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新たな戦没抑留者リストが日本へ

2012-09-06 | ラジオ
ロシアは日本政府に対し日本人抑留者に関する、以前は調査がなされていなかった新たな資料を渡すことを決定した。引渡しの方法については今週にもモスクワで話し合いが始まる。

旧ソ連領域には旧日本兵の埋葬場所が、およそ600箇所あるとされている。
1956年のソ日共同宣言締結後、ソ連は日本政府に対し、約4000人に及ぶ日本兵士戦没抑留者のリストと、彼らが埋葬されている22箇所の墓地の情報を手渡した。またこの年の末には1025人の抑留者の祖国帰還が実現した。
ソ連側はこれによって全てが終了したと捉えていた。というのも双方とも抑留者問題では互いにクレームを掲げないという同意に達していたからであり、ここ数年、日本側から行方不明となった数万人の抑留兵の情報を渡す要求が掲げられた際も、公式的には同様の回答を繰り返してきた。

ところが冷戦終結とともに、戦没抑留者の埋葬場所を探すという問題の大部分が解決され、戦没抑留者の多くの親族(?)たちも墓参の機会を得た。抑留日本兵のリストのコピーは1991年から日本政府へと渡され始めたが、今回渡されるのは護送部隊の記録で、こうした資料を日本が受け取るのは初めてのことだ。

これについてロシア科学アカデミー極東研究所のパヴリャテンコ研究員は、次のように語っている。
「日本の抑留兵の問題は時代によって様々な角度から、様々な評価がなされてきた。今回の段階では喜ばしいことに、私たちがこの問題の理解において互いにより近づきつつあることが分かる。
日本政府に渡されるのは新たな、まだ調査されていない膨大な量の資料であり、このことから双方が信頼の雰囲気作りに励んでいることが伺える。ロシアと日本は現在ある、そしてこれから起こり得る複雑な問題に向かう際に、それを解決するにはこうした方法以外有り得ない。
これはロシア側にとってはとても前向きなアプローチであり、こうした方法が実践面でとられることは非常に大きな喜びだ。こうしたテーマの膨大な量の文書の調査に関わる、ロシア人の調査員は正当に評価されて然るべきだ」
研究員は、このように話している。

1990年モスクワでは協会・相互理解が創設された。これは日本人の元抑留者との協力問題に従事している機関で、このような組織は地方にも作られた。そのおかげで政府の路線で、日本側に4万人の戦没抑留者リストが渡され、以前は外国人の立ち入りが禁止されていた埋葬場所への墓参が許可され、7千人の遺骨が日本へと里帰りすることが叶った。
新たな資料の複写作業は2013年の4月から開始される。これに必要な費用は日本の国家予算から、すでに割り当てられている。

(?)は若い女性アナウンサーが何と言ってるのか不明

検証 シベリア抑留 (平凡社新書)
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平凡社

8月29日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル