枠を火炎形(火灯曲線)または、花形(花頭曲線)に造った特殊な窓。
ほかに、華頭窓、架灯窓、瓦灯窓などと表記する。

歴史的あゆみ。
元は、中国から伝来したもので、禅宗の窓として使われていた。
しかし、安土桃山時代頃にそのデザイン性から、
禅宗以外の仏教寺院でも、また、仏教建築ではない神社や天守などにも採用。
城郭建築、書院造の邸宅に使われていった。
また、仏教建築以外にも、
イスラム教やキリスト教の宗教建築にも見ることができる。

国際的ブランド建造物で、この窓を見ることができるのは、
①円覚寺舎利殿(15世紀前半)
②慈照寺銀閣(1489年)
③松江城天守(1607年)
④西本願寺書院対面所(1632年)
⑤姫路城小天守(1601年)

近代化建築が隆盛となればなるほど、
哀愁を感じさせるこの窓の存在が大きいと思う。


ミカエル


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