ミカエルの函館散策記

美しい夜景と異国情緒溢れる町・函館。
名所・旧跡・食べ処をご紹介していましたが今や万屋。
ご訪問に謝々。

第682号 鯨族の霊を弔う供養塔

2011年11月23日 | 教会、寺院、神社、墓地、碑、像
子供の頃、よく食べた鯨肉。
赤肉をフライパンで焼いたステーキ。
皮膚に近い部肉は、ウネスハムに加工され、おやつだった。
暮れに大鍋で作る鯨汁。
牛や豚よりもはるかに安く、庶民の胃袋を満たしてくれた。

近年は世界的反捕鯨気運が高まり、本格的捕鯨は休止中。
僅かに調査捕鯨という名目で、細々と継続中。

函館山の麓、西中学校の東側、大谷派船見支院の下にあるのが
この”鯨族供養塔”。

捕鯨船船長兼砲手だった”天野太輔さん”が、昭和32年、
83歳の時に建立した。

天野さんは、明治40年から捕鯨に従事、26年間で二千数百頭を
捕獲したという。
食料にしたとはいえ、命を奪った罪の深さを思い、
自費でこの供養塔を建てた。
塔の上には、セミクジラ像が横たわっている。

 


① 江戸時代、函館近海でも捕鯨が行われていた。
幕府は、1857(安政4)年、ジョン万次郎を派遣し、捕鯨指導を
行わせた。
ペリーの来箱から3年後のことである。

② 函館山は、約1200万年前にできた火山島。
約6000年前から砂州がゆっくりと成長し、亀田半島とつながった。

昭和30年代のこと。
市役所そばの変電所増改築工事で、地中から鯨の骨が出現した。
このことから、上記①、②のことが証明されたと言えよう。

春には関係者、僧侶らで慰霊祭が行われている。

鯨よ、有難う!




ミカエル




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