コージーアンティークの日記

日記や修理・メンテナンス、アンティーク情報などもろもろをご紹介してゆきます。

『半値8掛け2割引・・・』  価格と評価について思う♪

2010-02-06 16:34:54 | アンティークディーラーの日常
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北風が強く寒い土曜日。

大雪に見舞われている地域もあるかとは思いますが、暖かくして週末をお過ごしください!





先日、BSで竹工芸の番組を見ていると、優しそうな人間国宝の作家の方が登場し、その製作工程を説明されていました。



竹林を訪ね、真っ直ぐに伸びたちょうど良い年数の竹を切り出し、自宅兼工房に持ち込んで材料となる竹の下準備から始めます。小刀数種類を用いて、竹を64分の一、128分の一、といった具合に細く加工し、厚みを整え、大変細い竹の面取りまで。また、必要に応じた本数の竹に、ランプの熱を利用して手で曲げたり。


番組では短く編集されていましたが、熟練の技を持つ作家さんでも、これらの作業にどれだけの時間がかかるのか、想像に難くありません。そもそもこの技術を習得するまで、10年単位の長い月日が必要なのです。


そして、材料の準備が整ったところで、編み作業などを進め、作品の形を作っていくのですが、これがまた気の遠くなるような細かい手作業が永遠と続きます。


以前、飛行機の機内誌を読んでいるとき、日本の竹工芸の細工作品はどんどんと海外に流出している、という記事を読みました。アメリカやヨーロッパにも素晴らしい作品が多く渡っています。

つまり、日本人のそういった作品に対する評価が低いからに他なりません。

不当に、そして異様に低い評価。

元来、江戸時代など昔から伝えられた日本の伝統工芸分野を、当の日本人より海外の方が高く評価するのですから、皮肉なものです。



冒頭の番組を見終わった後に、この竹工芸の作品に値段をつけることは出来ない・・・と率直に感じました。というか、するべきではない、と。


売り手が値段をつけること。
買い手が買い物する際、『安いな・・・』とか『ちょっと高いかな・・・』というのは、そのモノへの評価に他なりません。


特にこうした一点ものの工芸品等に対する評価は難しく、番組に登場した人間国宝の方の緻密で忍耐強い繰り返し作業やその工数、また途方も無く長い経験に裏打ちされた技術を見てしまってからの評価など、もはや人間業ではないと。

『きっと神の領域・・・』

と感じました。

竹の材料費が幾らで・・・などの原価計算は全くナンセンス。しかしながら、修行時代からの何十年もの経験や技術を評価するなど、恐れ多くて到底無理です。

これって、旧知の友人に向かって、『あなたの価値は○○万円だね』と、人間の価値評価をするようなもので、失礼極まりない。神のみに許された所作という感じがするのです。


弊社でも、ご紹介している作品に値段をつけるのですが、これも難しい事です。

同じ品物でも買い付けするタイミングにより価格は異なりますが、基本的にはアメリカのマーケット(現地の市場価格)にあわせるようにしています。理由は簡単で、同じような商品の母数が多いほど、ある程度価格の平均値が収束していくからですが。


作品そのものの作りに加えて、デザイナー自身の経験や実績などを深く掘り下げ、リスペクトを含めた根源的なことを考えて値付けをすると、今の販売価格より高くなることは間違いないでしょう。

そう考えると、市場価格を参考にするということは、値付けが楽になり売り手にやさしいことではありますが、作家さんに少々申し訳ない気持ちにもなります(笑)


昨今、定価や希望小売価格、オープンプライスなどいろいろな価格を目にしますが、よく分かりません。

そう考えると、前回のブログで登場したサザビーズなどのオークションにおいては、最低落札価格とエスティメート(落札予想レンジ)だけを決めておけばよく、値付けをしなくても成り行きで落札価格が決まるので、売り手にも買い手にもやさしい、究極の価格形態かも知れません(笑)


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