福田の雑記帖

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全世代型社会保障改革2020(4)  検討会議の前評判は?

2020年01月15日 09時30分59秒 | 政治・経済 国際関係
 全世代型社会保障改革検討会議の事務局は、「会議の役割は二段高い目線からの改革の基本方針を決めることだ」と説明する。会議で全体の方向性を示し、厚労省や内閣府などの審議会には、検討会議や与党の議論に耐えられる具体的な改革案を検討してもらう、と言う。首相は「人生100年時代」にとって今回の会議は「社会保障政策の集大成になる」と強い意気込みで語る。

 ただ、事務局の姿勢、首相の強気の発言とは裏腹にその実効性には疑問も挙げられる。

 首相が挙げたテーマは検討すべき論点も多い。改革によって生じる利害対立をどう調整するか難しい。にもかかわらず、会議の開催ペースは「月2回」程度??。年末の中間報告まで3回だけだった。スーケジュール限定は、あまりにも性急だ。わずか2,3ヵ月で議論が深まるとは思えない。

 会議の顔ぶれも経済界が中心で、労働者の社会保障の受け手である労働組合の代表者はおらず、女性の有識者も1人、医療界や介護看護、福祉関係の代表はいない。この陣容で、しかも短期間で果たして改革の名にふさわしい幅広い議論が展開されるものだろうか。「机上の空論??」、空論ですまないのが恐ろしい。
 もっと時間をかけ、さまざまな分野の人の意見を聴き、国民議論の喚起をしてほしい。

 はっきり言えばもう結論は出ている、と言っていいだろう。何ら根本的改革は出ない。従来の方向性の上でほころびを修正していくだけ、で終わるだろう。

 社会保障の抜本的改革は出来ない。
 将来にわたり、社会保障を賄うには消費税率を10%では全く足りず、さらなる増税が必要との指摘がある。
 首相は消費税率を10%に引き上けた後、「今後10年間ぐらいは消費税を上げる必要はないと思っている」と無責任な発言をした。リップサービスのつもりだろうが、先の改革議論を閉ざしてしまう無責任発言である。新たな財源の議論を首相自らが封印した。検討会議はこの点を議題にしないとしているが、経済的背景を持たない社会保障改革の議論だけで何ができるのか。

 だから、切り込んだ議論にはならない。社会保障給付の削減が中心となる。

 今回の「全世代型社会保障改革」には与党からも冷ややかな声があがっている。自民党の厚労相経験者は「大風呂敷だけ。大したことはできない」とコメント。某公明党議員は「本来は高齢者数がピークを迎える2040年までを見通して制度のあるべき姿を議論すべきだが、今回はパフォーマンスだろう」と冷ややか。

 高齢者が増える一方、それを支える若い世代が減っていくのだから、年金・医療・介護などの社会保障の維持が難しくなることははっきりしている。そもそも現行制度の線上でで大丈夫なのか。

 特に若い世代が将来に安心感を抱けるよう、持続可能な仕組みを作る必要があるが、その準備はあるのだろうか・・。
 日本の大きな方向性を示せるブレーンはいないのか??

コメント
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