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南シナ海でのプレゼンスを強める中国

2012-09-05 | ラジオ
南シナ海ではベトナム、フィリピン、中国との間で油田、ガス田の開発権をめぐり熾烈な闘いが展開されている。
しかもそのイニシアチブをとっているのはどうやら中国のようだ。昨日(28日)、中国のオフショアの石油企業は、南シナ海で22の油田ブロックの開発を一気に開始するという声明を表した。
この企業が開発を宣言した油田ブロックの多くは、南シナ海の西側にある。まさに領有権争いの対象となっている水域だ。
中国(???)に領有権争いに参加しているのはベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイだ。
中国は今年になって、こうした国際入札を宣言したのが二回目となる。6月末、中国は南シナ海で9ヶ所の油田開発への入札参加を呼びかけたが、実はこの海域ではすでにロシアのガスプロム社と、アメリカのエクソンモービル社が油田探査作業を行っており、探査作業のライセンスはこの海域の大陸棚を支配する、ベトナム政府から購入されている。

国家エネルギー研究所のプラヴォスドフ所長は、論争激化の原因の一つにペルシャ湾の複雑な状況があるとの見方を示し、次のように語っている。
「中東では紛争がエスカレートし、ますます不安定さが拡大している。これに伴いエネルギー資源の供給問題が非常に大きくなっている。中東からのエネルギーに大きく依存する中国は、供給を最大限確保しようと躍起になっており、地球上のどこの地点であろうと、石油ガスの産地を見つけ出そうと必死だ」
所長は、このような見方を示している。

中国が初の国際入札を宣言してからすでに2ヶ月が過ぎた。今のところ潜在的なパートナーからは名乗りは挙げられていない。
こうした一方で今度の入札も国際的な性格を持っているが、専門家たちは今回も世界的な石油企業たちは中国の呼びかけには応じず、これに関心を持つのは政治的なリスクとは、あまり関係のない中規模の企業ではないかと予想している。
ただし中国には、この程度の企業の入札参加で十分のようだ。重要なのは南シナ海の化石燃料を握るのは中国であることを、再びアピールすることにあるからだ。

中国は外交、軍事、経済といかなる手段をとっても、この係争地域における自国の領有権を確立する構えでいる。これは日本との間でもめている尖閣諸島においても同様だ。
日本と中国の対立は一層混迷を深めていることは、中国で駐在中国日本大使の乗った車が襲撃される事件が起きたことからも明白だ。車に付けられていた日の丸はもぎ取られ、何者かによって持ち去られていた。この国旗を巡る事件に関しては中国政府からの謝罪はなく、外交関係に関するウィーン条約に厳しく則って事件解明に努めるという声明が表されたに留まった。
専門家のなかには、中国はパートナーらへの圧力強化のため世論を煽動し、これをツールとして使っているという声も聞かれる。

(???)はベテラン女性アナウンサーの何語か分からない言葉で何を言ってるのか不明

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8月29日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル