福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

新型肺炎(1) ウイルスは航空機等で世界に運ばれる 人の移動を抑制するしかない

2020年01月24日 08時37分30秒 | 医療、医学
 昨年末に中国・武漢で発生した新型コロナウイルス肺炎について、世界保健機関(WHO)は「現時点では国際的なレベルでの緊急事態には当たらない」と判断した。中国の国外ではヒトからヒトへの感染が確認されていないことなどを踏まえた見解だ。

 しかしそうだろうか?? 発生数が少なければヒトからヒトへの感染頻度は低いのは当然。本質をついていない判断だ。私は対応が後手に回る可能性があり、世界的に危ない、と思う。中国内ではヒトからヒトへの感染を推定させる家族内発生が認められている。また、これだけの急速な伝播はその可能性を示す。もうすでに中国全土から患者が出ている、とも言われている。

 感染者を増やさない対策が必要である。
 感染者が多くなればなるほどウイルスの変異が高頻度に生じると考えられる。ワクチンがないレベルでは人の往来を抑制するしかない。ウイルスは人の体で守られながら航空機、列車等で世界に運ばれる。

 中国で多くの人が移動する春節の大型連休が始まった。感染の広がりの封じ込めに向けて、まさに正念場といえる。数少ない報告例から見ると、潜伏期間はインフルエンザの比でなく長いようだ。だから予防は困難。
 すでに感染して発病前状態の人が無症状のまま移動する。これに対しては水際作戦も無能である。

 事態の重大さを踏まえ、習国家主席は「感染症の拡散を断固防止する」と強調した。中国政府が行った中国武漢市の封鎖は英断である。武漢市では地下鉄や路線バスなどの公共交通機関がストップしているという。
 しかし、その効果は未知数である。一定の効果はあるだろうが決定的ではなかろう。武漢市で、春節を迎えた主要な観光地が休業し、例年のようなにぎわいはなくなった。市中心部での自家用車の使用が禁止されるなど市民への制約も強くなっており、市民の不満は高まっている。
 市内にある6千台のタクシーをすべて政府の管理下に置き、食料や医療品の買い出しや配達の依頼のために市民が無料で利用できるようにする、という。中国政府は武漢市と湖北省に約470億円を投入、450人の軍の医療部隊を派遣し、治療に当たらせている。ほかの省からも次々と医師団が派遣され、国を挙げた援助が行われている。

 こうした支援が盛んに打ち出される背景には、武漢や周辺地域での統制強化で住民の不満が強まっていくことへの懸念がある。
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