福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

秋田市の話題2020(2) 新文化施設の中ホールに反響板を是非

2020年01月22日 18時41分06秒 | 秋田の話題
 秋田市の千秋公園脇に建設中の新文化施設は、 大ホール2000席、一階部分使用で1300席、中ホール800席、という。老朽化した県民会館に代わる施設として期待されている。
 施設の中ホール(800席)を巡っては、県管弦楽連盟がこの設計では生演奏の音や声が客席に届かないとして、反響板の設置を県や県議会議員に要望していた。 

 しかし、県は設計変更しない方針を明らかにした。
 理由についてアトリオン音楽ホールなど同規模の施設が市内にあり、住み分けを図ることができるから、としている。 

 反響板は、音の響きを良くするため天井や壁に設けられる板のことで、吹奏楽や合唱、管弦楽などの生演奏の際には欠かせない装置である。 
 演劇など舞台芸術の関係者からは反響板があると舞台装置が設置できず、演出の妨げになる。舞台芸術に特化したホールが一つあつても良いとの声が上がつている。
 ならば、折衷案として移動式あるいは壁面、天井等への収納式を考えればいい。

 県管弦楽連盟の代表、県吹奏楽連盟理事長は音楽団体が中ホールを使うことが考えられるので、音響への配慮があることが望ましい、と言う。私もその通りだと思う。

 県文化振興課によると、秋田市には新文化施設の中ホール(中ホール800席)と同規模のものとして、アトリオン音楽ホール(700席)と、反響板を備えた県児童会館こども劇場(778席)があるから、という。

 新文化施設の建設の際、他の施設との競合があるにも関わらず県と市は計画を強行したが、この問題の蒸し返しであり、今更なんだ??と思う。

 音楽の愛好者にとってホールの音響は極めて重要である。ホールは楽器の一部と捉えるべきである。同様の施設があるから、ということで音響について配慮しないのであれば主客転倒の考えである。
 新施設に関するニュースは計画の時点から追っているが、音響工学の関与がどの程度なされたかのニュースはなかった。現在の音響科学の発展は目覚ましい。日本の技術が世界に生かされている。音響設計についてどのような過程を経て決まったのか、明らかにしてほしい。

 建設費用などの問題はあろうが、重要な設計の根幹が音響に、音楽に関心のない部局の判断で進められるのは納得できない。

 ちなみに、秋田市の中心部には以下の施設がある。
———————————————————————
 ■ 新文化施設(現在建設中) 大ホール2000席、一階部分使用で1300席、中ホール800席)
———————————————————————

 ■ 秋田市文化会館大ホール 1188席
 ■ アトリオン音楽ホール 700席
 ■ 県児童会館こども劇場 778席
———————————————————————
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする