福田の雑記帖

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池田理代子ソプラノリサイタル(2)歌う喜びに溢れた、楽しいコンサート

2008年04月22日 06時06分00秒 | 音楽談義
4月18日秋田市アトリオンホールにて池田理代子ソプラノリサイタルが行われた。池田氏は例のベルばらの作者である。
共演者は3人で、ピアノ伴奏:黒木直子氏、フルート:中村 忠氏、打楽器:吉田千香氏、何れも名の知られた方らしいが私は初めて聞くお名前である。

演奏曲目は、前半は■ヘンデル:「オンブラ・マイ・フ」■プッチー二:「私の愛しいお父様」■ヴェルディ:「パリを離れて」■H.シュテックメスト:『歌の翼』による幻想曲(P+Fl)■ベッリー二「清らかな女神よ」。
後半は日本の歌で、■絵ぼんぼり■宵待ち草■荒城の月(P+Fl+Percussion)■初恋■平城山■青葉の■踊り子■さくら■故郷■赤とんぼ。

声楽家として池田氏の資質や技術を何と評価するかなど、細やかなことは私には分からないが、声量は豊かで高音部のフォルテではホールに声が響き渡った。ただ、ビブラートが終始過剰と感じたが、技術上の問題というよりは、彼女の声の特性なのかも知れない。また、低中音から高音部に一気に飛び上がる離れた音程でも、ぴたっと決まるのが心地よかった。

前半ではやはり力量、技術不足かな?年のせいかな?と感じた部分もないわけではなかったが、そんなことより私は氏の歌と語りに次第に引き込まれていった。特に後半は見事であった。場合によっては中座するつもりであったが、協演したピアノ、フルート、パーカッションも心地よく、いつもなら微睡みながら聴くのであるが、一睡もせずしっかり最後のアンコールまで楽しんだ。

このコンサートの魅力は歌そのものにも充分あったが、歌うことに喜びがこぼれ落ちるほど溢れていること、自分は歌手として遅いスタートだったからいつまで歌えるか分からないが、今は舞台に立っている幸せ、この曲を歌える一瞬一瞬の喜びを最高に感じている、という雰囲気だった、と思う。だから既に還暦を迎えた方と思えぬような溌剌さと同時に謙虚さも感じ取れ、笑顔も豊かであったし、曲の合間の語りにもついつい引き込まれ、氏と生きている喜びを共有してしまった、ということである。

ベルばらにもこんな氏の性格が表現されていたから大ヒットしたのかもしれない。
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