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中国とインド、プラグマチックな利益を基盤に和解を目指して(2)

2012-09-10 | ラジオ
アメリカの政治学者たちは、アジアのアメリカが形成されつつあるとの考えを述べ始めたが、これは根拠のない事ではない。
つまり自分達の隣国よりも、アメリカに近いアジア諸国のグループが形成されようとしているということだ。タイやフィリピンといったアメリカの伝統的同盟国以外に、インドもそうしたグループに一歩一歩加わり始めている。このインドとの同盟をアメリカの外交官らは、強大化する中国と釣り合うようにするためのもの、そう見做すようになった。中国政府が、この事を心配しないではいられないのも当然だ。対抗策として中国は、パキスタンとの戦略的協力強化に向けた措置を講じた。
つまりパキスタン政府に武器を供与し、巨大インフラプロジェクト実現に参加している訳だ。インフラプロジェクトの中でも必要なものは、グヴァダル港の整備をめぐるものだ。中国政府はすでに巨額の投資を行った。

ロシアの声の記者の取材に対し、ロシア科学アカデミー国際安全保障問題研究所のフェネンコ研究員は、中国・インド関係には、こうした困難があるにも関わらず、中国にもインドにも、協力の発展に向けたプラグマチックな関心があると指摘し、次のように語っている。
「現在のインドの政治的エスタブリシュメントたちは、アメリカのへの(面白い表現だな)接近は度を過ぎた。そうした接近は公然たる反中国的方向性を持ち、地域で自分達は孤立化してしまったと感じている。
現在インドはアメリカ側に余りに傾いた振り子を、バランスの取れたものにしたいと願っていると思うが、それが出来るかどうかは疑問だ。
というのは、中国側のインドの政策に対する不信が余りに大きなものになっているからだ」
研究員は、このように語っている。

その一方で、中国・インドというアジアの2大国の抱える矛盾を緩和し得るかもしれない状況が今、形成されつつある。
中国と日本、中国と東南アジア諸国の関係が、領土問題をめぐって深刻化したからだ。中国はアジアに中国に非友好的な国々の輪が生まれないよう、インドとの関係を若干改善させる可能性がある。これに応え、軍事分野も含め、対中関係発展に向けたプラグマチックな指向性を、インド政府も示す事が重要ではないだろうか。

アメリカはなぜインドに注目するのか
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9月1日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル