ミカエルの函館散策記

美しい夜景と異国情緒溢れる町・函館。
名所・旧跡・食べ処をご紹介していましたが今や万屋。
ご訪問に謝々。

第750号 北海道の菓子パイオニア「函館千秋庵総本家」

2012年09月02日 | 美味満足技処、買い物処
天気のよい日は、スニーカーを履き、市電、バスの一日乗車券を買い求め、
西部地区をゆっくりと散策。
素晴らしい意匠を持つ建物や歴史ある建造物に目を奪われ、しばし佇む。
私にとっては、至福のひとときだ。

函館には、北海道一の暖簾の古さを誇る菓子の「千秋庵総本家」がある。
場所は宝来町の護国神社坂上り口。
函館の町並みにあっては、珍しい「なまこかべ」が目を引く。

このあたりは、昭和9年の大火で焼け野原になったから、現店舗の
建築は、早くても同年だと推察される。

営業歴史は古く、江戸時代・万延元(1860)年まで遡る。
この年は、ペリーが箱館に来航し開港してから5年あとのこと。
そして中央では、「桜田門外の変」が起きた年でもあった。

この年、初代店主・佐々木吉兵衛は、22歳になっていた。
郷里秋田を出てから、関東方面で菓子修行を終え箱館へ。

箱館にやって来た若き吉兵衛は、
街中の賑わいに驚いた。
国際開港地として、急速に発展した箱館は、起業家としての彼の心を
奮い立たせた。
なにしろ、直近年(1857年)の箱館の人口は10,180人を数えていたからだ。

吉兵衛は、港で仕事をする人々を相手に、食べ物や甘い物の立ち売り
を始めた。
これが千秋庵総本家の始まりだった。

千秋庵の経営は、当初、佐々木家。のち(大正末期)には、松田家へと
引き継がれ、現在に至っている。

 

 

◎千秋庵総本家の暖簾分け(現在も営業中なのは、札幌の千秋庵製菓と帯広の六花亭製菓の2社)

○函館千秋庵(1860年~)→ 千秋庵総本家

①小樽千秋庵(1894年~)廃業 → 札幌千秋庵(1921年~)=千秋庵製菓→ 帯広千秋庵(1933年~)=六花亭製菓

②旭川千秋庵(1919年~)廃業

③釧路千秋庵(1934年~)廃業 


 

一昨年、総本家は創業150周年を迎え、ますます隆盛中。
これを記念して、「函館千秋庵総本家150年の歩み」という冊子を出版
された。
末尾に「お客様へのおもてなし」欄があった。ご披露したい。

千秋庵総本家では、西桔梗工場でおつくりするお菓子を、宝来町本店、本通店、丸井デパート店、棒二森屋アネックス店の4店にて販売いたしております。
接客におきましては、「お客様を笑顔でお迎えし、ほっと安心して寛がれるお姿を笑顔でお見送りさせていただくこと」ができるよう、日々努めております。
しかしながら、まだまだ至らぬ点が多くございます。
社員一同、今後もより一層精進してまいりますので、変わらぬご支援のほどを心よりお願い申しあげます。

子供のころ、家人が葬式や法事から戻ると真っ先に目をやったのが
風呂敷包。
開くのを心待ちにしていた。
黒地に白文字が入った包装紙の箱が顔を見せると、心の中で万歳。
中身はもちろん総本家の大きな「中華まんじゅう」。
ぜいたくなお菓子で、二日は楽しむように少しずつモグモグしたのを
覚えている。

函館千秋庵総本家は、これまでも、これからも、函館の誇りであることに、
間違いはない。

総本家のHPは、こちらからどうぞ!


ミカエル


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私も総本家のファン (千秋)
2012-09-04 18:16:28
ミカエルさん、こんばんは。
ちあきと申します。
私は、どら焼きと季節限定のさくら餅が大好きです。
宝来町店へ行きますと、落ち着いた町並みがすきで、心が洗われます。

六花亭とのつながり、初めて知りました。
また、寄らせていただきます。
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ちあきさんへ (ミカエル)
2012-09-04 22:21:15
こんばんは!
ようこそおいでくださいました。
さくらもち、どら焼きは、私も妻も大好きです。
どちらも味に深みがありますね。

六花亭が函館に進出。
本町の丸井デパート地階に仲良く隣り合わせ。
良い意味でのライバルになってほしいものですね。

ミカエル


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